コダイゴン/グロテス星人

登録日:2014/12/09 Tue 16:47:20
更新日:2025/04/18 Fri 05:30:44
所要時間:約 5 分で読めます




コダイゴン及びグロテス星人とは、特撮作品『帰ってきたウルトラマン』第43話「魔神 月に咆える」に登場した宇宙人と怪獣である。


コダイゴン


別名:魔神怪獣
身長:50m
体重:3万8千t


グロテス星人が操る鎧武者のような怪獣。
蓮根神社の御神体にグロテス星人が「グロテスセル」という物質を注入して怪獣化させた存在。
武器は宝剣「蓮根宝剣」と両手から放つ5000度の炎。また元が石像ゆえか無茶苦茶頑丈で、ウルトラマンジャックを苦戦させた。

しかしグロテス星人と連動していたようで、グロテス星人が倒されると元の御神体に戻る。
元の神社に安置された御神体は、目を離した間に恥じ入るように背を向けていた。MATの面々はそれを見て微笑ましく思っていたが……その種明かしは後述。

赤いアイツこと『レッドマン』にも登場。
海岸でレッドマンと戦い、レッドパンチもびくともしない強豪。勿論アイツに勝てる訳がないんだけどね。


◆グロテス星人


別名:発砲怪人
身長:1.6~45m
体重:120kg~2万t
演(人間態・CV):加地健太郎


MATの解散を目論み、伊吹隊長の命を狙う宇宙人。
武器は両手に装備した1分間に500発撃つことが可能な銃「ハンドカノン」と口から吐く冷凍光線。

休暇で帰省していた伊吹隊長の妻子を人質にとりMATの解散を要求するが交渉は決裂、人質を殺そうとするも失敗したためコダイゴンと共にジャックと戦う。
最後はウルトラスパークで真っ二つにされ死亡、それによりコダイゴンも倒れた。












なお「グロテスセル」は、中身が空洞の物質に侵入すると、生物のように動かせるように変化する。
御神体が後ろを向いたのも、まだグロテスセルが残っていた為と思われる。
後に地球防衛軍総本部は御神体からこれを採取しメテオールとして有効活用しようとしたものの、コダイゴンサイズの巨大な物質に用いると破壊衝動が無意識に生まれてしまい、その制御もできなかった。
ゆえに廃棄処分を決めたのだが……?




◆コダイゴンジアザー


別名:魔神怪獣
体長:50m
体重:38000トン
CV:難波圭一

【概要】

ウルトラマンメビウス』第12話「初めてのお使い」に登場したコダイゴンの亜種。
木彫りの恵比寿像が大量のグロテスセルを吸収した事で怪獣と化した存在。
即ち「コダイゴン the() other(アザー)(もう一つのコダイゴン)。

上記の通り処分が決まったグロテスセルをカプセルに入れてトリヤマ補佐官が最終処分場に持っていく途中でカプセルを一つ落っことしてしまい、中身を知らされていなかったため「1個位いいやぁ」と放置して帰ってしまった結果、カプセルは川を流れて古美術店「寿限無堂」の主人に釣り上げられ、店で販売されていた。
基地で自分が運んでいたものの正体を知り、テッペイから「1本もあればコダイゴンなら3つは作れますよ」と教えられ漸く自分の仕出かした事の重大さに気づいたトリヤマは、なんとなく言うことを聞きそうでカプセルが見つかっても黙っていてくれそうなミライ、テッペイ、コノミを招集しカプセルを捜索。
コノミの情報を頼りに、カプセルの在り処を突き止め、寿限無堂に令状も無しに押し入ってグロテスセルを捜索し、カプセルを発見するが……


───つるっ

\パリンッ!!/

テッペイ(悲痛な表情で)「(あぁ……。)」
ミライ(心底驚いた顔で)「(ああーっ!!)」
コノミ(気まずそうに口をギュッと結びつつ)「(……割れちゃった…。)」

トリヤマはあろうことかまたしても手を滑らせて落としてしまい、カプセルを完全に割ってしまう…



流れ出たグロテスセルは近くにあった恵比寿像に入り込み、ミライの機転で外に放り投げられるものの巨大化し、
新たなコダイゴン「魔神怪獣 コダイゴンジアザー」へと変貌を遂げてしまう。

コダイゴンと同様に像がそのまま巨大化した為、見た目は完全に恵比寿様のそれ。なんか縁起いいなおい。

リュウ「何じゃありゃ……」
ジョージ「なんか商売繁盛な雰囲気の漂う敵だな」
マリナ「海外暮らし長い割にそういうこと知ってるのね」

赤く光る目が若干不気味ではあるものの、福の神特有のこでっぷりした恵体とにこやかな笑顔に加え、左手には釣竿、右腕には「ショーバイハンジョー!」と叫ぶこれまた木彫りの鯛(その名も「鯛砲」)を抱え、
顎鬚を撫でながら歩くその姿は、紛れも無いネタキャラそのもの。その姿を見たリュウさんは終始困惑しかしていない。

だが、数分後に明らかになったこの恵比寿像に秘められた能力は、とてもネタキャラとは思えない恐るべきものだった。

能力

気になるこいつの実力。それは一言で言うならば……



強い

凄く強い

めちゃくちゃ強い

とんでもなく強い


あまりに強すぎるのである。



驚く事にこのコダイゴンジアザー、『メビウス』に登場する怪獣はおろか、全ウルトラシリーズに登場する数多の怪獣達の中でもトップクラスの強さを誇る化け物なのであった。

こいつの能力をざっと挙げてみると、
  • 元が木彫りの人形にもかかわらずガンフェニックスのレーザーを文字通りに反射して無力化し*1、メビウスのパンチにも終始びくともしない頑丈な体
  • メビウスの攻撃を悉く片腕でイナす格闘センス。
  • とても俊敏には見えない図体の癖に縦横無尽に空中を跳ね回りメビウスを完全に翻弄した跳躍力。
  • まるでウルトラマンネクサスよろしく残像を伴いながら瞬時に敵の背後に回り込める機動力。
  • 木の釣り竿はメビウスですら一発食らうごとに大きく怯む威力があり、しかもの様にしなりがある。
    • そしてガンローダーでも振りほどけない釣り針&釣り糸。
  • 木彫りの鯛は「ショーバイハンジョー!!」と叫びながら空中を猛スピードで独立飛行しつつ、体当たりでウルトラマン2体を容易く弾き飛ばし、ウルトラマンヒカリが純粋に力負けし、口から鯛砲を連射してオールレンジ攻撃を仕掛けてくる
といった具合に恐ろしく強い。

要するにこいつは大量のグロテスセルを吸収した結果………
人間に例える(と言うのも可笑しな話ではあるが)と「最強クラスのバズーカ砲を備え自律して空中をファンネルの如く自由自在に飛び回る戦車と、あらゆる相手を怯ませるハンマーと、あらゆる光線を弾き返す体を手に入れ、超人的な怪力と跳躍力とスピードを兼ね備えた横綱」という、最早訳のわからないトンデモスペックを手に入れてしまったのである。

そもそもかつてのコダイゴン自体、グロテス星人が倒されるまでの間ジャックを終始圧倒した『帰ってきたウルトラマン』の中でもトップクラスの実力を誇る強敵中の強敵である。
そんなヤツの合計3体分の強さを持つ*2という小学生が考えたような化け物じみた強さを誇る相手に、ウルトラマンメビウスはなす術も無く一方的に凹られていく。

因みに釣竿はあれだけ強靱だったにも関わらずメビウスが奪ってコダイゴンジアザーを攻撃した際にあっさり折れた。
コダイゴンジアザーの圧倒的な力の前に絶体絶命の窮地に陥ったメビウスの前に颯爽と現れたのが、ウルトラマンヒカリである。
待ちに待っていた2人目のウルトラマンが参戦、これまでの流れであれば形成は逆転してこのまま勝利する展開になっていくのだが……


あろうことかこの恵比寿像、ウルトラマン二人を相手に尚も一方的な戦いを繰り広げたのである!


と言うのも、このコダイゴンジアザーは本体(恵比寿像)のみならず、脇に抱えていた木彫りの鯛までが単体ならぬ“単鯛”でウルトラマンと張り合えるパワーの持ち主だったのだ。

『メビウス』の作中で2人のウルトラマンを相手に終始圧倒的な優位を保ちながら戦った相手は、こいつとエンペラ星人くらいである。
一応、後半はメビウスの実力そのものが上がっていた他、助っ人のウルトラマンがウルトラ兄弟であったことも勝因の一つであるという事を付け加えておくが。


顛末

最早打つ手無しかと思われたその時、寿限無堂の主人がかつて、恵比寿像を派手に落とした際に右足に亀裂が出来たことを思い出す。

そこでテッペイの指示により、亀裂めがけて必殺光線を放つメビウス&ヒカリ。
亀裂が広がりグロテスセルが気化した事から、コダイゴンジアザーは敗北を悟ったのかおもむろに拳を天に掲げた後、無事元の恵比寿像に戻ったのだった。


こうして敗れたコダイゴンジアザーだが、2人の必殺光線を受けても文字通り亀裂が広がっただけで、特にダメージを受けた様子が無かった辺り、もしも足に亀裂が無ければグロテスセルの気化が不可能で冗談抜きで詰んでいた可能性が非常に高く、そのコミカルな見た目と圧倒的な強さのギャップから、ウルトラファンの間でも印象深い敵キャラとして認知されている。


しかも今回運んでいたグロテスセルのカプセルの数は4つだったので、仮に全て流出していようものなら、最悪の場合「コダイゴン12体」とか「ジアザー級の個体が数体」とか「オリジナルの12倍強いコダイゴン」という、終盤のインペライザー襲来を遥かに上回る絶望的な惨状になっていた可能性が……。

なお上記の足の傷が判明するまでは、初代コダイゴンはコダイゴンを生み出した元凶であるグロテス星人を倒して元に戻ったという逸話から、事情を知るテッペイ、コノミ、ミライから(あれ、この騒動もしかしたら補佐官を倒せば事件解決するのでは?)という視線をトリヤマ補佐官は無言で向けられた一幕もあった。



【余談】

コダイゴンとグロテス星人のデザインは井口昭彦氏が担当。
コダイゴンは『デザインよりも着ぐるみが優れているケース』として井口氏が例に挙げる1体に仕上がっている。
グロテス星人は両腕の銃火器以外のモチーフが想像できないことから、書籍『豪怪奔放』では井口氏の真骨頂と称されている。

コダイゴンジアザーの声を演じたのはウルトラマンヒカリと同じく難波圭一氏。つまり声の人的には同じ人対決で、一部では「自演」等と揶揄されている。
本来は声を入れる予定は無かったのだが、鈴木健二監督の指示で難波氏が試しにアフレコしてみたところ、とても面白かったのでそのまま採用されたとの事。

しかし、それによって本来難波氏が演じる予定だったこの回のヒカリの声は前回の流用となった。ヒカリよ、あなたは泣いていい。

また、寿限無堂の主人・平蔵を演じたのは、『人造人間キカイダー』の「服部半平」を演じたうえだ峻氏その人である。
当時リアルタイムで見た大きいお友達やお父さん方の中には「おっ!?」と思った人も多いのではないのだろうか。

平蔵の孫娘・由香を演じた寉岡瑞希氏は子役時代に『ウルトラマンゼアス』、『ウルトラマンネオス』に出演経験がある。

なお、今回の事件は真にヒルカワが追うべき、紛れもないGUYSのスキャンダルと言える。


【他作品において】

時は流れて2021年、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第7話「インター・ユニバース」に登場したバロッサ星人(四代目)の所有する武器として、コダイゴンジアザーの鯛砲がまさかの登場。リシュリア星人イグニスとのコレクション自慢の際に登場して「どこで手に入れた」とイグニスが興奮するほどのレアものらしく、ウルトラマントリガーとの戦闘でも噛付いて攻撃をしており、その力は相変わらずであった。
話のあらすじを見てもらうと分かるようにコダイゴンジアザー自体事故で生まれたようなものなので、本当にバロッサ星人がどこで手に入れたのかは不明。




追記、修正は初めてのお使いを成功させてからお願いします

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最終更新:2025年04月18日 05:30

*1 なぜか光線を反射する際、太鼓の音が鳴り響いた。

*2 材質の差や漏れ出た分を多めに差し引いても2倍は下らないと思われる