登録日:2014/12/01 Mon 13:50:44
更新日:2025/06/20 Fri 20:43:43
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概要
ティミー(Timmy)、ジョニー(Johnny)、スパイク(Spike)、ヴォーソス(Vorthos)、メルヴィン(Melvin)とは、
トレーディングカードゲーム(TCG)の開発において、カード開発の際に対象となるユーザーを大きく分類したものである。
提唱したのは
Magic the Gatheringの開発元であるWotC社開発部(通称R&D)の筆頭デザイナー、マローことマーク・ローズウォーター氏。
TCGの楽しみ方は人によって千差万別であり、新しいカードへの需要も十人十色。
全てのプレイヤーが求めるものを的確に供給することは難しいため、プレイヤーのスタイルを大きく分類し、広い需要に合わせたカード開発を行うための指針として使われる。
ぶっちゃけMTGでしか使われていない。ただしその考え自体は他のTCGにも応用でき、メルヴィン以外はむしろ売り上げの原動力として重要視されている。
MTG(とデュエル・マスターズ)はスタッフが開発部のネタを開陳するのが大好きな文化を持つというだけで、開発部の偉い人があまり顔を出さないゲームでもそういう開発指標はあるのかもしれない。
注意点として、これはあくまでも開発時に方向性を決めるための指針であり、全てのプレイヤーが分類できるわけではない。
1人で多くの楽しみ方をするプレイヤーもいれば、同じ分類の中でも更に細かく分類できたりもする。
そして何より、どのスタイルが正しく、どのスタイルが間違っているというわけでもない。
間違っても、「彼はジョニーだから悪いプレイヤーだ」「スパイクがEDHやるなよ」などとレッテルを貼るのには使わないように。
ちなみにこれらの名称はプレイヤーのサンプルとして名付けられただけで、名前そのものに深い意味は無い。
元WotC社デザイナーのマイケル・エリオット氏が
バトルスピリッツのコラムで言及した際には、ティミー、ジョニー、スパイクをそれぞれ
ジギー、
クラッキー、マックスと呼んでいた。
こういった「顧客の対象を具体化する」手法はペルソナと呼ばれ、玩具に限らずYoutuberから高級レストランの食事に至るまで、様々なものに使われるビジネスの基本的なテクニックである。
オタク界隈も結局こういう分類ができる人が伸びていくのだ。
楽しみ方の分類
ティミー
TCGに「
楽しい体験」を求めるプレイヤーとされる。
ゲームそのものを楽しむプレイヤーであり「かっこ良くて強いクリーチャーを呼び出して戦いたい」「みんなでワイワイ遊びたい」ということを求める。
いわゆる
ファンデッカーのシンプル寄り。
勝ち負けやカードの流行を重視しないわけではないが、それらよりも「体験」を重視するプレイヤー。
開発・販促上ティミーに対しては「一見して強さがわかりやすいカード」「
全く新しいルールでのゲーム」などが主に有効とされる。
いわゆる「嫁カード」「相棒カード」のようなこだわりがあったりするタイプであり、スパイクの中にもティミー気質の人は結構いる(単にそういうデッキじゃないと勝てないだけだが)。
一方で「デカブツを好む傾向がある」という説明が長いこと支配的だったため
非常に見下されやすい。ティミーに分類されるたいていの日本人が「ジョニー」を自称する理由がこれ。
一概に「単純な顧客」というわけではなく、彼らが満足するカードを作るというのはこれが結構難しい。該当するプレイヤーの性癖が広すぎる。
最近よく問題になる「統率者のガチ・カジュアル問題」でお気持ち表明したがるのもこの層だ。
遊戯王でいえば《E・HERO ネオス》をコンタクト融合して戦うのが好きな人の他、ゾンビのように酷使するタイプもこれに該当する。
多くのTCGにおけるデザイナーズ・コンボやテーマデッキを使って遊ぶのが好きなプレイヤーの大半もこれに該当する。
ジョニー
TCGに「
自己表現」を求めるプレイヤーとされる。
ゲームで
自分だけのプレイやデッキを皆に披露したいプレイヤーであり「独自のコンボやデッキを発見・開発したい」「
誰も使わないようなカードを使ってみたい」ということを求める。
同じくファンデッカーの
ロマン寄りで、改良の余地がほとんどないテーマデッキや露骨なデザイナーズ・コンボを避けたがる。
「自己表現」を求めているため、知名度の高いデザイナーズデッキや流行デッキは好まないことが多い。あくまで「相手の驚く顔を見たい」「相手を翻弄したい」のだ。
つまり「これまでにない独特のギミック、かつそれが制御可能なもの」を考えなければならず、ジョニーに対するカード開発が最も難しいとされる。
また、ルールの抜け穴を突いてしまい予想外の挙動を見つけ出したりも。
理知的な印象があるため、カジュアルな日本人はたいてい「自分はジョニーである」と自称する他、一時期流行した「今週の電波デッキ」タグはジョニーの集合知とも呼ばれ、
わけのわからないデッキを配信者自身のプレイスキルで御すという、「俺専用に改造したデッキだ。ピーキーすぎてお前にゃ無理だよ!」といわんばかりの金田のバイクテクのような動画が1週間に1度くらいのペースで投稿されていたものである。
遊戯王でいえば《E・HERO ネオス》を《ヒーロー・マスク》で捨てて、融合モンスターの名前を変えて《コンタクト・アウト》を使うような人。
あるいはノーマルレアのカードを見てワクワクを思い出しちゃう人だとか、満足ループみたいなソリティアを考え出したりとか。
原作の「チーム太陽」あたりもこの辺かもしれない。
スパイク
TCGに「困難な挑戦」を求めるプレイヤーとされる。
すなわちゲームに勝利すること、そしてトーナメントで結果を残すことを目的とするプレイヤーであり、「誰も目をつけていない強力カードで環境を制したい」「完成したデッキ、または環境に則したデッキを創りあげたい」ということを求める。
いわゆる「ガチデッカー」である。
「困難な挑戦」の最終目標はやはり「プレイヤー内の頂点に立つこと」であろう。
彼らに対しては極論をいうと「強力なカードを開発する」ことで需要を満たせるが、強力なカードを作り続けるとゲームがインフレしてしまうし、
そもそも単なる娯楽商品なのであんまり雑にインフレを重ねるとスパイク自身が離れていってしまうことも問題となる。
カード開発そのものは難しくないが、ゲームの寿命を維持するための長期計画は組みづらいとされる。
いわゆる「意識高い系」のプレイヤーも該当しやすく、たびたびカードゲームで温度差をテーマにした問題提起が提唱される際に悪者にされてしまう。
その一方で「強いプレイヤー」「正義のプレイヤー」というお墨付きを与えやすいことから、ゲームを放置しておくとどんどんスパイク化、つまり意識高い化が進んでしまう。
一時期のMTGはプレイヤーの半分以上がスパイク(とトレーダー崩れ)となり、ゲームの寿命自体が危ぶまれた。ここにテコ入れを行ったのが背景ストーリーの刷新や「統率者戦」の制定である。
また、スパイクも意識の高い人ばかりではなく、「MTGより日常生活の方が大事でしょ」「趣味は他TCGです」とズケズケと言っちゃうような愉快なオッサンや、コラムの切れ味が鋭い人も結構多い。
スパイクとして有名なプレイヤーの中には「オリジナルでデッキを組めば常に分からん殺しできるじゃん。なんでみんなやんないの?」という意味不明な発言をするジョニー気質の人もいるし、謎の自主製作映画風宣伝ムービーに出演するヴォーソスみたいな人もいる。
当wikiではカード解説ではティミー気質の素朴な編集者が多いが、インターネット上、特に不特定多数が集う匿名空間ではスパイク気質の発言者がかなり多くなる。
遊戯王でいえば自分の持ってる《E・HERO アナザー・ネオス》を使ったメタビートを「E・HEROデッキって言えるようなもん、これしか持ってないよ?ほんとにやるの?」と若干いやそうに紹介する人。
勝利だけを求め、その中で鍔迫り合いを行うのが大好きなプレイヤー。たとえば遊戯王の原作ネタはあくまで漫画やアニメとして楽しみ、ゲームに持ち込まれることを好まない。
以上の3つの大分類があり、さらにそれらも細かく分類が可能とされているが割愛。
所詮は大分類であり、絶対的なものではないということは覚えておきたい。
たとえば(当時の分類での)ティミー、ジョニー、スパイクの3種類のプレイヤーが大満足したカードにこんなものがある。
Doran, the Siege Tower / 包囲の塔、ドラン (白)(黒)(緑)
伝説のクリーチャー — ツリーフォーク(Treefolk) シャーマン(Shaman)
各クリーチャーは、パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る。
0/5
実質3マナ5/5かつ、対戦相手の頭でっかちを弱体化させるというテキストを持つカード。
この性質はスパイク気質のプレイヤーを「そもそも戦略の軸として依存しやすい=除去されるとデッキ自体が脆くなるこれを入れるべきか?入れるにしても自分のデッキをドランに寄せるべきか?」という問題提起で悩ませ、
ティミー気質のプレイヤーを「ふはははー!3マナ5/5はつよいぞー!かっこいいぞー!ついでに隣にいる《ツリーフォークの先触れ》は1マナ3/3、《不屈の古樹》は4マナ10/10だ!」と喜ばせ、
ジョニー気質のプレイヤーを「どうにかしてこれで電波デッキ組めないかな、たとえば覇権と組み合わせてモードを自在に切り替えたり……」とワクワクさせたのである。
逆に彼ら全員にそっぽを向かれたカードというのもある。
Molten Sentry / 溶鉄の歩哨 (3)(赤)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
溶鉄の歩哨が戦場に出るに際し、コインを1枚投げる。表が出た場合、溶鉄の歩哨は速攻を持つ5/2のクリーチャーとして戦場に出る。裏が出た場合、溶鉄の歩哨は防衛を持つ2/5のクリーチャーとして戦場に出る。
/*
コイントスの結果でスタッツが決まるカード。
スパイク気質のプレイヤーは「テキストを読んだ時間を無駄にしたな」と見向きもしない。
ティミー気質のプレイヤーは「4マナ5/2って弱くない?しかも半分の確率で単なる壁?なんなんだこのカード?何に使えばいいの?」と疑問を持つ。
ジョニー気質のプレイヤーは「そもそもコイントスが制御できないなら、多少デメリットを持っていても普通の4マナでパワー5のカード使った方がいいよ」となる。
マーク・ローズウォーター直々に「すべてのプレイヤーが満足できるカードを作ろうとして、結果的に誰にとっても不満足なカードになってしまった」と言われたカードである。せめてスタッツがもっと派手ならね……。
また、前述したように1人のプレイヤーが多くの分類に属していたり、プレイを続けているうちに他の分類に変わったりもする。
そもそもこの分類自体、歴史とともにかなり変わってくるものである。
たとえばテキストが複雑化してデカブツを出すのがとても簡単になったゲームにおいては、むしろティミーは「小粒のクリーチャーで一気に勝ちを拾う」ような奇妙なデッキを好むようになるし、
ジョニーというのはテキストを自分で組み合わせるのが好きな生き物なので、むしろかつてのティミーのような派手な動き……何度も同じカードを使い続けて相手を殺すなど……をもって自己表現をするようになる。
コラボカードやメディア展開が盛んになれば、ヴォーソスは「ワッカの到達は遠距離や飛行に強い性質の再現って分かるけど、トランプルって何?」というところに様々な理由をこじつけるようになる……つまりメルヴィン化していく。
さて、この3つが「プレイヤーの分類」であるが、それに加えて「デザイン観の分類」というものも存在する。
デザイン観の分類
ヴォーソス
カードの世界観や
フレーバーテキスト、カードイラストなどを重視する。
同じシリーズや背景ストーリーで仲間であるカードでまとまったデッキを好む。
また、TVアニメや漫画とタイアップした作品ならば、その作品が好きでキャラクターが使用したデッキを求めたりもする。
プレイヤーではないためテキストの強さはわからないが、カードそのものの価値を求めるコレクターがヴォーソスの最たる例だろう。
遊戯王でいえばネオスを使う際にいちいち十代の口上を述べたり、《C・ドルフィーナ》のようなカードをデッキに入れて思いっきり事故ることを楽しんだりする人。
つまりメディア展開を並列していればそっちからカードにお金を落としてくれるようになるという、もっとも作りやすい極上の顧客。すでにTCG文化が始まって1/3世紀近く、他社の失敗を含めたノウハウなんて腐るほどある。
しかしその性質上、スパイクとの相性は最悪の一語。中には両立する人やゲームもあるだろうが、スパイク側からすれば「ごっこ遊びしたいなら俺をつきあわさないでくれねーかな」となるため。
たとえば1995年のMTGのプロプレイヤー、ズヴィ・モーショヴィッツ氏はあるカードに対して「このカードを使う奴はお子様なのさ」と辛辣な毒を吐いたこともある。
メルヴィン
カードのギミックやメカニズム、フレーバーではなくテキストそのものを重視する。
カード性能を第一とし、実際に運用した際の機能性を求める。ルールの穴を探したり、詰めパズルや複雑なコンボを構築したり。
原作があるTCGの場合、トレーズ・クリシュナーダが華麗なる勝利をひけらかす際の仲間がシャア、マッシュ、ガイア、自分をオルテガと言い張る精神異常者という意味不明な盤面になったり、
あずにゃんに
猿の手を融合し
暴走させるといった元の作品では考えられないデッキになったりも。
中には
ゲーム自体のバグを使ったギミックまで発表して物議をかもすことがある。
ジョニー気質が強めのプレイヤーがこの気質を持っていると、その独創性は手がつけられない。
本当に細かいルールの穴を的確に突いて、摩訶不思議な動きとともに勝利をもぎ取るため。
発想自体が異次元の領域になるため、単なるティミーやジョニーが「分かっていても普通やるか!?」というレベルで収まるのに対し、
メルヴィン気質が強いジョニーがデッキを組むと「そもそも何を言っているのかまったく理解できない……」となることさえある。
一方でルールをごちゃごちゃいじくるメルヴィンが、勝ちのためならなんだってするスパイクと組み合わさると最悪の一語。
たとえばMTGでは《人質取り》による無限ループでの引き分け、《運命のきずな》によるずっと俺のターンなどでたびたび問題となり、後者に至っては「開発部権限により没収試合」なんてもんが起きたほど。
また、「ラストバトル!」「ポールポジション」「タケキュウコンボ」のように、話ばかりが有名で実際に動いているところを現役のプレイヤーですら見たことがない都市伝説のようなデッキもメルヴィンの気質が生み出したものと言える。
「トランス」「エクストラウィン」「ジャッジキル」のようなものも、ある意味では「ルールという枠の中で勝利条件を満たす」ことに挑戦した結果の産物とも言える。
つまりTCGにおけるクソみたいな未解決問題は、実際に起きてしまった例を除いてだいたいこいつのせいである。
ただしルールがあるからこそTCGは面白いわけだし、彼らの発見からTCG自体のルールや文化が変わっていくこともある。
概念的にはマンチカンあたりが近いかもしれない。
遊戯王でいえば「《E・HERO ネオス》を《ヒーロー・マスク》で捨てて、《F・G・D》の名前を変えて《コンタクト・アウト》を使えばドラゴン族5体出せるじゃんね!」と発案するような人。
これは遊戯王OCGの歴史で実際に起きた事件で、このような使われ方が提唱されたことで遊戯王の融合絡みの裁定が変更された。
ちなみに《友情 YU-JYO》を使った「女の人の手を握る」「骨折している人にダメージを与える」などのギミックは単なる大喜利。
メルヴィンは「自分のライフが多い時に使えば相手のライフが増える。これが回復と見做されるなら《シモッチによる副作用》でダメージソースにできる!」とか考え始めるタイプ。
そしてこういう発想が却下されたりルールレベルで念入りに殺され、めげずにまたクソみたいな発想のコンボを思いついていくのだ。
満足スレあたりの住民も、考えようによってはジョニーよりメルヴィンに近いかもしれない。
以上が、カードデザイン観を大きく二分したものである。
この2つはほぼ相容れることのない要素であるが、極端にどちらかにしか属さないプレイヤーはほとんど存在しないといわれている。
多くのプレイヤーはカードのどちらの面も愛する「メルソス(Melthos)」と呼ぶべき存在だとも言われている他、
先述したように「ワッカのトランプルってバランス調整よりアタックリールの再現だと思うんだよ」というような、メルヴィン的な視点からヴォーソス的な要素を見出す人もいるし、
《マイコシンスの格子》というカードですべてをアーティファクトにした上でワッカで攻撃してゴリラのごとく機械を破壊していくエボンの狂信者と化させるような、ヴォーソス的な視点からメルヴィン性癖を満たすような人もいる。
極端な話、興奮する要素が「萌えイラストや原作再現」か「複雑なテキスト」か、みたいな分類なので、決して相反する要素というわけではない。
ティミー、ジョニー、スパイク。
ヴォーソス、メルヴィン、そしてメルソス。
これらはプレイヤーの側面でしか無く、これだけの要素を持つゲームはそれだけ奥深いとも言える。
各々のプレイスタイルを尊重し合い、ともにゲームを盛り上げていくのが正しいプレイヤーのあるべき姿ではないだろうか。
なお、MtGでは銀枠(ジョーク・エキスパンション)世界に上記の分類をネタとしたカードが存在している。
まずティミー。
Timmy, Power Gamer
(2)(緑)(緑)
Summon — (Legend)
(4):あなたの手札にあるクリーチャーを1体戦場に出す。
1/1
手札のクリーチャーのコストを踏み倒す、「かっこ良くて強いクリーチャーを呼び出して戦いたい」を体現したカード。
ちなみにフレイバーテキストは
Just wait till I get my Leviathan....
(俺のリバイアサンを引くまで待ってくれ...)
…いや、リバイアサンですか。わざわざ自分の土地をボロボロにするカードをあえてチョイスする辺り、かなりのこだわりを感じさせられる。
ちなみに再録時にはこう変わっている。
Just wait till I get my Gigantosaurus....
(俺のギガントサウルスを引くまで待ってくれ...)
5マナ10/10バニラに切り札が変わった。流石に色も合わずデメリットも強烈なリバイアサンを使うのはやめたようだ。
次はジョニー。
Johnny, Combo Player
(2)(青)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human)
ゲーマー(Gamer)
(4):あなたのライブラリーからカードを1枚探し、それをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
1/1
デッキから任意のカードをサーチする、「独自のコンボやデッキを発見・開発したい」を体現したカード。
そしてフレイバーテキストは
"Just wait till I get my Krark-Clan Ironworks, Genesis Chamber, and Grinding Station. Oh yeah, and a second Myr Retriever."
(クラーク族の鉄工所と起源室と研磨基地が出るまで待っててよ。あっと、あと2枚目のマイアの回収者もいるな。)
…簡単に言えばこの5枚が揃えば、無限マナ・無限
トークン・無限デッキ破壊の条件が整う。5枚中1枚しかパーツが揃っていないため、コンボが炸裂するのはだいぶ後になりそうである。
そしてスパイク。
Spike, Tournament Grinder (2)(黒/Φ)(黒/Φ)
伝説のクリーチャー ― 人間(Human) ゲーマー(Gamer)
((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。)
(黒/Φ)(黒/Φ)(黒/Φ)(黒/Φ):ゲームの外部から、あなたが所有していて構築フォーマットで禁止又は制限されたことのあるカード1枚を選び、それを公開し、それをあなたの手札に入れる。
1/1
デッキ外からマジックの歴史上で
禁止カードまたは
制限カードになったことのあるカード1枚を持ってくる。「強力カードで環境を制したい」を(ちょっと掟破りであるが)体現したカード。
ファイレクシアマナ(Φ)という上から下まであらゆる環境で暴れまわったシステムかつ、初心者が嫌う「自分のライフを削る」効果を持っているのも"Tournament Grinder"=勝つために大規模大会に足繁く通う人 という名前の通りである。
そしてフレイバーテキストは
"Just wait—I have a response."
(ちょっと待って ― それにスタックで)
大会などではどこでも聞くことになる応答である。スタックでどういう行動をするかは不明だが、例えばこの能力で《マナ吸収/Mana Drain》や《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を持ってきてしまえば上二人の計画はズタズタになることだろう。
2022年、満を持して登場したメガサイクルの四枚目はヴォーソス。
神話の重鎮、ヴォーソス/Vorthos, Steward of Myth (1)(赤)
伝説のクリーチャー ― 人間(Human) ゲーマー(Gamer)
神話の重鎮、ヴォーソスが戦場に出るに際し、名前のあるマジックのキャラクター1人を選ぶ。
あなたが、その選ばれたキャラクターが名前やフレイバー・テキストやアートに含まれている呪文を唱えるためのコストは(白)(青)(黒)(赤)(緑)少なくなる。この効果は、あなたが支払う色マナの点数のみを減らす。
[どんぐりシンボル付き - トーナメントでは使用できない。]
1/3
特定のキャラクターを選び、その色マナを軽減する。判定はかなりゆるゆるで、「別名・変身した姿でも可」「本人じゃなくて石像とかでも可」「ラクドス教団やアヴァシン教会のように個人名か団体名か区別がつかなくても全部まとめて可」「本名不明でも誰なのか特定できるなら可」などなど。
2コストで特定のカードを軽減、とくに多色であれば2コスト以上軽減することが可能であり、どんぐり銀枠でさえなければ普通に強い。なんならスパイクよりトーナメントで強いまである。地味にタフネスも3あり、他3人と比べて随分打たれ強い。ニコル・ボーラスのコスプレイヤーの彼女だが実際ボーラスは3色で重くて登場期間が長いので相性抜群。
そしてフレイバーテキストは
"Just wait,my Madara deck isn't all Emperor Bolas. There's an Umezawa Subtheme!"
(ちょっと待って、私のマダラ帝国デッキはニコル・ボーラスだけじゃない。梅沢もサブテーマに持ってるの!)
……ニコル・ボーラスデッキを組むにしても、レジェンド(1994年発売のパック)時代のテーマは流石に尖りすぎではないだろうか?
ちょっと待って、この項目はMTGだけじゃない。遊戯王とかポケモンカードとかシャドウバースもサブテーマに追記修正してほしいの!
- …こういう分類を見る度に『ある意味満足民ってこの縮図だよな』なんて感じてしまう。 -- 名無しさん (2014-12-01 18:23:42)
- 「このオレに小細工は必要ねえ!!力と度胸で押しまくってやるぜ!」「サイキック・ブロッカー特殊召喚します。カード名宣言します。もう一度サイキック・ブロッカー特殊召喚します」「半端な気持ちで入ってくるなよ…デュエルの世界によぉ!」「破壊神より放たれし聖なる槍よ!今こそ魔の都を貫け!シンクロ召喚!」「これがオレの無手札必殺・零式だぁ~っ!」 全部網羅してるな満足… -- 名無しさん (2014-12-01 21:47:46)
- 満足民はどれにあたるんだろうと思ってたらそもそもこれらの枠の中に収まる存在では無かったということなのか…… -- 名無しさん (2014-12-01 21:59:29)
- 『ハンドレス』という一見意味不明なかっこよさがあり(ティミー)、色々なカードで遊べないか常に考え(ジョニー)、構築次第で世界を制するほどのデッキパワーを持ち(スパイク)、使い手のファンデッキとしても非常に人気で(ヴォーソス)、隙あらば実用性皆無のループコンボで遊んだりする(メルヴィン)…ここまで個性的で色々楽しめるカテゴリはTCGでも滅多に無いよなぁ -- 名無しさん (2014-12-01 22:19:15)
- ↑ それらが互いに矛盾する事なく満足する=メルソス、かw -- 名無しさん (2014-12-01 23:56:27)
- 満族は満族という分類です(笑) -- 名無しさん (2014-12-02 04:04:31)
- 「ボルシャックやボルメテウスかっこいい」→ヴォーソス 「カレーパンはどこじゃあああああああっ!や→メルヴィンみたいな考え方かな? -- 名無しさん (2014-12-03 00:31:42)
- 店舗大会行くとわからん殺しに命賭けてるジョニーをよく見かける。って言うか自分だこれ -- 名無しさん (2014-12-03 09:01:34)
- 接待デュエルでも重宝しそうな概念である。 ティミーの切り札にはこちらの切り札以外ぶつけない、ジョニーのコンボは妨害しない等。 -- 名無しさん (2015-03-10 18:29:48)
- 日本人のスパイクはチューナーやアナリストが多い印象。メタが出そろってからが日本人の本領発揮だと思う。 -- 名無しさん (2016-04-24 15:38:50)
- スパイク出たけど書かないと遺憾な -- 名無しさん (2018-01-22 16:49:59)
- ↑2 日本人のスパイクはマジシャンのイメージがあるわ・・・ -- 名無しさん (2019-10-13 23:35:52)
- 追記修正の難度が高すぎる -- 名無しさん (2020-08-01 13:40:30)
- これらの要求を1枚で満たそうとすると、大味で、軸がずれていて、勝率の高いカードということになる。ティボルトの計略ですねありがとうございました。 -- 名無しさん (2022-10-27 22:04:03)
- ユーザーの分類を元にしたカードも残すはメルヴィンのみ。通例ならば白のカードになる。 -- 名無しさん (2023-08-03 16:09:24)
- ちなみにユーザーをこのように分類して体系化するのは「ペルソナ」と呼ばれ、ビジネスでも重要な概念だったりする -- 名無しさん (2024-12-22 11:23:03)
- ちょくちょく挟まれてる遊戯王での例えが古くて書いた人の年齢がなんとなく察せるのがなんか笑える。10年前でも通じる人少ないんじゃ…… -- 名無しさん (2025-06-20 20:43:43)
最終更新:2025年06月20日 20:43