28週後…

登録日:2012/02/01 Wed 02:25:36
更新日:2025/07/02 Wed 21:17:04
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2007年 20世紀フォックス 28週後… R15+ この世の地獄の見本市 だけどみんな救われねぇ イギリス イドリス・エルバ オカルト オカルト映画 オッドアイ グロ注意 コード・レッド ジェレミー・レナー スプラッター スプラッター映画 ゾンビ ダメな大人の万国博覧会 デルタフォース ネタバレ項目 フアン・カルロス・フレスナディージョ ヘリ無双 ホラー ホラー映画 リア充鑑賞推奨映画 レイジウイルス ロバート・カーライル ロンドン 人の話を聞かない人達 善人ほど惨たらしく死ぬ 善良な人々(本人視点では) 地獄絵図 大体子供のせい 後味の悪いオチ 救いがない 映画 毒家族の見本市 毒親の見本市 皆殺し 目潰し 米軍批判 迷惑一家 風刺映画




英国人口 60,537,213人

15日後:英国全土 隔離処置が取られる

28日後…:英国全土 レイジ・ウイルスで壊滅 人口:ゼロ

5週後:感染者 飢餓で死に絶える

11週後:米軍主導でNATO軍ロンドンへ

18週後:英国全土 もはや感染の恐れなし

24週後:復興が始まる


28週後… 新たなる感染が始まる。

感染者識別不能

全員射殺せよ


概要

『28週後…(洋題:28 Weeks Later)』とは2007年に公開されたイギリスのホラー映画である。

28日後...』の続編であり世界観は繋がっているが、キャストは一新されている。
監督、脚本も交代しており、新監督はスペイン人のフアン・カルロス・フレスナディージョが担当した。

前作より予算が増えたからか追いかけてくる感染者が格段に増えており、更に米軍の攻撃もあってアクション性がグレードアップしている。
だが、主人公一家の身勝手な行動で大事になっていくストーリー(前作も動物愛護団体の身勝手な行動が原因だが)は賛否両論である。

その後を描いた『28 Years Leter(28年後…)』が三部作として公開される。第一弾は2025年公開予定。 



【プロローグ】

イギリスは約一ヶ月前に突如発生した凶暴性(レイジ)ウイルスにより荒廃した。
そのウイルスは人を凶暴化させ人間を襲い、感染者の体液が体内に入ると瞬く間に感染し発症していまう。
まだイギリスに残る未感染生存者達は、感染者に怯えながら過ごしていた。

そんな中、ドンとアリスの夫妻はある老夫婦の家で何とか生き延びていた。
老夫婦と他の生存者2人の計6人で感染者に見つからないようにを塞いで籠城し、救助が来るのを待っていたのである。
だがある日突然1人の少年が助けを呼びながら彼らの家に走って来た。見捨てられないとアリスは少年を中に入れ、少年は上流の村から逃げてきたと話す。
しかしその直後、少年を追って押し寄せて来ていた感染者達が屋内に侵入してしまう。
次々と生存者は感染者の手にかかって感染していき、ドンは屋内に閉じ込められたアリスを見捨てて逃亡。
窓の外から恨めしく睨むアリスの顔を見てドンは罪悪感を持ちながらも必死に大勢の感染者から逃げ、ボートで1人生き延びるのであった。

プロローグは僅か10分、感染者が屋内に侵入してから逃げ切るまで僅か4分という短さでありながら、感染者に追われる恐怖を見事に演出したシーンと言える。


【物語】

感染から28週後、もはや感染者は餓死し再発の危険性無しと判断されたイギリスは米軍主導で復興が始まり、国外へ逃げた生存者も次々に本国へ帰還していた。
学校の旅行でスペインにいたことで難を逃れたタミーとアンディの姉弟は本土内唯一の子供としてイギリスに帰還する。
そして父ドンとの再開を喜ぶが、感染者に襲われて母アリスを救えなかったことをドンから聞き姉弟は悲しんだ。

翌日、姉弟は母アリスの顔を忘れない為にかつて住んでいた家から写真を取る為に、米軍の手の届かない未復興エリアに無断で侵入する。
無人地帯となったロンドン市街を抜け、自宅で目的の物を探している途中、なんと2階で生きていた母アリスを発見。

アリスは米軍に保護され身体検査を受けると、彼女は間違いなく感染していたのだが、発症はしていなかった。
アリスは遺伝的な体質で感染しながらも凶暴化しない免疫を持っていたのだ。
ドンはそんな事情も知らず、軍の目を盗んでアリスが隔離された房に入る。気まずい再会のなか、アリスを置き去りにして逃げ延びたことへ許しを請い、ドンはアリスにキスをする。

その直後、ドンは突然苦しみだし凶暴化する。アリスの体内はウイルスが残置しており、唾液を通じて感染してしまったのだ。
発症したドンはアリスを惨殺後、所持していたIDカードにより隔離房を脱走し次々に関係者を襲っていく。
軍は帰還者を大部屋に隔離し感染者を根絶やしにしようとするが、あろうことか隔離区画に感染したドンが入りこんでしまい、住民はドンに襲われ爆発的に感染者を増やしながら逃げ惑う。
そして狙撃兵にも感染者が何人いるか、誰が感染者か判断がつかず、遂に軍部は掌握不能とみなしコード・レッドを発動する。

それは生存者・感染者共に殲滅しろ(「餞別をするな、全て殺せ」)という指令だった。
軍による無差別殺戮のなか、タミーとアンディの姉弟は感染者と軍の両方から逃げ惑うのであった。



【登場人物】

◇帰還者(ハリス家)

◆ドナルド(ドン)・ハリス

演:ロバート・カーライル
CV:家中宏

本作の主人公でハリス家の大黒柱にして劇中最大の大迷惑人間
こいつさえいなければ、こいつさえ考えて行動できてたらみんな助かった*1
感染者に襲われた際に妻アリスを見捨てて逃亡、子供達には死んだと伝えていたが一連の事を悔やんでいる。
何がどうなってかロンドン復興時は地区統括官となり、自身のカードキーによって復興した地区ならどこでも出入りできる権限を持つ。
妻アリスが生きていたことを知るとすぐさま無断でアリスの元へ行き、アリスに謝罪しキスした*2ために感染し理性を失い凶暴化。
これ以降は「罪悪感」がウイルスによって「怒り」に変換され、アリスの自分を責めるような目を見たくないという理由から目潰しで彼女を殺してしまう。
その後は破壊衝動に駆られて徘徊し、懐に入れたカードキーが反応してどんな場所にも出入りが可能、生存者を攻撃する。
序盤は見境なかったが、後に「怒り」に変換された「罪悪感」から妻アリスと同じ目を持つ息子アンディを執拗に追う。
また、スカーレットに「噛みつく」のではなく奪った銃で「撲殺」するなど、異常に殺意が高い。
他の感染者より明確に知恵を活かして立ち回っており、彼目線では妻を見捨てた際の記憶が幾度もフラッシュバックしている。
地下鉄でアンディを発見し噛み付くも、娘タミーにアリスの面影を感じスキが出来た所をタミーに撃たれ絶命する。
本作では彼を通して、「感染者にも感情がある」ことがわかるようになっている。

因みに未公開シーンでは食堂で再発の危険性は無いと子供達に安心させる為に「そのソーセージも安全だぞ」とギャグをとばした。

◆アリス・ハリス

演:キャサリン・マーコック
CV:日野由利加

ドンの妻にして劇中最大の不幸者。同時に事の発端。
夫に見捨てられた後に感染者に噛まれるも、遺伝の免疫で保菌者(キャリア)となり正気を保った。
彼女の目はオッドアイだが、感染してからは左の茶色の目が異常に充血している。
恐慌状態のまま自宅へ戻り、引き籠もって生活していたところを息子アンディに発見され、米軍に保護される。
軍の検査により無症候性キャリアと判断され、縛られ閉鎖した研究室に閉じ込められ隔離された*3
そこへ夫ドンがやってきて愛しているとキスをされるが、その際に夫への壮絶な恨みのこもった視線を向けた事が更なる不幸へ…。
感染し凶暴化した夫に暴行を加えられ目潰しをされた上に喉を食い千切られ死亡、死体は米軍のナパームで火葬された。
因みに保護直後に裸で体を洗い流されるお色気シーンも担当する。

夫には見捨てられるわゾンビには襲われるわ地獄で強制孤立サバイバルさせられるわ…免疫があったのも不幸中の幸いとも言い難い。
やっと助けが来たと思ったら裸に剥かれてベッドに貼り付け隔離、とどめに夫が要らん事して惨殺されるというあんまりにもあんまりな人。
……もっとも彼女が冒頭の少年を招き入れたことが惨劇の始まりでもあるのだが*4

◆アンディ・ハリス

演:マッキントッシュ・マグルトン
CV:亀井芳子

ドンの息子でタミーのにして身勝手な子供その1
アリスの遺伝で彼女と同じくオッドアイ
父に母が死んだことを聞かされると、「ママの顔を忘れちゃう」と家にある母の写真を持ち帰りたいと無断で未復興エリアに侵入。
しかし自宅の二階で父の証言とは裏腹に生存していた母を発見、二人を追ってきた軍により3人そろって保護される。
感染再発が始まると、彼はアリスと同じくウイルスの免疫があるだろうと軍医スカーレットに助けられる。
結局地下鉄で先回りしていたドンに噛まれるものの、やはり免疫のおかげで凶暴化はせず、タミーと共にヘリで脱出する。
最終的には彼の体液から感染したであろう感染者がフランスに大量発生して、物語は終幕を迎えた。

◆タミー・ハリス

演:イモジェン・プーツ
CV:弓場沙織

ドンの娘でアンディの姉にして身勝手な子供その2
アリスやアンディと違ってオッドアイではない。
母の生前の写真を欲しがる弟と共に無断で未復興エリアに侵入し、そこで母を見つける。
「助けようとしたが無理だった」というドンの嘘に怒りを露にしていた。
感染再発の際はアンディを第一に考え行動し、大人のいう事より感情で行動する。
地下鉄の暗闇の中ではぐれた際に大きな声を挙げて感染者を呼び込んでしまう どっちみち傍迷惑
アンディがドンに噛まれた際はドンを銃*5で射殺したが、アンディの事は撃たなかった。
最後まで感染せずに弟と共にヘリで脱出。アンディが無症状感染者であることは隠し通したが、そのせいでフランスは……。

◇米軍

◆ストーン准将

演:イドリス・エルバ
CV:及村健次

荒廃したイギリスを復興する為に派遣された元NATO軍を率いるアメリカ陸軍特殊部隊の現地司令官。
帰還者の為にロンドン市街を復興しながら、一方で保護区域内の帰還者をカメラや狙撃銃で監視させて封鎖している。
しかし姉弟のエリア外侵入を許してしまったり*6、感染の危険性のあるアリスに見張りをつけなかったりとずさんな点もある。
感染が再発すると迅速に帰還者を避難させるも、感染したドンが非常に高いセキュリティクリアランスのカードキーを所持していた為に、隔離区画への侵入を許してしまった。
進退窮まったが故、遂にコード・レッド(緊急警報)を発令、感染者・生存者問わない殲滅作戦を開始する。

ステップ1は狙撃銃機関銃で射殺、ステップ2はナパーム弾で絨毯爆撃、ステップ3は化学兵器+火炎放射と、やることがえげつない。
明らかに感染者では運転出来ないであろう走行車両を発見した際も、攻撃ヘリで無警告射撃を浴びせていた。
アリスのような「保菌者」の例が現実に確認されたことから、管理外の生物の一切を処分するよう徹底していたと思われる。
最終的に彼がどうなったのかは不明。

◆スカーレット・ロス少佐

演:ローズ・バーン
CV:宮島依里

米軍の女医。軍で唯一パンデミック再発の危険性を危惧していた。
アリスの体を調べ免疫を持つ人間と考え、特別な検査を軍に提唱したが軍は聞く耳を持たなかった。
感染再発するとアンディがアリスの遺伝から免疫を持っていると確信し、アンディとタミーを守りながら脱出を目指す。
軍によるナパーム作戦の際に屋上の狙撃兵に左足を撃たれてしまい、負傷者として足を引っ張ってしまうことに。
ドイルとの衝撃的な別れの後、軍を振り切ってヘリの待つスタジアムに向かう為に、真っ暗な地下鉄に車で突っ込んだ。
銃に付属していた暗視スコープを頼りに進むが、子供達とはぐれてしまう。
そこへ追い付いてきたドンに銃を奪われ、銃床で撲殺された。

◆ドイル軍曹

演:ジェレミー・レナー
CV:横堀悦夫

米軍(デルタフォース)の狙撃兵。階級は軍曹。米軍の良心にして今作の漢。
避難居住区に隣接するビルの屋上から、安全区域に侵入しようとする感染者を排除する任務についている。
銃の腕前は超一流で百発百中の凄腕スナイパー。フリンとは仲良しで感染者の真似をしてからかい合うユーモアを持つ。
気の良いあんちゃんであり、生存者が生活するホテルを照準器越しに覗いては彼らの幸せそうな様子に満足そうな笑みを浮かべる。
コード・レッド発動で見境なく撃ち殺せと命令されたことに耐えられなくなり、あえて危険な感染者のいる場所に行き、生存者を救助しようとする。
最終的にアンディ達を守る為に車を押してエンジンをかけさせるも、同じ米軍に火炎放射器で消毒され死亡した。
「エンジンが掛かったら止まらずひたすら走るんだ。……あっちで会おう」「行け!!」

◆フリン

演:ハロルド・ペリノーJr
CV:小森創介

米軍のヘリパイロットでドイルとは仲良しのスキンヘッド黒人男性。階級は不明。妻子がいる。
コード・レッドの際に感染者のいる場所に行ったドイルを心配する。良くも悪くも現実主義者。
ドイルを助けにヘリで駆け付けるが「民間人を乗せて基地に戻れば襲撃される。ドイル以外の人は乗せない」と断った。
その直後のヘリ無双は今作の見所。とんでもない操縦テクニックの持ち主。ドイルほど民間人に肩入れはしない。
最終的にドイルが死んだことを知り、彼が命懸けで守ったアンディとタミーを乗せて国外に出る。

◇その他

  • ◆ジェフ、サリー、ジェイコブ、カレン、少年
物語冒頭のドンとアリスが隠れていた家の住人達と入ってきた金髪の少年。
ジェフとサリーは家の家主で老夫婦、ジェイコブは髭の濃いラテン系の男性、カレンは金髪の若い女性。
カレンは一緒だった恋人が三日前に食糧を探しに行って帰ってこないのを心配していた。
少年は近くの村に住んでいたが両親が感染者となり自分を追い掛けてきた為、一心不乱に走ってここまできた。
それを追ってきた感染者にカレンが噛まれ、逃げた先の家畜小屋で老夫妻が噛まれて感染してしまう。
ジェイコブはカレンやサリーを助けようとするも力及ばず、ドンより先にボートに乗り込み逃げようとして川に落ちた。

  • ◆サム
パニックの中逃げ惑っていたアンディを助けてくれた民間人男性で、序盤で登場したカップルの彼ピの方。
地獄絵図を目の当たりにして怯えきっており、やや錯乱状態。狙撃兵地帯を抜ける為にドイルに囮役にされそうになる*7
だが怯えきったサムを見たアンディは自ら危険地帯へ走り出して囮となり、今度は彼の命を救った。
後に民間人を乗せようとしないフリンのヘリの脚に飛びつき、無理やり乗り込もうとする。
しかし振り落とすつもり+感染者の群れをなぎ払うフリンの運転により、感染者のミンチにまみれになる。
それでもスタントマンばりのアクションシーンを披露するも、結局は振り落とされてしまった。
その後押し寄せてきた感染者の群れに襲われて退場。













































ついに人間が

人間ではなくなる




28 YEARS LATER...

28年後…

2025年6月20日 日米同時公開
封鎖がイギリスだけになっており、封じ込めが上手くいったのかもしくは無かったことになった模様

追記・修正はヨーロッパの大陸側で感染者に追われながらお願いします。

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最終更新:2025年07月02日 21:17

*1 とはいえ冒頭の感染者襲撃時には最前線に立ち、感染したカレンに襲われたジェイコブを助け、妻と生存者達を逃す為に1人残った家の中で何体もの感染者を倒すなど、決して薄情な人間ではなかった。ただアリスが子供を探して逃げ遅れたが為、武器を失ったドンは逃げるしかなかった。

*2 あまりに考え無しな行動であるが、ドンはアリスが感染している無症状キャリアとは知らされていなかった。というか細かい詳細も聞かず勝手に侵入したので当然である。

*3 研究者はウィルスについて何か分かるかも知れないと、アリスを調べさせて欲しいと訴えたのだが、何故か軍は関心を示さず話を取り合わなかった

*4 そもそもドンが奇跡的に何とか一時撃退に成功し、脱出しようというのにアリスが少年を置いては行けないと家探しを始めた為に逃げ遅れる事となった。

*5 元々はスカーレットに託されたドイル軍曹が所持していた狙撃銃。暗視スコープがついており、これが真っ暗な地下鉄を進むのに役立った。ドンがスカーレットを撲殺するのに使ったもので、彼女の遺体の近くに落ちていた。

*6 一応姉弟の侵入自体は把握しており、人物と生家をすぐさま特定し、姉弟が家から出る頃には軍による包囲が完了していた。

*7 もっともこの時に一緒にいるのは足を撃たれた女性と子供達しかいないので、スナイパーを排除する狙撃役はドイルしかできず、消去法で彼しかいない。