ルド・グロリア

登録日:2012/02/25(土) 21:57:10
更新日:2023/07/06 Thu 14:24:59
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タヌキか。昔はよくそう言われていたな。もう10年以上も前か…


ルド・グロリアとは『スーパーロボット大戦L』のラスボスである。
本項では彼について詳しく解説する。

【概要】

「高蓋然性世界」の地球の大統領。
高蓋然性世界とは直訳すれば「高い確率で異なる時空に存在する別世界」であり、いわゆる「平行世界」と解釈すればだいたい間違っていない。これは元々『鉄のラインバレル(アニメ版)』で使われていた言葉だが、クロスオーバーによりボルテスチームやマクロスF勢の世界とラインバレルの高蓋然性世界、そしてルド・グロリアの世界が同一のものとされているため、彼も「高蓋然性世界出身」と呼ばれる。
なお、あくまで一鷹らの存在する「こちらの世界」から見てあっちをそう呼ぶので、あっちの住人からすればこちらの世界が高蓋然性世界になるのだが、ゲーム中ではこちらの世界しか舞台にしないので、高蓋然性世界=ルド・グロリアの出身の世界という事で通じる。


元来の彼は真っ直ぐな性格であり、星間戦争で荒廃した地球を救うために勉学に励み、不断の努力の末に現在の立場まで登り詰めたが、多くを求めるだけで何もしない無責任な民衆に絶望し高圧的かつ独善的な人間になった。
周囲の期待に応える一方で孤独を深め、そのループに疲れてしまったという境遇は悲劇的でもあり、ある意味、LOTUSの少年達が憧れ、目指した『正義の味方』のなれの果てとも言える人物。

そして自らが『一鷹達の地球』で興した大企業企業GreATの技術と部下のアンドロイドHLから記録して盗んだデータ、そして博士を拉致して解析した技術を元に侵略を開始、『一鷹達の地球』の資源と世界支配を目論んだ。

見た目は若い青年だが、体内に実験的に投与されたナノマシンの影響であり、実年齢は50歳を超えている。
スパロボラスボス史上でも稀な政治家としての面を全面に出したキャラクターである(他には『魔装機神』のラセツぐらいか)。
彼の行動の動機には支配欲以外にもエネルギー不足等に苦しむ彼の世界の人間を救うと言う大義もあり、事実政治家として自国(彼の場合は世界丸ごと一つ)を最優先するという考え方そのものには間違いはない。

しかし一鷹や浩一から見ると、デュランダルやセントラル、グレイス同様に「決断を急ぎすぎた」やり方であったと言える。
かつては彼と理想を共にする多くの仲間がいたらしいが、地球を救うという名目で切り捨てていき、
自身の間違いを正してくれる第3者不在のまま突き進んでしまったのが彼の不幸だったのかも知れない。

また『異世界からの来訪者』『他の組織の技術を利用する』『量産アンドロイドの部下が居る』『大衆に絶望』等、『A』のワカメことヴィンデルに通ずるモノがある。
ついでに二人共ラスボスの癖に妙に小物臭い

ちなみに、事前に工作があったからとはいえ、ごく短期間に地球の勢力を無力化してほぼ制圧状態に追い込むなど、人間系オリジナル勢としては破格の結果を出している。



【人間関係】

◇南雲一鷹・AL-3アリス・悠凪・グライフ
接点は博士を拐った事で追うもの・追われるものの関係になっただけ、実は他に一切存在しない。

HL-0 ハルノ
彼の部下の量産型の兵士のベースになったアンドロイド、だが直接の関わりは互いにほぼ皆無。

◇クラール・グライフ
悠の祖父であり、彼を拉致した。
彼の記憶と発明をベースにいくつかの機体を開発・作成した。
博士からは「タヌキ」呼ばわりされているが、今は傍にいない誰かによって過去にもタヌキと呼ばれていた事はあったようだ。

◇ボルテス・マクロスF・ラインバレル(一部)の世界面々
彼らの世界から見たら政治の世界の頂点に立つ人間にあたる。
ただしボルテスチームは60年以上次元遭難しており、マクロスFはルド・グロリアとセントラルの悶着より前に地球を発っているので、
ルド・グロリアを直接知るのは殆どがラインバレル勢である。

◇セントラル
地球を征服しつつあったセントラルとの停戦交渉を纏め上げた事が、ルド・グロリアが大統領として絶大な支持を得る事になった直接の要因である。
停戦後は互いに利用しあう関係を維持してきたが、その実停戦条約は人間側にかなり不利なものであり、こちらの世界の侵略も資源確保以外にセントラルへの献上品となる新技術の模索も含まれていた。
ただ、グロリア自身はこの関係を良しとはしておらず、後述のガルトデウス建造も含め、いつかはセントラルに反旗を翻す事を計画していたようだ。

◇その他の世界の面々
「月刊男の企業」などの雑誌にも載る有名大企業の社長と言ったところ。

◇HL-1
ハルノをベースにして製造されたアンドロイドでグロリアに忠実な駒でオリジナルに比べ冷徹かつ容赦しない性格。
だが若干人間臭く、各作品の主人公機にそれぞれ感想をもらす一面もある。

◇HL
HL-1を量産したアンドロイド。戦闘に関する部分以外のAI機能を削ぎ落とされ、より機械的になり人間味を失っているが、戦闘能力だけならばHL-1と遜色ない。



【搭乗機】

ガルトデウス


言っただろう。このガルトデウスは力の象徴、不落の要塞でなければならんのだ!
SDF-1マクロスを越えなければ、民衆の心を掴む事はできんよ!この程度はさせてもらうさ…!

全高:880.0m
重量:710万t
戦闘BGM:偉大なる玉座

グロリアが「グライフ博士の最高傑作」「セントラルとの決戦用要塞」と称する超巨大機動要塞。
黄金の巨体を持ったグリフォンの胴体に、黄金の鎧を身に着けた人の上半身をくっ付けた様な禍々しさと神々しさを兼ね備えたデザインが特徴。
そのデザインは地球制覇を成し遂げた後に覇業の象徴となるためという目的も含まれている。
新型Dコンバーターを動力源とし亜空間内の膨大なエネルギーを制御・供給しているが、その供給量は供給過多に近く、莫大な余剰エネルギーが全身からフレアとして噴出している。
全身から放出されているオーラのような物は全て余剰エネルギーのフレアである。
彼が今までの技術の粋を集めた機体らしく異常なまでの性能を誇り、彼の言を借りれば伝説の超巨大戦艦であるマクロス以上』の能力を誇る。

周囲にコアフォートレスという補助兵器を配置することで絶対防御を実現。
遠近共に死角が無く、最強武器『レボリューションカノン』は月面から直接地上を吹き飛ばしかねない威力を誇る。
…が、同じくトンデモ技術を組み込んだラッシュバード・ストレイバードには無効だった。

◆武装
  • レジスレイトレーザー
孔雀の羽のような光背部ユニットから無数のレーザーを放った後、出力を引き上げて消滅させる。例えるとゴーショーグンのゴーフラッシャー。
MAP兵器版は着弾点指定型の上に敵味方識別機能付きのため、よほど自軍ユニットを散開させていないと一網打尽にされる。

  • センテンスミサイル
光背部に搭載された大量のミサイルを斉射し粉砕する。
一応P兵器だが、動かないので意味がない。

  • レボリューションカノン
使わせてもらうぞ このガルドデウスの主砲をね!
レボリューションカノン、チャージ…!発射!!

ガルドデウスの最大武装であり、機体先端の獣頭部から放たれる次元エネルギー砲。
月面から地上という途方もない射程距離と着弾点を一撃で焦土に変える反則級の威力を誇る。





さてさて、そんな彼だがプレイヤーの評価は散々。
地味・小物はまだいい方である。
大体ルドなんとかさんとかグロなんとかさん呼ばわりで名前をマトモに呼んでもらえない

そうなってしまった理由の一つには単純に出番が少ない事があげられるだろう。
まず存在は序盤から仄かされているが名前が明かされるのがラスト一話前。顔が明確に出るのも同じく。
いくらなんでも遅すぎる。

更にストーリー的な扱いの大きな敵キャラクターにも加藤機関やグレイスなど、版権の敵の連中のキャラが濃く、挙げ句オリジナル敵としても能力や乗機の強さから部下のHLにインパクトで負けてる始末。
そもそも版権敵であるセントラルが打倒されるまでは、実質その手駒になっている。
版権敵を従えたり利用したりしているラスボスは多いが、格下になっているのはそうそういない。
グロなんとかさんェ………


その上、乗機のガルトデウス、性能自体は高いが、実は致命的な弱点が存在する。

彼を倒すには、2回行動で飛んでくる高威力MAP兵器を凌ぎつつ機体の周りを囲むバリア発生装置を6つ全て破壊しなければならない。
破壊したらしたで、今度は無限に現れる部下と戦いつつ、同じく無限に再生するミサイルが規定ラインに到達するより早くガルトデウスを倒さないといけない有様。
お前はどこのソードマスターヤマトだと思いたくなる程条件が無駄に厳しい。


だが彼のガルトデウス……


状態異常耐性が全く無いのだ


と言っても『L』には状態異常耐性というもの自体が敵には存在せず(味方にはある)、ガルトデウスに限った話ではないのだが、ラスボスと言う事でこの点がクローズアップされている。
ともかくこのおかげで気力も装甲もアホみたいに下げ放題、強力な装甲低下武器であるクビキリやルストハリケーンをかけてからタコ殴りにすれば瞬殺である。
件のMAP兵器も気力130以上でないと撃てないので気力ダウンなり脱力なりで気力を下げ続ければ拝む事すら無く勝てる(ちなみに『L』は脱力持ちに優秀なユニットが多い)。
敵軍で必ず最初に行動するので気力管理もしやすく敵を反撃で倒しても安心。
しかも、レボリューションカノンは通常版にも射程に穴があるので、脱力をかけるまでもなく接近すれば貧弱な武装しか使えなくなってしまう。
十分に改造したスーパー系なら、防御系精神を使うまでもなく殴り勝てる。

加えて、『L』では中盤でにスーパー系最終決戦ステージが連続することもガルトデウスが弱い印象を与えているだろう。
そこで戦う超擬態獣、荒之皇、ファイナルドボルザークといった大ボス達が中盤の敵とは思えない高性能であるのもさることながら、
自軍の戦力が十分に整っておらず、普通に進めていれば脱力はおろか熱血や魂の習得レベルにも達していないはずである。
しかも、超擬態獣と荒之皇はルート分岐中で半分の戦力で戦わなければならない上に、自軍に不利なイベントが発生したり、強力な状態異常武器を仕掛けてきたりする。
それに比べれば、十分に育成しきった自軍の全戦力で、万全の状態で戦える相手は相対的に弱く感じてしまう。

また、グロリアは援護攻撃や援護防御などの各種技能をフルセットで持っているが、利用する味方はいても信頼する仲間が一人もいなかった彼を表しているのか、援護ができる至近距離には他のユニットが一切配置されていないため、援護や指揮と言った味方に影響を及ぼす技能は全て無駄になってしまっている。


一応フォローしておくと、攻撃を命中させると増援で現れるコアフォートレスをすべて破壊しないと倒せないため下手に突っ込むとMAP兵器の餌食となってしまうので、さすがに『R』のデュミナスや『W』のサピエンティアみたいにノープランで固まって行動して粉砕できるラスボスよりかは多少強い。
とは言えども、コアフォートレスは運命&隠者、ストフリ&伝説など継戦能力と回避力に優れた者だけ突っ込ませれば安全に破壊できるのは秘密な。

ちなみに最終的に追い込まれて苦し紛れにミサイルを出す時に、防衛ラインを突破されるとゲームオーバーになるミサイルが規定位置を突破するより前に集中攻撃食らって1キルを狙われる。



【備考】

『正義の味方とは何か?』が『L』のテーマの一つであり、その答えを出す上で彼のような『誤った正義の信奉者』が最後の敵として立ちふさがる展開自体は至極理に適っている。
(また『絆は宇宙を超える』という『L』のキャッチコピーを思えば、その対極にある、周りにアンドロイドしかいない孤独な王である彼がラスボスというのも道理である)

「正義のなれの果て」という点では後のどこぞの無職にも該当しているが、あちらはルド・グロリアとは色々な意味で対照的な上に同情の余地が薄いラスボスであった。



OGシリーズに参戦した際には、どのような補完がされるのか気になる所である。



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最終更新:2023年07月06日 14:24