登録日:2012/03/27(火) 22:44:05
更新日:2025/03/07 Fri 20:35:34
所要時間:約 8 分で読めます
○概要
作品のタイトル通り
ドラえもんの誕生秘話を描いた作品。
アニメコミックの後書きでは、行き当たりばったりで作った設定やアシスタントのKくんが考えた秘密など、混乱しているドラ情報を整理して最終的な決定版とするために作った作品と語られている。
一応映画そのものはオリジナルストーリーだが、冒頭とラストシーンは
藤子・F・不二雄の短篇
「ドラえもん誕生」を元にしている。
ちなみに、大山のぶ代版(旧ドラ)では本作公開後はこれを公式設定にしていたが、水田わさび版(わさドラ)ではドラえもんの誕生経緯が放送回によって異なっており、結局ドラ情報は再び混乱してしまっているのが現状。
○あらすじ
1969年11月。人気漫画家藤子不二雄(当時)は仕事のことで悩んでいた。
それは来月、とある学年誌に新連載する漫画のアイデアが締め切り間近なのにさっぱり出てこないことだった。
自宅に帰り、仕事部屋で悩む藤子。そこで彼はこう呟くのであった…。
場面がガラッと変わって時は2112年9月3日のこと。
マツシバ・
ロボット工場では黄色の子守用ネコ型
ロボットを生産していた。
しかしトラブルが発生し、ネジが一本外れた一体のネコ型
ロボットができてしまった。
その不良品
ロボットこそが『ドラえもん』であった。
○登場キャラクター
○メインキャラクター
CV :大山のぶ代
ご存知ネコ型
ロボット。
今となっては懐かしいあの大山ボイスになった理由や体が青くなった理由もしっかりと明かされる。
CV:横山智佐
通称・黄ドラ。青色になる前のドラえもん。本映画の事実上の主人公。
このころは体が黄色で声が今より高く耳があった。
開発段階のアクシデントで文字通りネジが一本抜けており、そのせいで同系機に比べて出来が悪く、
それを見かねた校長の勧めで特別クラスに編入することになる。
決して出来がいい
ロボットではなかったが、当時の時点で同級生やセワシからも親しまれる愛すべき
ロボットではあったようだ。
CV:太田淑子
ドラえもんの持ち主。赤ん坊の頃に
偶然ドラえもんと出会った。
幼子の頃からドラえもんと仲睦まじく暮らしながら成長していく様が描かれており、ドラえもんが元々は彼の子守用
ロボットであった事を描写する数少ない作品である。
ドラえもんが耳を失った
元凶の元凶。
CV:よこざわけい子
子守用
ロボットの補助役として開発されたドラえもんの妹
ロボット。
「妹
ロボット」として開発されてから初めて兄のドラえもんと対面するが……
CV:
皆口裕子
ドラえもんの同級生であり彼女。
焼却炉に落ちそうになったドラえもんを助けたのが運命の出会いである。
原作でも僅かに登場しているが、そちらでは如何にもドラえもん達の仲間といったずんぐりとした低頭身なマスコット染みたデザインだったのに対し、
本作では高い等身とメリハリの付いたボディラインにCV
皆口裕子のお姉さん演技が合わさった異様に妖艶な
ロボットになっており、多方面から大人気。
CV:
たてかべ和也
どこかで見たことあるようなドラえもんの同級生の犬型
ロボット。
最初は
ノラミャー子さんと親しいドラえもんをいじめようとしたが、学校生活を共にする内になんやかんやで仲良くなった様で、
ドラえもんがオーディションに受かった際にはわが身の事のように喜んでいた。
歌うことが好きだが、
やはり音痴。
CV:
肝付兼太
どこかで見たことあるようなドラえもんの同級生の鶏型
ロボット。ジャイベエと同じくドラえもんをいじめようとしたがなんやかんやで仲良くなった様で、
オーディション本番に向かうドラえもんを「頑張れよー!」と激励していた。
因みに、スネ夫の従兄弟と同じ名前である。
CV:永井一郎
ロボット養成学校の校長。
他のネコ型
ロボットと同じ行動が取れないドラえもんを気遣い、特別クラスに編入させた。
しかし成績不良の[[ロボット]]はどろどろに溶かされると喜々として冗談を言ったり、編入させる際誤って焼却炉に落とそうとする鬼畜な面も。
CV:田中亮一
やはりどこかで見たことあるようなドラえもん達が所属する特別クラスの担任。
ドラえもんの同級生にして親友たち。映像作品としては初登場。
今作の時点ではまだドラえもんズは結成していないチョイ役であり、後の作品とキャストが違う奴が多い。
○ゲストキャラクター
CV:
大塚周夫・広瀬正志
時間犯罪者。ドラえもんが故障してしまった元凶。
元は劇場映画&大長編第一作『
のび太の恐竜』の敵キャラクター。
CV:松尾銀三
くわしくはリンク先をみるんだねー!
○その他
CV:矢田稔
後の「
ドラえもん」の原作者。
物語は彼が悩むところから始まる。
なお短編『ドラえもん誕生』では本名の「藤本弘」として登場している。
CV:藤子・F・不二雄
まさかの原作者本人。これには驚いた人も多いとか。
○余談
冒頭とラストシーンは
藤子・F・不二雄の自伝的作品『ドラえもん誕生』の一部シーンを映像化したものとなっている。
この作品はF先生が『ドラえもん』という作品を生み出すまでの苦悩をコミカルの描いたもので、
誇張はあるにせよおおかた
実話とみなされている。
その内容は要約すると以下。
新連載を立ち上げることになったがアイデアがなかなか浮かばなかったF先生。
「ある男の子の学習机から、何かが出てくる」というところまでは決まっていたが、何が出てくるのか、それが何をするのかについて全く思いつかない。
雑誌の載せる新連載の予告は、作品タイトルさえないまま、本当に「机から"何か"が出てくる」という場面だけを描き、
その"何か"には「出た!」と
大文字の吹き出しで塗りつぶして誰にもわからない(作者にもわからない)ようにするという暴挙をかますことでとりあえず切り抜ける。(切り抜けてないのでは…)
だが、無情にも締め切りは迫ってくる。
締め切り前日でも何も思い浮かばなかった彼はネコと戯れながら現実逃避。便利な道具があってだらけた漫画家を助けてくれれば…と妄想にふけるうちに、そのまま寝てしまい気づけば締め切りの朝となる。
パニックになってとにかく逃げようと走りだそうとしたところ、床に偶然置いてあった『起き上がり小法師』につまずき転倒。
その瞬間、パズルが組み合わさるように、「ネコと起き上がり小法師を合体させたキャラクター」が「便利な道具を使ってダメな
漫画家男の子を助けてくれる」というアイデアが電撃的に思い浮かび、ドラえもんという作品とキャラクターが生まれた…、というもの。
……一方で、かなりギリギリまでドラえもんというキャラクターが固まらなかったのは事実であるようだが、ネコと起き上がり小法師のくだりはこの
読み切り作品を膨らませるためのフィクションと言う証言もあり、
F先生の一番弟子と言われている
えびはら武司氏(代表作・
まいっちんぐマチコ先生)によれば
ドラえもんがネコなのとタイムマシン・
どこでもドア関係についてはSF小説『
夏への扉』が元になっているという。(出典・まいっちんぐマンガ道)
ちなみに、時間がなかったのは前作ウメ星デンカが打ち切られ、すぐさま新たな作品が必要だったため。
ドラえもんの初回の舞台が正月という、漫画雑誌にしてはあまりに違和感のあるタイミングなのはこれが原因である。
また原作になった『ドラえもん誕生』の冒頭では当時の相方安孫子素雄(後の藤子不二雄A)とも相談するも、
安孫子は「(自分がメインで書いている)他の連載で忙しい」と一足先にスタジオ入りしているシーンが存在した。
この短編が発表された時もコンビは続いていたものの、F氏単独作なことはオープンにしても良かったらしい。
ちなみにこの時出て来た作品名はブラックな少年漫画『黒ベエ』と後に
封印作品となった『
狂人軍』…何も知らなくとも危険そうな感じの題名であり、
ムック『
藤子・F・不二雄の世界』に収録された時のみ作品名がカットされた。
追記・修正は国民的に愛される人気漫画のアイデアを出してからお願いします。
- 藤子先生普通に声当て上手かったな -- 名無しさん (2014-03-19 17:23:57)
- ドラえもんが海を爆走するシーンに吹いた思い出がある -- 名無しさん (2014-05-30 12:11:12)
- もう100年切ってるのね -- 名無しさん (2014-06-08 19:02:19)
- ネズミにかじられたという設定を、ネズミロボットの勘違いでかじられたという設定にしたのには感心した -- 名無しさん (2014-06-08 20:36:26)
- もしも先生が起き上がりこぼしを見なかったら、ドラえもんは生まれなかった可能性もあるんだな -- 名無しさん (2014-06-09 16:28:13)
- この時ってセワシがまだドラえもんを過去に送ってないからお小遣い5円でまだ借金返済の時だよな?でも結構良いとこすんでるし、お金に困ってるようには見えない -- 名無しさん (2014-07-31 14:28:42)
- しかし『悲劇の薬』の使用用途が分からん・・・。ほとんど鬱病の元じゃないか・・・ -- 名無しさん (2014-07-31 14:39:56)
- ↑↑そもそも今年のお年玉がたったの50円というほど貧乏な家が、中古ロボットとはいえドラえもんを買えるとは思えないし、貧乏設定は実質、無かった事にされてるのかも -- 名無しさん (2014-07-31 20:04:25)
- ↑親がケチなだけで貧乏というのはお年玉をけちるためのウソなのかもな -- 名無しさん (2018-12-16 23:05)
- ↑
ドラえもんもやたらめったら道具所有してるし、カタログとりよせて購入してるしな。
もしかして、ドラえもんが送り込まれた時間軸からの未来だから貧乏じゃないのかも
-- 名無しさん (2014-09-05 20:07:05)
- ドルマンスタインさん達はのび太の恐竜の後なのかな -- 名無しさん (2014-09-05 20:12:59)
- ラストで先生のアイディアが形になっていくときに背景が段々とセピアからカラーへと変わっていく演出が好き -- 名無しさん (2014-12-03 12:32:24)
- 黄色いボディの塗装は卵だったと言う衝撃 -- 名無しさん (2014-12-03 12:53:00)
- 確かコレの監督って後にガオガイガーとかベターマン作る米たにヨシトモなんだっけか -- 名無しさん (2014-12-04 00:34:41)
- ↑当時は本名の米谷良知(読み方同じ)名義だったけどな -- 名無しさん (2014-12-04 00:38:17)
- 作中でドラえもんが泣き叫ぶシーン(塗料がはがれて声もおかしくなるオマケつき)が可哀想でいつもそのシーンだけは飛ばしてしまう -- 名無しさん (2015-02-12 23:56:52)
- 「この映画で『ドラえもんが泣きすぎてガラガラ声になった』という設定を付加したのは、大山氏の演技以外にドラえもんはあり得ないという前提を作ってしまったも同然で頂けない」って意見を、旧作放映中の時期にとある個人サイト見かけたことあったな-- 名無しさん (2015-07-10 16:19:19)
- ↑そりゃあ、原作者のF先生がのぶ代ボイスに惚れ込んでたからな。ワザワザ声の設定に言及するレベルで -- 名無しさん (2015-07-17 19:40:00)
- ↑↑水田わさびは知らないにしても冨田耕正や野沢雅子がドラえもんやってたこと完全に闇に葬る設定だよな (2018-12-16 23:10:00)
- 黄色いドラえもんの声は大山版では別に声優立ててたけど、水田版ではそのまま水田わさび氏が演じてたな。水田氏も高めの声を意識して演じてたけど -- 名無しさん (2016-05-07 15:14:49)
- 同時上映されてる創世日記でものび太が「未来の自分の夏休みの宿題を盗み見てやろう」とか言ってたりする -- 名無しさん (2016-10-12 11:07:20)
- なにげにのび太のひ孫(セワシの父)が登場するレアな作品何だよねぇ -- 名無しさん (2016-11-15 22:45:29)
- 秋祭りのテレビスペシャルで「ドラえもんの色は最初何色だった?」ってクイズが出された時、ジャイアンは青と答えて見事に外れてしまったんだっけ?(結果スネ夫にも笑われる始末www) -- 名無しさん (2016-11-16 01:08:28)
- ドラえもんのクラスの女の子型ロボットには元ネタあるのかな?(ノラミャーコと話してた子) -- 名無しさん (2017-02-13 22:00:14)
- これの設定やドラえもんズが載っている「決定版ドラえもん大事典」が今でも普通に販売されてるんだよね。まあ原作者が「最終決定版」と言った物だし、アニメとは設定が違うと割り切れば別にいいんだけど。 -- 名無しさん (2017-02-13 22:11:44)
- 寺尾台校長は原作には影も形もないきゃらだけど、わさびドラにも普通に登場しているのよね。ドラえもんズに関連するものでは唯一現在まで残った設定になるのかな -- 名無しさん (2017-07-16 17:29:19)
- 黄色いドラえもん可愛かったな。藤子先生本人が声の出演している辺り貴重な作品だな。 -- 名無しさん (2017-11-04 00:20:37)
- 繧カ繝サ繝峨Λ縺医b繧薙ぜ蠕ゥ豢サ螟ァ蟶梧悍?ソ -- 名無しさん (2018-02-14 19:59:23)
- この短さできっちりメリハリ利いてる辺りがスゴイいい作品だと思う -- 名無しさん (2018-08-11 22:40:45)
- 原作者は最終決定版といってたがわさドラでまた変わってたな。まあわさびの声質を考えると変えられて当然だが。 (2018-12-16 23:12:47)
- 原作者とわさドラ声優(関智一)が関わった貴重な作品 -- 名無しさん (2019-01-24 19:31:01)
- 知ってましたか!ゴンスケの他にも、水中バギーが隠れキャラとして登場してますよ♪ -- 名無しさん (2019-01-24 22:56:36)
- この映画がリメイクされるのなら、ドラえもんズは一体どうなるのだろうか -- 名無しさん (2019-05-25 09:20:59)
- 原作者が最終決定版とした作品であるのに、「アニメスタッフが勝手に作った」とか言う人がいるのは何なんだろうな。 -- 名無しさん (2019-08-03 10:03:51)
- 冒頭から描かれる未来の世界観ってのがすごく好き -- 名無しさん (2019-10-28 19:51:54)
- 原作でもそうだけど、「『起き上がりこぼし+猫=ネコ型ロボット』をひらめいた時は耳があったのに、どうして1話の時点で耳が無くなった?」とか「新連載予告ではのび太らしき少年が描かれているのに、『頭の悪いぐうたらな男を、いや男の子を助けるためにやってくる』としたのだろう?」とか、疑問が残る。作中の予告では、のび太消されてたけど。 -- 名無しさん (2020-08-20 21:25:21)
- ↑思い違いやあやふやな部分もあるとしたうえでだけど、アシスタントだったえびはら武司先生の本だと件のエピソードは子供の夢を壊さないための創作だそうだから(実際にはいろいろな元ネタや藤本先生の当時のスランプ等が複雑に絡み合った結果、ドラえもんが誕生したそうだし)。耳がないのは化け猫みたいになるから、とコメントしていた気もする。 -- 名無しさん (2021-01-03 18:59:59)
- ドラミを初めて見たドラえもんの「あんただれ?」が好き。そんで妹と分かるや抱きついて泣くのが可愛い -- 名無しさん (2021-12-06 00:29:14)
- ドラえもんがドラえもんになる前の姿(=個性が芽生える前の、単なるマツシバMS-903の一個体に過ぎなかったころ)を見られる貴重な作品でもある。 -- 名無しさん (2022-02-13 00:51:09)
- 水田わさびさん版になると「 ドラえもんのネジが取れた理由 」や「 セワシくんの元に来た理由 」や「 身体が黄色くなった理由 」や「 ドラやき好きになった理由 」や「 ドラミちゃんとの出会い 」などの経緯も理由も( 誕生日SPを迎える度に )色々と異なっている( というか、一部は「 ドラえもん大事典( by.11巻 ) 」や「 お正月だよ!ドラえもん ドラえもんのびっくり全百科 」 などが元ネタになっている? ) -- 名無しさん (2022-09-03 20:08:26)
- あと90年、か -- 名無しさん (2022-09-03 21:48:47)
- ↑100年前がつい最近のように思えるよ。もうそんな経ってたのか。 -- 名無しさん (2022-09-03 23:06:14)
- ↑6そう言えば、「好きでたまらニャい」で耳付けたら、のび太に化け猫呼ばわりされてたな -- 名無しさん (2023-04-24 07:26:36)
- ↑20 恐らく「トモダチロボット」。本編でドラえもんが連れてきた子と同一かは不明。デザインや色は、大山版と水田版の中間みたいだな。 -- 名無しさん (2023-04-24 07:33:48)
- 記事中にも書かれてるけどオーディションの頃になるとジャイベエ達とドラえもんが結構仲良くなってるの地味に好き -- 名無しさん (2023-12-11 16:06:15)
- 『決定版ドラえもん大事典』って本では(ほぼ)これのコミカライズが載っている。2001年初版の本だが、今でも普通に新刊で売っているのがすごいわ。 -- 名無しさん (2024-02-01 21:10:07)
- 黄色いドラえもん、ノラミャーコさん、ドラえもんズなど良いキャラが揃ってる。 -- 名無しさん (2024-11-11 19:29:36)
最終更新:2025年03月07日 20:35