パワプロGB

登録日:2011/09/16(金) 23:13:28
更新日:2024/07/04 Thu 22:31:32
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1998年にコナミから発売されたゲームボーイ向けの野球ゲーム。

『実況パワフルプロ野球』シリーズでは初の携帯機用作品。
後年、『パワポケ』シリーズや『パワポタ』シリーズがニンテンドーDSPlayStation Portableと言ったクオリティの高い携帯機で発売されているが、「携帯機向けのパワプロ」の第1弾となったのはこの作品であった。
パワプロシリーズが着実にプレイ人口を増やしてきていたこともあり、手のひらサイズにおさまる野球ゲームということでそれなりに注目されていた。

……が、今なら猛烈な非難を浴びていたであろう問題点がいくつもあった。


  • 実況とウグイス嬢による選手名コールがない
この点についてはゲームボーイ向けのソフト故、容量的に仕方のないことではあるだろう。
現に、ゲームのタイトルにも「実況」という単語は使われていない。

  • 操作性があまり良くない
当時既に家庭用据置ゲーム機としてはスティック操作が主であるNINTENDO64PlayStationが登場しており、パワプロもそれら向けに毎年タイトルを発売していた中、
本作はスーパーファミコン時代と同等の十字キー操作となったこともあり、操作性に難があった。
最もその傾向がよく出ているのは守備で、「マニュアル」「オート」「セミオート」から守備操作のオプションを選べたが、マニュアルの操作がゲームボーイの十字キーによるもの故非常に難しくなっている*1
この反省が活かされたのか、後に発売されたゲームボーイ向けのパワポケシリーズにおいては守備操作は「オート」のみになった。

  • 遊べるモードが試合だけ
一応3つのモード「ひとりで(対COM戦)」「ふたりで(対人戦)」「データ(過去の戦績の確認)」があるものの、パワプロシリーズの売りであるサクセスモードはおろか(これ自体は当時のパワプロのメインモードではなかったためわからなくはない*2)、チームアレンジもできない。
プロ野球12球団の選手データが収録されているにもかかわらずペナントレース・リーグ戦も無し。
余りにゲームとしてのボリュームが薄すぎる。

  • 選手データ/能力が物足りない
上記の通り、プロ野球12球団の選手データが実名で収録されているが、1998年シーズン開幕時点でのものであるため、この年活躍したルーキー選手の一部*3や、前年オフに発覚したプロ野球脱税事件に関与し出場停止処分を受けていた選手*4はいない。
また「野手の守備位置設定が『捕手』『内野手』『外野手』のみと大雑把」「投手の変化球の変化量が3段階表示」等、従来のパワプロに慣れていると物足りなく感じる点が多い。

こういった点から評価が芳しくなかったため、シリーズ化はされずじまいに終わった。
パワプロ関連作品群は賛否両論を呼びながらも何だかんだで長らく愛されているが、その中でも恐らく最も評価の低い作品の一つに数えられるだろう。
ちなみに現在、携帯機向け作品としては、『2020』以降、Nintendo SwitchにPSシリーズ向けの正ナンバリング作品と同じものを制作する形式が取られている*5



追記・修正はひとりでペナントレース143試合分を戦ってからお願いします。

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最終更新:2024年07月04日 22:31

*1 ただし『2022-2023』時点で十字キーでの守備操作機能そのものは本家シリーズに残されてはいる。スティック操作の方が直感的に「捕れる」のは同一ではあるが。

*2 現在のノベルゲー・ADVゲー+野球のモードが主になったのは2000年の『7』~2002年の『9』あたり。それまでは「エディット機能は悪い意味で自由度が高い」「全能力最大値にされると対戦ゲームとしては問題が出る」という理由からのオマケモード扱いの面もあった。『4』の猪狩守のキャラ造形が明らかに近年のものと異なるのなどもこれが一因

*3 99年シーズン以降も活躍を続けた選手であれば川上憲伸、坪井智哉等

*4 小久保裕紀、宮本慎也

*5 PS Vitaの後継機種がないため『パワポタ3・4』のようなSONY携帯機向けの別個作品を出すことそのものが不可能、Switch限定作品が『9』『2018』のごく一部の移植、あとホームラン競争モードでのOB選手獲得とこれほどではないが内容が薄く、元々サクセス面で不評の声もあった本家『2018』より評価が低かったこと、それを担っていたパワポケシリーズが『14』で既に完結していたため任天堂携帯機向けとシリーズを分ける必要性もなくなっていたことなど、理由はGBの不出来以外にも複数ある。