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新作ゲームクロスレビュー(週刊ファミ通)

登録日:2010/06/02 Wed 14:57:32
更新日:2026/08/06 Thu 02:35:49
所要時間:約 8 分で読めます





「新作ゲームクロスレビュー」とは、週刊ゲーム誌『週刊ファミ通』(以下、「ファミ通」)に掲載されているゲームのレビューコーナーである。

▷目次

【概要】


『ファミ通』の名物コーナーの一つであり、1986年開始とその歴史は長い。
ちなみにゲーム雑誌内で一番初めにゲームのレビューを始めたのもファミ通である。
現在『ファミ通』を刊行しているKADOKAWAは「クロスレビュー」を商標登録しており、「クロスレビュー」だけで伝わる看板コーナーとなっている。

新作ゲームを編集者4人が発売前にメーカーから提供を受けてプレイし、それぞれ10点満点(整数)の点数と200文字弱のコメントで評価を行う。
4人の合計では40点満点ということになり、合計点数自体は紙面に表記されないが、高得点になったものは30~31点は「シルバー」、32~34点は「ゴールド」、35点以上は「プラチナ」というランク付けがなされ、「殿堂入り」ゲームとしてオススメされる。

現在は点数を「(1人当たり点数の)基準は7点である」と明言している。
それ以上の説明はなく詳細には語られていないものの、販売ゲームのいわゆる及第点にあたるものがこの点数ということだろう。
後述の通り現在は基本的に低品質のゲームはそもそもレビューされないため、どんなに悪くても1人当たり5~6点で4点以下はまず付かず、合計だと20点台前半程度が下限で、それ未満の点数が付くことはほぼ無い(一部例外もあり)。

なお、2014年8月*1にリニューアルが行われ、各ゲームのレビュー欄が1ページの1/4→1/3の大きさに拡大された。
それまでと比べレビュー数は減った一方、コメントの文字数は150字弱→200字弱と増加している。

その影響力はかなり高く、ファミ通から送られてくるそのレビューの情報を見て仕入れ数を決める店舗も多い。
特に現代ほどインターネットが普及していなかった時代では、事前にゲームの評価を知れる貴重な情報源であった。

レビュー対象

レビューされるソフト数は現在はおおむね週に5~8本ほど。
過去は本当にその週発売のゲームが殆どであったが、現在ではその週の前後1週間ぐらいのゲームが対象となっている。
各ライターの執筆の都合等もあるのだろうが、時折2~3週間遅れのゲームなどが載ることもある。

また、過去は基本的にその週すべてのゲームをプレイ・レビューしていたが、2010年代頃からはレビューするのはその週を代表する作品に限られるようになった。
これは、「一定の水準に達していて、標準的な完成度であると判断したゲームに対して、(中略)レビューを行います。」とコーナーの説明にも記載されている。
これは小規模のDL作品も増え、現在ではインディーズ作品などの小規模作品も多数リリースされるようになっていることや、後述の通り極端に点数の低いレビューがネットでネタにされるようになったこともあるのだろう。

なお、2014年のリニューアル以降、ダウンロード専売ソフトも扱うようになっている。

メーカーアンケート

なお、現在ではレビュー以外に各ゲームの基本情報(対応ハード、発売日、価格など)のほか、2007年頃*2より「メーカーアンケート」として、販売会社に聞いた「ターゲット層」「平均プレイ時間」も記載されている。

「ターゲット層」はともかく、「平均プレイ時間」は後述の理由からレビュー内には殆どの場合載ってこない情報であるため、ゲームのボリューム感を知れる貴重な情報源として重要である。
あくまでメーカー側の自己申告ではあるが、流石に信頼にも関わってくるので、明らかに過大な時間が載っているといった「詐欺申告」のケースは殆ど無い。
ただし、メーカーによって記載の粒度はまちまちであり、「クリアまで~時間、やり込み要素を含めると~時間」と詳しく書いてある場合もあれば、「クリアまで~時間」だけが書いてあったり、メーカーによっては「プレイスタイルにより異なります」としか書いていなかったりと、そもそも情報がない場合がある。

特に任天堂系のゲームは、多くの場合「ターゲット層」は「どなたでもお楽しみいただけます」、「平均プレイ時間」は「プレイスタイルにより異なります」で固定されている。
そのため全く情報が得られないが、恐らく幅広い層に届く質の良いゲームを売っているという自負から来るものであり、実際最大手ということもあってゲームの品質については概ね安定しているメーカーではあるので、これに対して批判の声はさほど聞かれない。

その他に汲み取るべき点

まず、レビュアーが「商業ゲーム雑誌の編集者」であること。

商業誌故にメーカー(スポンサー)への配慮やコンプライアンスの都合などもあり、好き放題書けるネット上の匿名レビューに比べて好意的な評価になりがちである。
どちらかといえば評価点を強調したレビューが書かれやすく、ある程度のクオリティが保たれていれば点数も高くなりやすい。
そのため、ネット上(の辛口ユーザー)からの評価とは乖離した内容になってしまうケースもあり、そうした点がしばしば批判の対象となる*3

とはいえ、低得点のゲームだとコメントも結構皮肉的になったりする
また、高得点のゲームであっても、コメントをよく見ると問題点を指摘している場合があり、よくよく読み解けば参考になるだろう。

また、メーカーはスポンサーでもある点や作品によってはコラボしている場合もある点は留意しなければならない。
スポンサーがリリースするゲームや、提携している商品をより多くの方に見てもらいたいと考えるのはビジネスとしては当たり前と言える。
メーカーとしても、ネガティブな内容ばかりを書かれてしまえば宣伝になるどころか逆効果になってしまうため、スポンサーの商品を褒めるのはおかしくない。

更に仕事の一端とは言え、雑誌社用ROMが届いてから誌が発売されるまで十分な評価を下せるほどプレイ出来る訳ではない
また、クロスレビューが始まったのは1980年代ファミコンの時代であり、評価に要する時間は今よりも圧倒的に少なくて済んだ。
特にRPGなどではこれが顕著である。
そのため、必ずしもゲームを隅々まで遊びつくした上での評価ではない点には留意が必要。
中には長時間プレイする程問題点が見えてくるゲームもあるため、そうしたゲームへの評価は甘くなりやすい。
逆に序盤で楽しさを感じにくい高難易度のゲームや複雑なシステムのゲームは、厳しめの評価が下されてしまうケースもある。

また、ゲーム雑誌の編集者だからといってヘビーユーザーとは限らず、ジャンルの好みも同じとは限らない。
それも4人しかいないので偏りが出てしかるべきである。
得点を付けるスタンスも異なり、ホイホイ高得点を付けるレビュアーが居る一方で、比較的辛口なレビュアーも居る。
批判するにしてもこれらの事情は考慮すべきである。
一方で、例えば「序盤しかプレイしていない(できない)のに知った風なレビューをするのはどうか」などの批判ももっともな意見ではある。

なお初期レビュアーの紅一点「森下万里子」は架空の人物であったことが元編集長により明かされてる。
彼女のレビューは実在の編集者が持ち回りで担当していたのだが、「ゲーム好きだが非オタの若い女性」というキャラクター設定に添うことが優先されたため、担当編集者の率直なレビューとは言い難い。

……要するに、全てのレビューが操作や適当とか疑うのでも、公平で厳密な審査であると頑なに信じきるのでもなく、あくまでも参考程度にとどめておき、最終的な評価は自分で下すことが大切である

【各種記録】


40点満点を獲得したソフト

『ファミ通』が40周年を迎えた2026年時点で、40点満点を達成したソフトは30作品。
(『The Elder Scrolls V:Skyrim』や『FINAL FANTASY ⅩⅢ-2』など、一部作品は対応ハード毎にレビューされており、それぞれで40点満点を取っているので、のべレビュー数は34レビューである)
特筆すべきは『ゼルダの伝説』シリーズで、このコーナー初の40点満点作品が『ゼルダの伝説 時のオカリナ』であり、その後も実に計5作品が40点を達成している。

00年代前半までは満点は極めて珍しく、1機種につき1作品だったほど少なかった。
2008年頃から急激に増加し、年間3~4本選出されるということが2013年頃まで続いた。
2014年のリニューアル以降、再度40点満点は極めて珍しくなり、現在は2~3年に1本ペースでの選出である。

同リニューアルではダウンロード専売ソフトも扱うようになったが、現在に至るまでDL販売ソフトからの40点満点は1作も出ていない。

作品名 メーカー ハード 発売日
ゼルダの伝説 時のオカリナ 任天堂 ニンテンドー64 1998年11月21日
ソウルキャリバー(DC版) ナムコ ドリームキャスト 1999年08月05日
ベイグラントストーリー スクウェア プレイステーション 2000年02月10日
ゼルダの伝説 風のタクト 任天堂 ゲームキューブ 2002年12月13日
nintendogs(全バージョン) 任天堂 ニンテンドーDS 2005年04月21日
ファイナルファンタジーⅩⅡ スクウェア・エニックス プレイステーション2 2006年03月16日
大乱闘スマッシュブラザーズX 任天堂 Wii 2008年01月31日
METAL GEAR SOLID 4: GUNS OF THE PATRIOTS コナミ プレイステーション3 2008年06月12日
428 〜封鎖された渋谷で〜(Wii版) セガ Wii 2008年12月04日
ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人 スクウェア・エニックス ニンテンドーDS 2009年07月11日
モンスターハンター3 カプコン Wii 2009年08月01日
BAYONETTA(Xbox360版) セガ Xbox360 2009年10月29日
New スーパーマリオブラザーズ Wii 任天堂 Wii 2009年12月03日
METAL GEAR SOLID PEACE WALKER コナミ プレイステーション・ポータブル 2010年04月29日
ポケットモンスター ブラック・ホワイト ポケモン ニンテンドーDS 2010年09月18日
ゼルダの伝説 スカイウォードソード 任天堂 Wii 2011年11月23日
The Elder Scrolls V:Skyrim ベセスダ・ソフトワークス PS3/XBox360 2011年12月08日
FINAL FANTASY ⅩⅢ-2 スクウェア・エニックス PS3/XBox360 2011年12月15日
新・光神話パルテナの鏡 任天堂 ニンテンドー3DS 2012年03月22日
龍が如く5 夢、叶えし者 セガ プレイステーション3 2012年12月06日
ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル バンダイナムコゲームス プレイステーション3 2013年08月29日
Grand Theft Auto Ⅴ ロックスター・ゲームス プレイステーション3 2013年10月10日
メタルギアソリッドⅤ ファントムペイン コナミ PS4/PS3/XBoxOne/XBox360 2015年09月02日
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 任天堂 Switch/WiiU 2017年03月03日
ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて スクウェア・エニックス 3DS/PS4 2017年07月29日
Death Stranding(デス・ストランディング) ソニー・インタラクティブエンタテイメント プレイステーション4 2019年11月08日
Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ) ソニー・インタラクティブエンタテイメント プレイステーション4 2020年07月17日
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム 任天堂 Nintendo Switch 2023年05月12日
ストリートファイター6 カプコン PS5/PS4/XboxX/XBoxS 2023年06月02日
龍が如く8 セガ PS5/PS4/XboxX/XBoxS/XboxOne 2024年01月26日

+ 備考・メーカー別
任天堂:9作品
スクウェア・エニックス(旧含む):5作品
セガ:4作品
コナミ:3作品
バンダイナムコゲームス(旧含む):2作品
カプコン:2作品
ソニー・インタラクティブエンタテイメント:2作品
ポケモン:1作品
ベセスダ・ソフトワークス:1作品
ロックスター・ゲームス:1作品

低得点を獲得したソフト

現在の最低点は12点で、2026年現在の時点で2本該当する。
前述の通り、現在はレビュー対象がその週の注目作品のみとなっているため低得点はほぼ付かない状況であり、これらの最低点記録が破られる可能性は限りなく低い。
3/3/4/2で12点(2点を付けたレビュアーがいる唯一のレビュー)。同名漫画を題材にした3D格闘ゲーム。
当時の3Dにはありがちだが、平気で数十秒読み込むのにキャラの動きは堅いしモーションもガクガク。
挙句の果てに格闘ゲームなのにキャラボイスが無いという、いくら時代を考えても驚愕としか言えない仕様。
2点を付けた乱舞吉田から、「超ヤバイ!!本当に完成品か?」という暴言にも近いレビューを引き出した。

3/3/3/3で12点(誰も4点以上を付けていない唯一のレビュー)。藤子不二雄Ⓐの有名漫画のアニメ作品のゲーム化。
ゴルフゲームだが、実際は決まったルートでしかボールが飛ばず、実態はアクション要素の入ったすごろくでしかないという常識を覆す仕様。
キャラ数はたった6人(バージョン違い除くと5人)で選出も謎、そもそもストーリーモードすらないというボリュームの無さも凄まじい。
こちらも「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」という名(迷)言が生まれている。


また、最低点でこそ無いが、他には…
言わずと知れたクソゲー界の帝王。3/3/4/3で13点と、上記2作に次ぐ低さを誇る。
前時代的なOP、主人公・コンバット越前のビジュアルと奇行の数々、バグかと疑いたくなるような理不尽難易度、超展開が続く電波ストーリーと、上げればキリがない程のツッコミどころを誇る。
かの有名な「ゲームに点数を付けるという行為に限界を感じた」という羽田隆之の迷言を引き出したのも本作である。
しかし、これほどの低評価でありながらコメント自体は何処か優しく、もしかすると後世で愛される片鱗はあったのかも知れない。

デスクリムゾン同様、スコアは3/3/4/3で13点。
題材に大奥を選んだ着眼点とストーリーそのものについては評価する声も多いのだが、とにかく単調・不親切・テンポが悪いとプレイしていてストレスばかりが溜まると評判。
クロスレビューのコメントでも「題材の良さを活かせていない」というコメントが目立つ。
その中で最も辛辣なのは3点の河田スガシであり、「制作者の意図が感じられない」とバッサリぶった切られてしまっている。

同年のクソゲーオブザイヤー大賞作品にして、伝説のクソホラゲーとして未だに語り継がれる逸品。
「日本全国から怪談を集める」というコンセプトが全く活かせておらず、大半を占めるのは児童書以下の低レベルな怪談や都道府県の観光案内ばかり。
他にも大量のバグがプレイを阻み、それでいてゲーム中ではやたらと自画自賛とシナリオライターの個人的な愚痴が連発される恐るべき内容にプレイヤーたちは錯乱し、当時のKOTYスレを阿鼻叫喚に叩き込んだ。
そんな出来にも拘わらず、レビューでは7/6/7/6で26点と妙に高得点。……ただし本作はファミ通とのタイアップ作品でもあり、特に東京シナリオは丸々ファミ通編集部を舞台にしているなどかなり気合が入っている。
その前提があって僅か26点というのは逆にあり得ないほど低い評価の表れと言えよう。もしタイアップが無ければ一体何点になっていたのやら。



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最終更新:2026年08月06日 02:35

*1 8月7日発売の2014年8月21・28日合併号より。

*2 2007/02/15発売の『アップルシード EX』には非記載、2008/01/31発売の『大乱闘スマッシュブラザーズX』には記載されていることを確認。

*3 ただし、ネット上の評価はアンチによるネガティブキャンペーンや重箱の隅を突く難癖も多分に含まれるため、そちらはそちらで鵜呑みにするのは考え物である。