ZAIAエンタープライズ

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ZAIAエンタープライズ - (2021/05/28 (金) 00:14:48) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/04/01 Wed 20:57:26
更新日:2024/04/21 Sun 00:15:15
所要時間:約 5 分で読めます



ZAIA
ENTERPRISE


ZAIA(ザイア)エンタープライズとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』に登場する企業である。


概要

本格的に物語に絡むのは第11話以降だが、名前自体の初出は第4話。
かつて運営計画が進められていた「ヒューマギア運用実験都市計画(現在のデイブレイクタウン)」に参入していた企業の一つとして、名前が挙げられた。

その実態は、飛電インテリジェンスと同じくAI事業は勿論のこと宇宙開発などのテクノロジー事業を全般に扱うトータルカンパニー。
日本に一社のみ存在する飛電とは対照的に世界中に支社が点在しており、日本にあるものも、その支社のうちの一つに過ぎないという超巨大企業である。
本編に登場するのはこの日本支社であり、正式名称も「ZAIAエンタープライズジャパン」だが、
流石に長ったらしいので基本的には「〜ジャパン」を省いた「ZAIAエンタープライズ」、あるいは単に「ZAIA」と呼称されている。

そして何を隠そう、日本政府と業務提携し、A.I.M.S.の装備の全てを開発・提供している会社である。


社風・組織風土

ZAIA社内の状況が描かれるシーンそのものが少ない為、詳しいことはまだまだ不明だが、断片的な情報を見る限り、その様は典型的なブラック企業。
社長である天津の権限が常に絶対視されており、基本的に誰も天津に意見することは出来ない*1
その上、天津自身自分に近しい社員以外の顔は殆ど覚えていないという有様*2の為、社内に於ける情報管理も劣悪。
そのせいで社員の独断行動を許している。

また、協力者も含めた社員などの構成員達の中には常識に欠けていたり、自分の為に他者を不当に蹴落とすことに何の躊躇いもない者まで見受けられる。

総じて、小さいながらも繋がりや絆を重視し、人々の夢の実現に助力しようとする飛電インテリジェンスとは何から何まで正反対と言える。

ただし、上記はあくまで日本支社の話である。今のところ本社や他支社からは何の動きもないため、黙認あるいはZAIA全体がこのような企業風土である可能性もあるにはあるが。

逆に言えば天津は会社の利益を守る事に関しては一貫しており、会社を守る立場にある事を踏まえれば決して不可解な言動ではない。
この点についてはメインライターの高橋悠也氏とチーフプロデューサーの大森敬仁氏の対談内で「天津が社長という立場から一概に分かりやすい悪役にしないようにしている」事が語られている。
とはいえ、「不正にはしかるべき処置を取る」と言っておきながら平気でサクラやマッチポンプを行なっている点はどうしようもないが…

そしてVシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』では、来日していたCEOが死亡した上に日本支社の社屋が崩壊した挙句、
彼が目指したヒューマギアの兵器化プロジェクト「ソルド計画」の存在が露見した結果、倒産してしまった。


開発物・商品

  • ZAIAスペック
ZAIAの主力商品。
手のひらサイズの小型インターフェースであり、眼鏡のフレームに引っ掛けて使用する。
使用者に人工知能と同等の知識量や、計算・情報処理速度を齎すことが可能。
劇中描写ではイマイチ凄さが伝わってこないが人間の脳に対して急激に人工知能並みのスペックを与えて果たしてついていけるのか視聴者から不安視されている*3
第34話にて、完全復活した亡によって全てのZAIAスペックがハッキングされ、使用者が人類滅亡を訴えながら暴走するという事件が発生している。
破壊すればどうにかなったマギアと違い、こちらは純粋な人間。
故に破壊=殺人となり(「人類滅亡」を叫んでいたので正当防衛は認められるだろうが)、迂闊に手を出せなくなる為、マギアより質が悪いという意見も。

  • 新型ZAIAスペック
厳密には「商品」ではなく緊急事態用の特別仕様。
特殊なコンタクトレンズに情報を投射する形に改良され、装着者の体表に不可視のバリアを張って毒ガスなどの有害物質を防ぐ機能が追加されている。
映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』において天津が準備し、A.I.M.S.と不破に配布。
シンクネットが起こした超広域テロに対し、装着者の思考をヒューマギアと同様に加速しつつ、仮面ライダーアバドンの散布するナノマシンから人間のメンバーを保護した。
更にとのリアルタイムでの情報共有を実現、迅速な事態収拾に大いに貢献した。

  • A.I.M.S.の装備全て
エイムズショットライザーやアタッシュショットガン、その他各種プログライズキーは全てZAIA製*4である。
詳しくはこちらこちらを参照。

  • ギーガー
第8話から登場した大型の自律駆動型ヒューマギア統率兵器。掌からコードを伸ばし、暴走したヒューマギアに接続して強制的に制御する事が可能。
過去2回にわたって登場したが、いずれも滅亡迅雷.netに奪われている。
フルCGで、モデルはブレイキングマンモスの流用。


  • ソルド
CEOのリオン=アークランドが導入を計画していた戦闘用ヒューマギア軍団。
専用のマスブレインゼツメライズキーを用いた「マスブレインシステム」により、常に統一された行動を確定する事で、絶対の統率が取れた軍隊を実現する。
水面下で計画を進めた上で、或人が通信衛星ウィアの打ち上げ計画のために宇宙に向かった隙を突いて国防への導入のための「デモンストレーション」に踏み切った。
が……。


社員・構成員

本社CEO

  • リオン=アークランド

演:ジェイ・ウェスト

Vシネクスト『仮面ライダー滅亡迅雷』に登場した、ZAIAエンタープライズ最高経営責任者。
ヒューマギアの真価が発揮される職種を「兵士」だと考えており、新兵器の生産とその有用性をアピールすることで利益を出そうと企む。
その一環として天津に日本支社を任せ、通信衛星アークや滅亡迅雷.netを生み出すよう指令を下した。
要するに『ゼロワン』の物語における一連の事件の原因の原因。また、アークの名は彼の名字から取られたものである。

性格は非常に独善的で、天津以上のワンマン気質。
ソルドの導入計画を独断で強行していた他、自ら仕事を任せた天津の顔を覚えていなかった。
ソルド計画の司令機となるライダーシステムを用意しており、これ以前から接触のあったアズより複製品の飛電ゼロワンドライバーを渡されるも一顧だにせず、天津のザイアサウザンドライバーを接収した。

或人と滅、エスの事例から「悪意は克服されてしまうが、それぞれの信念に基づく正義ならばそのような事態は起こらない=戦う理由がなくならない」と考えており、
当初はアズと手を組んで新たなアークの候補として擁立されておきながら、内心アークの存在を「時代遅れ」と明確に見下し、唾棄している。
また、ヒューマギアについても都合のいい奴隷としか見ておらず、その思想と野望の結晶とも言うべき「ソルドプロジェクト」の中核である「マスブレインシステム」を開発。
更にこの世界のために戦い始めていた滅亡迅雷.netを完全に人類の敵として位置付け、それに対する「正義の力」としてソルドを導入させようと目論んでいたが……。
アークの意思とは全く無関係の存在であり、これまでの『ゼロワン』におけるボスキャラとは毛色が違う、アークに関わりの無い全く別種の悪意の体現者として描かれている。



社長

ZAIAエンタープライズジャパン社長。
飛電是之助とは何かしらの因縁があり、彼の生み出したヒューマギアという存在を蔑視・嫌悪しており、その根絶を目論む。
その一方で、仮面ライダーへの変身ツール等を「優秀な兵器」と考えており、「ヒューマギアからの自衛」名目で展開される兵器ビジネスによって自社の更なる収益の上昇も企んでいおり、その為に飛電インテリジェンスの衛星ゼアを欲している。
そんな自身の野望達成のため、飛電に対し、ZAIAスペックとヒューマギアのどちらが優秀かを決める「お仕事5番勝負」を吹っ掛け、勝利の暁には飛電の買収を計画している。
そして第29話にて遂に飛電を買収し、その社長となって以降はヒューマギアの完全断絶に向けて本格的に行動を開始する。
だが、最終的にその行動が本社の意向に反し、ヒューマギアとの争いが現実味を帯びてきた事から「サウザー課」に左遷された。
その後、『仮面ライダー滅亡迅雷』の事件でZAIAが倒産したため失職、『仮面ライダーゲンムズ -ザ・プレジデンツ-』にて新たに株式会社サウザンインテリオンを起業している。

  • 与多垣ウィリアムソン
天津の後任の支社長として赴任してきた男。元は開発部の所属で唯阿とも面識がある。
迅を復元した張本人であることが本人の口から示唆されており、ザイアスラッシュライザーを与えたのも彼である可能性が高い。
先代の天津の尻拭いに奔走しており、アークの破壊を目的に行動している。
あの天津の後任とだけあって、登場前は視聴者にはどんな無茶苦茶な人物が出てくるのかと恐れられ、アークワンの変身者ではないかとまで疑われていたが、
蓋を開けてみれば少々過激なところがあるものの、真っ当な常識人と呼べる存在だった。
リオンの進めていたソルド計画には反対の意を示していたが、『仮面ライダー滅亡迅雷』では長期休暇の名目で行方不明にされており、生死不明。

その他社員

ZAIAエンタープライズジャパン社長直轄開発担当兼天津の社長秘書。
元々はA.I.M.S.に技術顧問として出向していたが、第15話にて人事異動により天津の元に帰ることになる。
以後は彼の秘書として働くのだが……?

  • 京極大毅/スカウティングパンダレイダー
演:こっせコウイチ

ZAIAエンタープライズジャパン開発部主任。
細身で眼鏡姿の、いかにも気弱そうな男性で、天津と対面した際にも、「君はどこの部署の人間だ?」と全く認知されていなかった不憫な人物。
しかし、会社に対しては一種の歪んだ忠誠心を持っており、お仕事5番勝負の消防士対決にて、紆余曲折を経て手に入れたアイテム一式を用いてスカウティングパンダレイダーとなり、現場で実際に火事を起こした。
その後、仮面ライダーゼロワン メタルクラスタホッパーに敗れ、一度は隙をついて逃走するも、落としていったZAIAスペックを回収され、不破に拘束された。

  • 野立万亀男
演:アキラ100%

映画『REAL×TIME』に登場した、ZAIAエンタープライズジャパン常務取締役。
金色の派手なネクタイを着用している男性で、「1000%」が口癖な天津に対し、こちらは「100%」が口癖。
実はシンクネットの信者であり、シンクネットへのZAIAのデータ及び技術の流入や違法改造などの行為に加担していた。
シンクネットの大規模テロには参加せずにガスマスク着用の上でエスの元に向かおうと試みるが、犯罪行為は天津に見抜かれており、拘束された末に全裸にされ、ヒューマギア達による激しい尋問を受ける。
テロ終結後はシンクネットの実働部隊幹部4人と同様に警察に逮捕された。

ZAIAスペック使用者

社員では無いが、便宜上ここに記す。
「お仕事5番勝負」のZAIA代表として、ヒューマギアに立ちはだかる。

  • 立花蓮太郎/クラッシングバッファローレイダー
演:兼松若人

私は…勝たなければならない!

初戦「生け花対決」の代表。
華道の名家「立花流」の家元で、数々の賞を総なめにしてきた。
その為、腕は確かだが、勝つためには手段を選ばない卑劣さを持つ。
花屋ヒューマギアの一輪サクヨとの勝負で一度は勝利を収めるも、裏で彼女を騙して作品の質を落とすという不正が発覚。
天津にもそれを糾弾されて心身ともに追い詰められていき、謎の人物に渡されたアイテム一式でクラッシングバッファローレイダーに変身。
再戦の場にて暴れ回るが、最後はサウザーに倒された。
その後、サクヨに励まされ、自身の行いを反省。
再々戦にて晴れて勝者となった。
滅そっくりな忍者ライダーと同じ名前だが関係はない。

  • 新屋敷達巳/スプラッシングホエールレイダー
演:一色湊

ヒューマギアなんかに仕事を奪われてたまるかよ!

第2戦「不動産対決」の代表。
「王波不動産」のセールスマンで、会社トップの業績を誇る。
嘗て実家が貧しく、狭い家で育った人生故に家に大きな夢を抱く人物だが、仕事を奪うヒューマギアに対する敵意は天津以上であり、彼らに対しては暴力行為も平然と行う。
同じ業種用の住田スマイルとの売り上げ対決で思うように善戦出来ず、苛立っていたところを、謎の人物からアイテム一式を渡され、以後レイダーの力を悪用してスマイルが予約を取った建物を次々に壊すという反則行為に走った他にもスマイルや、建物を修理する大工型ヒューマギアの最強匠親方にまで暴力行為に及び、横暴の限りを尽くした。
最終的にはスマイルの仕事に対する姿勢から家が人々にもたらす夢の意味を再確認したことで改心した。
但し、勝利は合計売上高で彼に軍配が上がった。
なんとなくサイボーグっぽい見た目と言動。しかしレイダーはメズールそっくり。

  • 市森直人
演:希志真ロイ

第3戦「裁判対決」の代表。
ベテラン検事で、被告人の罪を証明し断罪するという強い意志を持つが、良識を弁えた人物であり、例えヒューマギアであってもその能力は素直に認める高潔さもある。
とある結婚詐欺の判決を巡って弁護士ヒューマギアの弁護士ビンゴと対戦。
彼の捜査能力を認め、審議のやり直しを自ら提案した。
珍しく常識人で、始めから勝負のことは眼中になく、純粋に職務を全うする事のみを考えていた。

第4戦「消防士対決」の代表。
詳しくは個別記事参照。

  • 由藤政光
演:大塩ゴウ

最終戦「演説対決」の代表。
市議会議員で、ヒューマギア運用実験都市計画再開反対派として人間から雇用を奪うヒューマギアの断絶を説く。
実は裏でZAIAの重役と繋がっており、彼らをサクラに仕立てた他にも賄賂を受け取っていた。
それを察した対戦相手のラッパー型ヒューマギアのMCチェケラに取引現場を見られ、大勢の前で暴かれてしまうも、「同時刻に事務所で取られた」とする偽の映像をでっちあげて逆に難癖を付け、人々の怒りを誘発させた結果、チェケラの暴走を招いた。
チェケラの暴走で有耶無耶になったのか、はたまた捏造映像が証拠として認められてしまったのか、その後も司法や市民の追求を受けた様子は無く、演説対決もZAIA側の勝利に終わった。
ある意味では物語の展開に大きな影響を与えた人物であったが、その後は劇場版を含め特に再登場はしておらず、以降の動向は不明。


株式会社サウザンインテリオン

『ゲンムズ -ザ・プレジデンツ-』にて『仮面ライダー滅亡迅雷』の事件でZAIAが倒産した後、再起を図る天津が新たに立ち上げた会社。
社長と秘書のみという超小規模企業で、言ってしまえばかつての飛電製作所と同じ。
オフィスに使われているのは元々滅亡迅雷.netが「マギア作戦」の際に根城にしていた廃墟を改装したものだが、
通信衛星アークの多次元プリンターがあった区画にはどういうわけか仮面ライダーゲンムの変身アイテム一式が揃っており……。


余談

  • 天津の行動や言動、デイブレイクとの関連や与多垣ウィリアムソンの言動を踏まえると、ZAIAの目的は「飛電インテリジェンスの買収、あるいはヒューマギア関連技術の入手」だった可能性が高い。

  • 名前の由来は地球を表す英語「THE GAIA」と思われる。また、ZAIA関連では天津を始め人間の負の面(≒悪意)を強調した展開が多く描かれることから「罪悪」とのダブルミーニング説や、「A」と「Z」で「AI」を囲む事でAI産業の支配を暗示しているという説もある。

  • 「仮面ライダーと対峙する企業」という点は平成シリーズで敵組織だったスマート・ブレイン社やユグドラシル・コーポレーションを彷彿とさせ、また「怪人用の変身アイテムを製造する」「敵側の仮面ライダー」といった平成二期と共通する要素もあることから、滅亡迅雷.netがショッカーを初めとした「昭和の悪の組織」に似ていることに対して、ZAIAは「平成の悪の組織」を連想させる。


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