葦原涼

登録日:2011/08/19 Fri 01:30:57
更新日:2022/02/22 Tue 21:19:04
所要時間:約 8 分で読めます






「夢がなくても人は生きていける。普通に生きるのが俺の夢だ」



◆葦原涼

演:友井雄亮

「葦原涼(あしはらりょう)」は『仮面ライダーアギト』の主要登場人物の一人で仮面ライダーギルスに変身する。津上翔一氷川誠と共に「神話」の主人公を務める。

キャッチコピーは
仮面ライダーになってしまった男

初登場時の年齢は20歳で、城北大学水泳部のホープとして期待を寄せられていた学生であった。突如「ギルス」の力に目覚めた事により全てを失い乍らも、尚且つ過酷な戦いの真っ只中に身を置いて行く事になる。

真っ直ぐな正義と、不良っぽい野性的な魅力を発散するキャラクターで物語の展開上、本筋とは外れた部分での活躍が多かったがそれぞれの運命が交錯する中盤以降は翔一や木野薫を同じ運命を持つ仲間として認めた。
最終決戦では「ただの人間」として身を退く様に諭していた氷川の戦う意志を認めて彼をも鼓舞している。

一方で、物語の暗い部分や残酷な部分を制作側の都合上、一身に背負わされてしまっているキャラクターでもあり、他者との出会いと別れ、裏切られる事を繰り返す姿には流石に批判もあった。
しかしながらそんな絶望の淵に何度立たされても決して逃げることなく立ち向かっていった涼の姿を「漢」と称える声も多い。



【劇中での行動】

初登場時は学生。
城北大学水泳部のホープであったが、物語開始以前の交通事故により死んでもおかしくない大怪我を負っていた様で、将来が絶望視されていた。

奇跡の復活を遂げ(下記参照)、復活戦に臨むも時悪くしてアンノウン(超越生命体)が活動を開始。これに呼応し、自らの中に芽生えつつあった「力」が不完全な形で覚醒しギルスへと変身してしまう。

この秘密を上京して以降の親替わりであったコーチに明かすも、その事実を受け止められずに自らを拒絶した上に仲間達に排除を命じる彼の姿を目の当たりにして大学を自主退学する事となる……。
更に、恋人の片平真由美とも、また彼の秘密を知った事で別れる事となる。

更なる孤独に陥った涼は行方不明となっていた父の死を知らされ、その父の死が「あかつき号事件」に関係しているらしい事を知り、その秘密を探る事で自らの生きる道を探ろうとするが……。

※以降は、他の関連項目も参照。



【考察】

『アギト』は当初、前作に当たる『クウガ』に倣い、未知の存在による脅威を「事件」として描く構造にあった。
この為、物語の中心に据えられるのは刑事である氷川誠であり、主役のアギトである翔一はともかく一般人である涼を「事件」に絡ませるのは難しく、必然的に出番が少なくなってしまっていた。

他者との別離を繰り返す展開や登場して来る度にボドボドの満身創痍に陥る姿も元々は短い登場シーンの中でも存在感を出す為のアイディアだったのだろうと思われる。

物語の中盤以降は、涼の追っていた「あかつき号事件」が表面化。物語の中心に置かれる中で、漸く本筋でも活躍の場が与えられる様になった。

しかし、少なくとも物語上では結局は最後まで孤独な存在として描かれており、文字通り、運命に翻弄された男(仮面ライダーに“なってしまった”男)……であったと言える。



仮面ライダーギルス

※能力、その他は当該項目参照。

「アギト」の力に不完全な形で目覚めた涼が変身したライダー。
なお、劇中の登場人物の大半からはアギトの不完全体として扱われていたが「闇の力」や「水のエル」はアギトとギルスを別物として認識していた他、後にアギトの力を受け取り完全体になった際もアギトへの進化ではなくギルスのまま進化した事等からどうやらアギトとは似て非なる存在というのが正しい模様。
超能力による変身と云う、アギト本来の設定に合わせてかアナザーアギトと同様に生物的なフォルムを持つ。
また変身シーンは、「涼の横にギルスが並び立ち、そして涼の姿が消えていく」という特徴的なものである(これは後に仮面ライダーディケイド コンプリートフォームの元ネタになったとか)。

不完全体という事もあってか能力が不安定で、当初は変身の度に老化現象を引き起こしていた。
それによる涼本人への負担も半端では無く文字通り生命をすり減らしながら変身している様な状態であった。

後に、沢木哲也の指示を受けた風谷真魚に復活させられた際にその状態は克服。
更に物語終盤には木野薫=アナザーアギトに致命傷を負わされるも、矢張り沢木哲也の仲介により真島浩二の「アギト」の力を加えた事でエクシードギルスへと進化している。
実は劇中では明確な変身理由が明かされていないのだが、恐らくは「あかつき号事件」の関係者である父の和雄の影響で、涼の中で覚醒が早められた「アギト」の力が、
交通事故により生命が重大な危機に晒された事で歪な形で目覚めたのでは……とも考えられる。
裏設定によるとかつて「光の力」が人間と交わって子を成した事があり、その「光の力」の子孫達は「ネフェリム」と呼ばれる姿に変身できたと語られており、イコン画に描かれている「ネフェリム」の姿がギルスに酷似している事からファンの間ではネフェリム=ギルスと確定的に扱われている。
この裏設定が生きていたとすれば葦原家は「光の力」の血族であったため涼はアギトではなくギルスに覚醒したと考えられる。

なお、老化現象の再現はいわゆる特殊メイクで行われており、初期は非常に手間のかかる撮影になっていた事がインタビューなどで語られている。
その後、老化した状態を再現した手袋が製作され、引きの画と併用する事で大幅に手間を減らす事に成功。物語上でも復活と共に老化リスクを無くす事で、撮影とドラマ展開の両方をスムーズに進める事ができるようになった。


【他の人物との関係】


  • 津上翔一
アギトに変身する青年で、正体の解らない時期には榊亜紀を殺害した犯人と誤解して敵対していた。
初めて顔を合わせた際には、翔一の空気の読まない天然振りに彼を殴りつけている。
……が、後に介抱された際に翔一の人柄に触れ、これが後にアギトの正体を知った際の和解に繋がっている。
正体を知って以降は、同じ運命を持つ仲間として翔一を信頼、また救う為に行動している。

  • 氷川誠
ニアミスは以前からあったが、榊亜紀の嘘により警官とも知らずに殴りつけたのが最初の出会い。
劇中での関わりは余り多くなく「アギト」の力を持たない事もあってか、戦いから身を退く様に諭してもいる。

物語の後半に登場し、涼に大きな影響を与えた。ただし、当初は同じ「アギト」の力を持つ存在として共感と信頼を抱いた涼を裏切る役目であった。
和解後、この頃には余りにも不幸な目に遭い過ぎて来た所為か「裏切られるのには馴れている」と云う哀しい名言が涼から飛び出している。

  • 葦原和雄
父親。「あかつき号事件」の関係者だったが、物語の序盤で訃報を知らされる。彼の遺した手帳をもとに、涼は事件の真相を解き明かしていく。

「あかつき号事件」の関係者。涼に生命を救われた事で、慕うようになる。

警視庁の刑事。「アギト捕獲作戦」の際に涼に致命的なダメージを与える。
後のTVSPにてお礼参りに成功。

  • 沢木哲也
「アギト」こそが人類を救うのだと信じる、謎の男。実は榊亜紀が不幸な最期を遂げたのも、涼が相良克彦に殺害される事になったのも、彼が「力」を与えた所為だったりする。
一方で、涼を復活させるべく風谷真魚の「力」を目覚めさせたのも、真島浩二の中に目覚めた「力」を涼に移したのも彼である。

  • 両野耕一
城北大学水泳部のコーチ。
当初は親身になって涼を支えていたが、前述にある通り、彼の異変を知った途端に手のひらを返して拒絶した。
なお、指示通りに涼を追い返した仲間達からは「ケンカでもしたのか?」と聞かれたが、怯えるような様子で現実から目を背ける有様であった。
ちなみに名前は『涼のコーチ』の捩りとなっている。



【女達】

涼と哀しい別離をし、深く影響を与えた女達。

  • 片平真由美
城北大学の学生で恋人であったが、水泳に集中してからはやや疎遠になっていた。
大学を退学した涼は再び彼女の温もりを求めるも、彼女の父親がアンノウンの犠牲となり、彼女自身も標的とされる中で涼の変身を目撃する。
理解を超えた事象に耐えきれなくなった彼女は自分の無力さを悟った事もあり
……涼との別離を選択する。

「あかつき号事件」の関係者で、アギトである翔一の状態を探るべく美杉家に潜入した所で事件の調査を開始した涼と出会う事になる。
互いに似た部分を感じた二人は急速に恋(?)に落ちるが、北條透の率いる「アギト捕獲部隊」の攻撃に晒された涼が殺害されたと思い込んだ亜紀は沢木に覚醒させられた「力」により警察への復讐を開始する。
後に涼が生きていた事を知った亜紀だが、殺人者に身を堕とした自分を見られなくなかった彼女は涼を拒絶。傷を抱えたまま、亜紀はアンノウンに殺害され、亜紀の遺体を抱えるアギト(翔一)の姿を目撃した涼はアギトを敵と思い込む事になる。

終盤に登場した「事故により陸上への夢破れ、周囲から見放された」と云う涼と同じ境遇を持つ蠍座の少女。
自分と同じ境遇にありながらも強く生きている涼に惹かれていく。健気に涼を想う姿は非常に微笑ましい。
しかし「闇の力」によって抹殺されてしまう。



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最終更新:2022年02月22日 21:19