登録日:2021/01/17 Sun 00:23:27
更新日:2025/05/10 Sat 21:54:03
所要時間:約 4 分で読めます
乙骨憂太は週刊少年ジャンプ連載
『呪術廻戦』の登場人物。
およびその前日譚である
『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』(以下
『呪術高専』)の主人公。
※この項目はアニメ及び単行本未収録の範囲を含みます
●目次
【プロフィール】
出身地:宮城
誕生日:3月7日(うお座)
年齢:16歳(呪術高専)→17歳(
呪術廻戦)
身長:16歳で175前後(呪術高専)→17歳で178前後(呪術廻戦)
等級:特級呪術師
好きな食べ物:塩キャベツをごま油で
嫌いな食べ物:
ステーキの脂身
ストレス:同級生に会えない事
所属:東京都内の高校→
都立呪術高等専門学校1年(呪術高専)→都立呪術高等専門学校2年(呪術廻戦)
【概要】
都内の高校で起こしたある事件が切っ掛けで都立呪術高専に転入した少年。
呪術高専の物語の時点で呪術界に四人しかいない
特級術師の一人。
凶暴凶悪な
特級過呪怨霊“祈本里香”をその身に宿しており、その顕現を恐れた呪術界上層部によって秘匿死刑になりそうだった所を
五条悟が異を唱えた事で、彼が教鞭を執る呪術高専に里香の力の使い方を学ぶ為に転入する。
【人物像】
黒髪のツンツン頭が特徴的な少年。『呪術廻戦』本編では
伏黒恵と髪型が被ってしまう為、2:8分けの降ろした髪型になった。
また、テレビアニメ放映終了後に発表された呪術高専の映画
『劇場版 呪術廻戦0(ゼロ)』では原作者のラフスケッチを元にリデザインされ、ツンツン頭がくせっ毛程度に落ち着いた。
内気なモヤシ少年感倍増
因みに制服は他の生徒が暗い色合いであるのに対し、彼だけはなぜか白。
ファンブックにて明かされたその理由は、「問題児なので、パッと見てどこにいるか分かりやすくするため」。
また、一度4級になった際には黒い制服に変わっていたが、特級に返り咲いた後は白に戻ったため等級も影響しているようだ。
また、(恐らくは里香が原因で)留年しているため、早生まれだが他の同級生より年上。
一人称は「僕」。
性格は、滅多に感情を荒げたりすることのない心優しいもの。
物語当初は内向的であったが、それは呪いとなった里香が顕現した際に起こりうる被害を恐れての事であり、「里香の力を制御し、やがて里香を呪いから解放する」という目的を持ってからは、内気な性格は少しずつ消えて持ち前の芯の強さを発揮するようになる。
また『呪術廻戦』で五条の言っていたような「イカれた」資質もキッチリ備えており、敵対者、特に友達を傷つける相手には普段の穏やかさが嘘のような殺気を見せる。
また友人の良い所や優れた部分を素直にリスペクトでき、友人の為に戦える強さを持つ。というか友人第一主義であり、友人と会えない事は彼にとって最大のストレス要因。
なお年齢や役職が上の立場の者にもフランクであり敬語を余り使わない
虎杖に対して、乙骨はちゃんと敬語は使える子である。
『呪術廻戦』の本編開始時点では、とある目的の為に海外に行っており、渋谷事変が終わるまでは日本に帰国していなかった。
伏黒からは
「唯一手放しで尊敬できる先輩」
五条からは
「僕に並ぶ術師になる」と高く評価されている。
家族構成は非術師の両親と妹がおり、高専編入後も妹とは連絡を取っている。
作者曰く「両親は(連絡を取るのは)難しそう」との事だが、呪術規定絡みなのか心理的に隔たりがあるのか、はたまた他に事情があるのかは不明。
【戦闘能力】
『呪術高専』時点では刀を武器として使用し、祈本里香の呪いの力を貰い受けて刀に込めることで戦う。
これは里香の呪いを解放するための、呪いの力を支配する手段でもある。
転入当時は剣術について素人であったが、同級生の
禪院真希や
パンダに鍛えられたことや本人の資質も相まって、
数か月後には特級呪具で武装した
夏油傑と近接戦で渡り合えるだけの力を身に着けた。
我流のためか構えは独特で、時には
逆手でボクシングのファイティングポーズのような構えを取るなどかなり奇抜な格好になる事も。
また夏油戦で刀が破損した際にはパンチで夏油を吹き飛ばしており、虎杖のように呪力を用いた肉弾戦も可能。
生得術式については後述。
『呪術廻戦』時点
呪術廻戦本編では、更なる研鑽を積んだ姿で登場。武器は引き続き刀を使用する。
本人の素の身体能力こそ平凡だが、五条悟を上回る呪力量により、基礎的な呪力運用だけで全ての攻撃が致死レベルの威力に達し、同時に常に全身を覆う呪力がダメージを最小限にまで軽減させるという攻防一体の戦闘術を実現させている。
ゲームで例えると、「常時スーパーアーマー&全ての攻撃がクリティカル」のようなもの。
ただし瞬間的な出力・最大出力はまた別であり、例えば石流は乙骨以上の出力を持つことが明らかになっている。そのため彼の打撃によって呪力のガードを破られたり、純粋な呪力エネルギー同士の放出戦で押し負ける描写があった。
また呪力の運用効率についても、六眼による呪力コントロールで術式発動時の呪力ロスがほぼ無い五条悟と、呪術の操作技術全般に群を抜いて長ける宿儺の両名には確実に劣る。乙骨の規格外の呪力量といえど、戦闘が長期化すればガス欠は発生する模様。
特級過呪怨霊・祈本里香
等級:特級呪霊(特級過呪怨霊)
享年:11歳
好きなもの:憂太
嫌いなもの:憂太以外の人間
6年前(呪術廻戦の7年前)に亡くなった憂太の幼馴染にして、憂太に宿った『呪い』。
顔上部を覆う指のような筋に牙の生えた広い口、痩せさらばえた巨漢の男性のような上半身に逞しい腕、真っ黒な蛇のような下半身という、元が少女とは到底思えない怪物的な姿をしている。
そんな外見だが、言動は
ヤンデレ幼女。
上述の好きなものと嫌いなものからもわかる通り憂太が第一。真希に憎悪を向けてそれを咎められた際は「ごめんなさい」「嫌いにならないで」と泣き出す程には彼が大好き。
その力は変幻自在かつ底なしの呪力の持ち主で、夏油から
「呪いの女王」「世界を変える力」と評されるほどに強大。
里香に他者の術式をコピーした呪具を作成させて用いる。
狗巻の呪言をコピーしたメガホンを作成し、
「死ね」の一言で夏油の放った呪霊の群れを全滅させた。
作中の呪術の術式は簡単なもの以外は生まれながら肉体に刻まれている先天的なものであり、それゆえに呪術師は才能がほぼ八割と称される。
そんな中で他者の術式を無条件で模倣するという、相当なぶっ壊れ能力。
当の乙骨曰く使用時は
「呪力が拡散して狙いが定まらなかった」らしいが、言葉として強すぎる「死ね」は反動が強すぎて狗巻自身も避けていた言葉であり、乙骨はそれを難なく使っている。
打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生まれる空間の歪みにより、打撃の威力を2.5乗に跳ね上げる現象であり技術。
劇場版で夏油との戦いの中で披露した。
乙骨自身を生贄に、里香の呪力の制限を解除。底なしの呪力を大出力でビームのように放つ荒技。
名称は呪術廻戦の第2部にて命名。
夏油の特級呪霊1体および4000体以上の呪霊を束ねた砲撃「うずまき」に撃ち勝ち、夏油の右腕を消し飛ばして追い返した。
「純愛だよ」の言葉と共に放たれたため、読者からは「純愛」「純愛砲」「純愛ビーム」などと呼ばれる。
「リカ」
乙骨が従える、呪霊とも式神ともつかぬ謎の存在。里香と似通った特徴を持つが、呼称は漢字表記ではなくカタカナの『リカちゃん』で統一されており、姿も異なるため里香とは別の存在である可能性が高い。
幼い少女のような言動ではあるが、その力は凶悪無比。
魔都と化した東京に巣食う狂暴な呪霊を一瞬で壁の染みに変え、本人にとっては遊び気分でも虎杖の動きを封じるだけの腕力を持つ。
その正体は、里香の成仏後乙骨に残された外付けの術式にして呪力の備蓄。
平たく言うなら「独立して行動可能な、乙骨自身の呪力の塊」である。
読者の間では「里香の抜け殻のような何か」と思われていたが、実は里香本人の遺志はしっかり残っており、乙骨に危害を加える者には容赦しない。成仏してくれ
乙骨が触媒である指輪を介してリカと接続している間、
- 術式の使用
- 「リカ」の完全顕現
- 「リカ」からの呪力供給
といった恩恵を受け、リカと一緒に戦うことが可能になる。
またこの間はリカのポテンシャルも飛躍的に強化され、『呪術高専』における夏油戦のような戦闘が行える。
更に四次元ポケットの如くリカの体内に呪具を多数格納しているため、状況に応じて武装を固めることもできるなど至れり尽くせり。
ただし接続持続可能時間は5分間限定。
5分を超えると上記の恩恵は失われ、強化されていたリカのポテンシャルも著しく低下する。
模倣
『呪術高専』の頃から引き続き使用している他者の操る術式をコピーする生得術式。
コピーした術式はストックされるらしく、『呪術高専』の時に狗巻からコピーした呪言も引き続き使用できている。
発動条件は「リカにコピーしたい術式を持つ相手の肉体を食わせる事」。
強い術式を模倣するためには腕1本など、対象にとって呪術的価値の高い部位が必要になるが、「使用回数に制限を加える縛り」を設ければ指1本程度から模倣可能。
相手の部位を失わせていることが呪いの根源らしく、逆に反転術式などで捕食した部位を回復されると効力を失う。
前述の通り、この術式が使用できるのはリカと接続している5分間限定。
呪力を乗せた言霊で相手を呪う、狗巻家相伝の術式。
宿儺の伏魔御厨子の斬撃に巻き込まれて失った棘の腕が現代医学と反転術式をもってして再生できなかったため、術式の模倣に使用された。
0巻時は蛇の目と牙の呪印が書かれた拡声器を生成していたが、本編では狗巻同様に口元と舌に呪印を出現させた。0巻の時と違って拡声器という媒介は使わず乙骨自身が術式を使う形になったが、特級としての実力故か反動が後の行動に支障を来さない程度に小さい。
仙台コロニーにて、乙骨が殺したドルゥヴ・ラクダワラという古代の受肉タイプの術師の術式で、式神の軌跡を領域とする術式。
ドルゥヴは2種類の巨大な式神を使役していたが、乙骨は自らの髪を媒介とした小型の式神を複数体生成し、相手の周囲に不可侵の結界を張ることで、不意を突く形で斬撃をくり出していた。
同じく仙台コロニーで戦った平安時代の烏鷺亨子の術式。
戦闘の最中、切り飛ばされた腕をリカが摂取した。空間を写真状の面として認識し、掴んだり引っ張ったりすることで自在に操作する術式。また、捉えた相手ごと面を割りその衝撃で吹き飛ばす宇守羅彈(うすらび)も使用可能。
あらゆる術式を消滅させる来栖華に受肉した天使の術式。切断された片腕が現代医学と家入の反転術式をもってしても再生できなかったため、本人の許可を得て術式の模倣に使用された。
後述の領域にて必中術式に設定して発動。最大出力の描写としては都市に大きな光の柱を立てた天使の物には見劣りするが、受肉体である宿儺に大ダメージを与えられる出力を備えている。
自身の武器で傷つけた相手の未来が視えるシャルル・ベルナールの術式。血(インク)が武器に溜まっていくほど、より先の未来が視る事ができる。彼の肋骨の一部を模倣のために提供した模様。
呪いの王・宿儺が扱う斬撃の術式。領域内の戦闘で、直接触れた対象の強度と呪力量に応じた、最適な斬撃を発動する術式効果の「捌」を披露。「解」も使えるのかは不明。
当初は宿儺の最後の指を食らって発動したと思われていたが…?
宿儺と虎杖の最終決戦時、虎杖の左腕につけていた呪具が破壊された時に左薬指が欠損していることが判明。つまり、乙骨のセリフはブラフだったことが判明。最後の指は
高専の最後の熱の為に残されていた。
羂索の本来の生得術式。
五条悟及び、自身が宿儺に敗れた時の保険の一つとして、「リカ」に倒した羂索の肉体を喰らわせ、術式を模倣し、五条を乗っ取ることを乙骨自ら提案。五条本人や家入からは了承を貰っており、乙骨の身を案じていた禪院真希ら仲間も下記の乙骨の覚悟を聞いて最終的に折れた。
因みに、羂索本人は封印される前の五条に対して、「乙骨憂太は君にはなれない」と言い放ったが、まさかそれが実現(しかも自分の術式を使って)するとは誰が予想しただろうか。
岩手の御所湖結界で羂索を殺し、「呪霊操術」の暴走を食い止めた後、乙骨は「リカ」に羂索の死体を捕食。その後、彼自身も宿儺との戦いに敗れ、憂憂に回収された乙骨は家入硝子ら医療班の治療を受けるも、負ったダメージはあまりに深く、反転術式で一命を取り留める事すら不可能な状態だったので、実行。
ところが、術式の仕様上、「模倣」から効果を引き出して五条の肉体を操っているため、仙台結界や先の宿儺戦のように他の術式を使用することは出来ないが、そもそも、乙骨が「模倣」を使用できるのは、領域を除くと「リカ」の完全顕現中の5分間のみであり、五条の肉体を動かせるのも5分だけということになるが、これについて冥冥は、
1.羂索の術式が常時または断続運転タイプ(常に術式を回し続ける形式)なら、5分経った瞬間に肉体と魂のどちらかが維持できず死ぬ。
2.術式が間欠的に運転するタイプ(定期的に術式をかけ直す形式)なら5分過ぎても即死することはない。が、術式効果を引き出す大元の「模倣」が切れるからいずれ死ぬ。
3.術式が単発一度きりタイプ(肉体を渡る時にだけ術式を発動する形式)の場合、5分経っても無下限呪術を使える。肉体の移動が完了した時点で、乙骨の本来の術式は破棄され、五条悟の肉体のまま生きていく可能性もありえる。
と予想していた。
五条の肉体は事前に家入が縫合していたが、あくまでもくっ付けただけで失った血や機能停止した臓器諸々を直した訳ではなかったため、乙骨は、五条の肉体へ移動した瞬間に反転術式を全開に回し、甘井凛の補助を受けながら仕上げを行った。
五条の肉体を貰い受けたことで同時に六眼も得て、「無下限呪術」の行使も可能となったが、五条と乙骨には体格や筋肉量に大きな差異があり無下限呪術のピーキーさも相まって、一度の入れ替え修行だけでは五条の肉体と能力を完全に扱うことはまだ出来ておらず、実際に宿儺との戦闘でも距離感を間違えて自身の攻撃を上手く当てられず、術式を逆に利用され弱体化し、宿儺からのカウンターを受けたりしている。
ちなみに「リカ」は、五条の身体の乙骨にはついてこなかったがそれにも理由があった(後述)。
概念の無限を具現化させる、五条家相伝の術式。
原子レベルの緻密な呪力操作が必要なため、乙骨が模倣したところで扱えないものだったが、六眼ごと五条の肉体を得たことで使用可能となった。しかし上述にも記載されている通り、たった一度の入れ替えを経験しただけで使いこなせるはずもなく、比較的、一番シンプルな技である「蒼」でさえ満足に扱えず、肉弾戦と並行して発動すると不発に終わることもあった。
一方、領域「無量空処」は、これまで乙骨自身が培ってきた結界術の才能が活きるのか、問題なく展開可能。宿儺の「伏魔御廚子」と領域の押し合いをした。狗巻棘のボイスレコーダーに録音していた棘の呪言で動けなくなっていた宿儺に対して「茈」を発動し、宿儺にダメージを与えた。然し、宿儺との領域対決後、制限時間5分も待たずに五条の肉体を動かせなくなってしまった。これは領域解除により、術式が焼き切れた事が原因と予測される。
決戦後、乙骨自身の身体に戻れたことが判明。乙骨(の脳)が羂索の術式を使って五条の身体に移動した後も完全顕現した「リカ」は乙骨の身体を反転術式で治癒し続けており、術式が焼き切れて行動不能になった「乙骨五条」の回収後、仮死状態にしたまま術式の回復を待って、羂索の術式を使って乙骨自身の身体に再移動したということのようである。
なお、あくまでも「再移動」しただけであるため、元の体に戻った乙骨の額にはこの術式の縛りである縫合痕が残っている。
僕たちはみんな!!ずっと怪物になることを五条先生一人に押し付けて来たんじゃないか!!
五条先生がいなくなったら誰かが怪物にならなきゃいけないんだ!!
反転術式
負の力である呪力同士を掛け合わせて正のエネルギーを生み出して肉体を治癒する技術。
他人の治癒を出来る術師は希少であり、しかもそれを見様見真似で即興で行う辺り、彼の底知れない才能がうかがえる。加えて彼の場合は傷は勿論毒に対しても治癒が可能。
尚、毒に対しては原因物質の特定と除去により高度な呪力操作を要するが、乙骨より難度が高い他人に対しても問題なくやってのける。加えて未知の毒物であろう
脹相の毒すら治すあたり、その力量は計り知れない。
劇中に登場した呪術師で他者に対して反転術式を使用可能なのは、今のところ彼と家入硝子、そして
宿儺のみ。
真贋相愛
効果は模倣し包蔵された術式を1つ選んでその術式に必中効果を付与すること。
選ばれなかった術式は領域内に並び立つ日本刀にランダムに込められ、乙骨だけがその効果を引き出すことができる。
使用する刀の本数に制限こそないが、どの刀にどの術式が宿っているのかは乙骨にも分からず、刀に宿った術式を引き出すとその刀は消滅する。
発動時の印相は荼吉尼天印。
【『呪術高専』での活躍】
10歳の時に幼馴染の少女「祈本里香」が交通事故で死亡。
その際に呪いへと転じた里香が乙骨に取り憑いてしまう。
顕現した里香を制御できない乙骨は、迂闊に人を傷つけないようにあまり人と関わらず内向的に生きてきたものの、2016年11月に同級生の執拗な嫌がらせを受けたことで里香が顕現。
「首謀者含む同級生4人が折り畳まれて、掃除器具用ロッカーに文字通り収納される」どう考えても重傷ってレベルじゃすまねーだろという事件を起こし、呪術界上層部の指示を受けた五条によって捕縛される。
上層部は里香の暴走による被害を恐れて「完全秘匿による死刑執行」を決定し、乙骨自身もそれを望んでいた。
しかし呪術高専の教師である五条悟の横紙破りにより乙骨の死刑が中止され、乙骨は呪術高専へ転入する事となる。
転入直後は自身の境遇に戸惑っていたが、初めての呪術実習においてペアになった真希が呪霊によって負傷した際に「呪術高専に何をしに来た」「何がしたい!! 何が欲しい!! 何を叶えたい!!」と問われ、
と本音を吐露。
真希の「じゃあ呪いを祓って祓いまくれ、そうすれば自信も他人も後から付いてくるんだよ」との激励を受けて、覚悟を決める。
里香を初めて自らの手で顕現させ、呪霊を打ち祓った事で彼の呪術師としての日々と戦いが始まった。
なおこの際に里香を完全顕現させてしまった事により、再び里香を完全顕現させた場合は死刑執行する事を条件に中止されていた死刑が決まってしまう事になった。
その後は里香の呪いを刀に込めて支配し、やがて里香の力を完全制御して里香の呪いを解くことを目標に修練と任務をこなしていく。
この年に行われた
京都校との交流戦では、東京校の人数不足により唯一の1年として参加するも、里香が意図せず出てしまい、京都校に圧勝した。
そんな日々を送っていた乙骨であったが、里香の呪いの力を狙って最悪の呪詛師である
夏油傑が動き出す。
夏油は仲間と共に呪術高専を訪れ、
12月24日の日没後に新宿と京都に1000の呪いを解き放つ「百鬼夜行」を予告。呪術界に宣戦布告する。
呪術界の汚点である夏油を倒すべく、呪術高専は全力を以てこれに備え、五条を始めとする主力は新宿へと向かう。
しかしこれは夏油の陽動作戦であった。
夏油の真の目的は高専にいる乙骨を殺害し、呪霊操術により里香をその手に収める事だった。
陽動作戦は成功し、五条は夏油一派により足止めされる。その間に夏油は高専へと侵入。補助監督や呪術師を排除し、立ち向かった真希やパンダ・
狗巻も倒されてしまうが…
同級生を害された乙骨は激昂し、里香を完全顕現させて夏油に立ち向かう。
乙骨は傷ついた三人を反転術式で治療後、呪霊を展開する夏油に里香の力で対抗し、互角の戦いを繰り広げる。
虐げられる呪術師の為に非術師を殺し呪術師の世界を作るという持論を語る夏油に対して、「そんなことは分からない」「でも僕が皆の友達である為に、自分が生きていていいと思えるために、オマエを殺さなきゃいけないんだ」と乙骨は語り、分かり合えない事を悟った夏油は特級仮想呪霊“化身玉藻前”と呪霊操術“極ノ番・うずまき”を用いて乙骨を全力で殺そうとする。
里香 僕を好きになってくれてありがとう 最期にもう一度力を貸して
コイツを止めたいんだ その後は何もいらないから 僕の未来も心も体も全てをあげる
里香に全てを捧げる誓いと口づけにより、里香が覚醒。
自らを生贄とした呪力の制限解除により、里香が己の呪力を結集させて巨大な光弾を生成する。
そして二人は互いの最大の一撃をぶつけ合い、果たして乙骨が勝利する。
敗北した夏油が高専を去った後、里香と結んだ約束を叶えるために死のうとするが、その瞬間に里香の呪いが解除され、彼女は死ぬ直前の少女の姿に変貌する。
そう言って拍手をしながら現れる五条。
五条曰く、乙骨は日本三大怨霊の一人であり超大物呪術師である菅原道真の子孫であり、五条の遠縁であった。
里香が君に呪いをかけたんじゃない 君が里香に呪いをかけたんだ
交通事故の際に里香の死を見てしまった当時の乙骨は、その死を拒絶するべく無意識に里香に主従契約を結び、里香を呪いへと変貌させてしまった。
(ファンブックに生得術式:里香と書かれている事から、これ自体が乙骨の術式だと思われる。)
里香に全てを捧げると宣言した事でその主従契約が破棄され、里香は少女の姿に戻ったのである。
真相を知った乙骨は「…全部僕のせいじゃないか」と悔やむが……
憂太 ありがとう 時間もくれて ずっと側に置いてくれて
呪いとして乙骨と共に生きられた事に里香は感謝の言葉を述べ、「バイバイ 元気でね」の言葉と共に空へと消えていった。
【『呪術廻戦』での活躍】
渋谷事変までの動向
里香の力を喪い、呪術高専の本編終了時点では4級呪術師となるものの、呪術廻戦の本編開始時点では再び特級呪術師として返り咲いている。
五条からは高い評価を受けているものの、
偽夏油からは
『高専』時点での実力は最愛の人を抑留する縛りで成り立っていたに過ぎないと評価されており、
存在を軽視されている。
渋谷事変の勃発までは、夏油一派の残党であった
ミゲルと共に、とある目的で世界各地を旅していた。
原作33話の扉絵では背景にバオバブの木がある事からマダガスカル島周辺を旅していた可能性が高い。
アニメの2クール目のOPでは南米らしき街並みの中を歩いている。
第2部
渋谷事変の終結後に満を持して登場。
偽夏油の暗躍で呪霊が溢れ返り人外魔境と化した東京で一般人の救助を行っていたが、宿儺の暴走による大虐殺及び虎杖の保護者である五条が封印された事により、猶予されていた虎杖の死刑執行が決定。呪術総監部により虎杖の処刑人として抜擢される。
彼自身も狗巻の腕を虎杖が切断した事への怒りからその通達を受け入れ、虎杖抹殺に動き出す事になる。
魔都と化した東京にて、
脹相と共に呪霊狩りを行っていた虎杖。
そこに伏黒恵暗殺の為に京都から東京へ
徒歩でやってきた
禪院直哉と戦っている最中に、死刑執行人として乙骨が現れる。
直哉は乙骨との共闘を持ち掛け、乙骨はそれに了承。直哉は脹相と、そして乙骨は虎杖との戦闘を開始する。
虎杖の類まれなる戦闘センスに感心しながらも、その圧倒的な呪力を用いた戦法で彼を着実に追い詰めていくが、虎杖の腹への一太刀と引き換えに刀を折られてしまう。
反撃に転じる虎杖だったが、彼の背後に突如『リカちゃん』が出現。虎杖を押さえつけて動けなくしてしまう。
乙骨は折れた刀で虎杖の胸を突き刺し、虎杖は地に斃れてしまうのであった…
なおその後斃れた虎杖を
まるでゴミ袋のように首根っこを掴んで引きずりながら運び、直哉を破ったばかりの脹相の前に出現。油断した脹相を裏拳でぶん殴って気絶させる。
どこのターミネーターだ
そして脹相から受けた傷に苦しむ直哉を見た乙骨は直哉に
「毒と傷を治す代わりに虎杖の死を上層部に報告する」縛りを結んだ。
乙骨によって力及ばず処刑されたと思われた虎杖。しかし何故か死んでおらず目が覚める。その様子を見た乙骨は…
何と半ベソかきながら安堵の表情を浮かべていた。
実は五条悟から、万が一自分に何かあった時に虎杖達の事を守るよう頼まれており、上層部との間に「虎杖を殺す縛り」を結んで信用を得つつ、虎杖の心臓を貫くのとほぼ同時に反転術式を施すという荒業で一度殺して蘇生させる事で虎杖の指名手配を解除するという作戦を練っていたのだった。
身に余る大きな力を背負わされて苦悩する虎杖をかつての自分と少し重ねつつも、自分とは異なり彼の背負った業は彼の物では無いと考え、宿儺に身体を奪われたとはいえ、間接的に沢山の人を殺めて自分を責め続ける虎杖に対して「君は悪くない」と励ました。
里香の一件を知っている読者からすると非常に感慨深い台詞であろう。
その後は虎杖・伏黒・脹相と共に、
偽夏油が開始したデスゲーム
「死滅回游」を終わらせるべく天元様のもとへ向かう。
高専にて重傷から復帰した真希と特級術師である九十九由基と合流し、地下の薨星宮に到着。
そこで天元様から偽夏油こと羂索の目的と死滅回游の詳細を聞き、相談の結果彼は仙台の結界平定を行うべく、再び単独行動する事になる。
死滅回游編
仙台
結界に突入した乙骨は早々に35点を獲得し、更には受肉した弥生時代の術師であるドルゥヴ・ラクダワラ、ゴキブリの呪霊
黒沐死をも倒す。
しかし黒沐死を倒した所へ
烏鷺亨子が襲来。途中から
石流龍も現れ、そのまま三つ巴の激闘を繰り広げる事となる。
【余談】
前日譚の主人公なだけあり、前々から本編登場を望まれていた彼だが、本編に本格参戦したタイミングがよりにもよって「東京が壊滅した後」で「虎杖の抹殺担当」という救いも容赦も無いタイミングだったこともあり一部ファンからは悲鳴が続出。
掌を返したように「来ないでくれ」「違うそうじゃない」といった声が上がった。
しかし実は味方だったことが発覚したことで、ファンから再び掌返しされたり、「(友人を傷つけられた乙骨なら)やりかねないと思っててすいませんでした」と謝罪されたり、「逆に迫真の演技過ぎて怖い」と恐怖されたり等、様々な意見が飛び交った。
追記・修正は純愛を貫いてからお願いします。
最終更新:2025年05月10日 21:54