ル=コボル

登録日:2017/03/05 (日) 22:35:56
更新日:2023/11/25 Sat 16:13:50
所要時間:約 7 分で読めます





私の名はル=コボル。イディクスのリーダーだ。





「ル=コボル」とは、スーパーロボット大戦Kラスボスである。

BGM:Edax-滅呼-(グスタティオ搭乗時)
   krishna-魂喰-(アルケウス搭乗時)



概要

K本編の2000年前、惑星クルスにて、正の感情をエネルギーに変換するクリスタル・ハート(以下、CHと表記)を使用する陣営と、
不の感情をエネルギーに変換するクリシュナ・ハート(以下、KHと表記)を使用する陣営が戦争を起こした。
その戦時中、KH陣営がCH搭載機(おそらくソルヴリアス)を打ち破るための切り札として開発した機体、アルケウスに搭載されたKHが事故で暴走してしまい、
周囲の生物の精神を取り込み全滅させた結果誕生したのがル=コボルである*1

周囲の生物の精神を破壊しながら悪意だけを吸収し続けたル=コボルは加速度的に力をつけていき、
最終的には宇宙破壊規模の「破壊衝動の塊」となってしまう。

こんな存在を放っておけるわけもなく、CH、KHの両陣営は手を組みル=コボルに対抗。
なんとか撃破に成功するが、その余波で惑星クルスも砕け散ってしまった。
しかもル=コボルは完全には滅んでおらず、その『欠片』はクルス人の精神に寄生。彼らの移民によって宇宙中に散らばってしまう。

わずかな『欠片』ながらも活動を再開したル=コボルは、完全な状態に戻るために自身の『欠片』から軍勢『イディクス』を設立し、
めぼしい惑星を見つけては悪意を振りまいて滅ぼし、『欠片』を回収する、という行動を繰り返すようになる。

なお、クルス人たちはル=コボルを完全に倒せたとは思っていなかったらしく、移民先にCHやCH陣営の機体を残している。
更に惑星アトリームの上層部は自分たちがクルス人の末裔であることを知っていたことが、
ガズムから解放された場合のエルリックの口から明らかにされており、おそらく惑星ベザードもそうであった可能性が高い。


『欠片』の効能

ぶっちゃけ「スパロボ版DG細胞その4*2と言っても過言じゃないぐらいに便利な代物。いくつか設定に矛盾点があるが。

イディクスの構成員は版権キャラを除き、すべてこの『欠片』から作り出されたル=コボルの分身である。
それどころか、機体の材質やAIのような疑似パイロットとして使用することも可能。

かなりの個人差があるが、『欠片』を宿した生命体はイディクスの襲来によってル=コボルとしての意識に目覚めるばかりか、
『欠片』が強い力を持っているとCHが機能不全に陥る。

おまけに世代を重ねるごとに、より強力に進化する性質があり、クルス人の末裔であるミストたちがCHを搭載した機体を普通に動かせるのは、
彼らに受け継がれた『欠片』が2000年の間にCHに適応してしまったからである。

生物の精神に寄生しているため取り除いたり消滅させたりすることは困難で、劇中ではル=コボルたちに吸収してもらうか、
ソルヴリアス・レックスの最強武器「リグレット・バスター」を使うかの二択しか方法がない。
しかも、どちらの方法も『欠片』の宿主の命や精神に危険が及ぶ。



人物(?)像および評価

スパロボ史上屈指の小物ラスボス。
設定上はあのペルフェクティオ*3と同質の存在という、
歴代でも準最強クラスの化け物*4だが、明らかに実力と性格が噛み合っていない。
そもそも比較対象が「本体出てきたら終了」のペルフェクティオな時点で、既に立場が危うい

彼に比べれば一応の大義があったワカメ総代大統領はまだマシと言える。
……え? ゼゼーナン? 後述の理由からル=コボルの方がマシです。

K本編ではタングラムを利用していたつもりが、実際はその背後のダイモンに利用されており、嘲笑されている。
また、決戦では最初は「じゃれつく子犬の相手をするのもまた一興」と余裕な態度を見せるが、徐々に余裕が無くなっていき、
最終的には地球二個分の人間たちの思いの力を宿したソルヴリアス・レックスに完全に怖じ気づいて、
「ええい、やめろ! 近寄るな! 近寄るなああっ!!」と清々しいまでの小物っぷりを見せるようになる。

しかも倒された後に残った『欠片』は、残りかす呼ばわりされ放置される、という有り様で、
プレイヤー部隊(Kには部隊名が設けられていない)からも特に脅威として見られていなかった模様。
プラネット・クライシスで引き起こした天変地異での被害者0だしね……(二次災害では出てるだろうが)。
おかげでプレイヤーからは「コボちゃん」「ル・なんとか」と、名前をちゃんと呼んでもらえない始末である。



なお、イディクスと言えば『身内に優しい組織』として知られるが、そのリーダーである彼と幹部の関係は以下の通り。

イスペイル
ル=コボルに対して反逆を企てていたが、それは彼を構成する『欠片』の密度が低く、ル=コボルとしての意識にあまり目覚めていないため。
ル=コボルからしてみれば反抗期程度の認識だったようで、
「もしイスペイルが私を倒しても、『欠片』を吸収し続けるのならば残るのは『ル=コボル』なのに……(意訳)」と憐れんでいた。
アトリームでの戦いでイスペイルがエルリックに追い詰められた時は、己の力を試すためにCH搭載機と戦う目的もあったとは言え、
自らその場に赴き、彼に「さがれ」と命じて逃がしている。

ヴェリニー
「ル=コボル様のためだったらなんだってできる」と言うほどに強い忠誠心を持つ。
彼女の死後、ガズムが「プラネット・クライシスで地球を壊す前に、ヴェリニーの遺言を果たしてもいいですか?(意訳)」と申し出るのだが、
ル=コボルはヴェリニー達(つまりその部下も含めて)の生前の功績に免じてあっさり許可を出し、彼女の遺志を尊重した。
(「時間はあまりかけるなよ」と釘を刺しつつではあるが)

ガズム
幹部の中では最もル=コボルに近く、当然忠誠心も強い。
ル=コボルはガズムを「お前は十分に我らに近づきつつある。お前の意思は我らの総意に近い」と高評価しており、自分が休眠している時にはイディクスの運営を一任している。
また、ガズムが憑代の抵抗による頭痛に苦しむそぶりを見せた時は、
「もう少しの辛抱だ。肉体による様々な縛りから開放されるのはな」と励ましの言葉を送った。

このように、ル=コボルの部下への態度は組織のトップとして非常にまとも。
スパロボオリジナルでここまで上司しているラスボスは意外と少ない。
「ゼゼーナンよりマシ」と上記したのはこれが理由で、「実は部下に優しいところもある」と説明されておきながらまったくそんな描写の無かったゼゼーナンと、実際に部下に優しいル=コボルでは人格面に大きな差があると言える。
この身内への当たりの良さは、個人差はあれど分身たちに(幹部のみならず末端の一兵卒にまで)しっかり受け継がれており、インスペクター四天王、デュミナス一家サイデリアルと並ぶ仲良し集団にあげるファンも少なくない。

また、これ以外でもイディクスは「働きに応じて報酬=『欠片』を出す成果主義」「元部外者のギル・バーグを採用して幹部に昇格、タングラムを利用するなど人材・技術は積極的に起用する無差別さ」「肉体を必要とする幹部にその肉体に合う薬を用意する、雑魚含めた全機体にバリアを標準装備する福利厚生」を見せており、スパロボオリジナルの悪の組織としては非常に職場環境が整っている。おかげでギルやダイモンに内側から崩されたんだけど。

そもそも彼の場合、部下は自分が完全な状態に戻るために必要不可欠な存在であるため、大切にするのは当然と言えば当然。
イディクスがル=コボルの分身である以上、広義的には『全員同一人物』であり、
根底には『もとの状態に戻りたい』という意思があるので、分身たちが身内に優しいのもまた当然と言える。

悪意の集合体としてどうなんだという意見がある反面、この人間臭さこそがイディクスに魅力を与えているというのもまた事実。
このことから彼にもちゃんとしたファンが確かに存在するので、「Kのキャラだから」と過度に叩いたり「敵組織は良いのにミストさんは」と引き合いに出すのは避けるべきだろう。



搭乗機体

  • グスタティオ
「ゼナディーエよ、さあ飛び立て! 今こそガズムの、私の無念を晴らせ!」

ヒロインの身内に憑依している状態で搭乗。
どちらの体でもカットインで凄まじい顔芸を見せてくる。
幹部三人の機体が混ざり合ったかのような外見をしており、ラスボス機であるアルケウスの前座をつとめる。

もしかして:グランドマスターガンダム

理由は不明だが高性能の脱出装置が取り付けられており、ヒロインの身内はそれのおかげで助かった。


  • アルケウス
「アルケウスは存在そのものが悪意なのだ……!」

憑代から引きはがされた状態で搭乗……というか、材質が『欠片』なのでル=コボルは機体と一体化している。
某ポケモンのような名前と、ジュデッカを生物にしたかのような外見が特徴。
背後にはクロスゲートのようなもの(ル=コボル曰く「無限輪」)まであり、
もしOGに出たらゼ・バルマリィ帝国との関係がどのようなことになるか非常に気になる機体である。

宙に浮いた巨大な両腕で殴りかかったり、無限輪でこちらを星ごと吸い込んで爆発させたりする。

前述の通りル=コボルの『欠片』が材質なので、かつての部品はほとんど失われている。
そのため、劇中で披露された武装がかつてのアルケウスでも使用できたかどうかは不明。




な、何だ、この追記・修正は……!? 馬鹿な、我々はクルス人の悪意の塊だぞ……!? その我々を圧倒するとは……!


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最終更新:2023年11月25日 16:13

*1 アルケウスの本来のパイロットのなれの果てという説もあるが詳細不明。もしそうならスパロボDの敵組織ルイーナの成り立ちと符合するため、正体はもう一人のペルフェクティオとでも言うべき存在だということになる。

*2 他はマシンセルとズフィルードクリスタルとラズムナニウム

*3 「破滅という現象そのもの」たる破滅の王の負の無限力の一端が主人公の父に取り憑いて顕現した存在。

*4 さすがにペルフェクティオの大元の破滅の王や、ケイサル=エフェス、カリ・ユガといったある種の「神」には及ばないが。