虎杖悠仁(呪術廻戦)

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虎杖悠仁(呪術廻戦) - (2024/01/21 (日) 00:45:48) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/10/17 Thu 23:50:00
更新日:2024/04/29 Mon 15:00:58
所要時間:約 10 分で読めます





自分が死ぬ時のことは分からんけど

生き様で後悔はしたくない


虎杖(いたどり)悠仁(ゆうじ)とは『呪術廻戦』に登場するキャラクターであり、同作の主人公である。

CV:榎木淳弥

●目次

【プロフィール】

所属―宮城県仙台市杉沢第三高校一年生→東京都立呪術高等専門学校一年
誕生日―3月20日(うお座)
身長―173cmくらい
体重―80kg以上
体脂肪率―1桁
好きな食べ物―丼物・麺類
嫌いな食べ物―なし
趣味・特技―カラオケ・映画鑑賞・モノマネ
ストレス―理系(molで躓いた)
好みのタイプ―ジェニファー・ローレンス
イメージソング―9mm Parabellum Bullet『ハートに火をつけて』、□□□『いつかどこかで』

その他:初の家系ラーメンの感想は「次の日ウンコがよくでる」


【概要】

仙台の杉沢第三高校一年生。部活は心霊現象(オカルト)研究会に所属。
家族は入院中の祖父・虎杖倭助(わすけ)一人だったが第1話で他界。両親はいないため、現在は天涯孤独の身になっている。
本人の談によれば母親に関しては会ったことすらないが、父親の記憶だけはうっすら残っているとのこと。
亡くなった祖父は何らかの事情を知っていたようだが、悠仁は「興味ねー」と聞きたがらなかった。

2018年6月のある日、高校の百葉箱に保管されていた特級呪物「両面宿儺の指」を偶然拾ったことが、全ての発端となる。
両面宿儺の指を回収するために派遣された呪術師・伏黒恵から「呪い」の存在を聞かされ、最初は半信半疑だったが、学校でオカルト研究会の先輩達が指の封印を解いてしまったことで、無数の呪霊を呼び起こしてしまう。

呪霊に襲われた先輩と負傷した伏黒を助けるためには呪力が必要と考えた彼は、その場にあった両面宿儺の指を飲み込む。
本来、特級呪物は猛毒も同然であり即死するはずだったが、なんと指は悠仁の体に適合。
呪霊を退けることには成功したが、代わりに指に封じられていた両面宿儺の魂が覚醒し受肉してしまう。
史上最悪の特級呪霊が復活するという最悪の事態になりかけたが、悠仁は宿儺から肉体の主導権を奪還。

実は、悠仁は特級呪物の耐性と宿儺を取り込んでも自我を保てる「器」としての素質を持っていたことが判明。
その異常な体質を怖れた呪術界は彼を秘匿死刑に処そうとするが、特級呪術師・五条悟の提案により、「二十本ある宿儺の指を全て取り込ませてから死刑」という執行猶予が与えられる。

祖父の「オマエは強いから人を助けろ」「大勢に囲まれて死ね」という遺言に従い、死刑には不満はあるが宿儺の指を全て取り込むことを決意し、東京都立呪術高等専門学校に編入する。


【外見】

宍色か薄茶色に見える短髪のツンツン頭(地毛)と目の下の傷*1が特徴。
渋谷事変以降は、額の真ん中から左目の目頭辺りにかけて、真人戦で顔を殴られた際に付いた傷跡が残っている。*2

パーカーをよく着用しており、私服時は勿論、中学時代は学ランの下に、杉沢第三高校在籍時に至っては学ランを着ずに直接パーカーを着ていた。
余程そのイメージが強かったのか、五条が発注した高専の制服にもパーカーのフードが付いているほど。*3
ただ本人は特別パーカーが好きという訳ではなく、悩んだ末に結局パーカーに落ち着くらしい。

ちなみに髪型が前日譚である『呪術高専(0巻)』時点での狗巻とモロに被っており、連載に当たって狗巻の方がマッシュルームカットに変更されている。
乙骨伏黒といいカブりすぎでは……


【人物像】

一人称は「俺」
基本的に明るくフレンドリーな性格であり、初対面の人物ともすぐ打ち解ける。
ノリもよく五条と一緒にドッキリをしかけたり、微妙なモノマネレパートリーも多数保有している。*4
地方民だったためか、東京に来たときは色々な名所に行きたがっていた。*5
また、家族が祖父一人だったためか芸能関係に明るいテレビっ子であり、高専で割り当てられた寮の自室にも入居早々グラビアのポスターを貼っている。

また目上・歳上相手でもタメ口がデフォだったり*618歳未満が行っちゃダメな『パ』の付くところに悪びれもせずに行くなど規範に緩い面もある。
作者曰く「あのお爺ちゃんと暮らしていたんですから小6くらいで絶対代打ちとかやらされてる」「『18歳以上ですか?』的な設問にノータイムで『はい』を押すバカ」とのこと。

仙台に居た頃は祖父の見舞いが日課であり、悪態をつかれながらも毎日見舞いに来ていた。
後述するように卓越した身体能力を持ちながら運動部ではなくオカ研に所属していたのも、5時までに帰宅して見舞いに早く行くため。*7
オカ研の先輩達とは2ヶ月ほどの付き合いだが仲良く活動しており、前述のように先輩達が異常事態に巻き込まれたときは状況が不明ながらも迷わず助けに行こうとした。
このように心優しい性格をしており、周りからは「善人」「呪術師には珍しい根明」と評価されている。

祖父の死と遺言を受けてからは人を「正しい死」に導くことにこだわり、呪いによる「間違った死」から人を助けることを目標にしている。
呪い相手には異形かつ害をなす存在であるとはいえ躊躇なく殺しにかかったり、呪物をためらいなく取り込むことから五条からは「イカれている」と評される。
ただし、少年院にて特級呪霊と相対し絶体絶命になったときは死にたくないと泣きじゃくる面もあり、人並みの恐怖心も持ち合わせている。
また自分が「間違った死」という引き金を引かないために、絶対に人は殺さないと誓っていた。

女性の好みは「(ケツ)身長(タッパ)のデカい女の子」(ジェニファー・ローレンスなど)。
共通の趣味を持つ1級術師・東堂葵とは出会ったその日に親友にされてしまったとなった。
ただしこれはあくまでも外見的な好みの話であり、中学時代に級友から「クラスで好きな女子」を尋ねられた際には、
「別に誰も」「強いて言うなら」と前置きした上で「食い方とか字とか色々すげー綺麗」と当時小柄で太っていた同級生、小沢優子の名前を挙げるなど、
相手の外見に捉われずに人間的な美徳・魅力を見出すような一面もある。


宿儺との関係】

前述したように宿儺の魂を押さえ込み自我を保つ「器」としての素質を持つ「千年生まれてこなかった逸材」
猛毒である宿儺を取り込んでも平気な「器」なため、あらゆる毒に耐性を持つ。
宿儺を取り込んで以降は別の魂を内部に宿しているがゆえに「魂の輪郭」を捉え知覚できる才能を副産物として得ており、毒の術式を使う術師や呪霊、直接魂に干渉されない限り不死身である真人相手には絶大なアドバンテージを持つ。

宿儺の魂そのものは押さえ込まれているとはいえ未だ健在であり、悠仁の意思で肉体の主導権を入れ替えることが出来る。
また宿儺も悠仁の体の表面から口や目を生やすことで悠仁や外部と(勝手に)コミュニケーションを取る。
悠仁との関係は劣悪の一言であり、自ら行動を起こすことはないが虎視眈々と肉体の主導権を奪おうと狙っている。
なお、宿儺側からは一人でいる時などに話しかけてくる事もあるようだが、元々仲が悪く会話もしない上に、悠仁自身も作者から「東名高速のアスファルトの上でも余裕で寝れます」と断言されるほど図太いため、普段の日常生活には支障を来してはいない模様。

「凶悪な魂を内部に宿している」点ではと共通しているが、仮にも宿主に対して戦闘面での助言はするあちらに対し、宿儺は「呪いの王」と呼ばれ呪いのなんたるかを熟知しているにも関わらず悠仁に助言するような行動は一切せず*8、それどころかとある人物が死にそうになって助けを懇願する悠仁を「惨め」だとゲラゲラ笑う外道である。

少年院での戦いでは、やむを得ず宿儺と替わって特級呪霊を打ち倒したが、「縛り」なしで入れ替わってしまったせいで主導権を取り戻すのに手こずり、その間に宿儺の自由を許してしまう。
宿儺の魂が表に出ている場合は悠仁の肉体そのものが死亡しても活動できるため、宿儺は悠仁の心臓をえぐり取り、永続的に主導権を握るつもりだったが、
最終的には悠仁が自滅覚悟で主導権を奪い返したことで画策は失敗、同時に悠仁は死亡してしまう

その後は宿儺の生得領域に引き込まれ、「宿儺が『契闊』と唱えたら1分間肉体を明け渡す」「この契約を忘れる」「入れ替わっている1分間は誰も殺さないし傷つけない」という条件で、
(半ば翻弄される形で)生き返ることとなった。……悠仁からすればとんだ災難である



【能力】


何百回でも何千回でも グチャグチャになるまで

叩き潰す!!

最大の特徴は人間離れした身体能力にあり、
  • 砲丸を30メートル以上投げ飛ばし、進路上のゴールポストを捻じ曲げる*9
  • 地上から校舎4階までジャンプする
  • コンクリートを素手でぶち抜く
などを呪力なしでやってのける。
地の文においてもそのフィジカルはゴリマッチョな東堂や天与呪縛によって人並み外れた身体能力を持つ真希以上であることが明言されており、半ば人外レベルと言える。
身長の割に体重が重いのも人並みはずれた筋肉故。

戦闘でもその身体能力を駆使した肉弾戦が得意で、地形を利用した攻撃や次の攻撃の組み立てなど戦闘センスも極めて高く、躰道の「卍蹴り」など修めている訳でもない武術の技ですらその場の閃きで繰り出して見せる*10
伏黒からは「呪力なしでの肉弾戦なら高専で一番強い」と評され、東堂からもその実力を高く評価されている。

反面、生まれつき刻まれる「生得術式」は一切持たないため、他の呪術師のように呪術を行使することはできない。
そのため五条から「体術に呪力を上乗せする」戦い方のアドバイスを受け、呪力を放出する訓練を得て「逕庭拳」といった技を取得する。

また、宿儺の指を取り込んだことで後天的に毒への極めて高い耐性を獲得しており、毒による状態異常を常時無効化できるようになった。
そして将来的には宿儺の術式が刻まれることが示唆されている。

渋谷事変終結後の第二部では繊細で淀みない呪力コントロール技術を獲得。
持ち前のフィジカルの高さが加わり脹相から「鬼神」と例えられるほどの戦闘力を手に入れた。



装備

  • 屠坐魔(とざま)
高専に編入したばかりの悠仁に五条が与えた呪具。短剣の形状をしている。
低級の呪霊なら容易く切り裂けるが、特級呪霊にはあっさりへし折られた。
実は真希の物を五条が又貸していたことが後で判明する。


  • 逕庭拳(けいていけん)
呪力のコントロールを身につけた悠仁が使用する技。術式の類いではなく現象に近い。
「呪力をこめて殴る」という呪術師の基本技能を行う際、悠仁は身体能力が高すぎるせいで放つパンチに拳に込めた呪力が追いつかず、パンチがヒットした後に呪力が遅れて流れてしまう。
そのため結果的に「通常のパンチ」と「遅れてきた本命の呪力」との二度のインパクトが発生し、相手からすれば一度のパンチで2度も打撃の衝撃を受けることになる
(七海曰く「やられる方は想像以上に嫌」。)

五条からは「大きな武器になる」と評価された反面、東堂からは「悪癖」「その程度では特級には通用しない」「親友ではなくなってしまう」と手厳しく評価された。
逕庭拳はあくまでも変則的な呪力が生み出す対応の難しさこそが強みであり、それ自体は破壊力の増大にほとんど寄与しないというのが酷評の一因と思われる。
また、東堂は下記の黒閃を虎杖に経験させる前提で彼を指導していた、というのも酷評に繋がった要因と見ていいだろう。

渋谷事変での真人との最終決戦では、終盤で真の意味で技として習得。
二重の衝撃で相手のガードや体勢を崩し、生まれた隙目掛けて本命の100%の呪力が乗った打撃や黒閃の必殺の一撃を叩き込むえげつないコンボの布石として使えるようになった。
受ける瞬間まで通常の打撃、黒閃による打撃、逕庭拳の見分けが付かない点も厭らしさのポイント。


  • 黒閃(こくせん)
悠仁が東堂との蜜月特訓を得て、100%の打撃に100%の呪力を乗せるのに成功したことで新たに会得した技。こちらも正確には技ではなく現象である。
打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生まれる空間の歪みにより、打撃を大きく強化する。
発動すると打撃がヒットした瞬間、呪力が黒い稲妻や火花のように光り輝く

その威力は通常の打撃の2.5乗というとんでもない数値であり、ただでさえ桁違いの筋力を持つ悠仁の打撃が圧倒的な破壊力を帯びる。
加えて一度黒閃を発生させるとアスリートでいう「ゾーン」に入った状態に陥り、自らの潜在能力(ポテンシャル)を120%引き出せるようにもなる。

悠仁特有の技術ではなく、打撃技を使う呪術師ならだれでも黒閃を発生させることはできるが、その発生条件の厳しさから狙って出せる呪術師は存在しない。だが一度成功すればその日の内なら連発して出すことも可能。
これまでの最高記録は七海の4連発だったが、悠仁も黒閃を取得したその日に4連発を成し遂げた。

実力でもまぐれでも、黒閃を発生させた呪術師は自らの呪力の性質を真に理解し、世界が自分中心に立ち回っているかのような全能感を覚えるという。
事実、黒閃を発生させた呪術師とそうでない呪術師とでは呪力の核心との距離に天と地ほどの差が生じるため、黒閃を発生させたことは呪術師として大きな成長を遂げたことを意味する。
その中でも悠仁は地の文にて「黒い火花に愛されている」と称されており、狙って出すことこそできないものの実戦において抜群のタイミングで的確に黒閃を決められるため、事実上彼の必殺技と言える。

なお読者からは「1は何乗しても1」とよくツッコまれるが、作者もアシから同様の指摘を受けたため単行本加筆で「呪力は2から」と言い訳……もとい説明している。*11
結局どういうことかは多分作者も理解してない。


【出生の秘密】


【余談】

  • 虎杖の呪術師としての等級について
高専関係者の呪術師にはそれぞれ実力に応じた等級が割り振られる、例えば同級生の伏黒は2級呪術師、釘崎は3級呪術師である、では虎杖は何級であるかというと一切説明されず現状不明
特級相当の受肉体の討伐の功績を元に、東堂と冥々*13から1級呪術師に推薦されたが昇級査定は保留され、その際も現時点の等級は記載されなかった。また、数々の死戦を乗り越えた渋谷事変時点では、冥々から「既に1級呪術師並の実力がある」と評価された。


  • 戦績について
主人公ではあるが、現状の戦績はあまり良くはない。
単独で撃破したと言えるのは、序盤に登場した呪霊や蝗GUYなど限られる。
ただしこれには
    • 他の1年や東堂とタッグを組んで戦うことが多い
    • 真人花御乙骨など基本的に格上と戦うことが多い
という理由があるため、決して彼が弱いというわけでは無い。真人とも最終的にはタイマンだったし。
あとそもそも呪いが見えるようになって数ヶ月程度しか経ってない、まだまだ発展途上なことも留意すべきである。

作者としてもそれは織り込み済みらしく、ファンブックで、あんまり虎杖の戦績を良くするつもりは無いと発言している。


  • 存在しない記憶
呪胎九相図の長兄・脹相との死闘の果てに敗北し、あわや止めを刺されようとしたその瞬間、弟達と共に虎杖が弟として食卓を囲む団欒の記憶が脹相の脳内に溢れ出した。
このありえない記憶に混乱を起こした脹相は憔悴したままいずこともなく彷徨い去っていった。
後に脹相は血縁者の危機をどこにいようと感じ取れる能力がこのような形で発現したと判断し、悠仁を弟だと思うようになった。

それ以前の東堂戦でも同様に存在しない記憶が溢れ出し、東堂が虎杖を親友に認定する展開があったため、虎杖に起因する現象である可能性が浮上した(殆どの読者には東堂がイカレているため自分で記憶を捏造した妄想と思われていた)。

しかし、「漫道コバヤシ」において作者の口から衝撃の真相が明かされた。
作者はなんと「存在しない記憶は能力ではない」と否定。曰く「ミスリードを狙ったわけではなく所謂天丼のようなノリでやっただけ」とのこと。
つまり東堂が見たのは妄想の産物、脹相と悠仁の間には何らかの血縁関係があるということだった。


追記・修正は宿儺の指を飲み込んでからお願いします。

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