ジョシュア・グラハム/バーンドマン(Fallout:NewVegas)

登録日:2011/11/05(土) 12:48:10
更新日:2024/11/18 Mon 12:54:06
所要時間:約 6 分で読めます




「私は神の右腕、神に代わって復讐を果たすものだ」


ジョシュア・グラハムはFallout:NewVegasで語られる人物。ゲーム中には登場せず、「バーンドマン」として語り継がれている伝説的な人物である。

概要


シーザー・リージョンの前最高戦闘指揮官にして、シーザーとともにシーザー・リージョンを作り上げた。
シーザーがリージョンの生みの親なのだとしたら、彼はその育ての親である。

元々彼はニュー・カナーン族の宣教師であった。
宣教のためおとずれたアリゾナでエドワード・サロウ、ビル・カルフーンという名のアポカリプスの使徒と出会い、彼らは意気投合し行動をともにするようになった*1が、
グランドキャニオンに住まうブラックフット族と交渉していた際、誤解か通訳であったジョシュアのミスで拘束されてしまう。
その後、ブラックフット族が敵対する部族との戦争状態に陥ると、自分たちが生き残るため、エドワードはブラックフット族に銃の扱い方や戦い方を教えるようになった。
やがてブラックフット族は周囲の部族を併呑し、エドワードを崇める軍事集団を作り上げるに至った。
ここに至って、エドワードはシーザーと名を変え、ここにシーザー・リージョンが始まった。

その集団の中で、ジョシュアはエドワードからと部族の間で通訳を受け持っていたが、やがて命令を出すようになり、次には軍を率いるようになり、最終的には司令官にまで上り詰めることになった。*2
そして彼自身のカリスマと苛烈な「教え」によって、当初は烏合の衆であった部族の集まりを残虐で強大な戦闘集団へと作り変えた。
残虐非道なリージョンの中でもその残虐性は群を抜いており、現リージョン最高戦闘指揮官、「石器時代の英雄」、「ミンチメーカー」のリガタス・ラニウスが聖人君子に見えるほどであったという

シーザー・リージョンが新カリフォルニア共和国(NCR)との戦争に入ると、NCRからは当然の如く最重要暗殺対象とされた。
幾度も暗殺作戦が実行されたうえ、そのうち五度の成功報告があったにもかかわらず、彼は生きていた。

しかし彼の終焉はあっけなく訪れることとなる。
ゲーム開始の4年前に行われた第1次フーバーダム戦において、軍を指揮していたジョシュアはNCR軍とレンジャーの仕掛けた罠にはめられ、軍は壊滅、大敗を喫してしまう。
その責任を取らされる形で、彼はシーザーによって全身に松脂を塗られ火をつけられた上でグランドキャニオンの谷底へと突き落とされた。*3*4

その後、シーザーはジョシュア・グラハムに関するすべての記録を抹消し、その名を口にすることも禁じた。
しかし、奴隷を始めとして多くの者が、彼の死を信じず、彼が「バーンドマン」として生きており、シーザーに復讐しに来ると考えている。






以下DLC「Honest Hearts」のネタバレ


「私はザイオンを目指すすべての心ある者の安全を祈っている。だが、神が何でもやってくれると考えるのは間違いだ」

実は生き延びており、グランドキャニオンの谷間から這い出し故郷のニュー・カナーンへと帰還していた。
全身を包帯で覆われた異形の姿、「バーンドマン」として。

布教の使命を投げ出し、リージョンの司令官としての悪行によって部族の名に泥を塗ったにもかかわらず、故郷の人々は放蕩息子を温かく迎え入れた。
この行為に感動した彼は以後、布教とニュー・カナーンの人々を守ることに尽力している。

しかし、シーザーの命を受けた部族、ホワイトレッグスによってニュー・カナーンの人々は虐殺されてしまった。
現在はザイオンにおいて、自らの布教先であったデッドホースポイントから引き連れてきたデッドホースと共に、生き残ったニュー・カナーン人とザイオンに住む部族ソローズを守るため、追撃してきたホワイトレッグスと対峙している。

ちなみに彼の引き連れてきたデッドホースの一人、フォローズ・チョークによると彼がデッドホースに教えたことは「銃器の扱い方」、「効率的な狩りの仕方」、「戦闘の方法」であった。
…どうやらグラハムにとってはリージョンを作ったのも立派な布教の成果だったらしい。


人物

包帯まみれの怪異な風貌と、シーザー・リージョンでの彼の後釜であるリガタス・ラニウスが世紀末覇者であることから、その上をいくと言われる彼はどんな化け物かと思いきや、
普段の彼は(少なくとも口調は)温厚で知性的、信仰心に篤い人柄なため、一見すると普通の人のように思える(ただしウェイストランドに限る)。
シーザー・リージョンにいた頃の彼は、当時を知るデッドホース族のフォローズ・チョークいわく「怖かった」そうだが、彼がグランドキャニオンで焼かれてのちにデッドホースをふたたび訪ねて来た時には、「別人のように腰が低くなって、何かを壊すよりも守りたいと言っていた」という。
実際、ザイオンでの彼はその言葉通りの行動をしている……ように見える。
だが一度戦闘が始まれば、冷酷非道なリージョンの司令官であった頃の片鱗を見せつけてくれる。「ここで死ね!」「神に会ってこい!」と怒鳴りながら敵に銃弾をぶち込む姿はなかなかに背筋が寒くなる。

ちなみに彼の使う.45オートピストルはユニーク武器で、その名も「闇に輝く光」。ヨハネによる福音書一章五節の「光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。」にちなんだものと思われる。
実際、この一文がギリシャ語でスライド部分に彫られている。

一時的にコンパニオンになってくれるが、インベントリは「お断りだ」と開かせてくれないし、話をしようとしても「おしゃべりは終いだ」と拒否され、待機を命じても「悪いがそいつはムリだ」と従ってもらえない。
また、戦闘行動指示で消極的を命ずると「一体なぜ?」と心底不思議そうに聞かれてしまう。
さらには近接・遠距離攻撃の指示をすると、以降「闇に輝く光」を鈍器としてしか使用しなくなるバグが発生する場合があるので注意しよう。

初めて彼と対面するとき、大量の拳銃を整備している。
これはゲーム中の.45オートピストル、現実でいえばアメリカで絶大な人気を誇る「M1911」である。
このときバーンドマンから話を聞くと、「私の先祖が何世紀前に設計した銃」とのこと。
どうやら彼はモルモン教徒の名銃器設計家「ジョン・ブローニング」の子孫らしい。


身体能力

何といっても彼の一番の特徴はその不死性だろう。

例をあげると
  • NCRレンジャーや第1偵察隊による暗殺作戦が実行され5度の死亡報告がなされたにもかかわらずピンピンしていた。
  • 全身に松脂を塗られて火をかけられ、グランドキャニオンの谷底に突き落とされたにもかかわらず、翌日にはそこから這い出した。
  • さらにそこから徒歩で、300マイル(600km強)以上離れた、かつてオグデンと呼ばれたニュー・カナーンの地に帰る
  • さらにその道中、彼の生存を危惧したシーザーによって放たれたフルメンタリーや暗殺者たちをすべて返り討ちにする
  • 全身大火傷のはずなのに包帯を取ってみるとそんなに火傷が酷くない
などと、もはや人間というより異能生存体のカテゴリーに入りそうな人物である。

また戦闘力も人間のカテゴリーにおいては最強のレベルであり、その力は
  • ほぼ一人でホワイトレッグスを壊滅させてしまう
  • どう考えても狙撃銃の出番である射程距離を拳銃でヘッドショットする
  • 近接戦闘になればグリップで撲殺
といった感じで、まさにリージョンの頂点に立っていたのにふさわしい実力をお持ちであり、おそらくVault101のアイツと戦って勝てそうな人間の最有力候補。事実、本作に登場するNPCの中では屈指の戦闘能力を誇るうえ、同じく最強と称される他のNPCをコンソールで呼び出せて闘わせると彼の勝率が一番高い。

また、ステータスの上でもそのカリスマ性も半端ではなく、実はシーザーよりもカリスマは上*5だったりする。
彼のカリスマ性はまるで炎であり、彼に関わる人々はその炎に魅入られ、それに焼かれることになる。
その炎は数百年間戦争をまったく経験していない、平和主義の部族を瞬く間に残虐な戦闘狂に変貌させうるほど。
同じニュー・カナーン人の宣教師ダニエルは、過去を悔い改め信教の道に生きる現在のジョシュアを信頼しながらも、彼が敵に対し徹底的な復讐を望む残虐な男でもあることに複雑な思いを抱いている。

ただし、プレイヤーの選択によって、その後の彼の精神性は大きく変わる。
復讐を肯定し、ホワイトレッグスを狩りつくす選択をすると、モハビにまで恐怖を与える存在となり、バーンドマンの伝説はさらに凶悪化する。
逆にホワイトレッグスを見逃すよう促すことで、彼はニュー・カナーンの敵に対する闘争者でありつづけながらも、逆らう者に時折慈悲を見せるようになり、それによってバーンドマンの伝説は廃れ、ついにジョシュアは安息を得ることとなる。


ニュー・カナーン人

ジョシュアの出身部族。キリスト教の流れを汲む宗教を信仰している。というかモルモン教。
かつてオグデンと呼ばれた地をニュー・カナーンと名づけそこに住んでいる。
神の教えをウェイストランドに普及させるため、部族と交易し、各地に宣教師を派遣していた。

普段は信心深い誠実な人々だが、自らの安全を脅かす者、神の聖域を汚す者に対しては怒りの45ACP弾を容赦なくぶち込むという神罰の代行者になり、神の聖なる剣…じゃなくて45オートサブマシンガンと化す。*6

ジョシュアを恐れたシーザーの命令で、ホワイトレッグスにより病人、老人、女子供に至るまで殺されてしまった。


関連人物

主人公。ハッピートレイル・キャラバンの護衛としてザイオンを訪れたところ、部族間の争いに巻き込まれた。
ザイオンに住まう者たちの運命、そしてジョシュアの未来は彼(女)に委ねられている。
  • フォローズ・チョーク
デットホース族の男性。ザイオンで暮らすソローズ族を助けるためにジョシュアに率いられやって来た人間の一人。
上述の通り、今のジョシュアは昔とは変わったと思っている。
  • ダニエル
ニュー・カナーン族の宣教師であり医者。ジョシュアにとっては数少なくなった同郷の人間の一人。
デットホースだけでなくソローズをも動員してホワイトレッグスの殲滅を主張するジョシュアに対し、ソローズの育んだ純粋さを守るためザイオンからの離脱を訴えている。
「ジョシュアは単にホワイトレッグスを皆殺しにしたいだけだ」というのは彼の弁だが、その人物評は実のところ的を射ているものだったりする
  • ソルト・アポン・ウーンズ
ホワイトレッグスの族長。訛りがあるとはいえ部族の中では唯一英語を話すことが出来る人間。
ジョシュアの怨敵。ホワイトレッグスへの徹底抗戦を選択した場合、攻め込んだキャンプ地の最奥で彼の衝撃的な姿を目の当たりにすることになると共に「ジョシュアお前マジかよ…」とドン引きすることになる
  • シーザー
シーザーリージョンのトップ。彼がまだアポカリプスの使徒のエドワード・サロウだった頃からの付き合い。
袂を分かった後もシーザーは暗殺者を送り込むほど警戒しているが、一方のジョシュアは最早モハビで起きていることに関わるつもりはないと話し、シーザーについても大して言及しないが、本音ではソルト・アポン・ウーンズと並び「恐怖と苦痛の中で死なせたい」と恨み骨髄に徹している様子
  • ビル・カルフーン
アポカリプスの使徒。共にブラックフット族に捕まった仲。
彼はリージョンには参加することなく、シーザーから「私の邪魔をするな(意訳)」というメッセージを携えて同法の元に送り返された。その後の行方は不明。
  • リガタス・ラニウス
現リージョンの最高司令官。ジョシュアとは互いに面識はない。
その数々の逸話から脳筋のように思われるが、こと戦術面においては古代ローマ時代のものを踏襲していたジョシュアと比べると、ゲリラ戦を展開してNCRをじわじわと苦しめている彼の方が上だったりする。
  • チーフ・ハンロン
NCRレンジャーのトップ。
彼の「ボルダーシティに誘い込んだリージョン軍を町ごと爆破する」という奇策に敗北したことで、ジョシュアの尻というかむしろ全身に火が付いた。
  • ユリシーズ
元シーザー・リージョン。リージョン時代はフルメンタリーに所属し、表向きの仕事は運び屋だった。
その為、ジョシュアは『運び屋がキャラバンと共にザイオンにやって来た』と報告を受けた際に彼を疑ったが、「もしユリシーズならキャラバンと一緒には来ない」とすぐに思い返した。
また、リージョン時代にバーンドマン抹殺の任務を帯びた彼が、ホワイトレッグスに銃器の扱い方を教えてリージョン加入と引き換えにニュー・カナーン人の殲滅を命令したのが、ザイオンにおける騒乱の始まりとなった。
しかし、ある理由でホワイトレッグスの元から離れ、現在は一人で行動している。彼についての詳細はDLC第4弾「Lonesome Road」を参照。
+ 以下、Lonesome Roadクリア後のネタバレを含む
上記DLCのラストでユリシーズを説得してクリアした後、ザ・ディバイドの入り口に一人佇む彼に色々と話を聞くことが出来る。
その中でジョシュアについては「ヤツにはもう関わるな。伝説のまま眠らせておけ」という彼の現在の心象を聞ける。
また、来るフーバーダムでの決戦の中で避けられないシーザー・リージョンのリガタス・ラニウスとの対峙にあたって、
「かつてジョシュアがNCRに敗北した事実を元にラニウスを退けろ」という助言を貰える。
これによりフラグが立ち、経済的側面や国防的観点での指摘で侵攻を思い返させるのとは違う、ハッタリを効かせた言葉でリガタス・ラニウスを騙して撤退させる選択肢が出現する。結局Speech100必要なのは変わりないけどな!


「私はアニヲタwikiを目指す、すべてのwiki籠りたちの安全を祈っている。だが建て主が追記・修正までやってくれると考えるのは間違いだ」

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最終更新:2024年11月18日 12:54

*1 リージョン銀貨に描かれているのはこの三人組である

*2 同時に、彼もシーザーのように名を変えリガタス・マルパイスと呼ばれるようになった。

*3 この様子はHonest Heartsのオープニングで描写されるのだが、突き落とされた時点でHH本編と同様の警察用ボディアーマー姿である。すなわち、ジョシュアはリージョン時代でもあの姿で通していたということで……そりゃシーザーに疎まれるわ

*4 彼のカリスマ性を恐れたシーザーによる謀殺という説も一部では囁かれている。

*5 平均値5、シーザーの4に対しジョシュアは7

*6 アメリカにおけるテンプレ、モルモン教徒に対する偏見がこういうものであるらしい。ユタ戦争などのイメージだろうか。