焼き魚

登録日:2011/12/06(火) 22:36:19
更新日:2020/02/27 Thu 09:58:40
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焼き魚とは、河川や海などに棲む魚を焼いた料理である。

人類が火を使い出すとほぼ同時に発生した料理だが、飛鳥時代に伝播した仏教の関係で獣肉食の忌避傾向が高かった日本では、特に重要な食文化である。
塩焼きの他、照り焼きなど、種類も豊富である。

かつての日本、取り分け江戸期の武士や町人などは脂身に慣れておらず胃もたれなどを起こす事から嫌い、
初物を珍重していたが、現在は脂のたっぷり乗った物が好まれる。

鮮度も大事だが、サンマやアユ、トビウオなど一部を除いては、内臓食は避けよう。
腸には基本消化中の食い物が溜まる訳で半分腐敗してる様な物だし消化用の細菌などはウジャウジャ居るし海の汚染物は内臓に溜まるのだ。


■焼き方


◆グリル

日本の家庭のガスレンジには、ほぼ全てに魚焼きグリルが備わっている辺りが、日本人の焼き魚好きを物語る。
最近は技術の発達もあり、家庭でも美味しく焼ける。

◆炭火焼き

遠赤外線をたっぷり出す炭火で焼くと、外はパリパリ、中はふっくらに焼ける。
脂が滴った煙で素材が燻され、香ばしさも素敵である。

◆上面焼き

最近注目されだした、上から火を加える焼き方。
上記の炭火焼きは、滴った脂から出る煙の香りがついて香ばしいが、食べ続けると、香りが鼻について、気分が悪くなってしまう。
そこで、上面から火を加える事で、煙をつけず、スッキリとした仕上がりにするのである。
炭火で何でも焼けば最高と思っている方は試してほしい。きっと目から鱗がおちる。

◆ソテー

バターで焼く西洋風。溶けたバターをスプーンで掬って皮にかければパリパリに仕上がる。

◆遠赤外線

遠赤外線のみで火を通す。よほど無茶をしない限り焦げない。


■素材


◆鮭

日本人の朝の定番。ハラミを焼けば夜のメインや酒のつまみにもなる。
皮はお好きですか?
なお「サケ」と「シャケ」の違いは「『シャケ』はアイヌ語の発音」「江戸弁で『サ』が訛って『シャ』になった」など諸説ある。
また「鮭」と「サーモン」の違いは天然か養殖か
大型なマスの一種が「鮭」、海で養殖されたニジマスが「サーモン」となる。
日本人ならシャケを食えぇぇぇ!

◆鯵

青魚四天王第一の将。
アジ。安くて美味しい庶民の味方。干物もいいが、生鯵を焼くと、さっぱりした味わいを楽しめる。

◆秋刀魚

青魚四天王第二の将。
秋の刀魚、サンマ。優秀な器官と食性の関係も有って内臓食が出来る稀有な存在。ハラワタの苦味を大根おろしで消すかどうかは貴方次第。
朝食時に食べると、おや、不思議。とても贅沢。

◆鰯

青魚四天王第三の将。
イワシ。一般的にメザシと呼ばれるものはほぼイワシである。あまり大きくないものであれば、ワイルドに頭から尻尾まで骨ごと丸ごと食べられる。

◆鯖

青魚四天王第四の将。
サバ。煮付けもいいが、塩焼きにするとパリパリした皮めを楽しめる。

上記の青魚四天王、基本的にはお安くお買い求めいただける主婦のヒーロー軍団であるが、時期や年によっては不漁に見舞われ価格が高騰することもある。
しかし不思議なことに、どれかが不漁になることはよくあるが、全種類が不漁であったことはない。
種類さえこだわらなければ、どれかは安く買えるお財布にやさしい四天王である。

◆鰤

ブリ。出世魚の最終進化形態。
特に12月~1月にかけて揚げられたブリは寒ブリとよばれ最高に脂がのる。

◆鮎

アユ。こちらも食性の関係で安全にワタも食える。てんぷらもいいが、ダイレクトに味わいを楽しむなら塩焼きが最高。ビールが欲しいよお…。

◆ホッケ

大抵は開いた状態で売られていることが多い。基本的には焼いて食う魚。
もちろん煮付けもうまいぞ。

◆鰻

ウナギ。由緒正しきスタミナ食。本来の旬は冬であるらしいが、旬には脂がのりすぎて逆に食えたものではないという珍しい魚。
ほかほかご飯にパリっと仕上がった蒲焼もいいが白焼きをわさび醤油でというのもまた乙である。
価格的には外国産の輸入ものや養殖ものでもなかなか高価。しかし、一度でいいから国産天然ものを味わっていただきたい。
文字通り別世界が見える。

◆岩魚、山女魚

それぞれイワナ、ヤマメである。
低い水温の綺麗な水が流れる、岩場がゴロゴロしているような川の上流域に住む。
先にあげたアユがスーパーなどの鮮魚売り場でもたまに見かけるのに対して、これらはほぼ店頭に出回らない。
渓流釣りか、山間部にある釣り堀でもなければ入手は難しいだろう。
その身は淡白で野趣あふれる味わいである。塩焼きのほかに田楽がおすすめである。


■調理法

単純に焼くと言っても事前の仕込みなどで意外にバリエーションがある

◆塩焼き

もっとも素材の味が味わえる焼き方。というか、量の多少はあれど塩を振って身を絞めないとグズグズになって水っぽい味わいになりやすい。

◆干物

開いた魚を軽く塩を振って天日干ししたもの。鯵やカマス、ホッケ、カレイなどが代表。みりんを使用したみりん干しもある。

◆味噌漬け

酒やみりんなどの調味料と合わせた味噌に一晩~一日ほどつけた魚を焼く。特に西京味噌を使用した場合は西京焼きと呼ばれて区別される。

◆幽庵焼き

味噌漬けを醤油ベースに置き換えた感じのもの。数日漬けこんで焼く。

◆照り焼き

ブリやまぐろ、カジキなどを濃い味付けのたれを塗り焼いたもの。

◆蒲焼

料理法としては照り焼きの一種であるが、関東のうなぎのかば焼きでは焼く前にさらに蒸すなどする。

◆奉書焼き

奉書紙に野菜などと一緒に包んで蒸し焼きにする方法。ホイル焼きに近いが味わいが違うらしい。

◆ちゃんちゃん焼き

味噌ベースの調味液で味付けし野菜などと一緒に焼く方法。主に鮭が使われる。

◆ムニエル

フランス料理の手法の一つ。小麦粉をまぶしてバターで焼く。

◆ポワレ

ムニエルと同様にフランス料理の手法。フォンと油を使った蒸し焼き。ムニエルとの最大の違いは小麦粉の有無。

◆塩釜

魚をメレンゲを混ぜた塩で固めて焼く方法。直火ではなくじわじわと蒸し焼きになる。


■素敵な仲間達


◆醤油

生醤油。後述の柑橘の酸味が苦手な方はこれだけで。
逆に好きな方は、柑橘と併用しよう。

◆柑橘類

橙やカボスなら優しい味わい、スダチや柚子なら鋭い味わいになる。レモンやライムなども楽しいかも。

◆ポン酢

メーカーから、焼き魚に合う味付けが研究され、発売されている。
これなら面倒もなく美味い。

◆大根おろし

ツーンとした辛みでちょっとだけ大人の味。
大根おろしには消化酵素が含まれており、脂っぽいものとの相性は抜群。
醤油やポン酢を足すかはお好みで。

◆ごま油

韓国ではこれを魚にまぶして焼くのが一般的。

◆酒

ビールや焼酎もいけるが、やはり日本酒で味わいたいところ。
これからの季節なら熱燗で。
お燗デビューの方は、ぬる燗と脂ののった焼き魚から始めよう。

◆ご飯、パン

下戸や朝食時はこちら。朝、起きたての空腹のお腹に広がる、焼き魚と白いご飯は幸福の象徴である…。
パンはあまり聞かないが、かのキリスト様は、一切れのパンと魚を皆で分けて、人々の空腹を埋めたと言う。
それを思いながら食すといいかも。食べるのならばぜひサバで!




追記・修正は、焼き魚が好きすぎて、子供の頃、「将来の夢は?」と聞かれて「焼き魚!!」と元気に答えた経験のある方がお願いします。

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