Duel Masters Rev.

登録日:2014/03/10 (月) 00:55:00
更新日:2023/02/28 Tue 02:06:46
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人類が知る衝撃の…


決闘(デュエル)。




『Duel Masters Rev.』(デュエル・マスターズ レボリューション)とは、
『週刊少年サンデー』に2012年39号~2013年32号まで連載されていた漫画。

単行本全5巻。

原作は神先史土、作画は高橋伸輔。
テクニカルアドバイザーは真木老師こと真木孝一郎。

概要

このwikiでもお馴染みのTCG『デュエル・マスターズ』(デュエマ)の漫画。
コロコロ系列以外でデュエマが漫画になるのは同じ小学館とはいえ史上初のことであり、
「週刊少年サンデー初、本格カードバトルストーリー!」と銘打たれていた。
このため、年齢的にコロコロを買えない大友からそこそこ注目を浴びていた。

主に悪い意味で。

というのも、サンデーはこれが始まる直前にとある有名なタイアップ作品で色んな意味で壮絶な作品を載せてしまっていた。
そういったこともあってサンデー自体への批判や方針への疑問の声が少なくない中、懲りることなくホビーとのタイアップをするということで、この作品がどんなクソになるのか一部では恐れられていたのである。

その結果、主に序盤にかけて
  • リアルタッチの絵でやたらグロく描かれたセブ・コアクマン
  • ほぼ運だけで勝って主人公(のちに改善)
  • 不必要なパンチラ地獄
などのツッコミどころが多かった。

作者二人はtwitterで積極的に読者の意見を聞いたり、身内でデュエマをプレイしたりして改善に努め、それを取り入れて
次第にデュエル描写もまともなモノになっていったのだが、いずれにせよ不遇だったことは否めない。

デュエマの中の人である真木老師が監修していることもあり、主要登場人物のデッキは全てちゃんとしたレシピが定められている
(レシピはコミックスに全員分収録、全部で13個)。
このデッキは龍神などの極端なモノもありはするものの、いずれも十分実践に使える内容である。
またデュエルそのものも、序盤は見せ方のマズさが目立つものの内容はいずれもちゃんとしたもので、
『覇王伝ガチ!』のようなルールミスもあまり見られない。

そもそもオリカが無いため、全て実在のカードで再現可能という点もポイントである。
これは比喩ではなく、漫画の中に実写のカードが合成されているのである。

ちなみにデッキ開発部の青い悪魔はこの作品について「コンボいっぱいあるから好き」と評している。
確かに実践的を通り越して悪意を感じるコンボがしばしば見られたのだが、八重子が発狂するから正直やめてほしい。

なお各巻付属のプロモーションカードは
1巻→「セブ・コアクマン」
2巻→「偽りの名 バルガ・ラゴン」
3巻→「日曜日よりの使者 メーテル」
4巻→「コアクアンのおつかい」
5巻→「紺碧術者 フューチャー」

である。いずれも高橋伸輔氏仕様のアルトアートとなっている。
また初期の切り札だった『変幻の精霊ナイツ・オブ・コバルト』は、
DMX-12「ブラック・ボックス・パック」にこれまたアルトアートで再録されている。

あらすじ

小学生の頃、デュエマに夢中だった虹矢未来
だがいつの間にかその熱狂を忘れ、今や何のとりえもない中3になっていた。
そんなある日、ミライは幼馴染の白鳥愛美に誘われて数年ぶりにデュエマに触れ、かつての興奮を思い出す。
ミライは、昔使っていたカードをタイムカプセルに埋めたことを思い出し、早速掘り出しに向かうが…。

登場人物

ミライと仲間たち

虹矢未来(こうや みらい/ミライ)

「デュエマってすげーよな。これがあれば世界征服できるんじゃね?」
主人公。空手部に所属する中学3年生。PREVO。
かつてデュエマ(厳密にはボルバルマスターズ)に夢中になっていた。
当初のデッキは光・水ブロッカー中心の【ヘブンズ・ゲート】。
切り札はかつてサンデーの付録になった『変幻の精霊ナイツ・オブ・コバルト』。
決して悪いデッキではないのだが、切り札の展開を「ヘブンズ・ゲート」に依存していたため、運の要素が強すぎる受動的なデッキだった。
フォローしておくと、小学生の頃のミライはS・トリガーや今引きによる華麗な大逆転を好んでいたため、
それを踏まえて当時のカードを引っ張り出して来たらこうなったのである。仕方ないね。
だがその運の良さに頼りきった結果、(おそらく)小南雄大に負けてBLACK BOX CUPでまさかの予選落ちという結果に。

敗北を機に作った新デッキは【アウトレイジ】の「引いて捨てる攻撃的戦略デッキ」。
思い入れのあるセブ・コアクマンを活かしつつ、能動的に攻められるデッキを求めた結果である。
切り札はアリスから唐突に託された、この作品のためのオリカ『紺碧術者 フューチャー』。
自分の戦法を反省した結果、セブ・コアクマン以外のカードはほぼ総取っ替えである。
大会で負けたとはいえ、ここまで思い切ってデッキを改造する主人公というのも珍しい。

小学生のころは【ボルバルブルー】使いだったが、金が無かったため一部のカードを手書きで作っている。(いわゆるプロキシ)


セブ・コアクマン

ミライのパートナー。いずれのデッキでも主戦力になっている。
この作者の癖なのかは分からないが、元のカードと比べて目と口が異常に大型化しており、
ダイレクトアタックで相手を喰い殺すという物凄く獰猛なクリーチャーである。
小学生の頃のミライがプロキシとして手描きで作ったカードであるが、描かれたころにはまだこのクリーチャーは存在していなかった。
そのため、本作では事実上「ミライが創造したクリーチャー」となっており、この手描きのカードを掘り出したことでミライはPREVOに覚醒した。
というか上位互換のアクアンがまだ現役だったハズである。
小学生にして手札アドの強さを理解していたミライは只者ではない。
もちろん本編でミライが使っているセブ・コアクマンは本物のカードである。念のため。

白鳥愛美(しらとり まなみ/マナミ)

「デュエマは頭脳の格闘技!証拠を見せてあげるわ!」

ヒロイン。ミライとは「ただの幼馴染」。
カード漫画のヒロインには珍しく(?)、ミライに教えられたデュエマをずっと続けており、かなりの腕前を誇る。
ただしPREVO関連に関しては全くの蚊帳の外。…かに思われたのだが…?
デッキは【ジャイアント】で、切り札は『緑神竜ドラピ』。
相手がデモハンで『偽りの名 ナッツ・スパゲッティーノ』を破壊するというプレミに助けられたことがある。
何故か漫画はマイナーなのに上記の台詞だけ独り歩きしている。
言っとくがこの漫画に覇ァは出ない。
超のつくほどの食いしん坊。最初はデュエマで負けたミライにラーメンやたこ焼き、お菓子を貢がせていた程度だったが、
大会編ではもはや人間離れした量を平らげている。

霧谷愛莉子(きりたに ありす/アリス)

「無限に続く合わせ鏡のように、全てを破壊するコンボ「鏡の国のアリス」よ」
ヒロインその2。PREVO。
ミライの小学生の頃の幼馴染みで、ミライとは別の名門私立中学に通っている。
典型的なヤンデレであり、ミライを一方的に愛していて邪魔する者は容赦無く叩きのめす。
使用デッキは【闇単ハンデス】で『特攻人形ジェニー』を利用したループコンボでミライを苦しめた。
ハンデスを好むのは、相手を束縛したいという意味らしい。
どっかで見たことのある人形を持ち歩いているが…。

特攻人形ジェニー

「墜ちろ墜ちろ!無限の地獄に墜ちるのよ!」
アリスのパートナー。お世話になった人も多い有名なクリーチャー。
普段は人形に擬態してるが、アリスの命令で実体化して襲いかかる。
効果を発動するとカットちゃんを首に突き立て、そのまま自分をバラバラにする。怖い。
お願いだからカットちゃんを人に向けないでください。

荻原蓮炎(おぎわら れえん/レエン)

「殴って殴って殴り勝つ!それが俺のデュエマだ!」
ミライのクラスメイト。PREVO。
幼いころから空手もデュエマも上を行かれており、ライバル的な存在だった。
小学生の頃、デュエマはとにかくシールド割ってれば勝てるゲームだと思っていた。
そして中学生になってもそう思っている節があり、ブロッカーやS・トリガーで防御を固める相手を見下している。
『ライジング・ダッシュ・デッキ 無限アタック!』をベースにしたような【赤単ヒューマノイド速攻】の使い手。
切り札は無限アタッカーの『無限鉄拳オニナグリ』。
ミライよりよっぽど主人公らしいデッキを使っている。
なお作中で変形デッキセットを購入したが、そのカードは使っていない。(龍神の攻撃で燃やされたのかもしれない)
大会編でもビートダウンぶりはそのままに新しいデッキを作ったが、「チェンジ・オブ・ザ・ワールド」の前にあっさり敗北した。

九龍(クーロン)

PREVOの組織。旧人類の抹殺を企む。
本作品の黒幕だが、同時に社会やHuPoLubの犠牲者でもある。

赤目 龍神(あかめ りゅうじん)

「やはり龍は素晴らしい。人間と違って龍は裏切らない。」
九龍の刺客。街で人体発火事件を引き起こしていた犯人。
街行く人に「龍の目は何色だ?」と尋ね、組織に引き入れるべきPREVOを探す。
デッキは【連ドラ】だが、なんと40枚全部がドラゴンクリーチャーという馬鹿みたいなデッキを使う。
ファイアー・バードや呪文すら使わないのである。
切り札は「偽りの王ヴォルフガング」。
防御すらS・トリガーの『ジャジャーン・カイザー』や、S・バックの『デュアルショック・ドラゴン』で補っているという徹底ぶり。

コッコ・ルピア

「この世は理不尽で残酷だ。そんな世界を壊したいと思わないか?」
HuPoLubの施設に囚われていた龍神を解放したクリーチャー。
龍神を悪の道に誘った張本人(張本鳥)だが、デッキには入れてもらえなかった。
ドラゴンの友とは何だったのか。

荻原 麗奈(おぎわら れいな/レイナ)

「これが私のコンボ。『チェンジ・オブ・ザ・ワールド』よ」
レエンの姉。ミライとレエンにデュエマを教えた人物。
事故で恋人を亡くしふさぎ込んでいたところを龍神に誘われ、PREVO能力で恋人を蘇らせるため九龍に加入。行方をくらます。
BLACK BOX CUPに折原美音(おりはら みおん)という偽名で出場し、レエンをデーモン・コマンド14体召喚で圧倒した。
デッキは【デーモン・コマンド】。切り札は「黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド」。
リアニメイト戦法に拘る理由は、恋人を生き返らせたいという思いがあるため。

影下 剛(かげした ごう)

「俺に手札は要らない。墓地が俺の手札だ。」
大会に送り込まれた九龍の刺客。
デッキは【ゴースト】で、墓地を肥やして奇襲するタイプのデッキ。
切り札は「拷問の影カワハギ・ジャケット」。
ハンデスを逆に利用してアリスを追い詰めるも、アリスの神引きに敗れる。
敗北後、なおも優勝者を闇討ちする為に潜伏するが、霊禅に葬られる。

黒澤 世観(くろさわ よみ)/神人類ヨミ

「感謝するよ姉さん。だが…これは元々俺のものだろ?」
九龍の首領にして本作のラスボス。HuPoLubが見出した人類最初のPREVO。
余りにも強大になり過ぎたその力を恐れられ、力と魂を「神人類ヨミ」のカードに移され、BLACK BOXに封印されていた。
デッキは言うまでもなく【ゴッド・ノヴァ】。ミライと対になるようなオラクルデッキである。
切り札は「神人類ヨミ」を中心とした三体G・リンク。

HuPoLub(ヒューポラボ)

正式名称「Human  Potential  Power  Laboratory」(ヒト潜在能力研究所)。
非人道的な人体実験の末、人類の新たな姿であるPREVOを発見した。
PREVO能力を悪用する九龍と敵対している。
だが、元はと言えば彼らの人体実験から逃亡した者が九龍を結成したということもあり、決して善良な組織ではない。
メンバーは龍の腕輪を着けている。

黒澤 恵理(くろさわ えり)

「人類は世観のように進化すべきなの!」
HuPoLub所長。ヨミの姉。
カードショップ・インフィニティのオーナーも勤め、ミライに龍神を倒すよう依頼した。
だが実は、カードショップを利用してPREVOを目覚めさせる特殊なカードを流通させていた。

店長

「PREVOは進化か破壊か…。」
恵理が所有するカードショップ「インフィニティ」の店長。
オネエ口調で喋り、マナミと「スイーツ同盟」を結成するなど一見善良な人物だが、実はPREVO。
デュエマはしないが、未来との戦いで消化されかけた水元の命をPREVO能力で救っている。
その方法とは、セイバー能力を持つ「邪脚護聖ブレイカー」のカードを手で握り潰すというもの。
たしかにセイバー能力はそういう力なのだが、水元はクリーチャーなのか?

那須 霊禅(なす れいぜん)

「成仏めされよ」
HuPoLubが九龍を始末するため送り込んだ刺客。PREVO。
不気味な見た目をした修行僧。
デッキは【ドラゴン・ゾンビ】。切り札は「真実の名 ゼッキョウ・サイキョウ」。
スーサイドで墓地を肥やしつつゼッキョウ・サイキョウの召喚を狙う「三身即一コンボ」を使う。
ミライの新デッキに撃破された。

その他

水元 恭平(みずもと きょうへい)

「せめて楽に死ねし!」
20歳。実体化させた「パクリオ」を使ってJCを盗撮していた屑男。
デッキは【サイバー・ロード】だったが、ミライの「ヘブンズ・ゲート」を踏みあっさり敗北した。
そのデュエマスペースはJCの裸やパンツが飛び交うカオス空間である。
PREVO能力を知らなかったミライによりセブ・コアクマンの餌にされかけるが、店長に命を救われる。
九龍にカウントしていいのかはよく分からないが、龍神のパシリのような仕事をしている。

緑山 味菜(みどりやま みさい)

BLACK BOX CUPの参加者。18歳の天才料理人。
デッキは【ワイルド・ベジーズ】。切り札は「味頭領ドン・グリル」。
「ロイヤル・ドリアン」で進化元を大量展開する「ドリアン・コンボ」を得意とする。
(当時の裁定ではその方法で出したクリーチャーは召喚酔いしない)
また「千切秘伝ワイルド・ベジタブル」を実体化させることで、瞬時に野菜料理を作れる。

小南 雄大(こなん ゆうだい)

カードショップ・インフィニティにたまたま居合わせた小学3年生。
ミライのデュエマ復帰初の対戦相手となったが、
「ローズキャッスル」一枚でミライのデッキを無力化し、完封勝利をおさめた。
(ミライはそもそも要塞化を知らなかった。情報アド…。)

その後、どういうわけかBLACK BOX CUPの決勝トーナメントに進出。
ミライのいたブロックから勝ち上がってきたということなので、おそらくミライに二度目の勝利をおさめている。
学習しろよ。

用語

PREVO(プレボ)

人類が龍の力を得て「神人類」に進化する過程で生まれた能力者。
デュエル・マスターズのカードを実体化させ操ることができる。
要するにサイコデュエリスト。
実体化させたクリーチャーはPREVO以外には視認できない。
ただし、「カードに戻す」という能力はないため、戻したい場合はいちいち「スパイラル・ゲート」などを実体化させる必要がある。
ネーミングはおそらく進化の「Evolution」に、前段階を意味する「Pre-」をつけた造語。

龍の力

PREVO能力の源。人間の脳幹(爬虫類の脳)に宿っている。
人間が普段抑えている闘争本能を原動力として目覚め、超自然的な能力を司ることができる。
その最も効率のいい方法はなんと、闘争本能を剥き出しにできるデュエマであり、
HuPoLub製の特殊な加工をしたカードでデュエマをすることで、適性のあるものはPREVOに覚醒する。
「頭脳の格闘技」は正に文字通りの意味だったのである。

デュエマ・スペース

PREVOが真のデュエルを行うための仮想空間。
内部の背景は人によってそれぞれ異なる。後にアニメにそれっぽいのが逆輸入される。

BLACK BOX CUP(ブラック・ボックス・カップ)

HuPoLubが主催するデュエマのトーナメント。豪華客船「ちゃげⅡ」を会場として行われる。
優勝者には世界で一枚だけのレアカードが封印された謎の箱「BLACK BOX」が贈呈される。
表向きにはショップ大会の上位入賞者が招待されているが、実は意図的に多くのPREVOが集められている。
よくある大会モノかと思いきや、主人公が予選落ちするという前代未聞の展開から始まる。


追記・修正はPREVOに覚醒してからお願いします。

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最終更新:2023年02月28日 02:06