モンスターファーム(初代)

登録日:2014/08/05 (火) 23:46:15
更新日:2022/03/22 Tue 22:10:32
所要時間:約 8 分で読めます




テクモが1997年7月24日にPlayStationで発売した育成シミュレーションゲーム。
知る人ぞ知る名作、モンスターファームシリーズの初代作品である。
また2019年後半にはスマートフォンとNintendo Switchへと移植された。

しかも単なる移植だけに留まらず、2020年のアップデートによって、新規のモンスターが追加されたり、ユーザー参加型の大会が開催されるなど、今後の展開にも期待が持てそうである。

また、シリーズ25周年を迎えるにあたり、MF2とセットになったDX版がSwitch及びPC(Steam)で展開されることになった。

システム

新米のブリーダーである主人公=プレイヤーは助手のホリィと共に多種多様なモンスターを育て、最終的にモンスターバトルの最高峰である四大大会を制覇し、名人となることが目標である。
もっとも名人になった時点で終わりというわけではなく、一旦エンディングを迎えた後も育成は永遠に続いていく。


モンスターファームシリーズの最大の目玉となるのが、円盤石=手持ちのCDを読み込んでモンスターを再生することである。
当時の子供は誰もが自分の手持ちや親兄弟のCD棚を漁りに漁って多くのモンスターを再生した経験がある筈。
初代の時点で基本12系統、レア8系統、総計215種類という多くのモンスターが存在していた。
スエゾー、ライガー、ガリなどといった後のシリーズでもお馴染みの種類や、
ゴーレム、ドラゴンといった一般的なファンタジー作品でも有名な生物。
更にはマジン、ラクガキ、ディスクのような初代のみに登場する色物モンスターなどその種類は千差万別。


そうして生まれたモンスターを働かせたり修行に出したりして鍛えていき、大会に参加して多くのライバルたちと競い合わせ頂点を目指していく。


もっとも、四大大会の制覇というのもシステム上の最終目標であって、単に好きにモンスターを育てて和んだり、図鑑のコンプを目指したり、公式戦以外の大会で荒稼ぎしたりと、遊び方もブリーダーによって様々であると言える。

登場モンスターたち

  • 最初から再生できるのは以下の13系統。

  • そして、条件を満たすことで再生できる種族が7系統存在する。

育成

初作品ということもあってかバランスが大味な部分も多く、始めたばかりの序盤はともかく、ある程度金が貯まってしまえば、餅と草と場合によって薬を少々与えて修行に出すだけの簡単な育成です。になることも多い。


それでも2ほどではないにしろ、序盤は資金不足に悩まされることになる。
といっても2のトレーニングとは違って、仕事をすると僅かだがお金も入るので、少なくともモンスターのエサ代くらいは賄える。
ストレスや疲労による寿命軽減はあるものの、そこまで極端な仕様でもないので、環境と資金さえ整っていれば毎月修行漬けの日々にしても問題ない。


いっそのこと最初の一匹目はB~Aランク程度で留めて、大会で資金を稼ぐ用のモンスターと割り切るのもいいかもしれない。
毎回修行に出せる程度に金が貯まれば薬が無くても四大大会制覇用のモンスターを育てるのもそう難しくは無い。

対戦

2とは違ってガッツ回復の速度と補正に関係は無く、純粋に速ければ速いほど有利である。
おかげでフルモン(ALL999)が基本の大会などではガッツゲーと皮肉られたりも。
(現に初代の公式戦で最も猛威を振るったのが、重量級だらけのトーナメント表を勝ち上がってきたあの「ポチ」ことベニヒメソウである)

敵モンスター自体も後の2と比べるとだが能力的にはそれほど高くは無く
ある程度極めてしまえば殿堂入りモンスターを量産するのも難しくは無かったりする。

そういったバランス的な面も含めてか、どちらかといえば続編の2の方が評価が高いと言えるのだが
決して初代が一つの作品として劣っているというわけではないので、そこだけは絶対に勘違いしないように。
覚えることが少ない分こっちの方がとっつきやすいと見ることもできるのだから。

実際のところ2以降はリストラされたディノを始めとする本作のみに登場するモンスターへの愛着。
成長段階ごとに細かく変化し、体型変化も顕著に反映されるモンスター達を眺める派閥。
後のシリーズと違う初代におけるゴーレムやドラゴンのデザインを好む者。
2と比較するとスピーディーな試合におけるテンポ運びや、試合前や勝敗の演出。
不親切なコルトと違って毎回ピーク時期や引退時期を教えてくれるホリィの優しさなどから
2よりも初代の方が好きだという声も決して少なくはない。


なお移植版ではそもそもCD読み取り機能が存在しないため、公式が用意した50万タイトル以上の音楽やゲームの円盤石再生用データからモンスターを生み出すことになった。
あの頃は入手困難だったレアモンも再生し放題である。実際には円盤石がログインボーナスと対戦ボーナスでの入手となったため無制限とまではいかないが。
勿論、当時存在しなかった楽曲からもレアモンや固有能力のモンスター(例えばフリージアでトカイノハナ等)が出るケースも沢山ある。


登場人物


ホリィ

プレイヤーの助手を務める。何百年経とうが決して容姿が変わらない永遠のしょうじょ。
上述したように助手としての腕前はコルトよりも優れているが、招待試合で毎回カルナボの正体に驚くなど少々抜けている面もある。
続編では彼女もブリーダーとして登場する。

テスカ先生

ホリィの師匠で凄腕のブリーダーとして有名だったとのこと。
時折登場してはアドバイスをくれたり、毎回ヘンガーの土偶を組み立ててくれたりと要所要所でお世話になる。
そしてホリィと同様、何百年経とうが衰える素振りすら見せないハッスルおじいちゃん。

カルナボ

プレイヤーやホリィを度々冒険に誘う探検家のおっちゃん。
本名はサー・トーマス・カルナボで、実はFIMBAの権威者というかなり偉い人だったりする。
彼の冒険によって資金を大量に稼いだ人も多いだろう。

アイテム屋主人

名称不明。禿げ頭の気の良さそうな中年オヤジ。
ホリィとは昔から知り合いだったようで、新米ブリーダーであるプレイヤーにも気さくに接してくれる。
また、モンスターの葬式にはどんなに人気が無くても必ず参加してくれるいい人。

修行場管理人

名称不明。金髪メガネの如何にも事務員といった雰囲気の女性。
2のエロウ程露骨ではないが、駆け出しの頃は「ああ、どうも」と対応が事務的。
ブリーダーランクが上がってくると「これはホリィ様」と丁寧な対応になる。
続編の「4」には、「ピエール」という名の彼(彼女?)に酷似した眼鏡の男性が登場する。


序盤のオススメモンスター


ディノ(純血種除く)

のちのロードランナーやシグニールにあたる、サウル種の祖である。
その中ではちからの初期値と伸び率が最高クラスで、命中も初期値は低いが伸びにくくないアンキロックス(×ゴーレム)がおススメ。
初期から大ダメージ技を持っているのも◎。
次点は命中を筆頭に全体的に初期値と適正が高く、特別言う事聞かないこともないガリニクス(×ガリ)あたりか。
逆に純血種は防御系能力の適性がすべて悪く戦い辛いのでオススメできない。

ゴーレム

命中の悪さや遅いガッツ回復が気になって初心者は敬遠しがちだが、
命中適性のある派生種を選べば強力な技の数々である程度ゴリ押しが出来る。
またCOMは露骨なガッツロックなどしないので、ガッツ回復の遅さもCOM相手なら気にならない。
モンスターの中でも特に従順で手がかからないのもあって、むしろ初心者や金の少ない序盤にこそおすすめしたい種族。
マグナビートル(×ワーム)、ケンプファー(×モノリス)辺りが特に育てやすい。

ピクシー

修行に出せなくてもサーカス、郵便配達辺りを繰り返せば命中、回避、かしこさは十分高められる。
代償としてちからと丈夫さが最低になり実質オワタ式と化すが当たらなければどうということはない。
なお、純血種は図鑑の説明どおりわがままなので、従順で適正がバランスよく高いエンジェル(×ガリ)あたりや、同じく従順でよりスピードに特化したミント(×ライガー)がおススメか。
基本寿命が250週と短い点だけは注意。

ワーム

モノリス派生のクロザザムが丈夫でライフもあり、ちからや命中もそこそこと優秀。
何より基本寿命が300週と長く、ダメージの大きい技も豊富なので活躍させやすい。

ハム

丈夫さ以外のすべてが高く、良く伸びるという3でいうタコピのような能力バランスを持ったハムリーフ(×プラント)が使いやすい。
当たらなければどうということはない。そうやってチャンスができたら殴り倒してやればいい。
基本寿命が260週とやや短めなのが気になるが、正義感の強さからブリーダーに非常に忠実で手がかからない点は◎。


辺りだろうか。


暴論且つ極論を言ってしまえば、ちからと命中は数十年の後にショップで発売されるようになる
薬ことトロカチンEXでいくらでも上げられるので、その二つの適正はガン無視しても問題なかったりする。
代償として寿命が大幅に削られるが、その辺も黄金モモや卵カブリの複数投与で補うことができる。
その結果生まれるのが、体当たり(のちのウィンディランス)一発でゴーレムをなぎ倒すピクシーだの、フェイスドリルでモノリスを粉微塵にするプラントだの、技性能に対して貧弱だったのが覚醒したニャーといったとんでもねー連中だったりするのだが。

なお、リメイク版では若干の調整が行われており、トロカチンシリーズの寿命消費が3倍大幅に増えていたり、プラント種のガッツ回復が最大で8までと若干遅くなっていたりするので注意。


CM


狭い部屋にもかかわらず、「ちゃんと育てるから」と言って巨大なカバを連れ込んだ息子と、「バトルが見たいのよ」と言って大柄な関取2人も連れ込んだ娘に、母親が「ダメよ、返してらっしゃい」と突っぱねる*1という非常にシュールな内容。
そんなお子様の気持ちに応えられるのがモンスターファームということらしい。

余談


関連書籍として今は亡きゲーム雑誌「じゅげむ」からファンアイテムとして名高い「モンスターファームマニア」が出版されている。



追記・修正はブリーダーとして合格し、名人を目指す気のある方がお願いします。

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最終更新:2022年03月22日 22:10

*1 当たり前である