バグのかけら(ロックマンエグゼ)

登録日:2014/06/28 (土) 01:56:29
更新日:2025/07/05 Sat 18:45:49
所要時間:約 10 分で読めます




バグのかけらとはロックマンエグゼシリーズに登場するアイテムである。
初出は「エグゼ2」
単位は「ガッツ」。バグのかけら10個で「1ガッツ」。


概要

エグゼ世界の「バグ」も現実と同じように「プログラムミスによる不具合」として扱われるが、「バグのかけら」となると「ジャンクデータの集合体」ということにもなっているようだ。
見た目は青紫の毒々しい色をした泥の塊のような感じで、このビジュアルはエグゼ3から設定された。

なぜバグのかけらが発生するのかは作中では詳しくは語られてないが、多くはデリートされたナビやウイルスの残留データが何らかの拍子に変化したものではないかと思われる。*1
バグのかけらを放っておくと電脳世界に悪影響を及ぼしたり、野生ウイルスの餌になったりするので、見かけたら速やかに回収することになっている。
電脳世界ならではの環境美化運動と言えるかも知れないが、一般のナビでは回収したところで持て余し、結局今度は自分に悪影響をもたらしかねない厄介な代物。
しかし見る人が見れば貴重なシロモノであり、バグのかけらを貴重なチップやナビカスプログラムと交換してくれる「バグのかけら交換屋」や、バグのかけらの中から使えるデータだけを抽出しアイテム化できる人物がいる。

これらの存在などを考えると、存在自体が邪魔な全くのゴミという訳でもない様子。
そのような技術を持たない一般ナビにとっては交換用のアイテムでしかないが。

後述のように「2」ではなかなか見かけなかったバグのかけらが「3」以降大量に増えたのは、「3」にて実装されたナビカスタマイザー(以降ナビカス)が原因であるとされている。
ナビカス以前のパワーアップパーツは科学省で徹底的にデバッグされていたが、ナビカスはオペレーター自らがカスタマイズを行うため、結果として知らず知らずのうちにナビカスのルールを破ってバグを引き起こしてしまう事態*2が発生。
それらのナビがインターネット上で活動して結果的にバグを振りまいたことにより、バグのかけらが蔓延してしまったのかもしれない。
なお、エグゼ4以降はナビカスでバグが発生するとココロウィンドウが明滅してオペレーター視点でもより分かりやすくなったため、「3」ほどの事態にはならなくなったと思われる。

その他の特徴として「大量のバグのかけらが1か所に集合すると、獣のような形になって自我を持つ」というものがある。
エグゼ2のゴスペルや、エグゼ6のグレイガはこのようにして誕生した。
違いを挙げるとするなら2のゴスペルは人為的にバグのかけらを集中させて造られた存在*3であるのに対し、グレイガはインターネット黎明期の大量のバグのかけらが偶発的に集合して生まれた存在である。
また、大量のバグに侵食された結果、ただのインターネットだったものが原始的な意思を持つようになったのがプロト


バグのかけらの歴史

GBA版の本編についてのみ記す。

エグゼ2

初登場作品。
後の作品とは違い入手法は「物陰や電脳世界に落ちているものを拾う」しかなく、個数も有限で全32個。
使い道は「コトブキスクエアにあるバグのかけら交換屋でバトルチップに交換してもらう」
ゼウスハンマーをもらうためにインターネット中を探しまわったプレイヤーも多いのではないだろうか。
なお、ここで渡したバグのかけらがおそらく……
ちなみにこの交換屋のチップもエグゼ2の増殖技で何度でも入手可能。


エグゼ3

本作からバグのかけらは無限に入手可能になり、入手したバグのかけらの個数がメニュー画面に表示されるようになった。
また、バグのかけらの使い道が最も多かった作品でもある。
バグのかけら交換屋がギガクラスチップ(必要個数300個)を扱うようになり、それ以外にもウイルス飼育のための餌になったり、バグのかけら10個を消費してチップを排出するバグピーストレーダーが登場するなど、普通にゲームを進めるだけでも3桁~4桁のバグのかけらが必要になる。

とりわけバグピーストレーダーに関しては、排出されるチップが他のトレーダーよりも更にレア度が高いものが多く、ライブラリコンプリート最後の手段としても有用。
カスタムスタイル限定チップ*4やブラザースタイル限定のV4ナビチップ*5だって排出される。
設置場所がクリア後に行けるシークレットエリア3の最奥部であり、その頃にはバグのかけらもだいぶ有り余っているはず。
そして本作に限り、『バグのかけらを300個バグピーストレーダーに投入する』がとあるフラグとして組み込まれているので、必然的にこのトレーダーを回さざるを得ない。
もっともここでの排出対象チップは他のトレーダーから一切出ないものも多いため、いざ引いてみたら想像以上にレアチップがゴロゴロ排出されて驚くはず。

入手方法としては「ミステリーデータから入手する」以外に「依頼の報酬」や「ウイルスやナビをカウンターで撃破する」などがある。
しかもエグゼ4以降のカウンターシステムと異なり、攻撃モーションに合わせて止めを刺すタイミングさえ合致していればカウンターになるため、手段はバスターでも暗転チップでもなんでも構わなかった。
ウイルスなら1回のバトルにつき1体カウンターで1個、2体カウンターで3個、3体カウンターで8個手に入る。
スタイルチェンジに必要な戦闘回数ノルマがてら稼ぐとちょうどいいかも。戦う敵の強さは関係ないため、リフレクトすると確定でカウンターになるキャノーダムなどが楽だろう。
バグのかけら10個=1ガッツを決定した作品でもある(後述)。


エグゼ4

「カウンター撃破でのバグのかけら入手」ができなくなり、代わりに「バトルミステリーデータから入手」が追加された(最大5個)。
どのウイルスと一緒にバトルミステリーデータが出現するかはパターンで決まっているため、エネミーサーチや特定の属性エンカウント率上昇プログラムを駆使すれば、多少は稼ぎやすくなる。
ギガクラスチップが100個で交換できるようになるなど全体的に必要個数が少なくなり、ストーリーを進めるのにバグのかけらが必要な場面がなくなったため、そこまで集めるのに躍起になる必要がない。

交換しきったら後の使い道はバグピーストレーダーぐらい。ブラックアース2に設置されており、辿り着けるのは3周目になってから。
本作では入手方法がやたら限定的なフルカスタムをはじめ、メガクラスが大量にラインナップされている。特定の周回でしか取れないミステリーデータなんてのもあるので、割り切ってここで入手してしまうのもあり。
ユニゾンナビ以外のナビチップDSも排出される…が、ブラックアースのランダムミステリーデータからもナビチップDSは出現するので、そこは嬉しくない。


エグゼ5

入手方法に「リベレートミッション中にアイテムパネルから入手」が追加された以外には特に変更点ナシ。
プレイヤーが直接集めるわけではないが、ダークチップの製造過程で大量のバグのかけらを使用している場面が見受けられる。
バグピーストレーダーが設置されているのはネビュラホール6。到達するにはスタンダードコンプリート・メガクラス40種が必要。
残りメガ20種を引き当てるためにここでガチャ廃人になるか、頑張って該当ナビを探して電脳世界各地をうろつくかはプレイヤー次第。


エグゼ6

入手方法に「金のミステリーデータから入手する」(10個)「ウイルスバトラーの2回目以降クリア報酬」が追加された。
まず金のミステリーデータに関しては、電脳世界のランダムミステリーデータのどれかが、超低確率*6で金のミステリーデータに変化するというもの。
もっともインターネットのどこに出現したかも行ってみなければ分からず、さらに中身はプラグインした時点で抽選されるため、これを狙うのはあまりにも無茶がすぎる。
次にウイルスバトラーに関しては、初回報酬はチップ固定だが、2回目以降の報酬はゼニーかバグのかけらの2択となる。
難易度と報酬のバランスでは、おしおきイスの電脳にあるウイルスバトラーVer.3(1500ゼニーまたはバグのかけら6個)がおすすめ。
5連戦と比較的短く、更にイモータルエリアに出現するツボリュウさえゲットできればほぼ安定してクリアできる。

またバトルミステリーデータからも入手可能。得られる個数は後のエリアになるほど多くなる。
グレイブヤード1でデモンズアイ×2の配置と一緒に出現するものが狙い目。外周に沿って2体、ミステリーデータは真ん中のマスという配置のため、ブーメランを1発投げればデモンズアイだけを確実に仕留められるからである。
ちなみにグレイブヤードで出現するバトルミステリーデータの中身は3000ゼニー・リカバリー300J・リュウセイグンR・バグのかけら×5のいずれか。
どれが出るかは勿論ランダムなため、ブーメランをレギュラー指定し、エネミーサーチを使って延々とこのデモンズアイ×2をブーメランでしばき倒す稼ぎ作業が今作のエンドコンテンツと言っても過言ではない。
それ以外にも特定イベント限定だが「ソウルウェポンが変化したものを入手」もある。

エグゼ6の特徴は「バグのかけらを消費して攻撃を放つギガチップが存在する」こと。
「バグライズソード」「バグデスサンダー」が該当し、使用するとBボタンチャージがそれぞれ「攻撃力200のダークソード」「攻撃力200のダークサンダー」に変化する。
それぞれの元の性能はダークチップの項目を参照。
一人プレイだろうが対戦だろうが等しく消費される。なおバグのかけらがないとただのソードとサンダーボールになる。
特にバグデスサンダーは非常に強力なのもあって、ファルザー版ユーザーは延々と収集し続けることに……

本作の隠しエリアにあたるグレイブヤード(墓場)はその名の通り、今までに登場した全ネットナビの名前が刻まれた墓石が複数置かれており、シリーズ最終作に相応しいエリアといえるのだが…
「3」のナビ達の墓石のすぐ近くにバグのかけら10個が配置されているのは何らかの意図を感じずにはいられない。
またバグピーストレーダーはグレイブヤード1に設置されているのだが、グレイブヤード2から迂回して来なければ到達できない位置にある。
仕様上スタンダード・メガクラス共にコンプリートしてからでなければ辿り着けないため、過去作に比べてありがたみが少ない。
まして上記の通り、バグのかけらを消費するチップの存在で、尚更無駄遣いする理由がない…が、対戦でよく使われるノイズストームのコードG*7はバグピーストレーダーからしか排出されない。
その点においても、やり込みネットバトラーは結局バグのかけらを稼ぐ必要に駆られるのであった。


「ガッツ」

前述の通り、エグゼ3はストーリーの攻略に大量のバグのかけらが必要になるため、プレイヤー達は効率のいい稼ぎ方を模索していた。
そこで行き着いたのは「ナビをカウンターで倒すこと」であり、これなら1回で10個のバグのかけらを入手できる。
そのことが分かった時、プレイヤー達はあるナビに目を付けた。

「攻撃が大ぶりでカウンターをとりやすく」「話しかけることで何度も戦うことができ」「最大HPがそれほど高くないため倒しやすい」まさに絶好のカモ、それが……








ガ ッ ツ マ ン



かくしてバグのかけらを求める数多のプレイヤーによって星の数ほど倒されたであろうガッツマン。
どこかのボスのように延々と殺され続け、延々とバグのかけらを10個出してくれるガッツマンに敬意を表し(?)、
プレイヤー達はいつしかバグのかけらの単位に「ガッツ」を用いるようになった……たぶん

この呼称はカウンターによるバグのかけらゲットが廃止されたエグゼ4以降でも呼ぶ人は呼んでいる。

だからバグのかけらのことガッツマンってよぶのやめろよ!

ちなみにこの稼ぎ方は究極攻略シリーズでも推奨されている。ガッツマンとデカオ涙目。



オ オレさまは何回死ぬんでガス!?
次はど……どこから……い…いつ『襲って』くるんでガス!?
オレさまは!
オレさまはッ!
オレさまのそばに近寄るなでガス――――ッ!!!(ガッツハンマー振り上げ)


プログラムアドバンス!

マ ス タ ー ス タ イ ル



ENEMY DELETED!



RESULT
デリートタイム 0:08:05
バスティングレベル S
GET DATA
ガッツマンV3 G バグのかけら 10

「ボウル」

時は流れ2023年。1〜6までバージョン違い含めて全タイトルを収録した『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』が発売された。
もちろんエグゼ3も収録されているし、もちろん3では膨大な量のバグのかけらが必要になる。もちろんコオリホウガン mも。
しかし本作には攻略や稼ぎ作業を楽にするために通常バスターの攻撃力を100倍にする「バスターMAXモード」が用意されている。
プレイヤー達は早速ワイリー城のデカオの下へ向かい、超火力のバスターでガッツマンを血祭りにしていた。しかしある時BLACK版では別のナビが注目される。
それがボウルマン(V3)。初手がランダムなガッツマンと異なり、こいつは必ず「ロックマンの正面最後列からガトリングピン」という行動をとるため、相手に合わせて動く必要がない。そのため連射コンを用意すれば放置するだけで無限にバグのかけらが稼げてしまうのである!
ボウルマンのHPはガッツマンより700も多いのだが、100倍バスターの前ではそんなものは誤差でしかないのだ!
かくしてボウルマンは新たなバグのかけらマンとして今日もどこかで乱獲されるのだった…
なお、通常版のミストマンはランダム行動のため、引き続きガッツマンが餌食になる。合掌。


追記・修正は一口大に焼いたバグのかけらを一気食いしてからお願いします。バグバグバグ!!
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年07月05日 18:45

*1 余談として、現実における「ジャンクファイル」は、インターネットブラウザを閲覧する際のキャッシュだったり、他にもアプリケーションが何らかの処理を行う際にシステムを一時的に補助するために作成したが、それが終了しても削除されずに残ったままのファイルを指す。放置したとしても害はないが、増えていけばストレージを圧迫してパフォーマンス低下に繋がるので削除推奨。PCならディスククリーンアップで不要なファイルを削除したり、またスマホによっては再起動すればジャンクファイルを自動的に削除してくれたり、Android向けアプリ『Files by Google』ではジャンクファイルだけを検出・削除する機能もある

*2 一応起動時にナビが異常を知らせてはくれる

*3 ただし帯広シュンがバグを一極集中させたのは究極のナビを作り出すのが目的で、ゴスペルのような獣型になったのは想定外だった

*4 ボルカノキャノン、グレートウェーブ、バーニングクロスの3種。もっともこの3種は全部、病院のチップトレーダーSPからでも排出される

*5 本来の手段以外ではバグピーストレーダーが唯一の入手法。ただし通常版/BLACK版限定のミストマン/ボウルマンはバグピーストレーダーでも排出されないため、自力で条件を満たすか、プレイしている方のバージョンに出現しない方は別バージョンから通信交換orライブラリコンペアしてヒグレヤで取り寄せるしかない

*6 一説では17/71の確率で出現するとも言われているがソース不明

*7 バグで攻撃範囲を広げた上で、同じコードGのアンインストールを付与してナビカスリセット狙いといった戦法