登録日:2011/09/05 (月) 13:15:37
更新日:2025/02/11 Tue 07:38:17
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グロック17とは、オーストラリアにあるグロック社が開発製造した自動拳銃である。
諸元
全長 186mm
重量 625g
口径 9mm×19
装弾数 17/19/33+1
製造 グロック社(オーストリア)
「P-38は古いから新しい銃が欲しい」
オーストリア軍制式拳銃トライアルに向けて、シュタイアー社はAUGに続く制式の座を狙い社運をかけて
シュタイアーGBを開発した。GBは性能も悪くなく、下馬評もGB有利だったが…制式の座を射止めたのはグロック17だった。
フレーム、引鉄とその周辺機構、弾倉外側、その他強度が重要視されない箇所がポリマー製。成型が容易になりコストが削減され、軽量化にも成功している。軽いと反動がきつそうだが、フレームにある程度の柔軟性があるので反動は吸収され、衝撃は緩和される。
熱伝導率が低いので熱さで火傷をしない、冷たさで凍傷しないという利点もある。
また凹凸を減らしたデザインとすることで、ホルスターから抜いた時に引っかかる...なんてことがないように設計されている。
○安全装置と撃発機構
17には手動の安全装置とハンマーがなく(ストライカー式)グロック社独自の「セーフアクション」と呼ばれる、3つの安全装置とスライド操作による変則ダブルアクションの機構を備えている。
(トリガーセイフティ、ドロップセイフティ、ファイアリングピンセイフティ)
意識的にかける安全装置は無い。スライドを引けばハーフコックで即射撃可。
二発目以降は自動でフルコックされるので、軽くすぐ撃てる。
引鉄を完全に戻してしまえば、ハーフコックの位置でロックされ暴発しない。
いざという時に「安全装置を外す」という操作がいらない。
ということ。
ただしこれはあくまで引き金に指を掛けない状態での暴発しか防止せず、アメリカの警官等は銃を緊張で握り込むなどして暴発させる事が多々あった。
その為グロック社はわざとトリガープルを他のDAO拳銃並みに重くするパーツを組み込む事で対処、ニューヨーク市警での採用が多かったのかこの仕様は”ニューヨークトリガー”なんて呼ばれる事も有るんだとか。
とあるアメリカ在住ウン10年の銃マニアの人も、渡米したばかりの時に握り込んで暴発させた事があるとか。
○セーフアクション
スライドを操作で薬室に装填するとストライカーが半分後退しロックされる。
この状況ではストライカーはロックされているので暴発しない。引鉄は前進位置にあるので射撃できると分かる。
ストライカーが前進している時、引鉄は後退しているので撃てない。つまり、撃てない状況では引鉄は引けないのである。一般的なダブルアクション(DA)拳銃とは違い連続で空撃ちが出来ないようになっている。
写真を見た時トリガーがやけに後退しているなと思うだろうが、これはストライカーがコックされていないため。
スライドを前後させてストライカーをコックすると、トリガーも前に移動して激発位置に動く。
スライドの動きでダブルアクション機構の一部を賄っているため、連続で空打ちが出来ないのである。
DAは一般的にハンマーを事前に起こしておくと(ハーフコックすると)、何かの拍子にハンマーが落ちて暴発する可能性がある。この点、17の機構はハーフコックの位置でロック出来るので暴発しないようになっている。
なおかつトリガーセイフティもあるので指をかけない限り暴発はしない。
引鉄を引くと連動してストライカーがフルコックの位置まで後退し、解放され撃発する。
射撃後、ストライカーは戻ってきてフルコックの位置で固定される。
既にフルコックになっているので引鉄を少し戻せばシングルアクション並の短いストロークと軽いトリガープルで二発目、三発目が射撃出来るのである。
一発でいいなら、引金を完全に戻してしまえばいい。ストライカーはハーフコックの位置でロックされ安全に保管が可能である。
○バリエーション
- 左から17直系、コンパクトモデル、サブコンパクトモデル。×はモデル無。
グロック17L…競技用の長銃身モデル
17―19―26…9mm
20―×―29…10mmAUTO
21―×―30….45ACP
22―23―27….40S&W
31―32―33….357SIG
37―38―39….45GAP
×―×―28….380ACP
等々モデル数は20以上
サブコンパクトモデルは米国の拳銃の装弾数規制を逆手にとり「合法な10発で自然な大きさの銃」として開発された。
名前が「17」である理由は、装弾数が17発、特許を17件得た、会社の17番目の製品、など憶測はあれど真偽不明。
第一世代…グリップは全面梨地加工でチェッカーなし
第二世代…グリップ側面は梨地で前後はチェッカー
第三世代…マウントレールとグリップ前にフィンガーチャンネル
第四世代…グリップのバックストラップを任意に変更可能、フレーム自体も変更されて第三世代以前との互換性が大幅に低下
第五世代…スライドストップのアンビ化、第三世代で導入されたフィンガーチャンネルの廃止
○活躍
▽二次
▽三次
色々とユニークを詰め込み過ぎて当初は外観も含め敬遠されたが、1980年代半ばから実用性が評価され始め、現在もなお爆発的な人気を誇っている。
アメリカ国内だけで警察機関を中心に4000機関に採用され、約50カ国の軍隊で制式採用されている。日本では海上保安庁のSSTがサイドアームとして採用している。
エアガンでは、昔から各社メーカーが各種出していたが、現在入手しやすいのは
東京マルイやKSC辺りが定番だろう。
ちなみにガスガンでセーフアクションをきちんと再現したものはなく、本来出来ない連続空打ちが可能である。
割と軽く、そこそこの装弾数、シャープなリコイル、飾り気の無いシンプルなデザイン…
使い勝手のいいツールのような一品なので、かなりオススメです!
○余談とか
- 映画ダイ・ハード2で「プラスチック製なので空港検査をパス出来る」と言われていたが、これは誤りで実際にはスライド機構などに金属製の部品を用いているため容易に引っかかる。だがX線検査で探知できる程度では銃と認識されにくかったのは事実らしく、指摘されて以降は金属粉を混ぜる事で探知の際に銃だと認識しやすくするよう改善された。
- 「プラスチック素材を使った初めての銃」と言うのは嘘。H&K P9の方が先であり、鋼材フレームにプラスチックフレームを被せたVP70もある。フレームがプラスチックである初の銃 が正解。
- endotactical社からストックが販売されている。フルオート機能付きの18用かと。
追記修正よろしくお願いします。
- とある新約5巻で、雷神トールが自分の腹撃ったのもこれかな? -- 名無しさん (2013-09-22 15:51:15)
- 山奥のしぃ先生の愛銃だったっけ -- 名無しさん (2014-10-06 23:03:16)
- ガンマニアが「グロ画像」という場合、大概グロック画像である。「違う、グローザだ」って人もいるが。 -- 名無しさん (2021-05-02 19:38:54)
- 絵描きにとってはm1910と並んでありがたい名器。とにかく描きやすい。 -- 名無しさん (2024-04-16 15:57:54)
- フルメタルパニックが入っていないな -- 名無しさん (2025-02-06 18:15:27)
- 創作で銃持たせるならG17とM4持たせとけばハズレない ↑1フルメタは19じゃなかったっけか -- 名無しさん (2025-02-06 20:44:35)
- 民間も警察も軍隊もみんなグロックばかり使ってる現状はなんか面白みがなく感じるんだよな。良い物だからみんな使うというのは分かるけどさ -- 名無しさん (2025-02-06 22:55:04)
- 言うて一寸前までそれがベレッタだっただけの違いですし -- 名無しさん (2025-02-07 00:41:10)
最終更新:2025年02月11日 07:38