人質

登録日:2016/08/29 Mon 08:01:00
更新日:2025/04/03 Thu 15:35:51
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わーーっははははは!!!

喜媚よ、おぬしのスープーは人質に取った!!!
殺されたくなくば如意羽衣を、わしによこせーーっ!!!
漫画『封神演義』より、太公望
※スープー=四不象は太公望の相棒です
※太公望はこの漫画の主人公です


※事件性の疑われる場合は、速やかに警察に通報しましょう。

人質とは、安全や返還を交換条件に敵対勢力から自分の要望を引き出すことを目的として、誘拐・拘束された人物のことである。


現実世界の現代における人質

ハイジャックや立て篭もりなどの事件が代表例。人質の安全・解放を条件に、犯人自身の身柄の安全や逃走経路の用意や立て篭もり中の食料の他、政治目的ならば逮捕収監された仲間の釈放等も要求に入る。

実行犯が少人数かつ人質が多人数の場合、女子供を中心に解放されることがある。これは犯人が単に紳士的なのではなく、少人数の実行犯でも管理しやすい人数にすることで人質の反乱や逃走を抑止する目的がある。
そのため世間体を気にしない実行犯ならば、人質の中から反乱等のリスクが高い男性を先に開放し、非力な女子供や年寄りを手元に残す場合もある。
いずれにせよ警察側も人質の数が少ないほうが保護しやすく、また不確定要素のリスクが減るため、こう見えてお互い利のある取り引きである。

また犯人自身が人質と言うケースも存在する。日本をはじめとする先進国では、犯罪者と言えど国家が簡単に命を見捨てる事は出来ない。
加えて、犯人から事情を聞きださないことには背景事情の解明もままならないし、自殺する前に周囲を道連れにしようと考えだすリスクもあるため、自殺を仄めかす立て篭もり犯等にも慎重な対応を求められる。
そこまで大袈裟でなくとも、自分の首筋や手首に刃物を突き付けて要求(離婚・結婚してくれなきゃここで死ぬetc)を通すのも犯人自身が人質のケース。

かつては各国政府が人質の安全を優先し、超法規的措置として犯人の要求をのむ事も多かった。
しかしながら警察組織や軍隊における特殊部隊の創設とその活躍により強行解決が現実的になったこと、また犯人の要求に応じることで人質作戦の有効性が世に知られ、結局第二第三の人質事件を誘発しかねないとして近年では犯人の要求には応じない方針が一貫されつつある。

もう一つ近年の傾向として、テロリズムを主な活動内容としている武装勢力が自分たちの活動地域にいるジャーナリストやボランティアなどを拘束し、彼らの母国政府ないしは身内に対して身代金の要求や多国籍軍からの撤退等を要求する事例が増えてきた。
上述の通り政府が素直に要求に応じる事は少なくなってきており、武装勢力も異教徒の生命人権は軽視しがちなのもあって、人質となった場合の生還率は余り高くない。

しかし世の中には例外は存在するもので、テロリストに外交官を人質に取られた国家がまさかの手段に出たことがある。なんと、テロリストの家族を掌握し逆人質として、取られた人質を解放させたことがある。え?どこの国かって?そんなこと言うのはおそロシア

人質の扱い

人質になってしまった人々は、当然生殺与奪を犯人たちに握られてしまい、殺されてしまう。
仮に殺されなくとも、解放されるまでの間は非人間的に扱われる…というのを想像する人たちが多いだろう。
もちろんそういうことも多い。

だが、犯人の目的などによっては丁重な扱いを受けられるケースもある。
というのも、犯人としては、人質は大切な交渉材料であり、人質を失うことは犯人にとって武器を失うことでもある。
人質が逃げ出そうとして、他の人質に対しての示しのために人質を射殺せざるを得なくなったりすると、犯人も困るのだ。

組織的に武装して人質を取る現代の海賊などは、目的が身代金であるため、人質に対しては割と丁重である。
生殺与奪を握られている以上悠々自適とはとても言えないが、真っ当な(?)海賊であればエロ同人みたいなことにはそうならない。

また、命に係わる極限環境下に置かれ、警察などに強行突入されれば命が危ういのは犯人も人質も同じ。
そのため、人質と犯人の間に妙な共感が生まれることがある。

結果として人質が犯人に殊更協力しているかのような態度を取り始め、解放されても人質が事実に反して犯人を庇う例が報告されている。(ストックホルム症候群)
逆に、犯人サイドが人質に共感を始め、肝心な時に人質を攻撃できなかったと言う例もある。(リマ症候群)

中世以前における人質

近現代の法治国家ではまず認められないことだが、古来人質は同盟や統治者間の主従関係の維持のため「裏切ったら身内が危険に晒される」という枷・保証として広く用いられてきた。現代的に言えば一種の質権(後述)と言える。

欧州

古代ローマ帝国は、人質として呼び寄せた近隣諸国の若い重要人を客人ないしは留学生のような待遇で迎え入れた。ローマ帝国内で教育を受けた彼らは親ローマ派となり、帰国後要職に付くにあたってはローマと深い友好関係を築くことが出来たという。

また、中世の戦争は、戦って捕虜になった者は人質とされるが、身代金を払ってもらえれば敵に返す、というやり方で行われていた。
人質に過剰な傷がつき、身代金の額が下がるということでクロスボウのような強力な武器の威力を制限すると言うことすらあったほどである。
現代からすれば随分とのどかな話だが、こういう戦争のやり方が中世において戦死者の数を抑えていたこともまた事実である。
人質にされ、当時の常道からすれば身代金出すと言えば返してもらえただろうに、味方から疎まれてしまい「あいつ?イラネ。勝手にどうぞ」とやられたのが、かのジャンヌ・ダルクである*1

日本

群雄割拠の戦国時代、大名同士の同盟の証として大名自身の子供や妻、母親と言った近親者が人質として差し出された。
これはもし同盟を一方的に破棄した場合、その人質の生殺与奪を与える事で信用を得るのが目的。大名同士の戦力が拮抗し多数の勢力が入り乱れ、各武将がどの勢力に付くかであっさり勢力図が塗り替わるこの時代に於いては、人質は欠かせない概念であった。
かの徳川家康等、若き日を人質として過ごした武将も少なくない。なおそれぞれの家によるが、こうして人質として迎えられる人物は相応に身分が高く、また人質に何かあれば同盟関係自体が危うくなるため、基本的には客人に準じるかそれ以上の待遇が与えられたようである。ただし外出等は多少制限された。
参勤交代にあたって大名は妻子を江戸に残してこなければならなかったが、これもある種の人質である。

質権とは?

質権と言うのは、現代の民法では「債権の履行を要求出来る者(債権者)が履行の保障の為に履行者(債務者)の財産の使用権(≒占有権)を預かる」と言う制度である。
債権となると、借金の返済が思い浮かびやすいが、要は「相手に対して何らかの行為の実行を要求できる権利」であり、
単純な売買契約でも
  • 顧客側は物品引き渡しを要求する権利
  • 店側は約束の代金を払う様に要求する権利
として、双方に債権が生じる。
仮に、債務者に履行能力が無い場合、債権者は履行能力の範囲で賠償を請求出来るが、複数の債権者が居た場合には、債権の大きさに比例させる形で賠償が分配される。

例:
A太郎がB介から500万、C子から100万円の借金をしたが、期日までに300万円しか用意出来なかった場合、B介は5/6の250万円、C子は1/6の50万円を賠償として受け取れる。

此れでは、「自分より大きな債権の持ち主」を常に警戒しながら、契約を結ぶ、と言う流れになりかねないので、「確実に履行に相当する対価を回収出来る」保障として設定するのが質権と担保権である。
担保権を設定した物件は「使用権は持ち主にあるけれど、債務不履行になったら債権者に売り飛ばされる」、質権を設定した物件は「使用権を債権者に預けて、債務不履行になったら債権者に売り飛ばされる」違いがある。

先の例の場合、C子が質としてA太郎から売却価格90万円と査定された時計を預かっていた場合、返済期限までの間、C子は其れを丁重に保管する義務が生じるが、A太郎が返済期限にB介への返済まで含めて、300万円までしか用意出来なかった場合、C子は時計を売り飛ばして返済される予定だった100万円への補填に充てる事が出来る。
無論、約束通りの返金が行われた場合は質は返却しなければならない。

特に、裁判や治安維持機構が整理されていなかった時代には質権に頼る場面が多かった。
人質とは、本来は「債権者が債務者に契約履行を要求する為に、債務者の身内の身柄を預かっている」状況である。
債務者は人質の労働力や頭脳と言った能力の使用権を債権者に預けている形になる訳である。
当然、高度な教育を受けて頭脳労働が出来る貴族が人質となると、代替の労働力が容易に用意出来ない事も踏まえて人質としての価値は高くなる。

例えば、国王Aが領主Bと主従関係を結んだ場合、
国王側は「領主Bに有事の際に兵力やお金を要求する権利」
領主側は「国王Aに平時から領地の支配権の保護を要求する権利」
が債権として生じる。
領主の権利を保障する為に平素から働いている国王側が、有事に債権を行使出来ないのは困る、という事で領主の子女や弟妹を人質として手元に置く、と言うのが典型的な人質である。
無論、国王側は領主側が債務を果たしている限り、人質として預かった人間の身の安全を始めとする人権を尊重する必要があるが、移動の自由に関しては制限を掛ける事が出来る。

と言うのが現代民法の質権だが、此れは社会や法律が整備されてから出来たもので、「誘拐した他人の子供を人質にして食料を対価として要求する」動物も居るので、本来はもっと暴力的なものを穏やかに設定し直しのが上記の質権である

物語における人質

作中世界で戦闘力上位に位置するキャラクターが苦戦したり敗北する理由として極めて分かりやすい事や、人質を取る側は勿論取られた側の対応によってその人柄を表現しやすい事、後に仲間になるキャラクターの一時的な敵対理由として使いやすい事などを理由に、人質作戦は物語において多用される。
戦闘要素のある作品である程度の長期連載ならば、一度は何らかの形で描かれるのではないだろうか。

悪党がヒロインや主人公の身内、要人や一般市民を人質にとり、主人公側に武装解除や金品、物語におけるキーアイテム等の提供を強いる展開が多い。この時人質作戦を取った敵は「卑怯・卑劣」と言った描かれ方をされやすく、大抵の場合後々特にひどい目に遭う。
レベルの高い悪党になると実際に人質の身柄を押さえることなく「自分ならいつでも危害を加えられる」といった具合に脅迫するといった例もある。実際にそれが可能と思わせるだけの実力があってこそ成立する方法だが、この場合は人質を管理する手間も奪還される危険も無い点で優れている。
逆に主人公側が、敵地で追い込まれた際に敵の要人を人質にとって脱出までの時間や手段を確保するケースもある。この時主人公側を余り悪く描かないために、その要人自身は協力的だったりすることも。(所謂偽装誘拐)
子供を誘拐し家族に身代金を迫る展開はサスペンス等ではお馴染みだが、これも立派に人質と言えよう。
スポーツものやゲームバトル等では、家族を人質に取られたキャラクターが八百長に加担したりラフプレーに走らされたり、或いは本来なら避けられたバトルを強要されるといった描かれ方をする。

セルフ人質


物語においては、現実部分で上述されている「セルフ人質」のような展開は高い知能を持つ人物や財宝の秘密を知る者など”命自体を大事に”とは違う部分で起こるケースもある。
「俺を殺すと隠し財産は闇の中だぜ?」とか「あの兵器の化学式はもうこの頭の中だけだ」みたいなやつ。

命乞いと若干共通性が生じる部分があり、例えば蛮野天十郎は「偉大な私の頭脳を、この世から消してはならない!」と言う。イッテイーヨ!
他のパターンではARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONの例「部隊の入出金については私に管理権限がある。見逃してくれれば悪いようにはしない」
自分の権限で利益をあげる、は逆に言えば今自分の命は利益面で人質ですよ、と近い面がある。

映画「獣兵衛忍風帳」では「おぬしに毒を盛った。ワシを殺せば毒消しの法は分からなくなる。ワシに協力しろ」と主人公が強制的に巻き込まれるシーンがある。
上述した化学式記憶キャラが自分を殺せないことを前提に脅迫をかけているのに近い。

本人が敵などとの交渉をしたケースではないが、例えば名探偵ホームズ(アニメ)第23話。
あるオウムに合言葉を言うと国家級の秘密が聞けるという話をモリアーティ教授がかぎつけ、合言葉を知る人物とオウムを拉致、くすぐりなどギャグ風だが対象に尋問を行う。

セルフ人質は性質的には下記”ものじち”の亜種に近いだろう。その人物に生きていて欲しい第三者相手の交渉というより、人質自身が持つ情報などからくる利を欲するが故にその人物を拘束したり生かしているわけである。(「獣兵衛忍風帳」は後者)
ホームズの例でもモリアーティ教授は「この人物を返してほしくば」といった要求を誰かに出すことは一切なかった。

ルパン三世 カリオストロの城では政治的立場を用いて自殺を示唆した取引のシーンがある。

「止めて、撃ってはダメ。この人を殺すなら私も死にます」

作中のヒロイン・クラリスの台詞。
シチュエーションとしてはボスキャラの伯爵が実権を握る国家の行事であり、陰の存在であった伯爵家を表の公爵家(クラリスの家)と結ぶセレモニーである結婚式の数日前。
ここでクラリスが主人公ルパンを殺させまいとして捨て身で上の台詞を言う。

クラリスが死んだ場合、国を挙げての慶事が吹っ飛び家(血筋)を繋ぐことも出来なくなる。
流石に知るかと即座に銃撃するほど無茶苦茶な人物ではなかった伯爵は、代わりにルパンの持つキーアイテムの指輪を持ってこさせる。
(離れたら撃て) ほんま伯爵お前

結局伯爵はクラリスが距離を置いたところでルパンを銃撃したが、救援が間に合ってしまいルパンは殺しきれなかった。
時間稼ぎにしかなってはいないのだが、ある意味文字通り致命的な時間稼ぎではあった。


「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」という作品でも、序盤の魔王との交渉にこんな台詞がある。

「わたくしはドートリシュ公爵家の令嬢。わたくしが魔物に殺されたとなったら、魔王様の立場が悪くなりましてよ」

自分を襲いかねない魔物に対し、自分が死んだら敬愛する魔王様のお立場はどうなるかなぁ~?と自分の命が失われた場合の不利益を盾にしている。
クラリスの例とも若干違い『人質が生きている事で得られる利益の喪失が大きすぎてマズい』というより『自分(人質)が死んだらお前(の愛するもの)に大きな不利益がある(秘密が通報されるぞとか)』みたいな脅し。

『後宮小説』という作品を原作とした長編アニメ「雲のように風のように」でも「位階が高く非戦闘員の女である自分が自決したらお前たちの総大将が汚名を着るぞ」という趣旨で頭に銃を突きつけた状態で主人公が敵陣を突っ切るシーンがある。
これもラスボスを飼ってみましたと同様上司にネガティブな評価が下るが?という脅し。

人質を取られた側の対応

素直に犯人の要求に応じる

武器を捨て降伏したり、主人公側が所持するキーアイテムを差し出したり等。
前者はヒーロー物等の場合、主人公が武装解除してしまうと敵に対抗できる勢力がなくなり、その敵はもはや約束を守る必要もなくなって人質も返して貰えない、と最悪の展開も予想されるが、"それでも"主人公が武器を捨てると言う展開もある。そして実際人質を取った悪役側が約束を破る事も少なくなく、こうなってしまうともはや本末転倒である。それだけその主人公が純粋であるないしはその人質が大切である、と言った描かれ方をする。
うまい具合に転ぶ場合もあるが、そういうのは何かしらの仕込みや伏線があってのことで、大抵は敵の要求が通ってしまう。
時にはキーアイテムをすり替えたり、降伏と見せかけ敵の懐に入るなど、要求に応じたふりをしてことをうまく運ぶ荒業もある。
なおその世界観において知名度の高いヒーローならば、下手に人質を見捨てると周囲や世間の支持や信頼を失ってしまうと言う難しい問題もある。

後者は特にゲーム等において例えば「魔王復活を阻止するために○○を集めろ」等と言った指示が出された場合、毎回イベントでそのアイテムを奪われていてはプレイヤーが戦闘に勝つ意味が無い、かと言って本当に魔王復活が阻止されては話が膨らまないと言ったシナリオ上の都合で、折角集めたキーアイテムを敵に奪わせるもっともらしい口実として人質作戦が取られる事がある。

ただし、相手の要求が比較的穏便な場合、例えば史実の人質の様に「人質を親自勢力側に教育させろ」「自分達の邪魔をしたり、敵対勢力に加担するな」「捕虜返還の身代金として此れまでの戦闘で生じた被害の賠償を支払え」と言う場合は大人しく言う事を聞く方が丸く収まる場合もある。

例:パパス(DQⅤ)
ゲームプロローグのラスト。ゲマ一味の部下を圧倒する力を見せるパパスだったが、ゲマが動けない主人公(DQⅤ)に武器を突きつけると抵抗をやめ、ついには力尽きゲマの攻撃で焼殺されてしまう。交渉相手を殺したゲマは当然主人公を解放する理由もなくなり、連れ帰って奴隷としてこき使う事になる。無抵抗により最悪の展開に転がるパターン。
例:碇シンジ
厳密には要求を聞くと言う訳では無いが、近い結果となったので記載。
使徒にエヴァンゲリオン参号機を乗っ取られた上に、僚機のレイアスカをKOされ、単身立ち向かう羽目になってしまう。
シンジは人質にされた形の味方パイロットを殺しかねない攻撃が出来ず、防戦一方になってしまうが・・・
新劇場版では参号機パイロットが異なり、僚機がいない点を除けば展開はほぼ同様。
例:デストロン大首領
仮面ライダーV3を捕虜にしたものの、復活させた地獄大使が要らぬ好奇心を出してV3に人質にされてしまう。自分諸共にV3を攻撃するように懇願する地獄大使に対して、大首領はV3を自由にするリスクより地獄大使の指揮能力を重視しており、V3のデストロン基地からの脱出の要求を呑んで地獄大使の身柄を返還して貰う。折角の大首領の苦渋の決断も基地が爆破されて諸共に地獄大使達が行方不明になったので台無しになってしまったのだが。
例:ヨミ(バビル二世)
上記のような利益をもたらす特記存在としてのネームド部下ではなく、モブ部下たちのいる基地が主人公バビルの手によって水攻めに遭う。脅しをかけてきたバビル二世に対しヨミは苦渋を飲んだような表情で部下を優先した。バビルは非情なようだが、ヨミは世界の指導者を自分の製造した存在と入れ替えて世界支配を企む(それが実行できる)レベルでヤバい存在なので、身内モブに妙に優しいのが玉に瑕というのが正確。
例:ガウリイ・ガブリエフ(スレイヤーズ)
要求を聞いた結果、何方も予想していない大事になってしまった例。
主人公・リナ=インバースを人質にした赤法師レゾが一国を容易に滅ぼす程の性能の魔力増幅器「賢者の石」を占有者のガウリイに要求。
ガウリイはレゾの目的が自らの盲目の完治と言う人畜無害で穏便な願いながらも、目的の為には手段を選ばないレベルまで負の感情を溜め込んでいる事を理解していた為に大人しく賢者の石を渡してリナの身柄を返還して貰う。
しかし、レゾは竜神によって人の身に封じ込まれた魔王の転生だったので、要求を呑んだガウリイも人質にされていたリナも、人質を取っていたレゾにとっても予想外の魔王の復活と言う事態を招いてしまった。
例:アムロ・レイ
部下のケーラ・スウがギュネイ・ガスヤクト・ドーガに人質に取られた際アムロは従おうとしたがニュータイプ能力としての本能でフィン・ファンネルが動いてしまいケーラは握り潰され死亡してしまう。
まぁ要求に従いνガンダムを引き渡したらそれはそれでギュネイはアムロと対等に戦いたかったシャア・アズナブルから叱責を受けるであろうことは間違いないが...なお彼女と恋愛関係にあったアストナージ・メドッソもこの後流れ弾であっさり死んだ。
例:毛利小五郎
アニオリ『愛と決断のスマッシュ』で娘の蘭が誘拐されて身代金を要求された際、2時間で5000万用意するという無理難題に悩んでいたが要求を受け入れる方向で動いた。しかしこの身代金要求は殺人計画を漏らされないための口封じの誘拐をカモフラージュするための犯人の偽装であり、犯人は身代金を払っても蘭を解放するどころが警察を手薄にするために受け取りに現れることすらせず、殺人計画を成就させた後に適当な場所で解放となったと思われる。
例:田布施陽菜(名探偵コナン
アニオリ『こうのとりミステリーツアー』でひょんな事から蘭が出会った少女。当初はついてこさせないよう邪険にしていたが蘭から境遇に共感する言葉をかけられて「お姉ちゃん」呼びするようになって懐き、行動を共にしていた際に謎の男の襲撃を受けて蘭がスタンガンで気絶して誘拐され、「お姉ちゃんが酷い目に遭うよ」と脅されて蘭を助けるためにとある像のところに連れていけ、という要求に従う。この犯人は像と引き換えに蘭を解放するつもりだった。
例:ニンジャスレイヤー(ニンジャスレイヤー)
第3部の短編にてアマクダリ・セクトのニンジャにして超長距離スリケン投擲の手練れであるディアハンターに無辜の一般市民を人質にとられ、一人で救出に来るように要求される。
直截なやり取りは描写されていないが、ディアハンターはニンジャスレイヤーが来るのを待っていたのでそのような状況であったと読み取れる。一定の「甘さ」があるとディアハンターが見込んだ通りニンジャスレイヤーは単身現場に向かった。
なおディアハンター曰くニンジャスレイヤーが来なければ人質を爆殺しまた新たな人質でおびき寄せるつもりだったらしい。幸いにも(?)1人目でニンジャスレイヤーは釣れたが......
人質に括りつけられた爆弾の解除にとりかかるニンジャスレイヤー。その瞬間ディアハンターは爆弾を起爆するのではなく爆弾を解除し終わった瞬間に超長距離からのスリケン投擲でニンジャスレイヤーを狙う。
が、目論見通りに投擲されたスナイパースリケンは、ニンジャスレイヤーのスリケンによって寸分違わぬベクトルで投擲手、すなわちディアハンター自身へと跳ね返されており、ディアハンターは自らの渾身の一撃によって脳を破壊され爆発四散した。


逃走する

要求を聞く前に自身が逃走すると言う手段は、敵視点だと敵側戦力が温存されるので辛うじて最悪の事態は免れたが、下手に人質に加害すると向こう側が即座に攻めてきかねない状況なので、牽制にはなる。
敵側の目的が時間稼ぎでない限りは其れなりに有効な手段と言える。



敵の虚を突いて救出する

この展開が1番多いのではないだろうか。現実の警察特殊部隊による制圧も、最初に催涙弾等で隙を作る事が多くこれに該当するだろう。
主人公の圧倒的な戦闘力だったりそれまで隠していた能力で奪還するある意味正攻法の他、弱すぎて敵が脅威と感じていない脇役キャラがその油断を突いて隙を作る事もある。
特にかつてのライバルキャラが人質救出に協力する展開は熱い。敵もそのライバルキャラが主人公に味方するとは思わずに警戒が薄い為に割合あっさり奪還できる上、「卑怯、卑劣」と描かれた敵が主人公とライバルキャラのコンビネーションでボッコボコにされる展開は分かりやすく爽快に描ける。

例:冴羽リョウ
虚を突くと言うとピンと来ないかも知れないが、彼の狙撃・早打ち術は大方にしてそこらの悪党の予想を遥かに上回っており、その時点で虚を突いていると言える。人質を取っただけで油断した犯人への攻撃を幾度と無く成功させ人質を救出している。リョウ自身が自分の腕前に絶対の自信を持っており、人質を見捨てる気が毛頭ないという時点で、後述の無視して攻撃するとは決定的に異なる。
例:ドロテーア(ヘルマンとドロテーア)
ヨハン・ウォルフガング・ゲーテの作品で、ユグノー戦争時代の実話を彼が生きたフランス革命時代に落とし込んだ話と言われている。
ヒロインのドロテーアはアルザス地方の豪農の娘だったが、フランス革命勃発時に進駐して来た革命軍兵士が連戦連敗の鬱憤を地元民にぶつけだし、遂に撤退時に略奪を始め我慢の限界に達した地元民達もドロテーアの家に子供達を預けて反撃に出る。
ところが、革命軍兵士達が虚を突いてドロテーアの家を襲撃して、預かっていた子供達を人質に取ってドロテーアに暴行を加え始める。
しかし、此処でドロテーアが自分を暴行している革命軍兵士の隙をついてサーベルを奪って件の兵士の腹を打ち抜き即死させる
無力な小娘、と侮っていた相手が血刀構えて凄まじい形相で反撃に出たので、残りの兵士達は戦意喪失して人質を放り出し逃走してしまった。
一方のドロテーアも革命軍に追われる身となったのでドイツに逃げて難民への古着ボランティアに出ていたヘルマンと出会う事になる。


敵を言葉で説得する

このパターンも多い。力でダメなら言葉で。
ミステリー作品で追い詰められた犯人がヤケになって近場の人間を人質にとった場合、多くの場合主人公或いは縁者による説得で凶器を落とし、警察に拘束される。実際突発的な犯行であるため一時的に視野が狭くなっており、少し冷静になれば今更こんな事をしてもなんにもならないと悟るのだろう。
逆に、挑発で相手をカンカンに怒らせて人質を捨てさせるパターンも。「さあ、子供を放せ!一対一だ!来いよベネット、怖いのか?」


人質が自力で脱出する

実は人質となったヒロインは武術の達人だった、等とややギャグよりの描かれ方をすることが多い解決方法。
上記説得と組み合わせ、誰かに説得されて隙が生まれた犯人から自力で脱出するという場合もある。その場合大抵の犯人は再度逃走を図る。あと羽交い締めにした腕に噛みつくパターンがやたら多い。
脱出と言って良いのかわからないが最悪の場合だと、「重荷になるくらいならいっそのこと」と思い立った人質が自殺して人質としての価値を失わせるパターンも存在する。
また本来主人公と関わりのない悪党が銀行や飛行機にたまたま居合わせた主人公らを人質に取るケースもある。一部ハイジャック系やスティーヴン・セガール主演の洋画はここが物語のスタートと言っても良い。
主人公が元軍人だったり、何らかの特殊能力を持っていたり、或いは類稀な観察力と判断力を持っていたりすると、最終的に出し抜かれて全員逃亡される哀れな犯人の姿が拝める。
その程度で済めばいいもので、最悪主人公一人の手でその場で全滅する。この場合はそういう星の元に生まれたのだと諦めてもらうしかない。

例:ゴルゴ13
テロリストや犯罪集団に属するターゲットに近づくために、わざと捕まって人質になるという手段を使うことがある。
上記のパターンとは別に、たまたま何も知らないテロリストが人質にした人間の中にいた事がある。その場では大人しくしていたが、ゴルゴが人質の中にいると知った救助側が犯人への呼びかけの中でゴルゴに事態収拾を遠まわしに依頼。それを聞いたゴルゴは即座に行動を開始して以下略。


無視する

人質を無視して近づいたり、攻撃を加える。
理由は様々であるが、例えばギャグよりの作品なら人質にそんな価値がなかったりする。(どうせギャグ時空だから死なないし)
逆に人質に価値がないと思わせて解放を促したり困惑させる目的で前に出るケースもある。これは典型的なハッタリであり、主人公は内心かなりビクビクしている。
非致死性の攻撃で人質諸共やっつけたり、人質の特殊能力を信じて(例:毒が効かない人質諸共毒ガスで攻撃)攻撃を加えたりすることもある。
また本当に人質がどうなっても構わないと言う場合もある。ダークヒーローなら人並みの倫理観や人情など不要だったり、或いは自身の目的使命の前では人命すら些細なことと考えているケースである。主人公と付き合いの長い人質の場合は、人質自身もその考えを理解して覚悟を決めている事も多い。

例:ゴルゴ13
こちらのパターンに遭遇した事もある。ゴルゴの協力者がゴルゴの敵対者側に送り込んだスパイを捕らえてゴルゴを脅したのだが、ゴルゴがそのスパイの存在を知らなかったので無視して即座に敵対者を殺した。
一応この後ちゃんと救助しているので虚をついて救助パターンにも入るか。
愛犬が殺されるのを窓際から見ていた人質が弾薬庫の場所を伝えたのを読唇術で読み取り、人質諸共爆破したこともある。
例:デッドプール
ディスク・ウォーズ:アベンジャーズにおいて、主人公達の仲間ホークアイを人質に取りクリスとキャプテンアメリカの行動を封じたバロン・ジモに対し、「ホークアイに義理はねえ」と一人で交戦。
あまつさえ能力を封じられ重症を追った際に、クリスの悩みを何とかすべく、ホークアイを銃撃で殺害しようとした。(撃った結果、ホークアイが偽物であったことが判明)
詳しくは当該項目を参照。
例:ボボボーボ・ボーボボ
ギャグ作品の代表例。
OVERにところ天の助が人質に取られたが、普段から奥義の巻き添えでさんざん痛めつけている天の助にボーボボが遠慮するわけがなく。
「その男に人質の価値はねーっ!」
と、盛大にOVERごと同時攻撃。その次には首領パッチが人質にされるものの、天の助を武器にして首領パッチごとOVERを攻撃した。
そのあまりの行いに首領パッチは「殺されるー!!ボーボボに殺されるー!!」と自身を人質に取っているOVERではなくボーボボに恐怖心を抱いた。
例:アーカード
HELLSING』記念すべき第一話において、吸血鬼神父に人質に取られた婦警セラスに対し、「お嬢ちゃん、処女か?」とセクハラ発言をかまし、セラスが「はい」と答えると大口径の銃で彼女もろとも吸血鬼を撃ち抜いた。
その後、セラスはアーカードに血を吸われ、吸血鬼として生きることになる。先の質問は、血を吸われて意志を持つ吸血鬼になれるのは処女と童貞だけであるため。
セラスを救ってはいるものの、自身が「生存者はなし」と言っているとおり吸血鬼となった時点で生者とも言い難く、「セラスという人間」の救出はあっさりと諦めている。
まあ敵の要求に応じたところでセラスは死ぬかグールにされる可能性が高かったのだが。
例:サイコマン
対プラネットマン戦にてプラネットマンが死亡した完璧無量大数軍の面々の魂を「魔技・人面プラネット」で人質に取りサイコマンの動揺を誘う作戦を決行。
が、サイコマンは仲間の始祖以外の命に対してはとことん冷酷で情も憐憫も持ち合わせていない性格だったためまるで通用せず、人質に取った魂ごと殺害されてしまった。
例:碇ゲンドウ
上記の碇シンジの続き。
息子・シンジが人質を気にして防戦一方に追い込まれた為に、ダミープラグを使用してシンジから操縦権を一時剥奪。
使徒を人質諸共に殲滅した為に、人質の鈴原トウジはアニメ版では片脚を失う重傷、漫画版では圧死してしまう。新劇場版のアスカも意識不明となり戦線離脱。
自機を乗っ取られた挙句に親友を殺そうとした事にシンジは反乱寸前まで激昂してしまうが・・・。
ゲンドウ以下NERVからすれば、戦力を分散させた挙句にレイとアスカが各個撃破の形でKOされた時点で「参号機を三機がかりで抑え込んで、人質を引きずり出して救出」と言う手段が取れなくなってしまい、他に手段は無かったとはいえる。
だが、シンジ視点から見ると、『介護生活の妹を抱えている親友の弱みに付け込んで利用した挙句に、自分達の警護不行き届き&作戦ミスの生贄にした』と解釈するのも当然なので、関係改善の兆しが見られた父との仲が決定的なまでに悪化してしまった。
なお、後にシンジはカヲル操る弐号機を頭部へのプログナイフの一撃で沈黙させており、劇場版のアスカはシンクロ中の弐号機の頭部に槍を刺されても生きていた。つまり「シンジが本気で戦っていればエントリープラグまで壊すことはなく、結果的にトウジは助かったのでは?」という推測が成り立ち、漫画版では加地がこれを指摘している。
例:両津勘吉
TVスペシャル回でテロリストの犯人が銃を人質に向けて盾にする場面が二度あるが、どちらでも両津は「煮るなり焼くなり勝手にしろ」と聞く耳持たずに接近した。
一度目は犯人が動揺している隙に仲間に援護射撃を行わせて銃を撃ち落として見事に制圧に成功。
二度目は人質になった大原部長をわざと挑発して怒らせ、自力で縄を解かせて犯人を撃退する奇策を行った。

人質を本気で攻撃する

「無視」の亜種といえるパターン。
人質を取られている側の中で、「人質の救出」と「敵への攻撃」の優先度が一致していない場合、
上位の指揮権を持つ者が責任を負って人質を始末してしまい、強引に事態の進展を図る。
味方内部の「人質を殺されたくない人物」の反感や激怒を買うリスクが有る。

例:改造実験帝国メス
をベースに強力な怪人を作ったが、犬の意識を消す事に失敗してしまい、戦場にその犬の子供が迷い込んだために我が子を戦闘に巻き込むまいと敵前逃亡してしまう
戦闘面では敵であるフラッシュマンを圧倒していたものの、フラッシュマンも一時は子犬を人質ならぬ犬質として盾にする意見が大多数を占めた為に、困ったメス上層部は「子犬を始末しろ」と中間管理職達に指示を出す。子犬と其れを抱えて逃げるレッドフラッシュを追い回す羽目に。
例:ザルバック・ベオルブ&アルガス・サダルファス
序盤の敵となる義賊団「骸旅団」の残党ゴラグロスは主人公ラムザ・ベオルブの長兄ダイスダーグの暗殺に失敗した際、ベオルブ邸にいたラムザの親友ディリータの妹ティータを人質にして逃亡。
ダイスダーグは「ティータを見殺しにはしない」と言ったものの、盾が無くなれば間違いなく殺される状況のゴラグロス達とまともな交渉が成立するはずもなく、追撃を指揮するラムザの次兄ザルバックは部下アルガスに狙撃を指示。無慈悲にもアルガスの一矢はティータの命を奪う。
これを目撃したラムザとディリータは激昂し、ザルバックが別の部隊に向かった後、ティータの元に駆け寄ることも許さないアルガスを殺害。ベオルブ家の正義を信じられなくなった二人はそれぞれの道を進むことになる。

人質を助けるために攻撃する

上項と異なり、見捨てるわけではなく救出するために敢えて人質を攻撃するケース。
特に犯人が少数、かつ人質を連れて逃げようとしている場合に行われる方法で、気絶させたり足など致命傷となりにくい場所を攻撃して自力での移動を出来なくする。自分で歩けない人質は犯人にとって文字通り足手まといとなり、逃走を優先するなら捨てていかざるを得なくなる。
ただし激高した犯人が動けない人質にトドメを刺してから逃走を図る可能性も0ではないため、あなたに主人公補正がない場合は安易に真似してはいけない。また、当然気絶した人質を抱えて悠々跳びはねるような人外相手には通用しない。
また、これの問題点としてはいかなる理由であれ第三者からは「人質を攻撃した」という印象が残るため本人や人質が無事に事件を解決してもその後何らかの不利益を被る可能性がある。

例:江戸川コナン
14番目の標的』で蘭を犯人に人質に取られたときに、上記の理由から蘭の足を狙って発砲し、これに動揺した犯人の隙を狙って小五郎が一本背負いを喰らわせた。これはコナンの銃の腕前がハワイで親父に教わったため警察以上だったからこそできた方法である。同じく小五郎も過去に妻である英理の足を撃ったことがある。
なお、原作でも蘭は人質になった事があるが、こちらは自力で脱出している。
例:片霧大作・羽山麗(重甲ビーファイター)
第13話「危うし重甲基地」で敵怪人の体内空間的なところに人質状態になったリーダーの甲斐拓也が自分ごと撃てと促す。
二人は拓也の「誰かが倒れても他の者が地球を守るのがビーファイター」という言葉に撃つことは決意しつつも、武器の種別と出力を調整すれば致命的ダメージはないと考え実行、拓也を殺害・重傷などにすることなく救助できた。奇跡が起きた、敵の人質行動がハッタリだった等ではなく最初から威力的配慮をしているため例としてはこちらと思われる。

逆に人質に取る

一見よくわからないが、つまりは「人質に傷一つつけようものならてめぇら全員ぶっ殺す」といった具合のアグレッシブすぎる脅迫。
レアケースではあるものの、そもそも人質自体が正攻法で勝ち目がない奴がやる場合が多いので、意外と効き目はあったりする。
当然といえば当然だが人質を取られた側が心身共に強靭でなくてはできないやり方であり、それがレアケースたる所以。

例:金田正太郎(鉄人28号)
自らのロボット「ギルバート」を失い鉄人に抵抗する術を失ったサイボーグ「ケリー」は、誘拐した医師を人質に「鉄人が攻撃を加えるなら医師を空から投げ捨て殺害する」と主張、逃走を図る。
しかし正太郎からの返答は「投げられるものなら投げてみろ」「その次には鉄人がお前たちを地面に叩きつける。サイボーグのお前は助かってもお前が連れている生身の弟は助からないぞ」と逆に彼及びその弟を人質に取るものであり、ケリーは人質作戦を諦めることとなる。
このケースは人質はパンピーながら、正太郎が相当にアレな人物で「やると言ったらやる」ことが知られていたため脅しが脅しとして機能し成功した。
例:蔵馬幽☆遊☆白書
人間に化けて暮らす妖狐。とある事情から弟を人質に取られたが、その人質をぞんざいに扱おうとした管理役の妖怪に「バカかお前、人質は無事だから意味があるんだ」と釘を刺し、なおも食い下がると「人質に万が一のことがあれば、壮絶な生き地獄を見せる」と示唆することで寝返らせて安全を確保、人質を対蔵馬の切り札にしていた妖怪の親玉を殺害した。
人質とは大まかに「絶対に 失うわけにはいかない 人質」と「失うのは 避けたい が最悪無くしてもいい人質」に分かれる。
人質を使って効果的に脅迫する場合、その性質を見極めないと失敗するが
蔵馬にとってこの人質は前者であるにもかかわらず、 言動や雰囲気を利用して後者と思わせておき、
その上で人質を害した場合 怒りに燃える相手に無惨な報復をされる (しかも確実に)という 事実を 相手に強く認識させることで主導権を奪い返した。
彼は作中、この他にも家族を人質を取られる場面があったが、最終的に相手を出し抜いて人質を奪還、人質を取った輩には凄惨な死を与えることで報復を成し遂げた。
例:前鬼(鬼神童子ZENKI)
役小角の末裔の役小明という美少女に使役される鬼神。敵のボス、ボスを裏切った№2との三つ巴の交戦中に、回復役である使役者を元№2に捕獲されてしまう。が・・・「人質を殺したらお前を全力で攻撃する」と逆に脅迫。裏切り者を粛清しようとしていた元ボスは負傷して戦力低下、攻撃面では№2より前鬼が有利と言う状況で、人質を下手に殺す事が出来なくなってしまい、結局、前鬼側の仲間が背後から襲い掛かる事で小明を奪還する事が出来た。



相手サイドから人質を取る

「目には目を」ないし「相手もやってるからいいだろう」と敵方の仲間・関係者・親族を拉致し、「人質交換をしろ!」とか「そっちが殺せばこっちも殺す!」と犯人を恫喝する。

例:相良宗介
『妥協無用のホステージ』にて。不良集団に捕われた千鳥かなめを救出するため敵地に乗り込み袋叩きにされようとした瞬間、集団の女リーダーの弟をあらかじめ拘束していた事を公開。
スイッチの連続で少しずつ落下の危険に晒される少年の姿に連中は怯え、さらに畳みかける様に一人一人に(生徒会長から入手した情報を基に)向けて各自の「大事なもの」をいつでも害することができると仄めかし、集団を退散させた。
事後に「実は事前に少年の承諾を得、命の危険は無い様にしていた」と説明していたが、明らかにやり過ぎな気が…。
例:愛徳高校勢VS立花商業勢(BE-BOP-HIGHSCHOOL)
4巻にて。偶然から主人公「加藤ヒロシ」(愛徳高校)と立花商業の番長「菊永淳一」が喧嘩になり、そこから愛徳高校に敵意を抱いた立花生の一人「伊藤」が偵察に来た所もう一人の主人公「中間トオル」によって拘束。
しかし伊藤の拘束を知った菊永が速攻でヒロシ・トオルの舎弟「兼子信雄」を拉致。愛徳勢の「伊藤の身柄による交渉」電話は「双方の人質交換・決着の舞台設定」に変更された。
…しかしこの話、結局「加藤・中間・伊藤・菊永」が人質交換時前に少年課刑事(最初の遭遇時自分をやくざと勘違いした菊永を補導している)に補導され、本番時に主要キャラ不在で有耶無耶という情けない結果に…。


人質が自ら死ぬ

人質に取られた人が自分で死ぬことで、人質としての機能を無くす。
人質に取られたことで味方が危機に陥る場合や、仲間が死ねば自分も助かる見込みがなくなる、人質が自身の命に価値を見出していない場合などで起こりうる。
人質を取った側の目論みを潰せるが、助けられなかったのは同じであり、救助できなかった味方への精神的ダメージも大きい。

例:エメリナ(FE覚醒
ギャンレル率いるペレジア軍に捕らえられ処刑台に送られた際、クロム一行は救出を試みるも失敗。
自分が捕まっていることでクロムたちが進退窮まっている状況を見て、戦争の虚しさを訴えつつ崖から身を投げる。
怒りに燃えつつもここでは逃げるしかなかったクロムたちだが、彼女の言葉が少しずつ情勢を変化させていくことに...
例:デビルマン(デビルマン(漫画))
作中の悪魔ジンメンの能力で、喰い殺されてはいるが自我は本人のものである複数の人間の顔がジンメンの甲羅に浮き出て主人公に攻撃の手を止めさせた。
「それっぽいシミュをしたスワンプマンや擬態」ではないと思われるため一応ここに記載する。(例えばうしおととらのなども亡くした大切な人でこれをやられたが幻覚攻撃なのでそれ系は該当しないだろう)
ためらう主人公デビルマンだったが「お兄ちゃんこいつを殺してー!!あたしは死んでる気にしないでー!!あたしは死人よ!!」
この知人の叫びを受け、死者の自我があるのに攻撃することになろうとも……という決断をした。当然ジンメンへの扱いはね、それはもう。
なお「真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日」にも似たようなことをする敵が登場したがこっちは逆に流竜馬ブラックゲッターにグッチャグチャに叩き潰された。
例:修験者(ゴルゴ13)
修験者の下で修業を行っていたゴルゴをかつてゴルゴに殺された隊長の仇を取らんとする中国軍の特殊部隊が襲撃、修験者が人質に取られてしまう。
が、既に死ぬ気だった修験者はゴルゴに「先に待っているぞ」と言い凶弾に斃れ人質の意味がなくなったことで特殊部隊もゴルゴに皆殺しにされた。

救助失敗

物語でも現実でも、人質救助が全部成功するとは限らない。(上記「自ら死ぬ」のようなパターンではなく、あくまでも救助意志の達成失敗) また「セルフ人質」の項のように、人質自身が特定の利益提示をしても許されないパターンはある。(蛮野のような命乞い失敗例)この辺において、取り返しがつくもの、つかないものなど色々派生があると思われる。

例:パキケロナグルス、ディメノコドン(爆竜戦隊アバレンジャー)
作中で敵対していた時期のアバレキラーが合体ロボ枠の爆竜という生物を人質にする。しかし主人公の凌駕たちは守るべき市民の身勝手な悪意もあって救助に失敗。タイムリミットで仕掛けられた爆弾は爆発。これは爆竜たちの命や体を大きく傷つけはしなかったが「なぜ来てくれなかった」と凌駕たちを深く疑わせ、心の傷にはキラーの洗脳の言葉が染みた……(この後しばらくパキケロたちはキラー陣営状態だった)

18禁作品における人質

当然、ヒロインに降伏を促しエロい事をするのが目的。
特に薄い本やアンソロジー等はページ数に限りがあるので、戦闘力があるヒロインを無力化させる上で人質と言う展開は非常に話が早く分かりやすい。また人質に取られた人物がヒロインの姉妹やお姫様なら、後々ヒロインと一緒にエロい事になるのはもはやお約束である。





物質(ものじち)

 物質(ぶっしつ)ではない。人質の"モノ"バージョン。それはただの「質(しち)」じゃないのか?とか言わない。
 敵対者にとって相応に価値の高いものが手元にある場合はこれも交渉の材料となる。人質と比較すると逃走の危険がなかったり食事等の世話が不要であり、単に目につきにくいところに隠すだけで交渉の材料となるので極めて管理がしやすい。ただし人の命と比較すれば余程の事情がなければモノは所詮モノでしかないので、有効となる状況は限られる。

 分かりやすい例としては天空の城ラピュタにおける飛行石だろう。終盤、シータから飛行石を受け取ったパズーは敵対するムスカ大佐に対し、「石は隠した!シータに手を出してみろ、石は戻らないぞ!」と脅しをかける。ムスカにとっては本来パズーやシータの身柄よりもラピュタを制御する飛行石の方が重要であるため、「3分間待ってやる」と言う譲歩を引き出し、結果的にこれが逆転の一手に繋がる事となった。

 他には脅迫する相手が骨董好きとか美術品マニアの場合。
状況にもよるし、どうしても絵面がギャグっぽくなるが値段や希少性次第では「コレがどうなっても良いのか?」と脅しの材料に使われる場合がある。
:例:涼村暁(超光戦士シャンゼリオン)
自身の収集欲のため箸袋を奪おうとする悪の箸袋マニアダークザイド「ドゴッチ」との取引で、この回助手候補としてテストしていた女性三人が次々失敗しドゴッチに人質にされた際、
ドゴッチから要求され箸袋コレクターから借りたトランク一杯の箸袋を、取引現場で盛大に散布
そんなもったいない事をされてはたまらないドゴッチと本来の持ち主な箸袋コレクターが慌てて回収する間に暁は隙をついて人質を救出し、シャンゼリオンとなって改めてドゴッチを倒した。
…ドマイナーなコレクションアイテムとはいえ、マニアへの配慮が無さすぎる所業である。

余談だがこの物質、少なくともGoogle日本語入力なら一発変換できる。

ランサムウェア

インターネット世界における人質(物質)。
人、物ときて、つぎはデータである。大きく分けて2パターンある。
1つは人のパソコンにコンピュータウィルスを感染させ、勝手にデータを暗号化するもの。解除したければ金銭をよこせという脅迫である。
もう1つはパソコンまたはスマホそのものにロックをかけて使用不可能にするもの。そして公的機関を名乗り、罰金や利用料金を払わない限りロックを解除しないというもの。
どちらにしても金銭を払ったところでロックが外れる保証もないため払ってはいけない。

鳥質

詳しくはダイナブレイドにて。簡単に言えば「トリキャラが別種族のトリをトリ質にとる」というダジャレ誰うまな状態。





クソ、その人を離せ!

クックック…こいつの命が惜しくば、追記・修正して貰おうか

おのれ卑怯な!


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最終更新:2025年04月03日 15:35

*1 農民出身で当時の戦争のルールを知らないジャンヌ・ダルクが、イギリス軍を片っ端から殺しまくったせいでイギリスから相当恨まれていたり、フランスからも持て余されていたという点もある