夜神総一郎

登録日:2011/09/15 Thu 22:22:30
更新日:2024/05/17 Fri 12:20:26
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キラは悪だ……それは事実だ……

しかし最近私はこう思う様にもなっている……

悪いのは人を殺せる能力(ちから)


漫画DEATH NOTE』の主人公夜神月父親
警察庁刑事局局長で、キラ事件の日本捜査本部部長でもある。

CV:内田直哉
演:鹿賀丈史(映画・舞台)、松重豊(テレビドラマ)

●目次


【概要】

好きな物は家族で、嫌いな物は犯罪。
1955年7月12日生まれ*1

非常に正義感が強く情に厚い人物であり、犯罪者でさえ死なせることや殺すことを躊躇うという、警察官の鑑のような人物である。
その姿勢により、月も「彼のような人間になりたい」と尊敬しており、松田を始めとした部下からの信頼も厚い。
非常に家族想いでもあり、キラは月ではないかと疑われても最後まで潔白を信じ、家族のために闘い抜いた漢である。
総じて、息子の月とはまた別ベクトルで完璧超人とも言えるだろう。


しかし、やはり彼にとっての最大の不幸は、最後まで潔白だと信じて疑わなかった最愛の息子が、実はキラ本人であったことだろう。
上述の息子に対する家族愛も、月からしてみれば自らの計画の為に全て踏み躙られているも同然であり、ある意味本作の登場人物の中で最も可哀想な存在なのかもしれない。

【本編での活躍】

【第一部】

捜査本部長という立場ゆえに、捜査開始当初はよく月にPCをハッキングされ、捜査の情報を盗み読みされていた。
「キラは殺したい相手の顔と名前を知れば殺せる」ということがほぼ確定したことで辞表を提出する部下が続出したため、
本部長として「(大切な人間がいるなどの)死ねない理由がある者は捜査から外れていい」と告げ、結果的に捜査員は(自分含め)5人となった。
しかしこの総一郎の行動により、Lは残った捜査員と共同して捜査することを決め、顔を明かしたLと共に真の捜査本部が結成された。

捜査はそれまでと違い、格段に進んでいったが*2
夜神家の調査を担当していたFBI捜査官のレイ・ペンバーが不審なを遂げたことで、自分の家族が監視されることになった時には非常に動揺していた。

監視のために夜神家にカメラと盗聴器を付けさせてほしいというLの要望を、
総一郎はLに「夜神家には奥さんや娘もいる」と苦言を呈する部下を制止して「やるなら徹底的に」と受け入れる。
妻や娘の行動の全てを自分と家族である総一郎以外の男性捜査員には監視させられないというLの良心に応え、Lと共に24時間体制で監視する。
結果、怪しい人物は一人もいなかったのだが、犯罪者が殺された時のアリバイが完璧すぎた月をLは怪しみ始めたため、一件落着とは言えなかった。

そんな状況が続いたためか、心労がたたり心臓発作を起こして入院するも、
第二のキラのビデオテープを回収するために苦しむ体に鞭打ってさくらテレビに護送車で突進する
キラの特番のプロデューサーである出目川を拳銃脅してテープを持ってこさせるなど、かなり破天荒な行動を取った。
この際、出目川には「目がイっちゃってる」とまで言われてしまった。

しかし、この総一郎の行動は意気消沈しつつあった捜査員たちだけでなく、協調性皆無のLをも奮い立たせている。


月が自ら監禁されて潔白を証明すると提案した際も、息子が監禁されているのを見ていられず自分も監禁してもらうという行動にでる。本当に良い父親である。
演技とはいえ、監禁を終えた月を「死刑台に送られる前に殺し自分も死ぬ」と啖呵を切る場面では、本当に演技かという程鬼気迫っており、
月も銃が空砲だと知るまではだと気づかなかったくらいである。
総一郎は家族のことになると思い詰めるヤンデレなのかもしれない。

月が解放され改めて始動したキラ事件対策本部において、手段を選ばないLと意見が対立し本部内が分裂したこともあった。
いつの間にか元に戻っていたが。


捜査線上に浮上した大企業、ヨツバの調査では月やLでも気付かなかったキラによる殺人の法則性を発見した。
ちなみにこの時のキラは月ではない三人目のキラであり、月は自らがキラであるという記憶を意図的に失っていたため、正真正銘総一郎のお手柄である。

キラであると判明した火口を押さえる為に出動した際には、火口が隠し持っていた拳銃により軽傷を負う。
それでも何とか火口を捕らえたが、デスノートに触れて記憶を取り戻した月は火口を抹殺し、オリジナルのキラ=月が完全復活
彼の策略によりL、ワタリが殺され、警察庁次長へと昇進した総一郎は捜査本部の指揮を執ることになる。

最も信頼できる人物にして捕らえるべき相手でもあるキラ、そして新たに二代目Lとなった息子、月と共に。

【第二部】

「美しく成長した娘の婿に刑事は絶対選ばせない」という頑固親父の一面を見せる。
また、家族を守りたいという気持ちが人一倍強くなっている。

デスノートを狙うメロ率いるマフィアにより多貴村警察庁長官が誘拐、更に滝村長官の死亡後には娘である粧裕が誘拐されてしまい、家族を救うため単身アメリカへと渡る。
マフィアとの取引の結果、粧裕は無事に取り戻せたものの、代償としてデスノートを引き渡すことになってしまい責任を感じて警察を引退した。

そのことがずっと尾を引いていたようで、キラと共謀してのマフィアグループからのノート奪還作戦の際には、
残りの寿命を半分にするということを知っても構わずに死神の目の取引をした。
松田も死神の目の取引をすると言っているが、彼と違って寿命が半分になるということを真剣に受け止めた上で行っている。

取引後、マフィアグループのアジトに乗り込む時の彼の顔はガチで怖い


メロの本名を知り彼の名前をノートに書くフリをし投降させようと脅すも、
メロは総一郎が「悪人であっても人を殺せるような人間ではない」とわかっていたので通じず、その結果マフィアの1人・ホセの凶弾によって致命傷を負わされた。

今際の際に病院に駆け付けた月の寿命が見えたことで*3、月がキラではないと確信して死亡

この時の総一郎の姿は、月にとっては愚直に見えたという風な描写が為されているが、内心では悲しんでいたようである。


彼の死は後に相沢の月への疑惑を強め、松田が最終決戦において取ったある行動の一因となったが、
それ以上に実はこの件こそ夜神月の運命を決定付ける最大の分岐点であった事が、後のある場面におけるニアの台詞で暗示されている


最後まで報われない人物であったが、結局月がキラであることを知ることはなかったのが唯一の救いだろう。
もしそうでなければ、あまりにも哀れである。

余談だが突入前に死神の目の取引の結果残りの寿命が短くなり、またデスノートに名前を書かれたわけでもなかったのにその日のうちに死亡したため、
取引をせずとも寿命はすでに2日分もなかったと推測することもできる(ただしノートに関わること自体で運命が変わり、寿命が縮むケースもあるため一概には言えない)。

ディレクターズカット版ではマフィアグループのエピソードが全カットされたため登場しないが、キラ捜査から外れた事になっており、こちらでは生存している。恐らくは実写映画版と同じ結末を辿ったものと思われる。

【他メディアでの扱い】

基本的に役割は同じだが、「原作よりも救いがない」と言われそうなほど物凄く可哀そうな立ち位置にいる。

【実写映画版】

確かに、法律は完全じゃない

法律を作った人間が完全じゃないから

完全である筈がない

だが……正しくあろうとした

人類の努力の積み重ねが法律だ!

お前は独り善がりだ……!

独り善がりで人の命を奪うことなど

絶対に許されない!!



一人称が「俺」になっており、眼鏡や鬚もなく、肩書も警視庁刑事部部長に変更された。
また、メロが登場しない為、死神の目の取引はしていない。そして終盤で月がキラであることを知る
Lの策を見破れずに勝利を確信した月がキラだと自白した時に現れ、上記の台詞で息子を非難。
「法律じゃ裁けない悪も居る」という彼の言い分をある程度は肯定はするも、だからといって個人の勝手な一存で命を奪うというその行動を決して認めはしなかった。
罪を償うよう促すも、月を見限ったリュークが月の名前をノートに書き込んでしまい、確定した死への恐怖に怯える息子の最期を看取ることになった。

その後、1年後の彼の様子が少し描かれるが、
建前上「月はキラと戦って死んだ」と言うことにされており、残された家族にも月がキラである事を隠し続けている。
月にとっては孤独に死んだ原作よりもまだ救いのある死だが、総一郎にとっては原作より酷い幕引きになった。

原作と違って最後まで死なずに済んだが、その代わりに様々な辛い現実と向き合わなければならなくなったという、死なない代償としては重すぎる様にも思える。
一方で、上記のように「キラ」という存在と思想を明確な答えで否定した事については原作にない評価ポイントと言える。

余談だが、実写版ではLの死をも見届けており*4、重要人物として扱われている。

その続編となる『Light up the NEW world』には名前のみ登場。キラ対策本部をキラ対策室と改称し、三島創をリクルートするなど、その後も刑事として活動していたが、本編の時期では既に亡くなっている模様。

【ドラマ版】

原作と同様に眼鏡をかけているが、鬚はない。
肩書も警視庁捜査一課の刑事に変更され、役職も係長に変えられた。
また、家族構成が変わっており、妻の幸子を10年前に亡くしている*5
Lの強引ともいえる捜査方針を不服と感じていたが、彼の頭脳は認めている。

月がキラであるというLの推理を当初は信じておらず、
月が疑惑を晴らすべくノートの所有権を放棄し記憶を失ったことで息子がキラではないと確信し、Lが死亡した際も月を疑うそぶりは見せなかった。

しかし、Lの後継者であるニアと彼のもう1つの人格のメロ・部下であった日村による粧裕誘拐事件の際キラから協力を申し出た際、
「キラに従おう」と率先して言う月を不審に思いLが生前残したビデオを見る。

その後日村からノートを受け取った月の前に姿を現し息子がキラであると知り、
月の思想を否定した上で「月がキラとなってしまったのは父である自分の責任」と言い、ノートに名前を書いてノートを燃やそうとする。
そしてノートを取り戻そうとする月と揉み合いになる中、40秒後心臓麻痺で死亡した。

結果、息子がキラであると知った上、死亡するという原作・実写映画以上に救いのない終わり方となってしまった。
月の元に行く前に模木達に「自分が死んだら月をキラと断定し、月の言うことは信じるな」と伝えており結果的に彼の死が月を追い詰めるきっかけになった。


ちなみに、演者が演者なだけに、食事シーンだけ別のドラマの様に見えた視聴者が居たとか居ないとか。

【家族】

◆月

息子。
主人公でもありLと共に探していたキラでもある。詳細は個別項目を参照。

◆粧裕

娘で月の
好きなものはアイドルと至って年相応に無邪気な性格。
勉強は苦手らしく兄の月に教えてもらう事も多いが、そんな成績優秀な兄をと共に誇りに思っており、兄妹仲も良好だった。

第一部は中学生だったが、第二部で大学生になり、松田が見惚れるような美女に成長した。
だが、数年前に兄がデスノートを拾った事で、後にマフィアに人質として誘拐されるなど、彼女もまたデスノート絡みの事件に巻き込まれてしまう。
精神に深い傷を負ってしまい、最終的に父と兄を失うという、悲劇のヒロインと呼ぶには余りにも酷い不幸を迎える。
しかし、その後結婚し平和な家庭を築いたと思しき描写があるため最終的にはこれらを乗り越えていったのかもしれない。

◆幸子

総一郎の妻。
夜神家の中ではほとんど出番がないが、息子がデスノートを拾った事でその息子が無差別殺人を繰り返し、父は灯台もと暗しのキラを探して精神をすり減らし、
娘は誘拐事件に巻き込まれて療養生活を余儀なくされるなど、愛する家族が次々と不幸に襲われてしまい、最終的に長年連れ添った夫と最愛の息子を失ってしまう。
ある意味では作中最大の被害者である。
ドラマ版では本編の10年前に死去している。

【ネット上では】

作中では一貫して真面目なキャラクターであり、頑固親父な面以外ではシリアス一辺倒である。
だが上記のさくらTVに護送車で突撃するシーンはシリアスな笑いの代名詞とされており、
実際小畑・大場コンビの次作バクマン。でこのシーンのパロディで説明されている。

また画像掲示板などでは再就職だな!と爽やかな笑顔で語るシーンなどもネタにされている。
誤解なきように補足するが、前者は部下も殺されて怒りを抑えきれずに命をかけて突撃し、
後者もキラ事件の影響で警察をクビになるかもしれないが改めてキラを追うことを覚悟したという、両方共真面目なシーンである。





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警察庁次長として、そして夜神粧裕の父としてだ!!
私が全ての決断をし、全ての責任を取る

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最終更新:2024年05月17日 12:20

*1 アニメ版は1958年

*2 Lが以前の捜査本部には話していなかった推測を話したことも影響している

*3 死神の目を通してデスノートの所有者の顔を見ると、名前は見えるが寿命が見えなくなるため、寿命が見える=キラではないという方程式が成り立つため。この時月は所有権を放棄し、その代わりにデスノートを常に肌へ密着させ記憶を失うのを防いでいた。

*4 厳密にはLが生前に最期に会った人となった

*5 この時総一郎は事件の犯人を追っていて彼女を看取れなかったため幼少期の月に責められている