チリドック(星のカービィ)

登録日:2013/12/10 Tue 09:59:55
更新日:2024/11/22 Fri 09:13:34
所要時間:約 4 分で読めます






見たか、ブレイドナイト?


ソードナイト。幻であればと思うが……あれは魔獣チリドック!



「チリドック」とは、テレビアニメ『星のカービィ』第26話「忠誠!ソードとブレイド」に登場した魔獣のことである。


概要

ホーリーナイトメア社に所属する、「火炎魔獣」の肩書きを持つ狼型の魔獣。
恐ろしい顔つきと赤い体、鋭い牙と爪、そして背中の複数生えた大きなトゲを持ち、額には緑色の宝石がはめこまれている。

一目でわかる攻撃的な姿に違わず、戦闘能力と凶暴性は「最強魔獣」にもひけをとらない。
購入者であるデデデ大王の命令は一切聞かず、本能のままに駆け回っては口から火球を吐き、辺りをたちまち火の海に変えてしまう。
この火球は連射力、爆発力ともに優れた武器であり、並の実力では自分から近づくことは困難。
おまけに炎を食料にもし、炎が増えるほど強くなるため、火の海にするだけで自分に有利なフィールドをお手軽に形成しながら強くなれる。
それでいて近接戦も強く、獣らしい素早さと両手の爪で敵を圧倒する。

また、チリドックの視界はサーモグラフィー状になっているため、敵は熱源で判断している。
煙に満ちた空間であっても正確に火球で狙えるのはこれが理由。
その性質上、自身が生み出した火の海の中では認識能力がやや落ちるものの、強大な力のチリドックには些細な問題。

だが本当に恐ろしいのは、チリドックが敵に穿つ呪いの牙。
刺されば最後、呪いによって相手は意識不明に陥ってしまう。
効果は仮面に受けたメタナイト卿をもってしても抗えないほどで*1、チリドック自身が消滅するまで牙が残り続けた所からも呪いの強力さがうかがえる。

こんな強いのになぜ最強魔獣に振り分けられなかったのか、ホーリーナイトメア社の人事(獣事?)に疑問符のつく扱いである。


しかし最強魔獣と振り分けられなかったのはおそらく水に対して致命的に弱い為だと思われる。
スプリンクラーの散布する水に濡れただけでダメージを受けるらしく、足がちょっとでも水に浸かろうものなら絶叫してのたうち回る。全身浸かってしまうとみるみるうちに全身が傷だらけとなってしまう。

とは言え、居るだけで全てを火の海に変えるチリドックを、水場に持ち込むのは至難の業である。
こいつが生み出す火の海をどうにかしない限り、勝機は遠のく一方といってもいい。


騎士たちとの因縁

チリドックは銀河大戦の時代から既に生息しており、この時は追っ手としてメタナイト卿を追跡。
彼を足止めした当時山賊のソードナイト・ブレイドナイトにもまとめて襲いかかった。

騎士でも何でもない二人はいきなりの奇襲に見舞われ、ブレイドは恐怖におののき、ソードは相棒を助けようと殴りかかるも敵わずあしらわれてしまう。
だが、メタナイト卿は二人から通行料をせびられたにもかかわらず、身を挺してチリドックに乗りかかり、谷底の川へと落として助けたのであった。
当時から彼はチリドックの弱点を知っていたので、強引にでも川に落としたかったのである。

チリドックは撃退され*2、ソードとブレイドは山賊の身である自分達を危険も顧みず助けてくれた、高潔な精神のメタナイト卿に感服。
恩義に加え、気高い目的があると感じたことで部下になる道を選んだ。
このため、今の三人が集うきっかけとなったチリドック襲撃はソードとブレイド、そしてメタナイト卿にとっても重大な出来事であり、チリドックも自分を川に落としたメタナイト卿を現代に至るまで恨むようになった。


劇中での活躍

冒頭からデデデ大王にダウンロードされるも、言う事を聞くわけがなく一方的にデデデ城で傍若無人に暴れ回る。
にもかかわらずデデデは金勘定を優先し、脱走の可能性がある場所をすべて封鎖するという愚策で陸の孤島に変えてしまい、城内は戦場と化す。しかもその時に「緊急事態でも腹は減る」と、ワドルディ達に食事の準備をさせる有様。

現代でメタナイト卿と再び衝突したチリドックは、最終的に呪いの牙を穿つことで圧勝。
復讐に燃えるソードとブレイドの逆襲を歯牙にもかけなかった。
この時はカービィが煙ごと吸い込んだ大量の空気を吹き付けられ、さすがに抵抗しきれず暴風の果てに一時消えてしまったが、それでも城内に火の海はどんどん広がる一方だった。

しかし、城内の非常事態をやっと重く見たデデデの命令でスプリンクラーはフル稼働、ワドルディ達も全力で消火活動……と、水が苦手なチリドックは急激に追い詰められていく。
こんな所にいられるかとばかりに城外へ脱走するも、メタナイト卿に代わりギャラクシアを携えたカービィ、ソードとブレイドは逃さず追撃。
過去の記憶から弱点を悟った二人による決死のアシストで川に沈められ、ソードカービィが放ったソードビームを受け、体を真っ二つに両断されて爆発。
現代に持ち込まれた因縁は終止符を打たれたのであった。


余談

  • チリドックに絡んだ戦闘シーンは総じて見応えがあるが、とりわけ番組後期になるほど情けない一面が強調されがちなソード、ブレイドはこの上なく大活躍しており、ファンは必見である。

  • メタナイト卿らとチリドックの因縁が描かれた回想シーンは現代と異なり、ソードとブレイドの武器はメイスと斧。今でも二人はデデデ城の部屋の壁に飾り、かつて受けた恩を忘れないようにしている。
    • ところで奇しくも、当時はゲーム版にも同じ系統の武器を手にしたナイトが既にいた。

  • たまに間違えられるが「チリドッ」ではない。「チリドッ」が正解。



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最終更新:2024年11月22日 09:13

*1 意識を失うにともなって「目が暗くなる」描写からついたネタは「電池切れ」。

*2 川で溺れた後にどうなったかまでは詳しく描かれていないものの、追撃どころではなく敗走を強いられたに違いないだろう……。