ドラえもん のび太の恐竜

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ドラえもん のび太の恐竜 - (2019/07/06 (土) 23:33:15) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/6/18 (火曜日) 20:57:26
更新日:2024/04/26 Fri 19:51:29
所要時間:約 5 分で読めます




「いつまでなごりをおしんでもきりがないから……、じゃ……、元気でな。」




初めて映画になった日本一の人気者!

1億年前へタイムマシンで大冒険!

「ドラえもん のび太の恐竜」とは、1980年3月15日より公開された、映画ドラえもんシリーズの記念すべき第1作目の映画作品。
同時上映は『モスラ対ゴジラ(リバイバル短縮版)』。


概要

人間の手で育てられたライオンを野生に還す小説・映画作品『野生のエルザ』に感動した藤子・F・不二雄先生が、
これをドラえもんの世界に持ち込めないかと考えて執筆した30ページの短編「のび太の恐竜」(てんとう虫コミックス10巻に収録)を原案としており、
1979年に小学館とシンエイ動画の楠部三吉郎に同話を原案とした長編映画化を持ちかけられて映画化が決まった。
映画化に際して執筆された『大長編ドラえもん』では短編版に加筆修正を行う形で執筆されており、途中までまったく同じページを利用している。
ちなみに短編版のオチはのび太がドラえもんに「鼻でスパゲッティ食べる機械をだしてくれえ!」と騒ぐシーンで終わっており、大長編でもそのまま収録されている。

本作では恐竜ハンターを敵として描くが、短編の「恐竜ハンター」では恐竜狩りをスポーツとして描いており矛盾している事はよく指摘される。
ただ、本作では恐竜を殺すことを問題視しており、短編では捕まえた恐竜はペットにすると言ってるので、そのあたりで認められているのかもしれない。
初期のエピソードである事も勘案すべきだろう。また、アニメ化の際には矛盾を躱すための改変が行われている。詳細は個別項目にて。
エンディングテーマはドラえもんのキャラクターソング『ポケットの中に』で、武田鉄矢作詞の劇場版主題歌はここから始まった。

声優陣の一新後、『ドラえもん のび太の恐竜2006』のタイトルでリメイクが行われた。
こちらは後にゲーム化も行われている。

ストーリー

ある日、スネ夫にティラノサウルスの爪の化石を自慢されたのび太は丸ごとの化石を見つけてみせると見えを切ってしまう。
ドラえもんからも無理だと言われてしまうが、珍しく自力で目的を達しようと勉強し、近所の古い地層を掘るが、
おじさんに怒られてしまいゴミを埋める穴を掘らされてしまう。
しかし、そのゴミ穴から恐竜の卵の化石を発見、ドラえもんのタイムふろしきで元の姿に戻し、一心に温めると小さな恐竜の赤ちゃんが生まれた。
のび太はその恐竜…ではなく、首長竜のフタバスズキリュウに「ピー助」と名付け、隠して育てていくが、
ピー助を売ってほしいと黒い男に持ち掛けられ、危機感を覚えてピー助を白亜紀の時代へ戻した。
しかし、黒い男の襲撃によって日本産のピー助を北アメリカ太平洋沿岸へ置いてきてしまった事が発覚、ジャイアン達と共に白亜紀へ向かうが、
定員オーバーでタイムマシンが故障してしまう…。


キャラクター

いつものメンバー

ご存知22世紀のネコ型ロボット。
自力で事を成し遂げようとするのび太を温かい目で見守り、ピー助の育成にも協力する。
日本へ帰るため、夜な夜なタケコプターを整備するなどしていた。一度現代に戻ってどこでもドアを使えは禁句。

鼻からスパゲッティを食べると豪語してしまった少年。
ピー助の親代わりとして恐竜ハンターの取引を断固として拒否する。
ピー助との別れ、ピー助の遊んでいたボールを抱きながら眠るラストは涙なしには見られない名シーン。

のび太のガールフレンド。
のび太を擁護する一方、無理だったのだから素直に謝るべきと諭しており、のび太が恐竜を見つけたことは信じていなかった模様。
着せかえカメラで男用の水着を着せられてしまい半裸を晒したり*1、シャワーシーンを披露するなどお色気シーンも今作から。

愛すべきガキ大将。
アニメ版ではスネ夫と共にピー助を渡そう派だったが、原作ではプテラノドンに襲われた際にタケコプターがはずれてしまい、
のび太に助けてもらった事で最後までのび太に協力する漢気を見せた。

ある意味今回の事件の元凶。
ピー助を渡すことを主張しつづけるが、アニメ版では月に向かって鳴くピー助を見て何も言えなくなり、原作では多数決の末に泣きながら協力を誓う。

・出木杉英才(CV.白川澄子)
初期稿では彼も冒険に参加する予定だった。
そちらでは日本に帰る方法やラジコンで恐竜ハンターを欺く方法など物語で重要な部分を提案するのは出木杉くんの役割となっていた。決定稿では別のキャラに割り振られている。……要するに万能すぎてオミットされてしまった。


ゲストキャラクター

  • ピー助(CV.横沢啓子)
のび太が発見した化石の卵から孵化したフタバスズキリュウの子供。のび太に非常に懐いており甘えん坊。
一旦は白亜紀の海に離されるも、場所が日本付近ではなくアメリカ沿岸だったためエラスモサウルス(フタバスズキリュウの近縁種)の群れにいじめられ、
のび太達が日本に帰すため旅立つことになる。
なおフタバスズキリュウは厳密には恐竜ではなく首長竜で、2019年現在の研究では胎生であったとされているため卵から産まれることはありえないのだが、
話がおかしくなるためリメイク版でもあえて卵生のままにされている。

  • 黒い男(CV.加藤精三)
のび太の元にやってきた黒ずくめの恐竜ハンターで密猟犯。どっかの組織の人間ではない。
人間に慣れた珍しい恐竜としてピー助を買い取ろうとしたが、拒否されたため奪い取ろうとする。
ドルマンスタンに人間狩りを持ちかけるなど、悪徳な人物として描かれている。
なお、原作では頭部がハゲている事がわかる。後に『2112年 ドラえもん誕生』で再登場する。
長らく名前はなかったが、ミュージカル版で「ハンボス」という名前がつけられた。

  • ドルマンスタン(CV.島宇志夫)
2314年のメガロポリスに住む大富豪。黒い男から多数の恐竜を買い取っているらしく、屋敷には恐竜のはく製を飾っている。
「最後の仕上げを自分の手でしてはどうか」と持ち掛けられ、白亜紀へ乗り込む。
ギガゾンビよりも更に1世紀後の人物なのだが、2世紀前のドラえもんの道具にボロ負けしている…。
現在の版では「ドルマンスタイン」に変更されており、リメイク版でもこちらの名前を採用している。後に『2112年 ドラえもん誕生』で再登場する。


登場するひみつ道具


  • タイムふろしき
包んだものの時間を巻き戻す道具。卵の化石を生きた状態に戻すため使われた。

お馴染み空を飛べる道具。長時間飛び続けるとバッテリーが上がる設定が初登場。「肝心なところでバッテリーが切れてピンチ」はこの作品から始まった。

ドラえもんの大前提とも言える時間を旅する道具。
本作では黒い男の攻撃と5人乗りによるオーバーワークで壊れてしまい、「空間移動機能」が使用不可能になった(タイムベルトに近い状態か)。
このためのび太達は、後に日本が出来る海の、のび太の家の机場所までタイムマシンを運ぶ羽目に…。
なおこの後の作品では5人乗っても大丈夫なように改良されている。

  • 桃太郎印のきびだんご
食べさせた動物を懐かせる団子。ティラノサウルスに襲われた際に食べさせるが、これが終盤での大逆転の伏線となる。

  • 成長促進剤
  • スモールライト
  • タイムテレビ
  • 着せかえカメラ
  • エラチューブ
  • 深海クリーム
  • コンクフード
  • ビッグライト
  • 万能加工ミニ工場 ※
  • キャンピングカプセル
  • ラジコン粘土
  • 立体コピー紙 ※
  • 交通安全お守り ※
  • 即席エレベーター ※
  • 通りぬけフープ
  • ひらりマント

※原作のみ。

登場する古生物

  • フタバスズキリュウ
ピー助の仲間。

  • エラスモサウルス
ピー助をいじめまくるものすごく人相の悪い首長竜。

  • アーケロン
巨大なウミガメ。のび太が島と間違えた。

ジャイアンの音痴な歌を鳴き声と勘違いして襲い掛かってきた。
後にアパトサウルスの群れを襲うが、ドラえもんの投げた桃太郎印のきび団子で大人しくなる。
尻尾引きずってる。

  • ブロントサウルス(原作変更前、アニメ版)/アパトサウルス(原作変更後) ※後述
このころの説を反映してか、湖の中でのんびり休んでいた。(現在では、カバのような半水中生活説は完全に否定されている)
卵から生まれたばかりの赤ちゃんが可愛い。
同じ作者の『T・Pぼん』第10話「バカンスは恐竜に乗って」でも登場したがこちらでは完全な陸生生活として描かれている。

  • オルニトミムス
足の速い小型獣脚類。桃太郎印のきび団子で一行の足になる。

渓谷を渡ろうとする一行をものすごい数の群れで襲うが、恐竜ハンターのレーザーで無残に皆殺しにされる。


なおF先生はかなりの古生物マニアであり、後発の『のび太の創生日記』では尻尾を引きずらない復元図で恐竜を描いている。
『創生日記』時代にアシスタントを務めていたむぎわらしんたろうによれば、
描いた絵を一瞬見ただけで「プテラノドンの指はここから生えてない!」と指摘されたこともあったらしい。

余談


ピー助が属するフタバスズキリュウは日本初の恐竜系化石(1968年発見)として話題になったものだが、
実は公式に新種認定されたのは、リメイク版公開のすぐ後にあたる2006年6月のことだった

『のび太と竜の騎士』共々単行本によっては再販当時の学説に合わせ恐竜名が変更されており、
「ブロントサウルス」が「アパトサウルス」になっているケースがある(抹消された恐竜の名前参照)。
というか、そもそも1億年前にはアパトサウルスは絶滅しており、ティラノサウルスはまだ登場していない。



追記・修正は恐竜の化石を探しながらお願いします。

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