劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道

登録日:2014/02/27 Thu 01:42:26
更新日:2025/06/27 Fri 08:34:29
所要時間:約 4 分で読めます





本当の強さ、それは勇気。


●もくじ

◆概要

小学生たちの間で大ヒットを巻き起こしたアーケードカードゲーム甲虫王者ムシキング」のGBA&DSソフト「甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道」を元に作成されたアニメ映画。
2005年12月17日に松竹系にて公開された。

脚本は藤田伸三、監督は大賀俊二が担当。
キャラクターデザインは名探偵コナン等でお馴染みの須藤昌朋と、山中純子。
登場するムシは全てフルCGとなっている。

本来、ムシキングはジャンケンで勝敗を決めるゲームだが、本作ではそのような概念はなく、「ムシに技を覚えさせ、指示を出して戦う」と、ポケモンバトルのような感じになっている。
それ故に「おい、ジャンケンしろよ」と突っ込まれることも

また、入場者にDS版ゲームで「ダークサイド・ネプチューンオオカブト」(以下ダークサイド・ネプチューン)が使えるようになるパスワードが配布された。


同時上映は東宝系の「劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち」
当時放送されていた特撮ヒーロー番組との流石にこれ程ではないものの異色のコラボが話題となったが、これは東宝配給の正月映画を成立させるためという大人の事情が絡んでいる。
『セイザーX』とセットで付いたキャッチコピーは『「宇宙の戦士」×「大地の王者」 超究極のバトルを目撃せよ!』


◆あらすじ

20XX年、ムシキングはリアルバトルゲームに進化していた。
そんなムシキングで世界一のグレイテストチャンピオンを目指す熱血ムシバトラー「未来ケント」。
相棒である「ムシキング」と共にムシバトルに明け暮れる毎日。
ある日、ケント達はネプチューンオオカブトを操る少年「溝呂木シロー」に出会う。
シローのネプチューンの圧倒的な強さの前にケントのムシキングはなすすべなく敗れてしまう。
ハネダシティで行われる大会に向け、特訓に励むケント達。一方、シローは怪しげな男に話を持ちかけられ…


◆登場人物

  • 未来ケント
CV.くまいもとこ
本編の主人公。
何よりもムシキングが大好きな少年で、世界一のグレイテストチャンピオン(以下GC)になることを夢見ている。
男と男の約束は必ず守ることを信条としている。一回破ったが
ムシキングのカードを父に取り上げられた時は、こっそり落書きのカードとすり替えるずる賢い一面も。
が、この落書きのカードが後に満身創痍のケントの心に火をつける着火剤となる。

  • 夢野アイ
CV.神田朱未
ケントの友人である少女。
ムシキングに詳しく、オススメの技構成を教えたり、ムシキング研究所に連れていったりとケントをサポートする。

  • 溝呂木シロー
CV.福田沙紀
ネプチューンオオカブトを操る少年。
冷徹な性格をしており、「相手を徹底的にやっつける」ことを信条としている。
もっと強くなりたいという願望をブラック博士に付け込まれ、ネプチューンを「ダークサイド・ネプチューン」に変貌させてしまう。
シローの声を演じた福田沙紀氏は本作のエンディングテーマを歌っている。

  • 未来健太郎
CV.山口智充
ケントとユウトの父。
そば屋を営んでおり、世界一のそば屋を目指している。
よくムシキングをムシキックと言い間違える。
そんな彼だが、後半は漢と化し、ピンチに陥ったケントの心を奮い立たせる。

  • 未来幸子
CV.伊藤美紀
ケントとユウトの母。
夫である健太郎と共にそば屋を営んでいる。
ムシキングのカードを取り上げられた時はケントにこっそり隠し場所を教えた。

  • 未来ユウト
CV.小林由美子
ケントの弟。
兄同様、ムシキングが大好き。

  • G・門月
CV.佐藤せつじ
金髪をした筋骨隆々の外国人風のムシバトラー。
物語の冒頭とハネダシティカップでケントと戦う。
使用したムシは「オウゴンオニクワガタ」と「ヘルクレスリッキーブルー」。
だが、オウゴンオニにダイシャリンを、リッキーブルーにコンプリートスマッシュを覚えさせたりと、バトルテクはあまり良くない。

  • ネブ博士
CV.内田夕夜
甲虫王者ムシキングを制作した博士。
ケント達に「バトルの最後までムシを信じる、信じるために努力を続ける」ことを教える。
ハネダシティでの大会では司会者も務めた。
好きなムシは「グラントシロカブト」だが、劇中では全く使用しなかった・・・あしからず。

  • ムシキング・ジョニー
CV.松野太紀
全国を旅しながらムシキングを応援しているムシバトラーの良き兄貴的存在。
大会では審判を務めた。
好きなムシは「ネプチューンオオカブト」 

  • ブラック博士
CV.岩崎ひろし
ムシキングの生みの親の一人にして、ムシキングで世界征服を狙うネブ博士のライバル
かつてはネブ博士と共にムシキング研究所で働いていたが、その過程で開発者と意見が対立したことで出て行ってしまった。
ムシキング研究所のデータを奪い、シローのネプチューンオオカブトを「ダークサイド・ネプチューン」に暗黒化させたり、バトルフィールドプログラムを書き換え、木々が燃え盛るフィールドに変更したりと悪事の限りを尽くす。もはや「ムシキングが大好きなちょっと困ったおじさん」ではすまなくなっているような… アオイちゃんが見たら泣くぞ…
好きなムシは「アクティオンゾウカブト」だが、劇中では使用していない。


◆本作登場ムシ

  • ムシキング
肩書きは「甲虫の王者」
見た目はカブトムシだが、つよさ160のバランスタイプ。
ケントの良きパートナー。
超必殺わざはキングトルネードスロー…だが、モーションは『相手を正面から掴んで振り回しながら空高く上昇したあと、放り投げる』と「スーパートルネードスロー」そのもの*1
他のわざは、最初はローリングスマッシュクロスダイブだったが、後にムシキング研究所でドラゴンアタックローリングクレイドルに変更。

  • ダークサイド・ネプチューン
肩書きは「幻の巨神」→「ダークサイドの使者」(ゲームより)
つよさ160のバランスタイプにして、本作最強の敵。
ブラック博士の手によってダークサイドに堕ち、究極かつ、邪悪な力を得たネプチューンオオカブト
禍々しいオーラを放ち、不気味に赤く光る目が特徴。
ゲーム本編のアダーコレクションを思わせるが、別の個体でもあり話は別。
普段は普通のネプチューンだが、シローが「ダークサイドチェンジ」と叫ぶとこの形態になる。
超必殺わざはダークサイドスクリュースロー
他のわざは、コンプリートスマッシュデビルスリーパー*2
なお、ダークサイドネプチューンはアーケード版においてカード化はされず『GCへの道DS』及び『GCへの道2』専用のムシ。

  • オウゴンオニクワガタ
肩書きは「黄金(こがね)の鎧」
つよさ180のバランスタイプ。
G・門月が映画冒頭のケントとのバトルで使用。
ムシキングとの技の応酬の末、「キングトルネードスロー」を喰らって敗れる。
超必殺わざはヒャクレツケン
他のわざはダイシャリン、ハサミわざは不明*3

  • サタンオオカブト
肩書きは「ボリビアの秘宝」
つよさ180のスーパーディフェンスタイプ。
ムシキング研究所でケントのムシキングのカスタマイズの相性を確認する際の相手として登場。
超必殺わざはS・A・S(サタン・エア・スピン)

  • ハスタートノコギリクワガタ
肩書きは「怪力ペンチ」
つよさ120のバランスタイプ。
シローの対戦相手の少年が使用。
「モールアタック」を繰り出すが、ダークサイド・ネプチューンが放つ邪悪なオーラに阻まれ、不発に終わる。
最後は「ダークサイドスクリュースロー」を喰らって敗れた。
超必殺わざはモールアタック
ちなみに2005ファーストで初登場したムシであるため、2004セカンドがベースとなっている『GCへの道』及び『GCへの道DS』には登場しない。

  • ヘルクレスリッキーブルー
肩書きは「青き伝説甲虫」
つよさ200のアタックタイプ。
G・門月がハネダシティの大会で使用。
持ち前のパワーと長い角を活かしたリーチでムシキングを土俵際まで追い込むが、とどめの突進を飛び上がられてかわされ、水に落ちて身動きが取れなくなった直後に「ドラゴンアタック」を喰らって敗れた。
また、鳴き声が何故かヘルクレスオオカブトのものになっている。
超必殺わざはアースクエイクスロー
他のわざはコンプリートスマッシュ、ハサミわざは不明。

  • グランディスオオクワガタ
肩書きは「最強のオオクワ」
つよさ180のディフェンスタイプ。
ハネダシティの大会の参加者が使用。
実況によるとコーカサスオオカブトの使用者に逆転勝利したとのこと。
超必殺わざはガンガンスマッシュ

  • コーカサスオオカブト
肩書きは「アジア最強のカブトムシ」
つよさ180のアタックタイプ(映画上映当時)。
ハネダシティの大会の参加者が使用。
グランディスオオクワガタの使用者に敗れたことが語られている。
超必殺わざはローリングドライバー

  • ブルマイスターツヤクワガタ
肩書きは「華麗なる巨人兵」
つよさ180のバランスタイプ。
ハネダシティの大会の参加者が使用。
ケントとのバトルに敗れた。
超必殺わざはクロスダイブ

  • マンディブラリスフタマタクワガタ
肩書きは「偉大なる大アゴ」
つよさ200のバランスタイプ。
ハネダシティの大会の参加者が使用。
シローとのバトルに敗れた。
超必殺わざはクロスダイブ


◆用語

  • ムシバトラー
所謂プレイヤー。
ムシカードをスキャンしてムシを呼び出した後、自分のムシに指示を出し、相手のムシとバトルする。

  • グレイテストチャンピオン
全てのムシバトラーが憧れている称号で、黄金に輝くGCカードがその証。
だが、この称号を手にするためには大会で3回優勝し、グレイテストプレイヤーカードを3枚集めなければならない。

  • ハネダカップ
ハネダシティで行われたムシキング公式大会。
レギュレーションはつよさ200のムシを使用している参加者がいることから「無差別級」と思われる。


















追記・修正はダークサイドに打ち勝ってからお願いします。

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最終更新:2025年06月27日 08:34

*1 本来のキングトルネードスローのモーションは、「相手と鍔迫り合いしたあと、隙を突いて掴んで回転しながら移動したあと、放り投げる」

*2 しかし、デビルスリーパーはムシキングに少々ダメージを与えただけで失敗に終わっている。

*3 漫画「ザックの冒険編」を描いたおおせよしお先生のコミカライズでは「ランニングカッター」だった。