クリスタル・ハート

登録日:2011/12/07 Wed 21:21:30
更新日:2025/01/11 Sat 12:24:50
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『クリスタル・ハート』とは、スーパーロボット大戦Kに登場する架空の動力源。
惑星アトリームの前身であった惑星クルスにて開発されたもので、同じくクルス人製の"クリシュナハート"とは対を成す存在である。

ミストさんこと主人公ミスト・レックスの搭乗機であるレヴリアスに搭載されており、搭乗者の精神エネルギー次第で無限の力を引き出す事が出来る。
強い精神力に反応するので、ツワブキ・ダイヤの「炎」にも反応しミストさん達も驚く程の出力を発揮したが、サコン曰く、クリスタル・ハートの起動はできても戦闘できるまでの出力ではないらしく、事実上ミストとヒロイン専用の動力源である。

技術の発達したアトリームにおいてもブラックテクノロジーであったらしく、遺跡から発掘された五基のみが存在している。
どこぞのGNドライヴみたいな数だなぁ……。
ちなみに五基のうち二基はエルリックとミストのレヴリアスに、一基はアンジェリカのセリウスに取り付けられて、残りの二基はアトリーム滅亡により行方不明となってしまった。OGへのフラグともいう
ベザードにあった機械を作動させる「神の石」の正体であり、後にミストの手によりシェルディアのセリウスIIに取り付けられる。普段のアレさの割にベザードでは信仰の対象となる物を兵器に取り付けられるほど手際が良いミストは時々ネタにされる。
そのため、作中出てきたクリスタル・ハート以外にもクルス人の末裔がいる星などではある程度残っている可能性もある。

本来の力を発揮するには搭乗者による「愛」の感情が不可欠。
というより、それ以外(怒りや憎しみなど)の感情では暴走を起こしたり、パイロットの負担にはなっても力を発揮させる事は無いという。
一方で、最大の力を発揮する際は搭乗者も死に至るといわれる。
そのような自己犠牲の精神の根底も愛なのだから、その覚悟を決めた時の出力は凄まじい事になる。
そのため作中の当初は怒りにより発動する自爆装置の一種とまで思われていた。
逆に悪意では出力が大幅に低下する。悪意って感情か?というツッコミはおいといて。

なお、対となるクリシュナ・ハートは悪意によって出力を増す。
2000年前の惑星クルスの内乱においてクシュリナ・ハートが暴走、悪意の集合体ル=コボルが誕生することとなったのが今作の始まり。
ル・コボルの欠片を強く持つアトリーム人は本来使えない筈であると、ミストら当人達も不思議に思っていたが、エルリックから精神訓練の賜物じゃないかと推測されただけで、特に伏線の回収などはなされていない。(ただしミストやアンジェリカよりもパイロットとしての日が浅いシェルディアが使えているので、この推測の信憑性は高くないと思われる。)
強いてあげるならル=コボルが「(ミスト達が)クリスタル・ハートに適応した『欠片』を持っている」と考えた程度。
そもそも、なぜクルス人の末裔以外では効率的に使うことができないかも作中ではよくわかっていないため意外と謎の多い装置である。

当初は憎しみに囚われていたミストだったが、ヒロイン(アンジェリカorシェルディア)の叱咤により地球を守りたいと心から願い、
立派に成長したことにより、最終局面において最大のパワーを発揮。

この時、ミスト達は死を覚悟し地球を守ろうとしたが、クリスタル・ハートに接続されていたジークフリートシステムを通し、皆城総士の助けを借り、彼らは無事に生還する。
数々の戦いを経て成長するミストさんを巧みに表現でき、なおかつ、ファフナーのジークフリートシステムとも見事なクロスオーバーを果たした。
だがその結果、総士は同化現象の進行により消滅してしまう。この点は割と賛否ある。

【システム的な性能】

大きく分けてレヴリアスやソルヴリアス・レックスのものとセリウス、セリウスII、セルケリウス、ソルヴリアス・レギーナのものに分けられる。

前者は気力に応じて与ダメージアップの効果だが、倍率が狂っている。
気力120で1.1倍となり130で1.15倍となって0.05ずつ増加…ではなくなぜか150で1.3倍になり、気力限界突破を追加して170にすると最大1.5倍というとてつもない数字になる。
『K』は鍛えるとインフレ気味のバランスなのだが、クリスタル・ハートはそれを端的に示しているといえなくもない。
ただし、これが搭載されたユニットは総じて紙装甲気味であっさり落とされることも珍しくない。
基本的には気力がたまるまでは突出しないボスキラーのポジションで落ち着くだろう。
ちなみにラスボスであるル=コボルのアルケウスには特殊能力としてクシュリナ・ハートがあり、クリスタル・ハートとほぼ同様の効果だが、倍率は少し抑え気味になっている。

後者は気力に応じた無効バリア。
120で1500以下無効のバリアを張り、気力ごとに増大し150で2000以下無効になり、170で3000以下無効となる。
バリアの消費ENも増大するという欠点もあり。
これが搭載された機体は支援機なので粘り強く戦える。
特にソルヴリアス・レギーナは状態異常攻撃やMAP兵器など便利な機体であり、ぶっちゃけ一撃の破壊力以外はレックスより優秀なのでお世話になることも多い。

後に『スーパーロボット大戦30』にてクリスタル・ハートが強化パーツとして登場。効果は「現在の気力に応じて武器の攻撃力が100ずつ上昇する(最大500まで)」というもの。ソルヴリアス・レックスの機体能力と似ているが、さすがにおとなしめな能力になっている。

【余談】

人の思いを力に変える動力源やシステムはその言葉の持つ熱い響きから、
バンプレストオリジナルを含め多数のロボットアニメに登場する。
νガンダムのサイコフレーム、ガオガイガーのGストーン、フルメタラムダ・ドライバグレンラガンのコアドリル、ゲッターロボそのものetc……)

しかし同時に複雑な原理を考案する必要無く、物事を気合いや勢い任せに解決するための、便利なツールとして濫用されているケースも無きにしも非ずで、それゆえにアンチを増やしてしまうのもたまにある事である。

故にそうした設定は扱いに注意し、説得力を持たせるだけのストーリーを描写するのが重要となる。
『K』のシナリオにそれがあったのかは各々の判断に任せよう。  




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最終更新:2025年01月11日 12:24