2112年 ドラえもん誕生

登録日:2012/03/27(火) 22:44:05
更新日:2024/05/22 Wed 19:48:23
所要時間:約 8 分で読めます




『2112年 ドラえもん誕生』とは1995年に公開された映画。
同時上映は『ドラえもん のび太の創世日記』。

○概要

作品のタイトル通りドラえもんの誕生秘話を描いた作品。
アニメコミックの後書きでは、行き当たりばったりで作った設定やアシスタントのKくんが考えた秘密*1など、混乱しているドラ情報を整理して最終的な決定版とするために作った作品と語られている。
一応映画そのものはオリジナルストーリーだが、冒頭とラストシーンは藤子・F・不二雄の短篇「ドラえもん誕生」を元にしている。

ドラえもんズが初めて映像作品に登場したことでも有名。

ちなみに、大山のぶ代版(旧ドラ)では本作公開後はこれを公式設定にしていたが、水田わさび版(わさドラ)ではドラえもんの誕生経緯が放送回によって異なっており*2、結局ドラ情報は再び混乱してしまっているのが現状。

○あらすじ

1969年11月。人気漫画家藤子不二雄(当時)は仕事のことで悩んでいた。
それは来月、とある学年誌に新連載する漫画のアイデアが締め切り間近なのにさっぱり出てこないことだった。
自宅に帰り、仕事部屋で悩む藤子。そこで彼はこう呟くのであった…。



場面がガラッと変わって時は2112年9月3日のこと。
マツシバ・ロボット工場では黄色の子守用ネコ型ロボットを生産していた。
しかしトラブルが発生し、ネジが一本外れた一体のネコ型ロボットができてしまった。
その不良品ロボットこそが『ドラえもん』であった。


○登場キャラクター

○メインキャラクター

CV :大山のぶ代
ご存知ネコ型ロボット。
今となっては懐かしいあの大山ボイスになった理由や体が青くなった理由もしっかりと明かされる。

  • 黄色いドラえもん
CV:横山智佐
通称・黄ドラ。青色になる前のドラえもん。本映画の事実上の主人公。
このころは体が黄色で声が今より高く耳があった。
開発段階のアクシデントで文字通りネジが一本抜けており、そのせいで同系機に比べて出来が悪く、
それを見かねた校長の勧めで特別クラス*3に編入することになる。
決して出来がいいロボットではなかったが、当時の時点で同級生やセワシからも親しまれる愛すべきロボットではあったようだ。

  • セワシ
CV:太田淑子
ドラえもんの持ち主。赤ん坊の頃に偶然ドラえもんと出会った。
幼子の頃からドラえもんと仲睦まじく暮らしながら成長していく様が描かれており、ドラえもんが元々は彼の子守用ロボットであった事を描写する数少ない作品である。
ドラえもんが耳を失った元凶の元凶

CV:よこざわけい子
子守用ロボットの補助役として開発されたドラえもんの妹ロボット。
「妹ロボット」として開発されてから初めて兄のドラえもんと対面するが……

CV:皆口裕子
ドラえもんの同級生であり彼女。
焼却炉に落ちそうになったドラえもんを助けたのが運命の出会いである。
原作でも僅かに登場しているが、そちらでは如何にもドラえもん達の仲間といったずんぐりとした低頭身なマスコット染みたデザインだったのに対し、
本作では高い等身とメリハリの付いたボディラインにCV皆口裕子のお姉さん演技が合わさった異様に妖艶なロボットになっており、多方面から大人気。

  • ジャイベエ*4
CV:たてかべ和也
どこかで見たことあるようなドラえもんの同級生の犬型ロボット。
最初はノラミャー子さんと親しいドラえもんをいじめようとしたが、学校生活を共にする内になんやかんやで仲良くなった様で、
ドラえもんがオーディションに受かった際にはわが身の事のように喜んでいた。
歌うことが好きだが、やはり音痴

  • スネ吉*5
CV:肝付兼太
どこかで見たことあるようなドラえもんの同級生の鶏型ロボット。ジャイベエと同じくドラえもんをいじめようとしたがなんやかんやで仲良くなった様で、
オーディション本番に向かうドラえもんを「頑張れよー!」と激励していた。
因みに、スネ夫の従兄弟と同じ名前である。

  • 寺尾台校長
CV:永井一郎
ロボット養成学校の校長。
他のネコ型ロボットと同じ行動が取れないドラえもんを気遣い、特別クラスに編入させた。
しかし成績不良のロボットはどろどろに溶かされると喜々として冗談を言ったり、編入させる際誤って焼却炉に落とそうとする鬼畜な面も。

  • きびしいロボット先生*6
CV:田中亮一
やはりどこかで見たことあるようなドラえもん達が所属する特別クラスの担任。

ドラえもんの同級生にして親友たち。映像作品としては初登場。
今作の時点ではまだドラえもんズは結成していないチョイ役であり、後の作品とキャストが違う奴が多い。

○ゲストキャラクター

  • 司会者
CV:関智一・西原久美子
ロボットオーディションの司会を務めたロボットの男女。
男性ロボットの声優はわさドラ版のスネ夫である。

CV:大塚周夫・広瀬正志
時間犯罪者。ドラえもんが故障してしまった元凶。
元は劇場映画&大長編第一作『のび太の恐竜』の敵キャラクター。

CV:松尾銀三
くわしくはリンク先をみるんだねー!

○その他

CV:矢田稔
後の「ドラえもん」の原作者。
物語は彼が悩むところから始まる。
なお短編『ドラえもん誕生』では本名の「藤本弘」として登場している。

  • ナレーション
CV:藤子・F・不二雄
まさかの原作者本人。これには驚いた人も多いとか。


○余談

冒頭とラストシーンは藤子・F・不二雄の自伝的作品『ドラえもん誕生』の一部シーンを映像化したものとなっている。
この作品はF先生が『ドラえもん』という作品を生み出すまでの苦悩をコミカルの描いたもので、
誇張はあるにせよおおかた実話とみなされている。
その内容は要約すると以下。

新連載を立ち上げることになったがアイデアがなかなか浮かばなかったF先生。
「ある男の子の学習机から、何かが出てくる」というところまでは決まっていたが、何が出てくるのか、それが何をするのかについて全く思いつかない。
雑誌の載せる新連載の予告は、作品タイトルさえないまま、本当に「机から"何か"が出てくる」という場面だけを描き、
その"何か"には「出た!」と大文字の吹き出しで塗りつぶして誰にもわからない(作者にもわからない)ようにするという暴挙をかますことでとりあえず切り抜ける。(切り抜けてないのでは…)
だが、無情にも締め切りは迫ってくる。
締め切り前日でも何も思い浮かばなかった彼はネコと戯れながら現実逃避。便利な道具があってだらけた漫画家を助けてくれれば…と妄想にふけるうちに、そのまま寝てしまい気づけば締め切りの朝となる。
パニックになってとにかく逃げようと走りだそうとしたところ、床に偶然置いてあった『起き上がり小法師』*7につまずき転倒。、
その瞬間、パズルが組み合わさるように、「ネコと起き上がり小法師を合体させたキャラクター」が「便利な道具を使ってダメな漫画家男の子を助けてくれる」というアイデアが電撃的に思い浮かび、ドラえもんという作品とキャラクターが生まれた…、というもの。

……一方で、かなりギリギリまでドラえもんというキャラクターが固まらなかったのは事実であるようだが*8、ネコと起き上がり小法師のくだりはこの読み切り作品を膨らませるためのフィクションと言う証言もあり、
F先生の一番弟子と言われているえびはら武司氏(代表作・まいっちんぐマチコ先生)によれば
ドラえもんがネコなのとタイムマシン・どこでもドア関係についてはSF小説『夏への扉』が元になっているという。(出典・まいっちんぐマンガ道)

また原作になった『ドラえもん誕生』の冒頭では当時の相方安孫子素雄(後の藤子不二雄A)とも相談するも、
安孫子は「(自分がメインで書いている)他の連載で忙しい」と一足先にスタジオ入りしているシーンが存在した。
この短編が発表された時もコンビは続いていたものの、F氏単独作なことはオープンにしても良かったらしい。
ちなみにこの時出て来た作品名はブラックな少年漫画『黒ベエ』と後に封印作品となった『狂人軍』…何も知らなくとも危険そうな感じの題名であり、
ムック『藤子・F・不二雄の世界』に収録された時のみ作品名がカットされた。

これのコミックス版のあとがきに、「連載初期にガチャ子というアヒル型ロボットをだしたことがあった」と書いてあり、
原作でガチャ子が消えてから26年越しにガチャ子の正体が書かれたことになる。





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最終更新:2024年05月22日 19:48

*1 『ドラえもん百科』で方倉陽二が 創作した設定のこと

*2 例えば2007年放映の話では「ドラえもんの体が青い理由」をこの映画に準じた内容(号泣した振動でメッキがはがれた)で語られているが、2012年放映の話では方倉設定(耳のない姿を鏡で見て青ざめた)が採用されており、矛盾がある

*3 どういう基準で選ばれる学級なのかは不明だが、オーディションで飛びぬけて優秀な成績を収めていたノラミャー子が在籍しているあたり出来の悪い生徒を集めた学級というわけではないらしい

*4 クレジットでは「ジャイロボ」の表記になっている。

*5 クレジットでは「スネロボ」の表記になっている。

*6 クレジットでは「しごきロボット」の表記になっている。本編でドラえもんが出した同名のロボット型ひみつ道具との関連性は不明。

*7 実子の娘の玩具。作中では娘さんが「ポロンちゃん」と言っているので、トイローヤル社のロングセラー玩具「おきあがりポロンちゃん」だと思われる

*8 少なくとも連載予告で何も意味のある内容が描かれてないのは事実である