SIGSAUER P230

登録日:2011/05/04 Wed 21:06:28
更新日:2024/10/04 Fri 17:23:05
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カタログデータ
全長 169mm
重量 420g
口径(装弾数)
.380ACP(7+1)
9mm×18(7+1)(9パラじゃないよ!)
.32ACP(8+1)
メーカー SIGSAUER(スイス・ドイツ)


1977年にSIGSAUERが開発した自動拳銃。1990年代半ばよりニューナンブに代わる日本警察の制式拳銃となっている。
30年たった今でも生産中である。だがP230を冠したモデルはラインナップから外れ、現行モデルはマイナーチェンジが施されたP232へと更新されている。
映画『SP』で主人公達SP(要人警護班)が所持している銃はこれ。




○開発の経緯
西ドイツ各州警察では9mmパラベラム弾を使用する拳銃が携帯性に優れていなかった為、.32ACP仕様のワルサーPPやPPK(007の銃)を採用していた。
しかし、1970年代に入りドイツ赤軍等の極左組織に対抗する為により強力な新型拳銃を求めた。このトライアル候補として開発されたのがP230である。
しかし、落選。合格はSIGSAUER P225(P6)、ワルサー P5、H&K P7で各州の判断で選択する事となった。
元々は警察官や軍の高級将校の護身用、民間人の護身用として開発された銃である。



○どんな銃なの?
落選はしたものの、コンパクトながら優れた銃身バランスや握りやすいグリップ、シンプルな構造が評価され、当時中小型自動拳銃の市場を席巻していたワルサーPPやPPKに迫る勢いで普及した。
グリップは親指が当たるところがへこんでおり、フィットしやすい。これは同社のP228にもみられる特徴である。
女性にも握りやすい銃である。



○日本での採用
日本では1995年から配備・調達が始まっており現在も継続中であり、機動捜査隊や警視庁SITの銃器はほぼP230に更新された模様だ。
警察庁のトライアルには同じSIG社のP220、M92グロック17、H&K P7、ワルサーPPK等様々な銃が試験対象に挙がっていたが、それらを押しのけてP230が採用されている。
なかなか豪華なトライアルである。

採用理由として、ライセンス生産権を新規に取得するより、すでに所得済みのP220のライセンス権を行使した方が手っ取り早いという考えがあったようだ。しかし、現在ライセンス生産は行われておらず、SIG社が製造・輸出している。
日本警察なので(笑)、9mm弾でも威力過剰という警察内部の考えもあったと言われている。



○バリエーション
P230・P230SL
基本型「SL」はステンレスモデル

P230JP
使用弾薬を.32ACPに変更し、マニュアルセイフティと拳銃吊紐を装着する為のランヤードリングが追加されている。「JP」が公式な型番かは不明
私服警官用の装備だったが、現在は制服警官にも配備。

P231・P231SL
排莢不良の解消の為スライドの後退幅を大きくした物。スライドの互換性が無くなったので形式変更。

P232・P232SL
1996年に更新された最新モデル。リアサイトとグリップの変更。



○登場作品
  • SP(映画)…SP達が使用(CMでも一回は登場する)
  • GUNSLINGER GIRL…トリエラがSLを使用。担当官のヒルシャーがユーロポール時代に使用していた物を受け取った。
  • DARKER THAN BLACK…斉藤 雄介と河野 豊が使用
  • Angelical Pendulum…四条 一成がマスターより受け取る(発砲なし)



計算式は省くが、発射された瞬間に弾丸が持っている運動エネルギー(初活力)は9パラが350ft-lbs(フットポンド)に対して.32ACPは130ft-lbsである。


計算式はストッピングパワーの項目で…


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最終更新:2024年10月04日 17:23