登録日:2011/04/03 Sun 12:37:51
更新日:2025/06/27 Fri 00:21:33
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ここでは銃器用語としての口径について解説していく。
ショットガンの弾丸については
散弾銃のページへ。
口径とは?
銃身の内径のこと。
もしくは後述の口径長のこと。
メートル表記とインチ表記(
アメリカ式)があり、前者は「口径×薬莢の長さmm(+特徴)」と表し、後者は「小数点以下の口径インチ(+特徴)」で表す…が例外あり。
例)
口径は直径9mmで薬莢の長さは19mm
口径は直径は0.45インチ(11.43mm)でコルト社の自動拳銃用弾薬(ACP:Automatic Colt Pistol)
一般的に口径は
ライフリングの山径(彫られて広いほう)で表すが、弾丸の直径は谷径(彫られておらず狭いほう)とほぼ一致する。
表記上の注意(メートル式)
2024年現在は「9×19mm」や「
5.56×45mm」のように「口径×薬莢の長さmm(+特徴)」で表すのが主流。
かつては「口径mm×薬莢の長さ」(9mm×19)等の表記もあり、資料によって違う表記の場合もある。
後ろにアルファベットを付けた表記もあるが、大抵は弾薬のリム(薬莢のお尻)の形状を表したものである。
9mmは9mmでも?
9mmといえば一般的な拳銃の口径。
M92も
グロック17も
FN ハイパワーもニューナンブM60もいわゆる9mm拳銃である。
でもM92を持った米軍兵士がニューナンブM60を持った警視庁SPに「弾貸して」と言っても「使えないよ」と言われてしまう。
答えは簡単。弾丸の直径が同じでも
薬莢の長さや形状が違うからである。
この中ではニューナンブM60だけ「.38スペシャル弾」(9x29.5mmR)を使用する。
同様にアメリカの
M14とロシアの
AK-47はどちらも弾丸の直径は7.62mmだが、M14は「7.62×51mm」でAK-47は「7.62×39mm」なので互換性は無い。
よく聞く「9mm」だけでも
ややっこしいが.38ACPとは互換性が無い
初期の自動拳銃とともに採用され、現在でも中~大型拳銃や短機関銃など多くの銃に採用。
9パラの弱装弾。伊製
薬莢長が違うだけで、9パラとほぼ同一。でも薬莢長の違いで互換性が無い
上記と同じ寸法に見えるが、SR-2Mヴェレスクなどのロシア製短機関銃専用の弾。互換性も恐らくなし。
- 9mmラルゴ(9×23mm)
- .38スペシャル弾(9x29.5mmR)
- .357マグナム弾(9x33mmR)
トカレフの弾薬。拳銃や短機関銃用。
AK-47の弾薬。
M14やM700用。よくよく見るとM1ガーランドの弾より短い。
ドラグノフやPKM用。
- 7.62×38mmRナガン弾(7.62×38mmR)
ナガンリボルバー向けで弾が薬莢にすっぽり覆われている為、薬莢の長さに比べて威力は低い。
ざっとこれぐらいある。
単に「9mm」とか「7.62mm」とか言うと紛らわしいので基本的には「9×19mm」「7.62×51mm」「5.56×45mm」と表記する必要がある。
実際のところ、流通量が圧倒的なので「9mm」といえば「9mmパラべラム=9×19mm」だとだいたい通じる。
同じように、
突撃銃の主流である「5.56×45mm」も「5.56mm」と言えばだいたい通じる。
とはいえ誤解を招かないためにもきちんと表記するに越したことはない。
アメリカ式は弾薬の数が多いのでこの限りではないが。
表記上の注意(インチ式)
メートル式は分かりやすい。問題はアメリカのインチ表記。インチという馴染みの無い単位で、しかも表示の厳格な基準がないから。
前についてる「 .」ってなんだろう?」
これは「100分の○インチ」を表しているから。つまり「.45」なら「0.45インチ」ということ。
ピリオドを打たないと「0.45インチ」ではなく「45インチ」ということになり、銃の口径には基本使われないサイズになってしまう。
中には「1000分の○インチ」で表すものもあるのでこの点も要注意。「.357」なら「0.357インチ」
というわけ。
まあ25.4mm(1インチ)の銃器を用いる機会など軍やショットガンであっても難しいので省略されがち。ロシアのKS-23Mショットガンですら23mmであるし大抵の軍では20mm以上は砲である。
ミリで表すと
中途半端なサイズだがインチだとすっきりする。
1インチ=2.54cmなので、7.62mmは0.3インチ。ガバメントはmm表記では11.43mmだが0.45インチである。ビッグフィフティとも言われる.50口径は12.7mm。
アメリカ式は「口径+社名や特徴」で表記するので、マグナム弾だけでも
.22マグナム
.357S&Wマグナム([[次元大介]]の銃)
.
44レミントンマグナム
.45ウィンチェスターマグナム
.300レミントン・ウルトラ・マグナム
アメリカ式は特徴を組み込むので特別な接尾語が多い。例えば
.45ACP
(Automatic Colt Pistol)
.45GAP
(Glock Automatic Pistol)
.30-06
アメリカ陸軍に1906年に採用されたから「06」
.45-70-500
1970年採用ではなく「70」は発射薬量、「500」は弾丸重量のグレイン表記。
.38スペシャル
実は0.357インチ。
日本の警察官が持つ拳銃の口径。前のより強く見せるため。
.460ウェザビー
実は0.458インチで
ライバル社より強力だぞ、アピールする為。
.223レミントン(5.56x45mmの初期型であるM193弾)
こいつも実は前身となる222レミントン弾から1上げたもの。
このように実際とは大きさが違うものも中にはある。
アメリカ式はメートル式のように厳格な基準があるわけではなく、ただ単に商品名と捕えた方がわかりやすい。
彼らはメートル表記ですらやらかすのでかなり気を付ける必要がある。戦中の77mmHV戦車砲弾は76.2mmだが、他76.2mm砲弾との互換性がないことを示すためだけに表記が変更されている。
口径長について
※「砲身口径の何倍の長さの砲身か」を表す。45口径=45倍の砲身。
よく「戦艦大和の主砲は45口径だ!」というが正確には「戦艦大和の主砲は46cm45口径長だ!」としなくてはならない。
つまり46cm×45倍=2070cm=20m70cmとなる。
大砲の口径は直径ではなく筒の長さを表す単位なので口径長が正しい。
「20cm30口径長」とすれば成程600cm=6mの砲身か、となる。
ただし薬莢の部分を含める場合もあるので、注意が必要である。
一例を挙げると、ドイツの戦車猟兵(対戦車兵科)が装備する7.5cm Pak 40と
IV号戦車G型が搭載する7.5cm Kwk40前期型は、前者が46口径で後者は43口径とされている。したし実際の砲身長は同一で、3口径の差は薬莢の長さが異なるからである。
余談
基本的には口径が大きいほど弾薬の重量が重くなりエネルギー保持力、貫通力がUP。薬莢が長いと発射薬が多くなるので初速UP。
最近は細くて長い「高速小口径弾」が主流で、5.56x45mm弾は4g(66gr)程の弾をマッハ3で飛ばすことで6~9mmの鉄板を貫通させる。
ただし前述のナガン弾のような例外もあるので注意しよう。
ゲームなどでは呼びやすさなどの理由で「5mm(5.56x45mm弾を指して)」や「7mm(7.62x39mm弾を指して)」と称する人がいる。
前者だけでも5.56x45mmに5.45x39mm弾(最近は中国5.8x42mm等まで)、後者に至っては第二次世界大戦の7.7mm等を含めれば10~20種類は下らないだろう。
西側兵器だけしか出ないならぎりぎりアウトだが様々な実銃が混ざるゲームではなかなかの混乱のもとである(ガンマニアと軍人、他ゲーからの移住勢のみ)。
今後はアニメや
漫画、映画で主人公達の銃だけでなく、その口径も気にしてみてはいかがだろうか。
追記・修正よろしくお願いします。
- 分かり易い例がヘルシングやね。13mm爆裂鉄鋼弾(拳銃)って・・・多少知識がつくと、明らかに常識的な拳銃じゃねーぞコレと分かるようになるわけだ -- 名無しさん (2016-07-25 11:23:14)
- 5.56mm×45じゃなくて5.56×45mmみたいな表記の方がよくみる気がするけどどっちが正しいんだろう -- 名無しさん (2023-02-01 12:47:41)
- 構成や弾情報、ゲームの余談について追加しました。 -- 名無しさん (2025-06-27 00:21:33)
最終更新:2025年06月27日 00:21