黄巾の乱(三國無双)

登録日:2012/01/15 (日) 14:32:19
更新日:2025/10/29 Wed 08:25:50NEW!
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中平元年(184)春、張角を教祖と崇める
教団・太平道の信徒らが、各地で一斉に蜂起
した。権力闘争で腐敗し頽廃しきった朝廷に、
不満を爆発させたのである。

この反乱は、信徒たちが頭に黄色い布を巻い
ていたことから、「黄巾の乱」と呼ばれた。
その勢力は留まることを知らず、瞬く間に
中平全土へと広がっていく。

これに対し朝廷は、討伐軍を編成すべく各地
に檄を発して義兵を募った。この呼びかけに
自らの未来を賭けて英雄たちが集う。それは、
後の三国争乱の世の幕開けであった・・・
(真・三国無双2 黄巾の乱 概要)


黄巾の乱とは、真・三國無双シリーズにおいて初代作から収録されているシナリオの一つ。

概要

史実における三国時代の幕開けとも言える戦いであり、多くのシリーズでゲーム開始直後に位置付けられているシナリオ。
最序盤のシナリオということもあり難易度は低く、極端な高難易度を選ばなければ初期状態のキャラクターでも簡単にクリアできる程度となっている。

シナリオとしては正史よりも三国志演義の影響を強く受けたのか張角三兄弟の「妖術」がフィーチャーされており、自然を操ったり幻影を生み出したりと後のシナリオではあまり見られない*1ファンタジーすぎる超常的ギミックが随所に見られる。
正史要素も重視し出した6以降や張角がネタキャラを脱却したORIGINSですらこういった要素が変わらず残されているあたり黄巾とは切っても切れない関係にあると言えるかもしれない。
ほとんどに通常の進行である討伐軍シナリオと、裏バージョンである黄巾党シナリオが収録されており、それらに相当する他のシナリオを収録している作品もある。

主な登場人物

○討伐軍

  • 何進
「動じるな!風を操っている奴を狙え!」
「術の源を討て!さすれば落石も止まる!」
肉屋のち外戚。総大将なのにずっとモブ。
倒れなくても討伐軍の敗北になる場合がある。

  • 盧植、朱儁、皇甫嵩
朝廷のお偉方。実際に黄巾の乱を平定したのはこの御三方なのだが、原作の都合上モブ。
朱儁は孫堅の親分皇甫嵩は董卓の天敵漢朝に取って代わることを勧められるぐらいのぶっちぎりの名将*2だったのだが、頑としてモブ。
盧植に至っては劉備や公孫瓚の先生なのだが、3からしばらくそもそも出場せず。

  • 曹操
「この不自然な豪雨…張梁の妖術か!」
役人の一族のため、正規軍として従軍する。
2では屈指の強豪ユニーク武器「倚天の奸剣」がここでいきなり取れることで有名。

「妙な風だな…さては、張宝の妖術か!」
正史では以前から海賊などの反乱退治で名を上げていた武将で、同郷の朱儁に引き立てられて正規軍として従軍する。
正史の影響か、2の無双モード限定ステージである海賊撃退戦が本話の前に挟まってくる。
最も洗脳の憂き目に遭う軍団でもある。
部下にして宿老である黄蓋が、2猛将伝では第2ユニーク武器「断宙鞭」を(要MIXJOY)、4ではユニーク武器「断海鞭」を獲得できる。
それにあたり上記の曹操や3のエディット武将(大剣)と同じく、決まって張宝に真っ先に当たる役どころが多い。

「張宝、張梁…嵐すら操るか!」
原作では義勇軍として盧植の元に就く。
正史では一応参戦していたが、さして目立つ存在でもなかったらしい。
2オリジナルシナリオでは、教祖様のユニーク武器「業火神杖」と女媧の第2ユニーク武器「龍突細剣」を獲得するにあたり、共通して軍総出で当たられる役どころである。

他には、3とPSP版無印では討伐軍シナリオが袁紹伝にも出現し、黄巾党シナリオにも袁紹が出てくる。2nd Evolutionでも袁紹がいる。どれでも顔良と文醜を従えている。

また3以降の黄巾党シナリオの場合、董卓も出てくる。必ず華雄を伴う。


○黄巾党

「天より賜りしこの杖で、裁いてくれよう!」
総大将であり我らが教祖様。大賢良師・天公将軍とも。
当然ながらユニーク武器「業火神杖」はこの裏ステージで獲得する。
それにあたり美髯公隻眼将呉宿老に確実に当たる役どころがみられる。その場合は彼らを逃がさないように。
演義でも正史でも戦場で全滅したわけではない兄弟だが、無双シリーズなので仲良く出陣し、枕を並べて果てることに。

  • 張宝(CV;孟徳)
「ヴァ~かもんのぉ~どぉんもぉがぁ~
くぅらぁえぇぇ~!!!」
地公将軍にして、教祖様の弟で張梁の兄。2と黄巾殲滅戦と4では落石を、3では暴風と間欠炎を、黄巾砦攻防戦では突風と幻影兵を起こす妖術を使う。

  • 張梁(CV;玄徳)
「見ておれよ…ハァァァ!!」
人公将軍にして、教祖様と張宝の弟。2では川を凍らせ、3では豪雨と転石を起こし、黄巾賊撃退戦では豪雨と間欠炎を起こし、黄巾殲滅戦では突風を吹かせ、4では竜巻を起こす妖術を担当。


シリーズ別概要

真・三國無双

最初のシナリオ。つまりプレイヤーが大抵初期ステータスの為、弓兵と教祖様が意外と手強い。
遠くから弓で教祖様を狙撃したのは少なくはないハズ。

真・三國無双2

討伐軍シナリオ、黄巾党シナリオともに、難易度は最低の1であるが、海賊撃退戦がある武将の場合、第2ステージとなる。
教祖ブラザーズの妖術のセリフが聴ける。
東門落石イベントのせいでよく廬植が瀕死になっている事が多い。
あと、張角がテレポーテーション。

人公将軍と地公将軍を討ち取った上でクリアすると、フリーモード用に黄巾党シナリオが開放される。
さらにこれを「難しい」設定かつ黄巾進入拠点が1ヶ所でも封鎖される前にこなせば、倚天の奸剣を出現させられる。
黄巾党シナリオで蜀三義兄弟を漏れ無く討ち取るのが、「最強」設定で迅速だったならば龍突細剣を出現させられる。彼ら若しくは、曹操と夏侯氏、或いは孫堅と黄蓋を漏れ無く討ち取れば、教祖様をプレイアブルに迎えられ、「難しい」設定で業火神杖も出現させられる。

猛将伝の「汝南の戦い」黄巾党シナリオは、「黄巾の乱」黄巾党シナリオのリニューアル版。
肉屋は倒さなくても勝利できるが、三國の君主(堅いほう)を倒す必要があり、5人の民頭を倒されても敗北。これが張角伝の第1ステージにいきなり待ち構えている。
汝南の戦いには、孟獲伝の最終ステージとして登場する孟獲軍シナリオもある。
こちらにも魏帝が登場するが、勝利条件は三國の軍師。笑い袋は転石で、美周郎は火矢兵で迎撃し、伏龍に迫るとゴキブリが襲来。

どのシナリオの場合も、中央の巨大な砦にジャンプ力があれば割りに行ける壷があり、アイテムが中に入れてある。
ジャンプ力がない場合は、隅から階段を登って、跳び降りよう。
馬を駆れる場合は、目印として壷が真っ直ぐ前に見える位置に停め、馬が真っ直ぐ前に見える位置から跳ぶといい。

真・三國無双3

討伐軍シナリオでは難易度は最低の1(易しいの場合)。
前哨戦に同じく難易度1の黄巾賊撃退戦、黄巾砦攻防戦がある。それぞれ、総大将である張梁と張宝の撤収を許さなければ、該当する者が本戦に来れず、文字通りに嵐を呼べない。「難しい」でそれぞれ、細剣、突剣をレベル10にできる。
黄蓋を使う際は、本戦の魏帝と呉パパを爆破してしまわないように。両方敗走すると何進が教祖様に降伏してしまい敗北する。
本戦に張梁と張宝がどちらも来れなければ、張角「よくも同志たち、弟たちを…!我が怒りの火焔で焼かれるがよい!」がT字路に爆弾岩を転がす。
教祖様以外の信徒を全員手に掛けると、「難しい」なら大剣をレベル10にでき、加えて本堂の詰め所を閉ざすと教祖様が逃げてしまうが、魏伝と呉伝では更に条件を満たしていたら、蜀伝でも2周目以降で条件を満たせば外伝として黄巾殲滅戦がある。これは、同じ張姓を戴く五斗米道の教祖・張魯を新本堂の張角が迎えようというステージで、成功されると孫尚香と黄蓋と張飛と関羽と夏侯惇と徐晃が、全進入拠点と全兵卒と共に洗脳されてしまう。洗脳されたせいか通常の対峙台詞は決して喋らないが、一騎討ちは普通に階級次第かつ確率でだが発生する。但し撃破時の脱出・討死デモは無い。

黄巾党シナリオは、黄巾砦攻防戦が蜀軍と、黄巾賊撃退戦が魏軍との決戦の前哨戦になっている。ここまでにおいては、必ず劉備が公孫瓚から趙雲を借り戦力を増している。
蜀軍との決戦では遠藤劇場が、魏軍との決戦では岸野劇場が展開される。
最後に迎える黄巾の乱は、難易度は5(易しいの場合)で、無双モード・黄巾党伝の最終ステージ。
白馬将軍主従と朝廷の3役人が初期配置、加えて三国の君主(堅いほう)と名族が主従で続々登場、更に討伐軍本部にいる肉屋から本堂に奇襲するデブ主従を経てT字路に到着するゴキブリへと盟主の座が継承される。
敵武将を全滅させる必要があり、敵軍が増える度に味方の士気が下がるが、レアエンディングを観るため、黄巾の子は1将たりとも手放せない。プレイヤーが教祖様だったりすれば、敵軍団長を殲滅せずともゴキブリを出現させられ、三國と名族のうち誰か1人に近付かなければシメを一騎討ちで終えるチャンスもある。
業火神杖が欲しければ、デブに教祖様の弟方を殺される前に、各軍団の所属武将を狙おう。

真・三國無双(PSP版)

無双モードの呉伝、蜀伝、魏伝そして袁紹伝の最初ステージ。
これといった妖術すら使用されず大したイベントさえ無く、中央の城砦を介し黄巾の本拠を目指す簡素なシナリオ。
400人を斬る度に、プレイヤー武将狙いが発生していないか撤収していて、プレイヤー武将と戦闘中でない武将が張角以外に存在すれば、その武将がプレイヤーに合わせてレベルアップ(PS2版シリーズなどでのハイパー化を、本作なりの方法で表現したのだろう)してプレイヤー武将をつけ回すが、倒せば経験値がガッポリ手に入る宝箱を落とす。
味方軍団が敵施設から3軍団敗退した時、総大将からの指定施設が発生していないか制圧されていると、味方総大将がその施設を制圧できる者を募る。敵兵糧庫に居ない時に制限時間がぴったり残り3分・2分・1分になると、味方総大将が敵兵糧庫の制圧を急がせる。指定された施設、急がされている時の敵兵糧庫、それぞれをプレイヤーが制圧すると条件毎に経験値が加算される。
このような本作独自のシステムを、学び活用するにも絶好のステージ。

黄巾党シナリオも、武将は全て初期より配置され大したイベントも無く、朝廷の3役人がいる討伐軍本部へ突き進む、無双モード・黄巾党伝の最初ステージ。
魏帝に蜀兄者に白馬将軍、名族、デブがいる。

真・三國無双4

討伐軍シナリオでは難易度は最低の1で、登場する無双モードでは必ず第1ステージになる。
黄巾党の妖術を阻止しつつ進むだけなので簡単。
同じ姓を戴いているからか、張曼成が教祖の力を媒介して、韓当を洗脳する。

逆に黄巾党シナリオは難易度が最高の5で、無双モード・張角伝における最終ステージ。
三国の君主(堅いほう)主従に朝廷の3役人、白馬将軍兄弟と更に陶謙が最初から布陣し、デブ主従は途中参戦するが盟主を継がない。
敵武将を殲滅しないと勝利できず、こちらは妖術の成功が重要。
具体的に妖術には、呉ハゲら呉軍や魏ハゲら魏軍を洗脳するものと、岩を落として白馬を後退させるものと、決して倒されない幻影兵を生成するものがある。
洗脳はデブが参戦する前にのみでき、岩落としもデブが参戦すると停止する。
孫堅「共に、黄天の世を導こう…」
曹操「我が覇道、黄天と共にあり…」→岸野劇場
劉備「いかん、このままでは抑えきれぬ!」
業火神杖を探す時に必要なのは、幻影兵以外の妖術。洗脳効果以外の黄巾の子らを、失う訳には決していかない。また無双モードだとデブとハイライト戦闘。

真・三國無双 2nd Evolution

無双モード・蜀伝の最初ステージ。それ以外でも、2周目から最初ステージに選べる年代1のステージ。
三国の君主(堅いほう)主従と朝廷の3役人のほか、名族主従も味方に参戦している。またなぜか韓猛が張梁軍として登場。
妖術は繰り出されないが、祭壇を4ヶ所制圧すると教祖が何進に向かって奇襲してくる。実質、時間を更に制限され、兵糧庫や本拠を制圧しても回復できないようなもの。
張宝と張梁が集まる大祭壇を征圧したいなら、道が開通したら急ぐこと。笑い袋と堅パパをプレイアブルに迎えるには、大祭壇を征圧する必要がある。
前作と同様の方法で敵将をレベルアップさせて撃破すると、経験値は稼げないが、初回のみ武器か馬か象を獲得する。
前作と同様の方法で施設を指定させて制圧したり急かさせて兵糧庫を制圧したりしても、経験値は稼げないが武器がそれぞれ1つ増える。
こういった前作からの継承点と変更点を、このシナリオで学んでおこう。
戦場の片隅に、「項劉記」からゲスト登場した項羽がおり、撃破すれば馬を奪取できる。
彼や浅井長政などの宝物庫の番人は、1分半以内に倒せば捕縛となる。伴う所属武将と共に、プレイヤーよりも3レベルほど上(下限は8で上限は10)なので、無双覚醒はここで使うように。彼らが伴う兵は、警備員(黄巾党)である。
教祖を副将として士官させるには、25分以内に教祖に奇襲させ、教祖を何進のすぐ右まで引きつけてから倒すといい。

大祭壇の征圧、教祖の撃破、それぞれの条件を、どちらか1度は更に項羽を撃破してから達成したことがあると、プレイアブル教祖と黄巾党シナリオがどちらも開放される。
三国の君主(堅いほう)に白馬将軍兄弟、朝廷の3役人、名族主従、デブ主従がおり、廖化が蜀弟に代わって早くも蜀軍団となっている。馬は名族から攫う。
おまけに戦国無双2からゲスト登場した浅井長政が戦場の端にいる。撃破すると武器を取得でき、長坂逃亡戦にも挑戦可能になる。
教祖様の弟君お2方は、祭壇を奪還すると到着。大祭壇は城砦の力を持つ。

真・三國無双ORIGINS

なんと全五章のうち第一章が丸々黄巾の乱という、シリーズ最大のスケールで描かれた。
劉備率いる義勇軍が登場する「広陽の戦い」→曹操軍と張宝が激突する「潁川の戦い」→孫堅軍が張梁の守る宛城を攻める「宛城の戦い」→董卓軍と挑む最終決戦前編「広宗の戦い」→三国志オールスターVS張角三兄弟で展開される最終決戦後編「黄巾決戦」…と、全5ステージの大ボリュームである。
今回の妖術は倒してもキリがなく湧いてくる幻影兵を作る、局地的な竜巻を発生させるなどがあるが、幻覚作用のある香を焚くことで敵対者に幻覚を見せているという明確かつ現実的な原理が語られている。ステージ内のどこかに香を発生させている巨大香炉が設置されており、これを叩き壊すことで「妖術看破」となり妖術が消滅する、という仕組み。つまりはただラリってるだけで奇跡でも何でもなかったりする。教祖様の妖術と最終決戦の張梁の術は別だが
黄巾決戦の最後は教祖様との一対一の戦いからリスタート。今回の教祖様はかなり強く、初心者では一発クリアは難しいと感じられるほど。その後敵味方ともに増援が登場し、無双らしい多対多の一大決戦となる。
この第一章で組織としての黄巾党は壊滅するが、その後も残党が各地で反乱を起こしたりするなど大小様々な戦場で戦うこととなる。
なお今回の黄巾党にはギャグ要素はほぼ皆無。教祖様は現実と理想の板挟みに苦しみながらも太平の世を目指そうとするイエス・キリストイケオジになったため悲壮感が凄まじく、その最期には同情の声が多数寄せられ、張角様と太平の世を作りたいという黄巾党新規信者を大量に生み出した罪な御仁。2026年1月に配信される大型有料DLCのティザーPVでは張角様がこちらに手を差し伸べる映像となっており、活躍が注目される。


教祖様「項目、我が追記・修正した!」

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最終更新:2025年10月29日 08:25

*1 稀に諸葛亮がやるぐらい

*2 後の時代でも、歴代名将リストのようなものが作られる際三国合わせても大抵10人弱程度だが、彼は後漢を代表して高確率で入っているほど評価は高い