登録日: 2009/08/30 Sun 22:16:57
更新日:2025/03/23 Sun 08:45:31
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2005年4月から2006年4月にかけて放送されたアニメ。全50話。
バンナムとボンズが中心となり展開しているメディアミックスプロジェクト、『Project EUREKA』の作品の1つ。
反政府組織『ゲッコーステイト』側からの視点で描かれる。
「エウレカセブン」と言うと今作を思い浮かべる人が多いだろう。
「王道は全部やろう」という方針の下、様々な作品からの
オマージュが積極的に取り入れられている。
そのためボーイ・ミーツ・ガール、
人型ロボットによるバトル、ラブコメ、哲学、
SF要素など非常に娯楽性の強い作風となっている。
作画(特に戦闘描写)についてもアクション、鮮やかな色彩、カメラワークなど非常に評価が高い。
チビッ子たちも見やすい日曜朝7時枠で放送されていたが、子供にはキツすぎる描写も多い。
なお、子供にはキツすぎる描写が原作以上にもっと多い漫画版がある。
漫画版に関する詳細は「交響詩篇エウレカセブン(漫画)」(および「
レントン・サーストン(漫画)」)を参照。
◆主題歌
OP:1.DAYS/FLOW
2.少年
ハート/HOME MADE 家族
3.太陽の真ん中へ/Bivattchee
4.sakura/NIRGILIS
ED:1.秘密基地/高田梢枝
2.FLY AWAY/伊沢麻未
3.Tip Taps Tip/HALCALI
4.Canvas/COOLON
◆舞台
人類が地球を離れ、果てしない宇宙の旅の末に辿り着いた惑星『約束の地』が舞台。
地球との違いは大小様々なものがあるが、後述の『トラパー』と『スカブ』の存在が特に大きな違い。
◆用語
〇トラパー(トランサパランス・ライト・パーティクル)
大気中に存在する粒子。『コンパク・ドライヴ』という装置を用いることで電気を取り出すことができ、化石燃料の無いこの星で暮らすためには必要不可欠なもの。
高濃度のトラパーは有害。
〇スカブ(スカブ・コーラル)
大地を覆う珊瑚のような物質。頻繁に地殻変動を起こしており、それを抑制するため各地に巨大な塔や
パイルバンカーが打ち込まれている。
トラパーの源泉。
実は知的生命体であるという説がある。
〇リフティング
通称「リフ」
トラパーの波に乗ることで行う、空中でのサーフィン。この世界で絶大な人気を誇るスポーツ。
〇LFO
地下で発掘される人型の鉱物「アーキタイプ」に様々な装甲を追加した
ロボット。変形機構を有するものもある。Light Finding Operationの略称。
専用のボードを用いればLFOでもリフをすることが出来るが相当なセンスを要求されるため、軍用のものなどはCFS(コンパク・フィードバック・システム)を搭載することで操縦し易くしている。CFS搭載機は『KLF』と呼ばれる。
戦闘で活躍する本作の花形。板野一郎お墨付きのアニメーター「村木靖」が描いたその戦闘はまさに
板野サーカス。
◆ストーリー
辺境の町「ベルフォレスト」に住む少年レントンにとって、この世界は“最悪”で満ちていた。トラパーの大量発生による大災害『サマー・オブ・ラヴ』から世界を救った英雄アドロックの息子でありながら成績は悪く、大好きな姉のダイアンは失踪し、祖父の
アクセルは「家業を継げ」と口うるさく、あらぬ妄想を繰り広げてニヤけては女子達からキモイと言われる始末。おまけに、お気に入りのスポットが軍の演習場にされたことで大好きなリフも出来なくなってしまう。
そんなレントンの下に、世界最古のLFO『
ニルヴァーシュ type ZERO』と美少女エウレカが現れる。この出会いに胸をときめかせるレントンだったが、これは2人の歩む遙かなる旅路の序章に過ぎなかった…
◆主な登場人物
【ゲッコーステイト】
最新鋭巡洋艦『月光号』を駆る神出鬼没の空賊。
雑誌『ray=out』を独自に出版し、政府が隠蔽していることを大衆に啓蒙している。リフのカリスマ集団でもあり、「金稼ぎのためのリフはしない」というポリシーを持つ。
〇
レントン・サーストン
(CV:
三瓶由布子)
主人公。14歳。
将来に不安を抱きつつ、勉強よりもスポーツが好きな普通の少年。年相応にエロいが、エウレカに対する想いは真剣。
周囲から『レントン』個人ではなく、『英雄アドロックの息子』として見られることを不満に思っている。序盤では子供染みた発言や行動が多かったが、家出の一件で一回り精神的に成長。終盤では16歳になり、凛々しい顔つきの男前になった。
リフの才能はあるようで、初めてまともな波に乗った際に大技「カットバック・ドロップターン」を成功させた。LFOに関してもエウレカ以上の素養を有する。
愛機『ニルヴァーシュ type ZERO』
〇エウレカ
(CV:
名塚佳織)
ヒロイン。
青竹色の短髪と金色の首輪が特徴の美少女。かつてはホランドと共に特殊部隊S・O・Fに所属しており、その時出会った3人の孤児を自分の子供として育てている。
当初はホランドにしか心を開いていなかったが、レントンに出会ったことで変わっていき、最終的には
バカップルへ…
愛機『ニルヴァーシュ type ZERO』
余談だが、2人の中の人はNHKアニメ『
だぁ!だぁ!だぁ!』でも同じ役回りを演じていた。見比べると、その成長振りがうかがえる。
〇ホランド・ノヴァク
(CV:
藤原啓治)
ゲッコーステイトのリーダー。29歳。
世界的に有名なカリスマリフボーダーであり、元塔州連邦軍特殊部隊S・O・F第1小隊隊長。長年の実戦経験の中で培われてきた戦闘指揮、リフ、白兵戦、LFO戦の能力はどれも一流。普段はおちゃらけているが、急時には冷酷な判断を下すことも。
一方で非常に子供っぽいところがあり、よくタルホに指摘されていたが、彼女が妊娠してからは精神的に成長した。
愛機『ターミナス type R909』『
ターミナス type B303 デビルフィッシュ』
〇タルホ・ユーキ
(CV:根谷美智子)
操舵士。26歳。
『ray=out』のトップモデルで、ホランドの恋人でもある。後にホランドの子を身篭もり、操舵士の座をムーンドギーに譲る。
【塔州連邦軍】
〇ドミニク・ソレル
(CV:山崎樹範)
統幕本部情報7課所属。小尉→特務大尉。
イケメンの20歳。
アネモネの世話係であり、彼女に惚れている。どんな罵倒や暴行を受けてもその気持ちを揺らすことがないドM。ある一件で敵同士でありながらレントンと友達になる。
〇アネモネ
(CV:
小清水亜美)
エウレカとは様々な点で対照的なピンクの長髪の美少女。身に付けている首輪はエウレカと同一モデル。
デューイに心酔しており、彼に捨てられることを何よりも恐れている。
戦闘時には常人ならば致死量の薬を摂取し、絶大な力を発揮する。
愛機『
ニルヴァーシュ type the END』
〇デューイ・ノヴァク
(CV:
辻谷耕史)
本作の黒幕。最高司令官、及び統幕本部アゲハ隊指揮官。中佐→大佐。36歳。
ホランドの兄でタルホの元彼でもある。
かつてホランドの造反にあって幽閉されていたが、釈放後にアドロックの遺した『アゲハ構想』を元に暗躍を開始。
絶大なカリスマ性を持つが、その裏には狂気が見え隠れする。
なお、漫画版では原作以上の狂人、劇場版ではロリ&
ショタコンを超越したペドフィリアの変態に進化した。
【その他】
〇アクセル・サーストン
(CV:青野武)
レントンの祖父であり育ての親。
整備に携わる者なら知らぬ者はいないとされる程の腕前を持つ伝説的なメカニック。
職人気質の頑固ジジイだが、レントンに対して強い愛情を秘める。
〇ダイアン・サーストン
(CV:玉川砂記子)
レントンの姉。かつてはホランドと恋人関係にあったが現在は行方不明になっている。
〇アドロック・サーストン
(CV:無し)
レントンの父。
本編の10年前、自身の命と引き換えに大災害「サマー・オブ・ラブ」から人類を守った英雄と称されている。
まだ幼かったレントンは彼のことをよく覚えていない。
なお、回想などの登場シーンでは声が一切付いていない。
〇ノルブ
(CV:
小山力也)
ヴォダラク教の高僧。
煙草、マヨラー、40年間風呂に入らない等、一見すると不潔で不健康な生臭坊主。
しかし世界の真実に関わっており、終盤のキーキャラクターとしてゲッコーステイトを導く。
◆主なLFO
〇
ニルヴァーシュ type ZERO
世界最古のLFO。故に、type ZERO。
白地に赤いラインのカラーリング。
エウレカとその対となるレントンしか動かすことの出来ない他、自律した意志を見せ、ライダーなしでも動く特別なLFO。
他の機体と違って左右に並んだ複座式で、武装は
ブーメランナイフ×2のみ。
当機の専用リフボードは名工『アクセル・サーストン』の手によるもので、旧型機でありながらその飛行速度はターミナス・シリーズを凌駕する。
レントンが「コンパク・ドライヴ」とその拡張パーツ「アミタ・ドライヴ」を装着させたことで、『セブンスウェル』と呼ばれる現象を発生させた。セブンスウェル発動中は周囲のトラパー領域が反転、当該領域においてニルヴァーシュは無敵の戦闘力を発揮する。
終盤でspec2、最終話でspec3へと移行していく。劇場版ではspec-Vを披露した。
◯
ニルヴァーシュ type the END
塔州連邦軍最強のKLF。機体色は黒。
『ターミナス type B303 デビルフィッシュ』をベース機とし、最新鋭の技術を結集させて造られた。アーキタイプがtype ZEROのものと酷似しているため、同じ『ニルヴァーシュ』の名を冠する。
専用リフボードはスキーボードの様に分離する特別製。武装はブレード×2、有線式クロー×2、ホーミングレーザー13門×8基、相手の肉体と脳にダメージを与える「バスクード・クライシス」2門、対コーラリアン兵器「バハルックスウェル」と多彩。
終盤spec2との戦いで覚醒し、銀色のボディへと変化。その身を犠牲にしてアネモネとドミニクを守り抜いた。
〇ターミナス
ゲッコーステイトが使用しているLFOシリーズ。かつては州軍でも制式採用されていた。
比較的軽装備だが機動性が高く、腕利きのライダーが使えば高い戦闘能力を発揮する。
作中ではゲッコーステイト機として、複座型の黄色い「606」、二連装レーザーカノンを搭載した水色の「808」、最終型でマゼンタカラーの「909」、そして最初期の超高性能機「
303」が登場。
その他、回想や外伝では「505」も登場する。
〇モンスーノ
州軍の現行主力量産用KLF。
ターミナスなどに比べるとやや大型で機動性は劣るが、多数の火器を搭載しており火力に富む。
ミサイルポッド装備の青い「MS10」、レーザーカノンを装備した青い「MS20」、アゲハ隊専用の白い「VC10」が登場。
◆小説版
ノベライズ担当は杉原智則。
角川スニーカー文庫より全4巻。
アニメ版を原作としているが、世界観や登場人物の設定が大幅に変更されており、著者である杉原作品としての性格がより強く出ている。
◆本作のその後
◆新劇場版<ハイエボリューション>
劇場作品第2弾。本編の前日譚である「ファースト・サマー・オブ・ラブ」とTV本編の映像を組み合わせまとめ上げた第一部を皮切りに、全三作の公開が予定されている。
- 第一部『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』 2017年9月公開
- 第二部『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 2018年11月公開
- 第三部『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』 2021年公開予定(当初予定は2019年)
追記・修正お願いします。
- 漫画版はドミニクが最高に格好いい -- 名無しさん (2013-09-14 19:48:09)
- 最初見た時のゲッコーステイトのDQN振りは引いた。スパロボであれでもマイルドにされてると言われたのも納得だった。 -- 名前 (2013-11-08 01:30:33)
- 放送当時ティーンエイジャーだったのに内容のオサレっぷりにまったくついていけなかった・・・ボーイミーツガールとか若者の心理に共感できるかどうかで評価が全然変わってくる作品だと思う。 -- 名無しさん (2013-11-08 07:32:35)
- 「AO(未来)→AO(現代)→クォーツガンによる歴史改変→交響詩篇→ポケ虹などのパラレルワールド」 時系列はこんな感じかな? -- 名無しさん (2013-12-26 21:56:10)
- 先日、元々2期放送の予定だったと聞いて中だるみに納得がいった -- 名無しさん (2017-08-15 16:39:54)
- ホランドが優遇され過ぎ。 -- 名無しさん (2018-09-29 13:48:36)
- レントン家出前のゲッコーステイトのギスギスっぷりはとても見てられなかったわ…。リーダーであるホランドがそれを治めるどころか原因の一端になってるのがますます救えないんだよなぁ…。 -- 名無しさん (2020-05-04 21:26:34)
- ↑ゲッコーステイトのギスギスぶりが比較的減少すると同時にグロ描写が多く追加された漫画版のほうがマシということか…やっぱり漫画版は良くも悪くも原作越えを果たしたコミカライズ作品(更には『デッドマン・ワンダーランド』の原型となった漫画作品)だな…!アニヲタwikiでの『デッドマン・ワンダーランド』の本項目の加筆訂正および関連項目の新規作成をやってください、お願いします。また、『新世紀エヴァンゲリオン(漫画)』があるんだから、交響詩篇エウレカセブン(漫画)を新規作成すべきなので誰か制作してください、どうかお願いします。 -- 名無しさん (2022-01-26 08:19:30)
- 原作と漫画版の差別化を図るためにも、交響詩篇エウレカセブン(漫画)とレントン・サーストン(漫画)を新規作成してください、お願いします。 -- 名無しさん (2022-01-26 08:22:28)
最終更新:2025年03月23日 08:45