BO1禁止
7マナで追加ターンを得る青のインスタント。
これが墓地へ落ちるとライブラリーに帰るため使い回せる。
何度も使い回せるため専用デッキを組めば非常に強力。地雷かと思われたがプロツアーにも持ち込まれた実績がある。
さて、このカードは1枚で無限ループを起こすことができる。
単純にライブラリーにこのカードのみを残せば毎ターンこれを唱えることが可能になり、無限ターンを得ることができるのである。
そうでなくてもライブラリーの枚数を大きく減らせば《水没遺跡、アズカンタ》などで確定サーチすることが可能。
この無限ターンの挙動が非常に問題。
紙の環境であれば互いの合意により「とりあえず20ターン貰いますね」といった省略が可能。
だがデジタルだといちいちこのカードを唱えて解決し、他のカードが有るならその処理も……と全部実行しなければならないため、意図的かどうかに関わらず遅延が量産されてしまう。
将棋の
千日手と違いこのループに自動介入できる様なルールは無い(無かった)。そして紙でないアリーナには介入できるジャッジもいない。
この問題は、あるプロプレイヤーのアリーナのプレイ配信によって顕在化。
勝ち目前でこのような意図的なループを食らって2時間も足止めされディレクターが介入する騒ぎになったのだ。
最終的にアリーナの1本先取スタンダード(BO1)において禁止されることとなった。
ちなみにアリーナの元になったMagic Onlineでは優先権を持っている間タイマーが減り、0になるとマッチ負けとなる持ち時間制のため、こんなプレイをすると時間を使い切って負けとなる。
ループコンボを練習すると腱鞘炎になるとまで言われるほどループを手動で行う必要があるのは変わらないので、
下手すると「永久コンボを決めたけどクリックしてる間に時間切れで負け」「【双子コンボ】を【双子コンボ】で返したけどブロック指定が間に合わなくて負け」という状況が起こる。
この当時は「1ターン◯秒以内にプレイすること」という制限時間制だったので、いくら遅延プレイしようとも1ターンの制限時間に間に合わせれば問題はなかった。
後にMtGAにもMO同様の持ち時間制が導入されたことで、遅延ループをやると使ってる側が負けるようになった。
- 《暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon》
元スタンダード禁止カード。紙のフォーマットでは完全解禁だが、アリーナでは2本先取フォーマットでのみの解禁となっている。
理由は「1本先取ルール(BO1)での赤は既に十分強力だから」との事である。実際BO1ルールでは事故りにくい単色アグロデッキが強く、特に赤単はBO1での使用率が他フォーマットより圧倒的に大きかった。ランク上げに時間がかからないのも人気の理由。DCGではよくあることだが。
自分のクリーチャー単体を対象とするインスタント・ソーサリーをコピーできる4マナのエンチャントだが、ゲーム開始時に初手にあれば0マナで出せる力線シリーズの1枚。
ただでさえTier上位にいた赤単・赤緑アグロがこのカードを得た事でさらに強化され、最速2ターンキルも可能な超高速アグロになってしまった。
このカードの存在が特に影響を与えたのがアリーナBO1で、土地補正によりマリガンのリスクが低く、サイドボードでの対策もされないので1回必要札が揃えばOKと悪い意味で噛み合った結果、環境が残響入りアグロだらけになってしまった。
「1〜2マナ除去呪文を持たないデッキではまともなゲームにならず、持ってても間に合わない場合がある」と、この時点でもう大概酷い状況なのだが、それ以上に「そもそもゲームすらしないことすらある」のが不味かった。
つまり後述する《ティボルトの計略》と同様、勝つのも負けるのもあっという間→数を回す方が重要で一戦一戦真面目にやる必要無しという思考に行き着き、少しでもプラン通りに行かなかった残響アグロ側が即降参するケースが続出したのだ。
序盤数ターンで勝てなければ降参、何回かマリガンして良い初手にならなければ降参、果てはマリガンで粘ることすらなく初手を見ただけで降参ということすらあった。
最終的には《残響の力線》登場以降、正規の決着や降参も引っくるめて4ターン目までに決着したゲーム数が倍増するというとんでもないデータを叩きだしてしまい、「手軽で楽しい」ことを理念とするMTGアリーナにおいて「通常の楽しい」プレイ展開を阻害していると判断され、BO1スタンダードで禁止されることになった。
ヒストリック編
ヒストリックとはアリーナ限定のフォーマットで、アリーナ内でスタン落ちしたカード(+α)が使用可能。
(+α)にはパイオニアのカードだけではなく、様々な世代のセットから独自にラインナップされたカードが再録される。
アルケミー実装後はアルケミー用に再調整されたカードはそちらしか使えなくなった。
ランク戦を実装するなどフォーマットを整備していくにあたってスタンダードの禁止カードが「一時停止」として使用不可になったが、その後(1枚を除いて)正式に「禁止」に変更された。
- 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
- 《むかしむかし/Once Upon a Time》
- 《夏の帳/Veil of Summer》
ヒストリックでも許されなかった者たち。ちなみに許された1枚は《死者の原野》で、ヒストリック専用カードに《幽霊街》等の特殊地形対策が追加された事によって禁止解除された。
逆に言えばこいつらはちょっと継ぎ足したところでどうにかなるような連中ではないという事である。
- 《裏切りの工作員/Agent of Treachery》
- 《創案の火/Fires of Invention》
- 《軍団のまとめ役、ウィノータ/Winota, Joiner of Forces》
スタンダードでの禁止指定と同時に工作員と創案の火が一時停止指定。スタンダードと同じ理由と説明されており、事実【ルーカ・ファイアーズ】はこちらでの大会でも使用率が高かった。
だがそれ以上に大会で暴れていた【ナヤ・ウィノータ】では工作員の採用枚数は控えめでダメージは軽微だったため、日本時間6月9日早朝に緊急でウィノータが一時停止指定された。
《アングラスの匪賊》を今回の改定でウィノータが禁止されなかったことに安心して作ったプレイヤーは涙目という結果になってしまった。守護フェリダーの二の舞
その後2020年7月13日の禁止改定で仲良く禁止に。
創案の火は2022年2月24日に1マナ増えた再調整版が使用可能になり、ウィノータも2022年7月7日に誘発条件が「1体以上の攻撃」に変更されて使用可能になった。
もとからBO1では禁止だったが、7月13日の禁止改定で一時停止をスルーして禁止指定。
このカードを利用した【シミック・ネクサス】が安定して高い勝率と使用率を記録しており、かつカードプールが広まったとしてもこのカードが適正なパワーに落ち着く可能性は低いとして一時停止はされなかった。
- 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
《生皮収集家》→《炎樹族の使者》→《ザル=ターのゴブリン》→《エンバレスの宝剣》→相手は死ぬ。
【シミック・ネクサス】に次いで使われていた【グルール・アグロ】からの規制。このカードによって生み出される爆発力が強力すぎてデッキの多様性を減らしている、ということで一時停止に。
その後Jumpstartやアモンケットリマスターの実装による相対的なインフレと【グルール・アグロ】の使用率の低下を考慮した結果問題ないと判断され、10月12日付で解禁された。
- 《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
スタンダードでの禁止と同じタイミングである8月3日で一時停止に。理由はスタンとほぼ同じ。その後10月12日に禁止指定となった。
2022年1月27日に再調整版が使用可能になった。
- 《荒野の再生/Wilderness Reclamation》
上記のテフェリーと同様にスタンダードでの禁止と同じタイミングで一時停止に。その後10月12日に禁止指定となった。
せっかくいろいろ対策カードを入れて解禁した《死者の原野》と組んでトップメタへの道を突き進んでいたのでまあ妥当な結果である。
原野も大概問題ありそうではある
- 《死者の原野/Field of the Dead》
などと言ってたら死者の原野も禁止となった。
基本セット2021で《耕作》、アモンケットリマスターで《約束の刻》を得たことで生半可な対策カードでは止められなくなり、ヒストリックのメタにより大きな多様性をもたらすために禁止。
勝率こそスタンの1強状態には及ばないものの、メタ内における(特にBO3)での使用率の上昇を考慮して10月12日付で一時停止の処置となった。
ヒストリックではウーロに《成長のらせん》、《探検》と土地を複数回プレイするカードが豊富にあるため解禁は難しいだろう。その後、2021年2月15日に禁止となった。
アルケミー実装に伴い、マナ・コストが(1)増えた再調整版が使用可能になった。
ウーロを採用したスゥルタイカラーのデッキが長らくトップメタに位置し続けたことに加え、ヒストリックのカードプールにおいては明らかにオーバーパワーであったため、一時停止を挟まずに禁止となった。
「ストリクスヘイヴン:魔法学院」での新規イラストの過去のインスタント・ソーサリー再録枠「ミスティカルアーカイブ」のカードはリミテッドだけでなくヒストリックでも使用可能なのだが、
その中でも特に黎明期からの再録ゆえのぶっ壊れ汎用性が高く色が合えばどのデッキにも入りそうなカードは事前に禁止とされた。
ピックしたカードがそのまま手に入るMTGAの仕様上、リミテッド環境をテーブルトップ同様にする(≈リミテッドでこれらのカードが出現するようにする)と、「MTGAの全てのカードが使えるフォーマット」であるヒストリックでもこれらのカードを使えるようになってしまう。
かといって封入しなければリミテッドの環境がテーブルトップで意図したものと異なるものとなってしまう。
これらのカードの禁止措置はこのジレンマを回避するための措置と思われ、実質的にはカードプールに元から存在しないものと同然であると考えてよい。
稲妻は以前にもJumpstartで別カードへの差し替えが行われたのでこれで2度目。
なお、ヒストリック・ブロールではチャネル、悪魔の教示者、自然の秩序以外は使用可能。
- 《タッサの神託者/Thassa's Oracle》
戦場に出た時青の信心の枚数だけライブラリーを見て、すべて見通せれば勝ちになる
特殊勝利カード。
様々なフォーマットでライブラリーを空にするカードと組んで活躍していたカードだが、ミスティカルアーカイブで欲しいカードが出るか同じカードが2枚出るまでライブラリーを追放し続ける《汚れた契約/Tainted Pact》を得たことにより2枚4マナで勝てる【オラクルパクト】が成立。
リーグ・ウィークエンドにて参加者の半数がこのデッキを使用したことにより禁止となった。
パイオニアやヒストリック・ブロールではライブラリーを空にする手段の方が規制されたが、ヒストリックでは今後のカードプールの拡大に伴ってまた別の手段でライブラリーを空にしようとすると予想されたため神託者本体が禁止となった。
5マナで追加ターンを得るソーサリー。亜種の《アールンドの天啓》と違い解決時に追放されず、普通に墓地に落ちる。これにより墓地の呪文を使い回すカードと組み合わせることで更なる追加ターンを得られる。
《不屈の独創力》で《ヴェロマカス・ロアホールド》のマナコストを踏み倒して戦場に出し、ロアホールドの能力で《時間のねじれ》を踏み倒して唱え、追加ターンで《ミジックスの熟達》により時間のねじれを使い回して更なる追加ターンを得る【ジェスカイターン】が成立。
『ストリクスヘイヴン』チャンピオンシップでトップ4を独占したことにより禁止となった。
1マナで3枚引いた後2枚をデッキの上に戻すインスタント。そのままだと早めににドローするはずだったカードを使える程度でしかないが、デッキをシャッフルする手段と合わせて不要なカードを処理する、重要なカードを置くことでハンデスから逃れる、といった応用が利くのが特徴。
アリーナにはミスティカルアーカイブによる追加カードとして実装され、【イゼット・フェニックス】や【ジェスカイ・コントロール】で軽量ドローソースとして活躍した。使用率が依然高くデッキの多様性が妨げられているとして、これらの弱体化のために2021年7月22日付で一時制限カードに、10月13日付で正式に禁止された。
一時制限なのはそれらのデッキの勝率が過度に高いわけではないためだが、「イニストラード:真夜中の狩り」でデルバーこと《秘密を掘り下げる者》の再録が発表されたため、デッキトップを操作できるこれの解除は無理だろうという見方が大半。そして案の定禁止になった。
また、実際にブレストがある環境で遊ぶと分かるのだが、「ブレスト→手札を見て考える→戻す順番を間違えないように気を付ける→シャッフルカードを使う→その処理」という一連の作業が結構時間を食う。塵も積もれば山となる、使いたいならレガシーをやろう。
- 《ティボルトの計略/Tibalt's Trickery》
呪文を打ち消して別の呪文に変身させるインスタント。
元々マジックする気・安定して勝つ気のない博打デッキに使われる呪文であったが、ヒストリックにも続唱呪文である《混沌の辛苦》が登場したことによりティボルトの計略だけ確実に唱えられるデッキが成立。安定性まで手に入れたことで一線を超えたと判断され禁止となった。
2マナの確定打ち消しだが、打ち消した呪文は相手のライブラリーの一番上に置かれる。
デッキトップ送りは再び利用されることを意味しているが、一方で今引きという不確定な要素に左右されないメリットともいえる。大したデメリットではない文章と引き換えに普通の確定打ち消しより1マナ軽いため、事実上シングルシンボルの《対抗呪文》。そのため登場直後から青の打ち消しとして最優先で採用され続けてきた。青を扱う上で必須パーツとなってしまっていること、および青赤デッキの多さを是正するために一時停止された。その後2022年1月27日に禁止となった。
- 《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》
ミスティカルアーカイブと同様、「兄弟戦争」のアーティファクト旧枠再録の「設計図」はヒストリックで使用可能だが、それが発表になると同時にこのカードのみ禁止されることも発表された。
ヒストリックは《夢の巣のルールス》が使用可能な数少ない構築フォーマットであり、0マナドローソースであるこのカードはルールスとの相性が良すぎることから事前禁止されたと考えられる。
モダンホライゾン2初出の1マナの伝説のクリーチャー。モダンで大活躍。レガシーでは活躍しすぎて禁止。ヴィンテージですら採用圏内という稀代のパワーカード。
「機械兵団の進軍」に付属する多元宇宙の伝説にて収録。多元宇宙の伝説はヒストリックで使用可能だが、このカードだけは明らかに強すぎるので事前に禁止とされた。
- 《血染めの月/Blood Moon》
- 《侵入警報/Intruder Alarm》
- 《土地税/Land Tax》
- 《ネクロポーテンス/Necropotence》
- 《騙し討ち/Sneak Attack》
- 《広がりゆく海/Spreading Seas》
「エルドレインの森」に付属する新規イラストの過去のエンチャント再録枠「おとぎ話」のカード群、その中でも
黎明期のパワーカード(土地税、ネクロポーテンス、
騙し討ち)
《結束に仕える者》との2枚コンボを始めとした、無限トークンコンボのおもちゃ(侵入警報)
相手のデッキによっては1枚で詰ませられる強烈な特殊地形メタ(血染めの月)
といった尖ったカードたちが事前に禁止とされた。しかしながら《広がりゆく海》だけはそこまで尖ったカードでもない為、「《オークの弓使い》や《一つの指輪》が許されるヒストリック環境で禁止にするほどか?」という疑問の声も一部にはあった。
- 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
- 《汚染された三角州/Polluted Delta》
- 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
- 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
- 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
「タルキール覇王譚」で実装された友好色フェッチランド。ヒストリックのパワーレベルを急激に上昇させる危険性があるため事前に禁止とされた。
「カルロフ亭殺人事件」のスペシャルゲスト枠。
手札からアーティファクトかクリーチャーかエンチャントか土地を1枚、戦場に出せる3マナのソーサリー。
これで全知かアトラクサを出せば大体勝つので実質3ターンキル。再現性が高いため事前に禁止となった。
- 《活性の力/Force of Vigor》
- 《徴用/Commandeer》
- 《再活性/Reanimate》
- 《マナ吸収/Mana Drain》
「サンダー・ジャンクションの無法者」に付属する再録ボーナスシート「速報」のカード群。
その中でもピッチスペル2枚と黎明期のぶっ壊れカード2枚が事前に禁止となった。
- 《孤独/Solitude》
- 《緻密/Subtlety》
- 《悲嘆/Grief》
- 《激情/Fury》
- 《忍耐/Endurance》
- 《耕作の閃光/Flare of Cultivation》
- 《拒絶の閃光/Flare of Denial》
- 《重複の閃光/Flare of Duplication》
- 《堅忍の閃光/Flare of Fortitude》
- 《悪意の閃光/Flare of Malice》
- 《湿地の干潟/Marsh Flats》
- 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
- 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
- 《乾燥台地/Arid Mesa》
- 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
- 《冬の月/Winter Moon》
- 《海の先駆け/Harbinger of the Seas》
「モダンホライゾン3」のカード群。
ピッチスペル10枚と対抗色フェッチランド5枚、基本でない土地対策2枚が事前禁止。
ピッチスペルはヒストリックの速度を急激に早めるため、フェッチランドは「タルキール覇王譚」の5枚と同質なので当然の禁止。土地メタは多色デッキを1枚で詰ませられる性能が環境の多様性を奪うため禁止となった。
- 《時間操作/Temporal Manipulation》
「ファウンデーションズ」のスペシャルゲスト枠で輸入された、対象を取らない《時間のねじれ》。
あちらが既に禁止のため当然ながら事前禁止された。
ブロール(旧称:ヒストリック・ブロール)編
ヒストリックのカードプールでブロールをやる、かなりニッチなフォーマット。正式実装にあたり統率者戦と同じく100枚デッキになった。
ヒストリックまたはブロールでも禁止されているものは割愛。
その一方で1vs1統率者戦・当時のブロール双方で禁止されていた《遵法長、バラル》は使えたりする。
なおテーブルトップにおけるブロールはスタンダード・ブロールと呼称されているため、少々ややこしい状況となっている。
- 《ギデオンの介入/Gideon's Intervention》
- 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
- 《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
指定したカードを唱えられなくしたり能力を封じたりするタイプのカードは統率者戦では強すぎるので禁止。
統率者戦のタッサの神託者デッキでは1マナ軽い《
Demonic Consultation》の2枚目くらいの扱いだが、60枚デッキのブロールならばほとんどデッキに手を加えることなく【オラクルパクト】が組める。それではわざわざブロールでやる意味がないので禁止。
- 《魂の仲介人、ダブリエル/Davriel, Soul Broker》
- 《ダブリエルの萎縮/Davriel's Withering》
MTGアリーナオリジナルカード。指定したカードにゲーム中永続する変化を与える「永久」を持つDTCGらしいカードなのだが、この2枚はタフネスにマイナス修正を永久に与える。統率者が二度と出られなくなるので100枚ヒストリックブロール実装前に禁止。
その後、統率者は永久効果を統率者領域に戻る際に解除できるようルール変更されたので解禁された。
ヒストリックブロールが100枚構築になったことにより、ゲームエンド級の入れ得無色呪文となっていたため、《死者の原野》と共に禁止となった。
同時に統率者をコントロール奪取で無力化できる《裏切りの工作員》も禁止になり、ランプデッキは打撃を受けた。
- 《破壊的終焉/Shattering Finale》
ダブリエルの萎縮等と同じく永久タフネスマイナスの呪文。上記ルール変更と同時に実装されたので全く問題ないカードのはずなのだが、なぜか実装と同時に禁止になっている。
- 《虚空の杯/Chalice of the Void》
正式な告知なく、アプデのどさくさで禁止になったカード。
MTGではだいたい「禁止告知」「理由説明」、あんまりにも問題があった場合は「言い訳コラム」の3つがあるのだが、そのすべてが存在しない稀有な例。
アルケミー編
パワーレベルエラッタが解禁されオリカが追加されたMTGアリーナ独自のフォーマット。
強すぎるカードには再調整という建前のナーフがなされるため、ヴィンテージと同様に禁止カードは本来生まれないはずなのだが…
- 《にやにや笑いのイグナス/Grinning Ignus》
アルケミーが匙を投げた問題児。(赤)を支払い手札に戻すことで(2)(赤)を生み出す、無限ループコンボのためだけに作られたようなクリーチャー。
前々からヒストリックでは《語りの神、ビルギ》や《ハゾレトの碑》と組み合わせてのストームデッキで使われていたが、『アルケミー:ニューカペナ』において手札のクリーチャーに「唱えた時宝物トークンを生成する」効果を永久に付与する《ゆすり屋のボス》が登場。無限ループが容易く成立するようになってしまった。
これを解決すべくエラッタも議論されたものの、禁止したのと変わらないほどのナーフを行わない限りどうにもならなかったため、それならばということでエラッタではなく禁止となった。
- 《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》
スタンダード環境を圧倒的なパワーで蹂躙したエンチャント—
英雄譚。スタンで禁止になった瞬間から「アルケミーでナーフしなくていいの?」という疑問の声が出ていたが、そんな声をよそに『アルケミー:兄弟戦争』の《波の巨人、クルシアス》と手を組んで大暴れし続けた。
更に『指輪物語:中つ国の伝承』で《オークの弓使い》が参入し、レガシー級ウルトラパワカ三銃士を結成。この3枚を主軸とした黒赤系(+青の場合もある)ミッドレンジが最早手の付けられない状態となる。
ただ、ローテーション落ちまで2ヶ月足らずという事もあり、わざわざナーフしてヒストリックに影響を与えるよりはいっそ禁止でいいだろうという判断により禁止となった。
- 《残響の力線/Leyline of Resonance》
BO1スタンダードでの禁止指定と同時に、再調整を前提として一時停止指定。
理由はスタンダードと大体同じだが、再調整の影響を否応なく受けてしまうためかこちらはBO1だけではなくBO3でも一時停止処分に。
その後、コピーに1マナ掛かるように下方修正されて解禁。
《残響の力線》の再調整による解禁と同時に禁止指定。
まだまだ赤系アグロの弱体化が必要だったため、「アグロにとりあえず4枚」というレベルで圧倒的採用率を誇ったこのカードに白羽の矢が立った。
だが、1マナスペル故に調整に使える『遊び』の部分が少ないこと、アルケミーでのみ過剰な水準だったことから、再調整しつつ他フォーマットも含めてプレイに値するだけの強さを維持することが不可能と判断され禁止処分とされた。
エクスプローラー編
アルケミーの不評を受け、重い腰を上げて実装された準パイオニアのフォーマット。MTGアリーナ実装済みの『ラヴニカへの回帰』以降のカードが使用可能なフォーマットで、将来的にはパイオニアになる予定。
フォーマットの性質を踏まえ、パイオニアに準拠した規制については割愛する。
- 《軍団のまとめ役、ウィノータ/Winota, Joiner of Forces》
パイオニアで組まれる【ナヤ・ウィノータ】がエクスプローラー実装時点でほぼそのままのパワーで運用可能で、他のデッキと一線を画す強さを発揮していたため禁止に。
当初はこの禁止は一時的なもので、秋に「団結のドミナリア」が発売された際に解禁し様子を見ることも発表されていた。
(アリーナでパイオニアを遊ぶためのフォーマットなのに現時点でパイオニアリーガルのカードを禁止にすることは本意ではないためとのこと)
だがパイオニアでもウィノータは禁止となったために結局お流れとなった。
- 《ティボルトの計略/Tibalt's Trickery》
そもそも真面目にゲームする気がなく、一刻も早く勝つか負けるかして終わらせることしか考えていないデッキは混沌の辛苦無しでも許されなかった。
パイオニアを再現するために重要なカードではないので、ウィノータのような温情措置は無くカードプールがパイオニアと一致した段階で解禁すると断言された。
が、そもそもBO1ルールがあるアリーナで【計略コンボ】は許してはいけないのでは?という風潮が強まり、よりカードパワーが高いタイムレスでも規制されてしまったため、一生出禁の可能性もある。
特殊イベント編
また、一部期間限定イベントでは追加の禁止カードが指定される場合もある。イベントの趣旨を壊しかねないカードとか。
イベントが行われるたびになんらかの特別禁止カードが登場するので、ここに描かれていないものも存在する。
- 《しつこい請願者/Persistent Petitioners》
2マナ1/3のアドバイザー。こいつの能力は1マナとタップでプレイヤー1人のライブラリー1枚を墓地に落とし、アドバイザー4体タップでプレイヤー1人のライブラリー12枚を墓地に落とすというもの。さらに、こいつは好きなだけライブラリーに入れられるという能力も持っている。
通常構築では何の変哲もないカードだが、コモンオンリーのカードプールでは無尽蔵に湧き続けるタフ3軍団の処理が難しく、安定してデッキ破壊が行えた。
結果としてラヴニカの献身時のスタンダードパウパーイベントではこいつを大量に投入したLOデッキが大暴れ。怖いのはミラーマッチだけという状況になり、次第にデッキがタワーデッキに変貌していった。紙のゲームでは当然必要な分だけ現物を集めなければならないが、アリーナでは「投入枚数に制限がないカードは4枚集めた時点で所持枚数が∞になる」という仕様によりバベル化は容易で、手っ取り早い対策が「こっちも請願者バベルを組む」だったせいもあり数は日に日に増す一方に。
最終的には灯争大戦時のスタンダードパウパーイベントでは投獄と相成った。
あなたがコントロールしている門の数だけ各クリーチャーにダメージを与える3マナのソーサリー。ラヴニカ構築(ラヴニカのギルド、ラヴニカの献身、灯争大戦の3エキスパンションを使った構築)や職工イベントにおいて禁止指定された。ギルド門デッキが強くなりすぎるからであろう。
- 《高貴なる行いの書/The Book of Exalted Deeds》
ターン中3点以上回復していれば終了ステップに3/3飛行の天使を生成し、白白白とタップと自身追放で天使の上に悟りカウンターを置き、「あなたはこのゲームに敗北することができず、対戦相手はこのゲームに勝利することができない」を与える伝説のアーティファクト。
天使1体に悟りを開かせてプチ白金の天使にする能力なのだが、現スタンダード環境には実質多相持ちミシュラランドである《不詳の安息地》が存在し、それにカウンターを置くことで不敗能力を持つ土地が爆誕する。片方が土地の2枚コンボな上どちらも《栄光の探索》でサーチ可能なのでコンボ成功率がかなり高く、そのくせ成立後の対処手段が少なすぎるため『詰み』状態を簡単に作り出すことが出来る。
結果としてこのカード実装と同時に始まった特殊ルール「スタンダード2022」でアリーナ実装わずか8日で禁止となった。これは2021年ローテーション後の環境をいち早く再現したフォーマットで、「汎用性が高い対策カードの《廃墟の地》が使用不可」「B01ルールなのでサイドボードでの対策不可」のため大半のデッキを相性クソゲーに持ち込むことが出来たのが原因。
勝率・使用率ともに支配的ではなかったが、いずれ問題を起こすことは目に見えていたし、何よりもコンボが決まったら最後相手はデッキ切れ負けか投了を選択するしかなく、ミラーマッチに至ってはどちらかが根負けして投了ボタンを押すまでターンを渡し続ける我慢比べをする羽目になるという、不毛で不快極まりない状況を生み出すこのカードを野放しには出来なかった。
またしても公式発売前に禁止カードを出す事態となったが、あくまでアリーナ上の「スタンダード2022」のみの禁止措置でスタンダード、ヒストリックでは使用可能のままである。実はこのコンボは能力起動と安息地のクリーチャー化に計6マナ必要で、ヒストリックはおろかローテーション前のスタンダード目線でもコンボ始動が遅く、デッキによっては先に殴り勝ててしまうのである。そのため今の所「スタンダード2022」ほどの凶悪さを発揮できていない。そして《廃墟の地》が再録されたことで不敗土地コンボは急速に数を減らしていき、最終的には《不詳の安息地》が禁止されたことでスタンダード環境から退場した。
職工イベント(スタンで使えるコモン及びアンコモンによる変形パウパー)における追加の禁止カード。場に出たとき1点ドレイン+食物トークンを生贄にして墓地から戦場に出る《大釜の使い魔》、自分のクリーチャーを生贄にして食物トークンを生み出す《魔女のかまど》を組み合わせ使い魔を戦場と墓地で行き来させるサクリファイスデッキのメインエンジン2枚、パワー1クリーチャーを大量に並べるスライデッキのキーカード《災厄の行進》、墓地のサイクリング付きカードの枚数だけドレインの《天頂の閃光》など、アンコモン以下だけでも当時のスタン環境にもちょくちょく顔を出すアーキタイプが組めるカードが禁止されている。
続唱イベント(各ターン最初に唱える呪文は続唱を持つというルールを追加した構築イベント)で追加で禁止指定されるカードは2種に分けられる。
一方は対戦相手のみ「対戦相手自身がコントロールする土地の総枚数より点数で見たマナコストが大きい、非クリーチャー呪文を唱えることを禁止」「呪文を唱えた際、マナが支払われていなければその呪文をカウンターする」クリーチャー《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》や、
常在能力で、対戦相手が呪文を唱えられるタイミングをソーサリーが唱えられるタイミングのみに制限するプレインズウォーカー《時を解す者、テフェリー》のように、
相手が呪文を唱えるタイミングを制約するカード。フォーマットの特性そのものを否定してしまうのだから当然である。
もう一方は「続唱でめくれた出来事付きクリーチャーは出来事側の呪文も唱えられる」という裁定が出ているため、出来事側のマナコストがクリーチャー側のそれを上回っている《亜麻色の侵入者》《願いのフェイ》と、場に出ているだけで出来事呪文を自動的に複製する《幸運のクローバー》。
なお、このフォーマットでは運命のきずなも禁止されている。
宝物イベント(生贄に捧げると好きな色1マナが出てくる宝物トークンが毎ターン最初に1つずつ生成される構築イベント)での追加の禁止カード。
生贄に反応してパンプアップする《フェイに呪われた王、コルヴォルド》や任意の対象にダメージを飛ばす《波乱の悪魔》、
トークンが出るたびにパンプアップする《森林の勇者》などの相性が良すぎるカードや、
相手のアーティファクトの起動型能力を封じる《大いなる創造者、カーン》、土地の枚数以上の呪文を唱えられなくする《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》などフォーマットの特性を否定するカードが禁止されている。
なお、簡単に序盤から大量のマナを用意できるため、《裏切りの工作員》もスタンダード禁止以前より禁止されていた。
- 激変スタンダード、激変ヒストリックで対象となった一部のカード
どちらの場合も当時のトップメタで使用されていた、もしくは以前から引き続き強力なデッキの主要カードが禁止にされる。
最初の開催である基本セット2019~基本セット2020期のローテーション直前の際は、BO1で行われる関係上フェロキドンやきずなは当然禁止だが、それ以外にテフェリー2種や《世界を揺るがす者、ニッサ》、《ベナリア史》等の18種類を加えた全20種類が対象になった。
以降も何度か開催されているが、性質上毎回禁止リストが変化するため各開催時の詳細なリストは割愛する。