池田秀一

登録日:2011/12/24 Sat 02:37:23
更新日:2025/07/03 Thu 03:06:14
所要時間:久しぶりに読みに来た。約 8 分の項目を




池田(いけだ)秀一(しゅういち)


プロフィール

生年月日:1949年12月2日
出身地:東京都
身長:162cm
血液型:O型
最終学歴:日本大学芸術学部中退

概要

池田秀一…まずこの名が出れば、子役時代はNHKドラマ『次郎物語』の次郞、アニメでは赤い彗星ことシャア・アズナブル役が浮かぶ人は多いと思われる。
※元々はアムロ役のオーディションで呼ばれていたらしい

幼少期は児童劇団に所属していた近所の友達に誘われて劇団こまどりに入団。
そこから少年時代は演技の道に進み、昭和のベテラン子役と言われるほどになり、昭和の大スターである石原裕次郎とも共演した。それ故に同世代以上からは「秀ちゃん」と呼ばれ親しまれていた。
芸能業界の間では「子役のうちに人気が出ると大成しない」というジンクスがあるが、それを破った数少ない例外として知られている。
なお、後述するが、この「秀ちゃん」というあだ名が原因でアムロ役の古谷さんは池田さんを怒らせたらしい。

シャアの声優をしてからはとにかく赤が関係するキャラにかなり縁がある(赤い彗星の再来や赤髪など)。
役柄に関しても、シャアよろしく冷静な二枚目キャラを演じることが多い。
シャアの声優をしてからとにかくガンダムに出る事が多く、機動戦士ガンダムSEED DESTINYではギルバート・デュランダル
機動戦士ガンダムUCではフル・フロンタル役等、近年でもガンダム作品によく登場している。
もっとも後者は「声がシャアにそっくり(後述)」「素顔はシャアに瓜二つ」という設定があるため、池田にオファーが行くのも当然だが。

だが本人は子役時代に演じた役で人気が出過ぎてその役の印象に縛られた過去があるため、ある時期までシャアを意識したような配役を演じるのは抵抗があったという。
しかし「もういいや」と思える時期が来たとのことで、現在は楽しんで受け入れている。

後述の通り『名探偵コナン』の赤井秀一や『忍風戦隊ハリケンジャー』のサンダールなど、シャアのオマージュ要素が強いキャラをそのまま演じる機会も多い。

元妻は戸田恵子、しかしソリが合わず短期で離縁。*1、現妻は玉川砂記子。

エピソード

前述の通り池田は元々アムロ・レイのオーディションに呼ばれていたらしいが、キャラクターデザインの安彦良和のシャア・アズナブルのデザインに惹かれ、
シャア役のオーディションを受けさせてもらい、見事その座を射止めたという。
池田はこのシャアとの出会いを「シャアに呼び止められた」と語っている。
もしかしたら、それがなければシャアの声は別人になっていたり、アムロの声が池田になっていたかもしれない。

近年でもガンダム作品に出る機会が多く、2004年放送の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に出演する事で昭和のガンダムファンからは大きな話題となった。
池田曰く「近年のガンダム人気はSEEDの反響が大きいと考え、若いガンダムファンにも嘗ての作品に興味を持つキッカケを作れたら」と思い、同作品への参加を決めたとらしい。
池田は「ィ」が発音しにくいらしくデスティニーをデステニーと読んでいたらしい。

また、2010年からOVAとしてリリースされた『機動戦士ガンダムUC』では、シャア・アズナブルの残留思念が入ったキャラクター、フル・フロンタルの声を担当。
原作小説の時点でフロンタルの声は記録に残るシャアの声とそっくりとされており、フロンタル役に池田がキャスティングされたのはある意味必然といえよう。

ただし、生真面目過ぎる性格のためかギャグ調のシャアは演じたくないと語っており、「SDガンダム」のOVAでシャアを演じた時は、かなり嫌だったらしい。
そのためかは不明だが、「機動戦士ガンダムさん」のシャア等は別の声優が演じている。
そんな池田だが、SDガンダム自体は嫌いではなかったようで、『SDガンダム外伝』シリーズでは騎士シャア、『SD戦国伝』シリーズでは隠密頑駄無、『SDガンダムフォース』では前半のラスボスキャラであるコマンダーサザビーを演じていたりもする。
前述のエピソードも明かしているが、コマンダーサザビーはシャアとは違うキャラクター性を持っていたためかなり楽しんでやっていたそうである。*2
なお酔った勢いで、決戦エピソードのアフレコ前、主演だった神谷浩史に「俺も本気で行くからお前も本気で来いよ」と発破をかけていたらしい。

先ほど触れた子役時代の呼び名関係の逸話として、ガンダムの初収録時にアムロ役の古谷徹が池田に「秀ちゃん!」と声をかけたところ、*3
「君にそう言われる筋合いはない!」と池田から激怒され、古谷は「ああ、やはりプロなんだな」と萎縮したというものが伝わっている。
また、収録中は「宿敵」というキャラクター同士の関係性を意識し、飲み会などでも古谷とは話さなかったとか。
今でこそお互いを認め合う仲であり、親友と言って良いのだが、ファーストインプレッションは最悪クラスであったことがうかがえる。
一つ間違ってたら仲良くならず、嫌われ続けていたかも知れない。

『名探偵コナン』では、原作者の青山剛昌が『機動戦士ガンダム』のファンであることから、
池田とシャアを意識した『赤井秀一』というキャラクターを登場させており、アニメでは実際に池田が声を担当している。
ちなみに同作品にはアムロと古谷から名前を取った『安室透』というキャラクターもおり、アニメでは古谷が声を担当しているが、
キャラクター同士因縁があり、まるでアムロとシャアのような関係性になっている。

機動戦士Ζガンダム』でナレーションを務めた、デビュー当時の小杉十郎太を含めた何人かで飲みに行ったとき、
小杉に対して「これから病気にならない? 今ならまだ変われるから」と言ってしまったことを、自身の自伝『シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星』の161頁で振り返っている。
しかし、これは流石に言い過ぎたという自覚があったのか、自伝で「ひどいことを言ったもんです」と反省している。
また、このような痛烈なコメントを言ってしまったのも、自身が『ガンダム』という作品を愛していること、『ガンダム』を作り上げた永井一郎、白石冬美など彼らの作り上げた作品の魅力を、後を継いだ者達が受け取るには相応の覚悟が必要だと考えていたからだと説明している。
また、池田も小杉がそんなことは重々わかってくれているので、ガンダムに関わったすべての人の期待に応えようと努力してくれたと、絶賛している。
1985年の『Zガンダム』から20年後の2005年『機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち-』で小杉が演じたヘンケン・ベッケナーと自身の演じるクワトロ、ブライト・ノアの3人が掛け合うシーンについて、
自伝では「20年ぶりに同じスタジオで、こんなコミカルなシーンを演じられて嬉しく思います。」と述べた。

ゲーム等でシャアを演じる事になった際は過去作品を一切見ずに役作りをしているらしい。この点も過去作品を見てから役作りをする古谷と好対照だろう。

ゴルフが趣味らしいが、使用しているゴルフバックはシャアをイメージしてか真っ赤だという。

酒好きとしても知られており、同じく酒好きな鈴置洋孝とは飲み仲間だった。
また、有名な話として富山敬とのエピソードがある。ある時、飲んで気分がよくなっている時に後輩の堀内賢雄を呼ぼうという話になり、堀内のマネージャーに電話をかけさせた。
が、マネージャーは誤って大先輩の富山敬の自宅にかけてしまった。しかし酔っているためそうとは知らない池田は横柄に接した。
そして富山が「あ、秀ちゃん?」と自分のことを呼ぶので、堀内がふざけているのだと思った池田は「何言ってんだバカ」「何気取ってんだよ」など無礼な言葉をかけまくっていた。
しかしやがて態度があまりにも違いすぎることから「どちら様ですか?」と聞くと「富山です」と帰ってきて顔面蒼白になったらしい*4
しかし富山はそのことで怒らず「行きたいんだけどね、また今度飲もうよ」と優しく答えてくれたらしい。

このように自他ともに厳しい性格であるストイックな声優であるが、反面仕事を選ばないという一面もある。
独特なイベントシーンが見物の『ノットトレジャーハンター』では主人公のジェームズを演じ、カオスなシナリオが多い中、ヘタレになったり、
「私も仲間にいれてくださーい」と言いながら人を殺したり、承太郎のマネごとをしたりと名演技が光る。
何しろ、あの池田秀一ボイスでトンチキな台詞を言うのだから、ファンなら一聴の価値はあるだろう。
池田はその他、『THEスナイパー』などのゲームにも出演。

主な出演作

テレビアニメ/OVA


劇場版アニメ


ドラマCD

  • ブラム(ドラマCD つきツキ!)
  • ピサロ(CDシアター ドラゴンクエストⅣ)
  • サイモン・マーガス(ナイトウィザード)
  • ヒルメス(アルスラーン戦記)※カセットブック版&第2部3巻

ゲーム


特撮


吹替

  • ジェット・リー出演作品(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズ、エクスペンダブルズシリーズほか)
  • ピーター・バーク(ホワイトカラー)
  • 皇帝シャッダム4世(DUNE/デューン 砂の惑星 PART2

その他

  • オープニングナレーション(日本テレビドラマ「セクシーボイスアンドロボ」)
  • ナレーション(テレビ東京時代劇「密命 寒月霞斬り」)
  • ナレーション(フジテレビドラマ「ハチワンダイバー」)
  • ナレーション(NHK大河ドラマ「花燃ゆ」)
  • ナレーション(映画「テラフォーマーズ」)





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最終更新:2025年07月03日 03:06

*1 戸田曰く「連邦とジオンだから上手くいかなかった(笑)」とのこと。

*2 当時の池田はシャア=池田と言われるのを避けていたこともあり、インタビューの最後にも「シャアじゃないよ」と添えていた。

*3 故永井一郎氏や鈴置洋孝氏といった人たちが池田氏と親しげに呼び合っていたため。しかし、実は池田氏は「自分と一緒にある程度仕事をし、実力と姿勢を認めた人」でないと「秀ちゃん」という呼び方を赦さなかったことで有名だった。古谷氏は初収録だったので、知らなかったのも無理はないが。

*4 間接的に関わった堀内曰く「驚いて受話器を放り投げた」と神谷浩史に話している