ラオウ(北斗の拳)

登録日:2011/08/29 Mon 13:24:57
更新日:2020/03/27 Fri 00:19:36
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「拳王恐怖の歴史は今より始まる!」


北斗の拳に登場するキャラクターで、第一部のラスボス。

北斗四兄弟の長兄にして、次兄トキの実の兄。

北斗神拳の伝承者争いに敗れた後も、天を握るという狂気の野望を捨てなかった。
そのため、一子相伝である北斗神拳の掟と、ラオウの存在を危険視した師父リュウケンによって抹殺されかけるが、
老いと病によって弱った体では彼を討つに至らず、ラオウはリュウケンを返り討ちにして生き延びる。

その一方で伝承者となったケンシロウと対決する運命にある事を悟り、もしケンシロウが自分を打ち破った時は兄カイオウに自分の言葉を伝えて欲しいと頼んでいた。
あからさまに後付けだが気にしてはいけない。


その後、自らを世紀末覇者・拳王と名乗り、巨大な軍団を率いて世紀末の世を更なる恐怖に陥れた。
その配下にはケンシロウへの復讐に燃える義弟ジャギ、偽りの天才アミバ、カサンドラ獄長ウイグルなど、いずれも癖はあるが粒のある人物が揃っている。
あのユダも部下ではないもののラオウの力を恐れたために、同盟関係にある(信用はできない)。
リュウガ?まあそれなり以上に強いはずだから悪くは……何がやりたかったかは意味不明だけど。

ジャギによってその存在が仄めかされていたが、初めてその姿を現したのは意外にもレイの前であった。

ラオウは当時ケンシロウの「相棒」というべき戦士だったレイを自らが発する闘気のみで圧倒する。
レイは秘奥義「断己相殺拳」で襲いかかるが、ラオウはそれを全く意に介さず黒王の背に跨がったまま、
マントで目隠し&束縛して 指一本で撃破。
そのシーンは、自身の 汚さ 反則的な強さをジャンプ読者に植え付けるには充分だった。
あと「あんな状態で秘孔の位置分かんの?」と言うツッコミは止めて差し上げなさい。

どう考えても素手の勝負ならレイの拳はラオウに届かず、(ましてや黒王は規格外の大きさ)馬上にいるラオウの方が有利であり
その状態でレイがラオウに攻撃しようとするならば飛び掛かるしかない。
その上で飛び掛かってきたレイをマントで目隠し&束縛というかなり汚い手を使って撃破しているのだが、
並の男なら馬ごとレイに切り裂かれているし上記の通りマントでの目隠しも自分も秘孔の位置を特定しにくくなるという欠点があった。汚い手を使ったとはいえレイを秘孔を突いて軽くいなしたのは彼の実力によるものであろう。
うん。そうに違いない。


その直後には末弟のケンシロウとも激突するが、この場はトキの介入もあり痛み分けに終わる。
この戦いで重傷を負ったラオウはしばらく戦線離脱。傷の療養に専念し、この間は傍観者や解説者的な役回りを担っていた。


そして、ケンシロウが、自身の目下最大の脅威と考えていたサウザーを撃破した辺りで完全復活。ケンシロウを強者と認め、再び覇権を握るべく行動を開始する。
ケンシロウが数々の強敵達を倒したように、自身も山のフドウ雲のジュウザ、トキ等と死闘を演じ、更なる実力を身につけ、遂に北斗の闘士因縁の地である北斗練気闘座で満を持してケンシロウと激突。
互いに奥義「無想転生」を習得した事で一切の技が無意味となり、純粋な拳の力量による勝負となった熾烈な戦い。

お互いの生涯を乗せた全霊の拳が交差し…………最後に立っていたのはケンシロウだった。

我が生涯に 一片の悔いなし!!!

そしてケンシロウに自らを越えたことに対して賛辞を送り、自ら秘孔を突いて天に還った。
この戦いの後、ケンシロウは「俺にはあなたが最大の強敵(とも)だった」と彼の墓前で語り、ユリアと彼が遺した愛馬 黒王号と共に旅立っていった。



【キャラクター性】


外見のモデルとなったのは、当時俳優だった「シュワちゃん」ことアーノルド・シュワルツネッガー。
(ちなみにアニメオリジナルで拳王軍の末端にターミネーターモチーフのキャラが登場している。割と強かったが、なんかおかしいなとか思わなかったのだろうか)

登場当初は病で弱ったトキの足に釵を刺し 待ちプレイ 失血死を狙ったり、大義に死のうとした彼に対して「どんな死も痩せ犬の死と変わらん」と言い放つなど、かなりの悪党ぶりを発揮していた。
だが、第一部終盤では自らを一途に目指したトキの姿に涙するなどの熱い兄弟愛や、信念を貫いて死んだジュウザを丁重に葬るよう命ずるなど、誇り高い武人としてのキャラクターを確立。

豪快そうに見えるが、「相手が死兆星が見えない場合は戦わない(※要約すると殺せそうな時のみ戦う)」などかなり チキン…いや慎重な…いや シチュエーションを大切にする性格である。
また、かなり運が良く、リュウケンが病で倒れたために命拾いしたり、トキが死の灰で伝承者候補から離脱、天敵サウザーをケンシロウが撃破によってなど邪魔者が悉く消えていった。
しかしこれは、北斗や蒼天に度々出てくる宿命、という言葉。リハクや(シンにはドSだったくせにやっていることはシン以下のラオウにはやけに優しい)ユリアの言を借りるならば、ラオウは荒れ果てた世紀末を力によって纏めるという宿命を背負っていたためと思われる。
要するに、天が彼を選んだのである。

その役目を見事に果たした(…?)ため、ケンシロウに敗れて宿命から解放される。


  • 「拳王は決して膝など地に付かぬ!」
  • 「俺に後退はない!あるのは前進勝利のみ!」
  • 「このラオウ、天に帰るに人の手はかりぬ!」
  • 「我が生涯に一片の悔い無し!!」
など、数々の名言も遺している。

以上の理由から、フリーザDIO大魔王バーンなどと並び、
最強の実力と絶大なカリスマ性を持ったジャンプ史上に残る敵役の一人に数えられていることもある。

だが、その一方で相手が死兆星を見ないと戦おうとしなかった件以外にも、
  • 「体の謎を見破れずサウザーとの対戦を避けていた」
  • 「サウザーの体の秘密をケンシロウと戦わせることで探る(それとどちらが倒れても都合が良い)」
  • 「部下を使ってトキとケンシロウの再会を必死に妨害」
  • 「マントで目潰ししてドヤ顔」
  • 「弱者をいたぶる秘孔を突く」
  • 「病人相手に待ちゲー」
  • 「ユリアへ執着するあまり周りを見失う」
  • 「恐怖を克服するために弱い者いじめを行い、しかも克服できなかった」
  • 「部下に無茶振りした後、自分のことは棚に上げて部下には命令に従わなかったと八つ当たり」
  • 「実はケンシロウにボコボコにされている」
  • 「殺したフリで悲しみを背負い奥義習得というしょぼさ*1
などから、ヘタレや小物扱いする向きも多い。

「秘伝書を渡せば命は助ける」→受け取る→「命は助ける。死ぬまで獄中でな!」→拳法一家を妻も幼子も餓死させる、というカサンドラの嘆き事件も正直弁護の余地がない。

他には食料はやるから狼藉を働いてくれるなと申し出た村長に対し、「無抵抗など通用しない」と激昂するまでは理解できるが、原作ではそのまま殺害までした辺りもよくドン引きされている。
もちろん抵抗しても殺したり奪われることは言うまでもない。仮にラオウが気まぐれで手出ししなくてもラオウ軍の方が圧倒的に有利である。
この行為について同じようなことをしたハンがよく取沙汰されるが、あちらの被害者はとんでもない戦闘狂であるはずの修羅なので実のところあまり比較できない。


というか見た目のコワモテ具合の凄さと原作・外伝作品共々後付けで過去にさかのぼってまでやたら美化している割に、元々がそれに反するイメージが強すぎるのが悪い。
そもそも暴虐の限りを尽くす大勢の部下も基本暴れさせるがままであり、美化される度にファンからは無理があるとよく言われている。
そんな中で極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝においてはかなり性格が悪く、初期のキャラクター像に基づいて描かれていると思われる。
これも外伝作品とは言え、一応初期覇王様もなかったことにはされていないのかもしれない。

「おごるなサウザー!きさまの体の謎はトキが知っておるわ!(キリッ」
「敗れて命を拾おうとは思わぬわ‼」(中盤の武人テイストなラオウらしい台詞だが、その実何人もの部下を殴り殺しつつ自分のことは罰しない

他の特徴として、とてつもない剛力で強いのだが、子供と青年くらい体格差があるケンシロウとほぼ回避無しで殴り合った場合でも相打ち~僅かに劣る程度である。
見た目が凄くて剛拳を売りにしている割に、実際はケンシロウに力や体力でも負けていることになる。
……ラオウが貧弱というよりは本気を出したケンシロウがやばすぎるという話だが。


ついでに言うなら北斗神拳伝承者の争いに敗れた理由がかなり情けない
というのも、リュウケンから野生の虎をぶつけられたときに「虎に死を覚悟させた」ケンシロウに対してラオウは「虎を恐怖させ奮い立たせてしまった」ので、
ラオウは暗殺拳としての素養がまるでなかったことが暴露された。
これだけなら本人の素質でありまだいいのだが(どこをどう見てもラオウは暗殺拳に向いてないし)、
この時ラオウはケンシロウにドヤ顔で「虎もお前が脅威とは思わなかったようだな!!」と言い放ち、自分に素質がないことにもケンシロウに素質があることにも、
そもそも北斗神拳に何が求められているのかさえ何一つ気付いていなかった
そのため、トキ脱落後の後継者三人の中では最も強かったにもかかわらず、ラオウは伝承者として選ばれなかったし、その理由も本人は分かっていなかった。


地味に息子(リュウ)が外伝作品などではなく『公式』で居るのだが、これも当然北斗らしく後付けであり、母親も不明である。
原作者の武論尊氏は「母親は誰って設定は無い」と言いつつも、「少年誌では描けなかっただけで個人的にはユリア」と言っているのだが、
それだとラオウが更に筆舌に尽くしがたい存在になる上にその事実はネタにすらしづらいことや、ユリアもただでさえアレな女なのにより意味不明でクレイジーな女に……
かといって他の女との子だとするとあれだけユリアに執着するのは…?
という具合にファンが真剣に話そうとするにもネタ話にするにしてもとてもとても触りづらい存在である。
ちなみにトウという線もない。自殺したので厳しいし、仮にあの流れで実は生きていてその後わずかな間に覇王様が手をつけた(会話的に過去に関係があったとするのも厳しい)とするには覇王様の言動や行動など一切が意味不明。
なお、後付けのぽっと出キャラなのにでかい顔していたレイナについては大体スルーされる。彼女が母だとしても上記の意味不明さは解決しないし、そもそも本編に存在しない外伝キャラだし。
そんなこんなで、リュウ自身には何の非も無いのに少しかわいそうである。


こういった何とも言い難いネタっぷりを愛されているのが我らが覇王様である。



【必殺技】

  • 北斗剛掌波
手の平から闘気を発して目標を粉砕する。ラオウの基本技にして代名詞。
名前が登場したのはトキ戦の1回のみだが、彼の基本スタイルが「闘気によって相手を圧倒する」というもののため、そのまま定着したと思われる。
後に発売された格闘ゲームのいわゆる「飛び道具技」のはしりであり、リュウの「波動拳」などはこの技をモデルにしているとか。
スロット版ではみんなのトラウマ。後にケンシロウも使用…というか北斗神拳の技だから使えて当然。


  • 秘孔 新血愁
レイを葬った技。この秘孔を突かれてもただちに健康に影響が出るものではない。
が、3日に渡り死の恐怖を味わい、その後に全身から血を吹き出して死ぬ悪趣味な技
発見者はアミバでありこの技を最初に使ったのも彼であるらしいが、トキが対応する秘孔としての心霊台を知っている*2ため本当の発見者かは疑問。


  • 無想陰殺
相手との殺気を計り、無意識無想の内に繰り出される北斗神拳の奥義。
本来は死を思うゆえに敵との間合いを恐れるものだが、ラオウはそれを長年の鍛練によって克服し、トキに対して使用した。
作中では蹴りを繰り出していたが、説明的には無意識で繰り出す技のため、恐らく技の形は決まっていないと思われる。
PS版のゲームでは自分から背を向けてカウンターするという変技になってる…というか背を向けてる時点で間合い恐れてんじゃないの?
ACの格闘ゲームではゲージを消費する変わりにあらゆる技をキャンセルして出せる必殺技として登場。あえて隙の大きい技を振って反撃しようとした相手への奇襲、コンボパーツとしてなど用途が広く優秀な技。某プレイヤー曰く「無想転生の70倍強力な技」。


  • 天将奔烈
ラオウが誇る最強にして無敵の拳……だが、恐怖のためか無想転生からかケンシロウにはあまり通用しなかった。
闘気を溜め、両手の平から全開にした闘気を相手に叩き込む。これも後にケンシロウが使用(水影心と思われる)。
ぶっちゃけ、北斗剛掌波のフルパワー両手撃ちである。

ハンがケンシロウが使用したものに対して「ラオウの技」と言っているが、この状況が不明。
ラオウは幼少期にリュウケンの元に渡っており、ハンはそれ以降ラオウの事を知らないはずなので、
「代々の伝授にはなくラオウが新たに編み出した奥義」「奥義は昔からあるがいかにもラオウしか使わなさそうな技」
どちらであってもハンがそれを知っている事には疑問が残る。
格の炎に包まれた後にラオウは一度修羅の国へ戻ったことがあるのだろうか?

  • 無想転生
ケンシロウが体得した物と同じ。
そしてケンシロウに恐怖した決定的な原因でもあり、ケンシロウに勝てないと悟った原因でもある。
ケンシロウと対等になるため、自らも悲しみを背負おうとユリアを手にかけようとするが、寸前でユリアが不治の病に罹っている事を知る。
ラオウは思わず手を止めるが、ユリアは自らの命を顧みないどころか、自分を殺そうとするラオウを逆に気遣う。
それを見たラオウはトキとの対決を最後に捨て去ったはずの涙を流し、ユリアを殺すのではなく、「ユリアを殺せない」事をもって悲しみを背負った。


【メディアでは】


当然、北斗の拳を代表するキャラとしていろいろな方面に出ばっている。
CV一覧

記憶に新しい格闘ゲーム、AC北斗の拳にも登場……したのだが。

以下、そのキャラ性能

一撃に重きを置いた剛拳を再現したためか、全体的に動作が重く、各種技の性能もダメージが高かったり無敵が長かったりスーパーアーマーがついてたりするが、隙が大きかったり発動までが遅かったりと、スピードが速いコンボゲーにおいてはいささか苦しい立ち回りを強いられる。
攻撃力、防御力、体力などの基本的なキャラ性能は高いが、蓄積バグの登場によりそれらが相手のゲージ回収を助けるハメになり「ラオウは防御力が高いのが弱点」という一見意味不明な事を言われる。
そして極めつけはジョインジョイントキィを始めとした各キャラのぶっ壊れた性能が明らかになり(ジャギ除く)、ゲームに噛み合わないちぐはぐなキャラ性能と、実用的なコンボを持たない我らが拳王様は一時期最弱候補とまで呼ばれた……。


だが、トキはまさに世紀末
長きにわたる研究により、ラオウも遂にその眠っていた力を覚醒させた。

それは原作でトキの動きを封じた物を再現した技、「釵」(さい)。

これはヒットすると相手を一定時間ロックするという技なのだが、そこから目押しでしゃがみ弱パンチが繋がる事が発覚(ただし猶予2Fとかなり厳しいが)。
これにより釵→しゃがみ小パン→etc→釵→しゃがみ小パン→etc…をループさせる即死コンボが完成。
理論上、ノーゲージでも即死が可能なため、まさに1発刺さったら死ぬというこのゲームの体現者となり、ランクが急上昇した。

……しかし仮にも拳王様なのに肝心の主要コンボに武器を使ってたり、「膝など地に付かぬ」とか言いながら思いっきり膝をつけて相手の下腹部を小パンでペチペチ叩く姿には、なんとも言えない哀愁が漂う。
もっとも膝を地につかぬとはあくまで敵(ケンシロウ)の攻撃で膝をつかぬという自身の意地の表明であり、上記の釵による攻撃モーションはトキを相手にした際その動きを止めるために実際に原作で行ったことの再現でもあるのだが……。
というかSFCのゲームでは本当に地に膝をつけなくした結果、下段ガードが出来なくなりぶっちぎりの最弱だったから多目にみてあげてください。

  • 理想

「これぞ天をも握る最強の拳! 天 に 滅 せ い !」

  • 現実

「ジョイヤーペチペチジョイヤーペチペチ」

トキも目指した剛拳、とはなんだったのか。

原作では最大の脅威と見なしケンシロウをぶつけたり色々やっていた対サウザーに関しては攻撃力防御力の差を思いっきり生かして理不尽なまでの剛拳を振るってくれるのだが、原作では馬上から一蹴してしまっていたレイには見えない中段・防御力が意味を成さないバスケ能力、そこまで差が無い攻撃力などから徹底的に苦しい戦いを強いられるという真逆の状態に。



くどい!!誰が荒らそうがどんなに汚れようがかまわぬ
最後にはこのラオウの項目を追記・修正すればよい!

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