SIGSAUER P230

登録日:2011/05/04 Wed 21:06:28
更新日:2025/09/04 Thu 20:13:55
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性能

全長:169mm
重量:420g
口径:.380ACP/.32ACP/9x18mmウルトラ
装弾数:7+1(.32ACPのみ8+1)
動作方式:シンプルブローバック


概要

1977年設計でSIGSAUERブランドとして販売された自動拳銃。マイナーチェンジモデルのP232へ更新されたあと2015年頃に生産停止。



歴史

戦後、9mmパラベラム弾を使用しつつコンパクトで警察向けな拳銃がなかった為西ドイツ警察では.32ACP仕様のワルサーPPやPPK(007の銃)を採用していた。
しかし1970年代にドイツ赤軍等の極左組織が活動を激化し始めた。対抗するにはより強力な新型拳銃が必要と認識して警察はトライアルを実施。その候補として開発されたのがP230である。
結局9mmパラベラム弾を用いる銃を再選定することとなり、SIGSAUER P225(P6)ワルサー P5、H&K P7で各州の判断で選択する事となった。
しかしながらPP譲りの扱いやすさなどが評価され、当時中小型自動拳銃の市場を席巻していたワルサーPPやPPKに迫る勢いで普及した。



構造

外見と動作方式はPPKに近いが、操作系はP220に近い。
P220と同じ位置にデコッカーが配置されていて、マニュアルセーフティーは省かれている。また分解もトリガーガードを下げるタイプではなくレバーによるものとなっている。
グリップは親指が当たるところがへこんでおりフィットしやすい。これは同社のP228にもみられる特徴で、女性にも握りやすい。



日本での採用

1995年よりニューナンブM60に代わる日本警察の制式拳銃に選定された。配備・調達が現在も継続中であり、機動捜査隊や警視庁SITの銃器はほぼP230に更新された模様だ。
警察庁のトライアルにはSIG P220、92グロック17、H&K P7、ワルサーPPK等様々な銃が試験対象に挙がっていたが、それらを押しのけてP230が採用されている。

採用理由として、ライセンス生産権を新規に取得するより、すでに所得済みのP220のライセンス権を行使した方が手っ取り早いという考えがあったようだ。しかし結局ライセンス生産は行われておらず、SIG社が製造・輸出する形となった。
また警察なので9mmパラベラム弾では威力過剰という意見もあったと言われている*1



バリエーション

「SL」はステンレスモデルを指す。
  • P230・P230SL
基本型。

  • P230JP
使用弾薬を.32ACPに変更し、マニュアルセイフティと拳銃吊紐を装着する為のランヤードリングが追加されている。「JP」が公式な型番かは不明
私服警官用の装備だったが、現在は制服警官にも配備。

  • P231・P231SL
排莢不良の解消の為スライドの後退幅を大きくした物。スライドの互換性が無くなったので形式変更。

  • P232・P232SL
1996年に更新された最終モデル。リアサイトとグリップの変更が大きいが内部にも手が入っている。



フィクション

  • SP(映画)
SP達が使用(CMでも一回は登場する)
トリエラがSLを使用。担当官のヒルシャーがユーロポール時代に使用していた物を受け取った。
斉藤 雄介と河野 豊が使用
四条 一成がマスターより受け取る(発砲なし)



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最終更新:2025年09月04日 20:13

*1 実際警察の持つ銃は軍よりも弱いことを前提とする国はいくつかあった