バロッサ星人

登録日:2020/08/29 Sat 02:58:04
更新日:2024/12/23 Mon 17:18:16
所要時間:約 18 分で読めるバロッサ


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※推奨BGM:「ウルトラマンゼット アルファエッジ」



ストレイジが回収したキングジョーを取り返すため、
宇宙海賊バロッサ星人が基地に忍び込む!
気をつけろハルキ!こいつは色んな武器を持っているんだ!!


次回 ウルトラマンZ

宇宙海賊登場!


ウルトラ斬り合うぜ!













バロバロバロ……

バロッサーー!!



画像出典:ウルトラマンZ(2020年6月20日~12月26日) 第10話「宇宙海賊登場!」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京



バロッサ星人とは、『ウルトラマンZ』に登場する、退屈持て余して蔓延る宇宙人である。

●目次

プロフィール(初代)

肩書:海賊宇宙人
身長:2 - 53メートル
体重:110キロ - 2万5千トン
出身地:バロッサ星



概要

本作初のオリジナル宇宙人
宇宙海賊としてその名が知られ、暗い金色の外骨格を身にまとっている。
外骨格の表面に浮かぶ無数の渦巻き模様は種族のトレードマークである。

「本能的に他種族から物を略奪する生態」があるらしく、種族総出で海賊稼業を行い、宇宙各地で破壊と略奪を繰り返して宇宙を荒らしている事で知られる凶悪な種族。
また他の宇宙人から奪い取った大量の武器やアイテムをコレクションする習性もあり、種族全員が他の宇宙人から武器を強奪し続ける卑劣行為に手を染めている。
今回地球に襲来した個体は宇宙船代わりにキングジョーを保有していた。

これらの生態もあってバロッサ星人は種族単位で宇宙警備隊からマークされている。
歴戦の戦士である(といってもまだまだ若手の部類に入るが)ウルトラマンゼロですら、バロッサ星人への対処任務に当たった際は「疲れた」「タチの悪い海賊宇宙人」と愚痴っており、かなり厄介で面倒な種族である様子。

ちなみに母星のバロッサ星は巨大な渦巻き模様が目立つ真っ赤な荒涼とした惑星。
見るからに資源豊かな星ではなさそうなので、略奪行為は生活の糧を得るための手段なのかもしれない。


人物像

性格は残虐非道の蛮族。
操った人間を人質にして人の情に訴える形で脅迫したり、人類を「下等動物」と露骨に見下し、嘲笑う陰湿な気質を持つ。
そのためコミュニケーションの際は頭部を掴んで洗脳した地球人を翻訳機代わりとする。
本人曰く「下等動物の言語を話す声帯は持ち合わせていない」とのことだが、巨大戦では「ン゙抜゙げな゙い゙!」明らかに地球の言語にしか聞こえないセリフを発しているため、種族として喋れないと言うよりも差別意識によるものと思われる。
登場した個体自体は地球の言語をあまり喋れないと考えて良いのかもしれない。
追い詰められると泥臭い卑怯な手段に走るのにも躊躇いがなく、本性は誇りやプライドも何もない悪い意味で海賊らしい三下の下種そのもの。

但し知性や適応力自体は高めであり、洗脳した防衛軍の隊員を使って基地のセキュリティを容易く突破するなど狡猾な芸当を見せている。
また、キングジョーの起動装置を動かした後も再操作されないよう遠隔端末や装置を即座に破壊する等、用心深さも併せ持っている。


戦闘能力

基本的には所有する大量のをとっかえひっかえして戦うスタイル。
だがお世辞にも使いこなしているとは言い難く、完全に武器に使われている状態。
おまけに追い詰められれば剣術をかなぐり捨ててその場にある資料やら泥やらを投げつけ目晦ましにするなど、実態は三下感満載の悪党みたいなファイトスタイルの使い手である。
メタ的な観点から言うと「奪い、盗む事に長けている」という性質上、後述のキングジョーのような兵器を登場させる舞台装置としてオイシイキャラであり、それでいて使いこなすのは苦手なため、負けたとしてもキングジョー自体の格が落ちたりはしないというスタッフ思いな奴である。

等身大の戦闘ではゼットにこそ不意打ちで勝ったものの、手練れの戦士でもある魔人態のジャグラー相手には終始圧倒されており、道具を使う暇すらなかった。

その他、手で相手の頭を掴むことでその間相手の身体を操る能力を持つ。
なお自力での巨大化はできないので、ダダの縮小光線銃の機能を応用して巨大化している。


  • 幻惑攻撃
手にある渦巻き模様を相手の目の前にかざし、動きを止めるバロッサ星人の能力。
具体的には掌を相手の顔の前にかざし、掌の渦巻き模様を見せてつつ掌をグルグル回して術中に嵌めるというもの。ぶっちゃけトンボの捕まえ方と同じやり方。
攻撃力も無ければ洗脳効果といった副次効果のようなものも無いが、術中に嵌まるとフラフラと目眩を起こして動きを封じられてしまう。つまりは目を回して動けなくなる。
とんでもなくシュールだが、決まればウルトラマンですら暫くフラフラになるため、地味に凶悪。
劇中ではいきなり手を翳すなど意表を突いて掌に注目させる方法で使用。仮に嵌ってしまうと大きな隙を晒してしまうのでそこから斬撃や洗脳攻撃に繋げていく戦術を好む。


所有武器


画像出典:ウルトラマンZ(2020年6月20日~12月26日) 第10話「宇宙海賊登場!」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京

劇中で披露した武具は以下の通り。

明らかにオンリーワンとしか思えない貴重な逸品も含まれており、今回襲来したバロッサ星人が全員彼らに勝利したのかどうかは定かではない。まぁメタ的には設定的に再登場が難しい宇宙人を武器だけでも活躍させようとしただけなのかもしれない
そもそも真っ向勝負への拘りを持たないので、種族の数を活かしたゴリ押しで勝てない相手からは武器だけ奪って逃げていたとしても不思議ではない。
劇中では中の人繋がりかマグマサーベルを多用していたが、うっかり建造物にサーベルを突き刺してしまい、抜けなくなる醜態をさらしている。
とはいえ、単体でもクソ卑怯なので、それが1万人総出で襲い掛かってきたら結構ハードであることが予想される。
ちなみに登場翌日にはよく似た状況も発生していた。


宇宙ロボット キングジョー


身長:55メートル
体重:4万8千トン
出身地:ペダン星

ウルトラシリーズお馴染みのペダン星人製スーパーロボット。
今作ではバロッサ星人の宇宙船代わりとして使われており、ウルトラメダル強奪にも用いられた。
相変わらずの凄まじいパワーと頑強さは今作でも健在。頭部からは破壊光線「デスト・レイ」を放ち攻撃する。
ゼットの攻撃をことごとく弾き返しほとんど意に介さない鉄壁の防御力を見せつけたが「分離の際に接合部がむき出しになる」という弱点を抱えており、それが敗因に繋がった。

あくまで出身はペダン星なので、どこかで強奪された説が強いが、ボイスドラマ第10回にてゼロが「ペダン星でキングジョーを奪ったって噂がある」と言っていたことから、十中八九そうなのだろう。


劇中での活躍

第9話『未確認物質護送指令』

ウルトラメダルの存在を「宇宙の秘宝」と呼び、地球にあるウルトラメダルを強奪するためにキングジョーに乗って地球に襲来。
先立って研究所を襲撃してウルトラメダルを強奪してストレイジへ残るメダルを差し出すよう脅迫。
キングジョーの変形機構を駆使してメダル護送中のストレイジを追い詰めまんまとメダルが収納された箱の強奪に成功した。
…筈だったのだが、奪った箱は真っ赤な偽物であった。この時点でポンコツ具合が滲み出ている。
しかしセレブロの暗躍により本物のウルトラメダルの存在が暴かれてしまい、本物を求め再度襲撃する。
一時はキングジョーの圧倒的パワーでゼットを追い詰めるが、分離した隙を突かれてガンマフューチャーのライトニングジェネレートの直撃を受けてしまい、分離状態のまま撃墜。まんまと鹵獲されてしまう羽目になった。
このエピソードではクレジットに名前こそ載っていたがバロッサ星人本人は直接は登場せず、ラストシーンで手先のみが映る演出になっている。


第10話『宇宙海賊登場!』

自分の唯一の足であるキングジョーを回収するため、今作のヴィランでは初めて単独でストレイジの基地を強襲する。
整備班のイワブチ隊員を操ることでセキュリティを易々と突破すると基地内に侵入を果たし、ストレイジの面々を苦しめる。
咄嗟にハルキの体を借りて戦ったゼット(オリジナル)は不意打ちで変身を解除され、ヨウコは操られキングジョー起動の人質にされ*1、司令室にいたユカは脅迫されてキングジョーを起動させられる。
起動後は操作用の端末を破壊した上でユカを用済みとして斬ろうとしたが、魔人態となって正体を隠したヘビクラことジャグラーが間一髪のところで助けに入ったため、2人が大きな怪我をすることはなかった。
それでもストレイジの面々が電源を停止すべく施した数々の策を突破し、キングジョーを起動寸前までエネルギーを蓄えさせることに成功する。
しかし、襲撃直後に退けたイナバがキングジョーの最終起動装置を持って現れ、「コレを解除しない限りキングジョーは動かない」と放り投げられた装置を拾うも、蓋を開けて出てきたのはイナバの昼食の日の丸弁当
イナバのハッタリにまんまと騙され*2、更にはお茶をかけられ怯んだ隙を目掛けてハルキに電極で電流を流されて感電し悶絶。
その際に前話で強奪したメダルを3枚とも落とした事に気付かず逃走し、そのまま衝動的にダダの銃で巨大化…という醜態を再び見せてしまう。

巨大化後は今までに奪った武器を息を切らせながら早回しで積まれた土砂の山に突き刺しまくり挑発してからガンマフューチャーと対戦。
突き刺した刀剣をとっかえひっかえするバトルスタイルでゼットを苦しめるが、ガンマフューチャーの特殊能力を絡めた戦闘スタイルに圧倒された結果、武器を飛ばされては代えを取りに戻るのを繰り返しまどろっこしくなったのか、ゼットに大量の土砂や岩を目潰し代わりに投げつけるという姑息な手を使ってなんとか態勢を立て直す。
今度はマグマ星人のサーベルを装着して攻撃するが、サーベルの先端をうっかり建物に突き刺して抜けなくなる醜態をまたも晒してしまう。
だがこの窮地も掌の模様による幻惑攻撃で何とか対処し切り抜けている。
この時のアップテンポで軽快なBGMはハチャトゥリアンの名曲『剣の舞』。完全にコメディー展開である。

こうした姑息極まりない戦略で一応形勢逆転には成功するものの、最後はヨウコから渡されたウルトラメダルを使いゼットライザーから出現した巨大な光剣に再び苦戦。
奥の手の催眠攻撃を出す暇も与えられず、そのままM78流・竜巻閃光斬を受けて滅多切りにされ、花火のごとく爆散した。

突如地球に襲来して荒らし回ったバロッサ星人は、最後に「バルバル、バルバロッサー!(ゼットによる訳:俺の弟達がきっと仇を討つ)」というよくある捨て台詞を残したが……。


海賊宇宙人なんかに負けないっすよ!何人でもかかってこい!!押忍!


……いや、バロッサ星人は……一度に卵を1万個産む。


つまり弟はあと、9999人いるってことだ。


……え、マジっすか?


そう、このバロッサ星人という種族、出生方法がなんと卵生であり、一度に卵を1万個も産み落とすという奇怪な習性を有しているのだ。
母星や宇宙各地には弟が9999人も存在しており、1人見かけたらあと最低でも9999人のバロッサ星人達が宇宙のあちこちで略奪行為を働いていることになる。
この驚異的な繁殖能力こそが略奪の習性と並ぶバロッサ星人を厄介たらしめる原因である。ゴキブリとかそんなレベルじゃねぇ!
生まれる数が多いと言うことは戦って死んで行く数も多く、長寿な個体は少ないのだろう。
また、初代の断末魔や2代目が仇討ちも画策していた事を考えると兄弟・個体間の仲は良好な様子。星の状況を考えると、互いに励まし合ったり略奪を手伝うといったことも多いのかもしれない。

衝撃の生態にハルキがドン引きと共に唖然とした同時刻、バロッサ星では輪唱を唱える悍ましい数のバロッサ星人達がその捨て台詞に呼応するように叫び声をあげて復讐の時を窺っている姿が映し出されていた…………。
とりあえず末弟ではないようだが、兄が挙がらないのは長男なのかそれとも兄弟間のヒエラルキーの問題なのかは不明。




画像出典:ウルトラマンZ(2020年6月20日~12月26日) 第10話「宇宙海賊登場!」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京

「バロッサ!」「バロッサ!」「バロッサ!」「バロッサ!」
「バロッサ!」「バロッサ!」「バロッサ!」「バロッサ!」
「バロッサ!」「バロッサ!」「バロッサ!」「バロッサ!」



「「「「バロッサ〜〜!!」」」」





バロッサ星人(二代目)


バァールバルバロッ…(グキッ!) いってぇ!?

アイタタタ……腰痛めた………あっ。

……聞いて驚けェ!俺は宇宙の大海賊・バロッサ星人!!

銀河のお宝を奪い尽くす…それが俺達の、掟だ……!



画像出典:ウルトラマンZ(2020年6月20日~12月26日) 第17話「ベリアロク」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京



CV:関智一

第17話「ベリアロク」にて登場した二代目。
地味にニュージェネ以降、再登場する時には個体名で呼ばれる事が多くなった宇宙人の中では珍しい「○代目」表記。*3


人物像

兄者の仇として、そして興味深い武器であるベリアロクを手に入れる為にゼットを急襲するなど、卑怯さは兄譲り。少なくとも初代と2代目の兄弟仲は良好な様子。
卑怯と言われて同じく兄弟でキャラが違う卑怯者宇宙人みたいな事をほざく辺り、種族単位でこういう奴なのだろう。

ただ、「下等生物の声帯は持ち合わせていない」とした兄と違いこちらは普通に日本語を喋る。「間違った方向に努力した結果」と監督は語っている。
また、時折「いやんなっちゃう」オネエ口調になる。


武器

前話のメツボロスの残骸であるギルバリスの他、ギャラクトロンMK2「ギャラクトロンベイル」、キングジョーカスタムの「ペダニウムランチャー」も使用する。
また、ジュランの種を飲み込んで巨大化も可能。
ギルバリスの爪からは紫色の鞭の様なビームを3本放つことができ、鞭のように打ち据えたり縄のように絡みつかせ動きを封じながら締め上げられる。

この他、蝶のような羽を展開して自力で飛行を行っている。兄は使用不可能だったのか、単に使わなかっただけなのかは不明。


戦闘能力


上記のように兄と変わらず卑怯な戦法を得意とするが、その戦闘力は兄と比べて明らかに高い
各種武器の扱いは初代に比べて上手く、真っ向勝負でもアルファエッジに優位に立ち、ウインダムを機能停止に追い込んだ程であり、兄を倒したM78流竜巻閃光斬をも相殺して見せた*4
しかし、それでもそこそこ強い止まりの強さであり、デルタライズクローには素手でも圧倒され、等身大では歴戦の戦士であるジャグラーに圧倒されていた。

しかし、卑怯な手もさることながら、特筆すべきはその凄まじい生命力
ウインダムやゼットの必殺技を受けてもピンピンしており、怒りに燃えるデルタライズクローの猛攻でさえ耐え切った。
結局、最後にデスシウムファングを喰らうまでは大きなダメージを受けた描写もなかった。

  • キーラフラッシュ
目から強烈な閃光を放ち相手の目を晦ませる技。
初代は使っていないことを踏まえると、光熱怪獣キーラの目を加工しコンタクトレンズの要領で装着していると考えられる。

  • ファイナルブレイク
ベリアロクを手に入れた後、ベリアロクを使い放った技。
オレンジ色の斬撃をベリアロクから飛ばし離れた相手を切り裂く。


活躍

16話ラストで禿山の一夜をBGMに登場シーンが描かれ、17話で本格的に活動。
兄と同じくエピソードを跨ぎながらの登場である。
メツボロスとの戦いで疲弊していたゼットを急襲し、上記の名乗りをコケつつ言い放ち交戦。
途中ベリアロクの奪取に成功し派手に行こうとするも結局見限られ、等身大に戻り追跡。

その後ベリアロクの元にたどり着くも引っこ抜けず、

…あれ?抜けない。まだ強情張る気かよ、この顔野郎!おいその顎外すぞ!

と脅す。
直後に現れたジャグラーの挑発を受けたベリアロクの仮の主となって彼に行くぜ行くぜ行くぜ!と戦いを挑むも結果はお察しの通り惨敗。
ジュランの種を飲み込んで(この際に顔の渦が舌である事と顔の中心に口がある事が判明する)巨大化。

そのままゼットやウインダムと交戦し、ウインダムの捨身の戦法で頭を爆破されかけるも無傷。
しかし諦めないゼットとハルキの姿勢に動揺した隙を突かれ、一時退散する事に。ところが…

バロッサ。今日はこの位にしとい……えっ?

バルッ!?顔がァァァァ!?

バルバルバロッサァァァァァァ!!!!

逃げようとしたところをデスシウムファングで噛み砕かれるという末路を迎えたのだった。
ご賞味ください奴の身を~♪



アイツ…なんて言ってたんです?

『大海賊、地球に死す』だとさ。

散り際も面白くないヤツだ。


ぶっちゃけ、今回のバロッサ星人はいつもの関智一と言わんばかりのはっちゃけ具合を見せ、
と言ったようにこれらですらまだ一部である程これでもかとパロディが随所にぶちまけられている。誰が呼んだかパロッサ星人
色々と他の会社に怒られないか心配である。





バロッサ星人(三代目)



兄者と弟の敵……派手に行くバロッサー!



画像出典:ウルトラマンZ(2020年6月20日~12月26日) 第22話「それぞれの明日」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京



CV:橋本達也

第23話にて懲りずに登場した三代目。公式では提供画面で限りなきチャレンジ魂と評されている。
但し、正確には二代目の兄というややこしいことになっている。


人物像(三代目)

二代目同様に流暢に日本語を話す。
一人称は「オイラ」で、語尾に「バル」または「バロッサ」と付けるのが口癖。

少なからず冷徹さを漂わせていた兄や弟と比べると終始ハイテンションで、地球に来た目的も兄弟の敵討ちのみである等、兄弟愛は相変わらず強い。
一方、肝心の戦闘能力に関しては(後述する戦況を考えても)然程高く無く、真っ向勝負では基本防戦一方であった。
しかし、怯んだ振りをして相手の隙を狙う等、一族の例に漏れず姑息で卑劣な面は変わらない。
また、前述の通り敵討ちのみの為に地球にやってきたせいか、初代ならキングジョー、2代目ならベリアロクと言った様な何かしらの兵器や武器に対する執着を一切見せていない。


武器(三代目)

武器を奪う事にはあまり興味がないのか劇中では専らゴロサンダーのゴロン棒のみを使った接近戦に特化しており、これまでの兄弟と比べると戦闘スタイルは単調と言わざるを得ない。
しかし、この三代目の特筆すべき点は地球のデンプンで自分達の持つ「バルバル細胞」を活性化(=巨大化)させられるということに気付いている点であり、本編では地球上の「ある物」を使って巨大化している。


活躍(三代目)

人間サイズのまま地球防衛軍広報主催のセブンガー展示場に出現する。
始めはハルキとヨウコを肉弾戦で圧倒するものの、謎の身体能力の高さを披露したイナバに押されるとそのまま逃亡する。
しかし、直ぐにハルキに追いつかれてしまい、そのまま彼の変身した等身大ゼットと格闘戦にもつれ込む。
当のゼット本人からは「50秒もいらねえ」と吐き捨てられ、その言葉通りろくに善戦できずに押されっぱなしに陥るが、すんでのところで「ある目的」の為に乱入したジャグラーが助太刀に入ったことで難を逃れる。
直後、三代目は何処からかぶん取ってきたと思われるタピオカミルクティーを掲げると…


地球のデンプンが、バルバル細胞を活性化させるバル!


直後、それを頭から一気飲みすると巨大化してしまった。
そのまま巨大化したゼットやヨウコの操るセブンガーと激突。
そこへ地球防衛軍の隊員が駆るキングジョー ストレイジカスタムも駆け付けてボコボコにされるが、またもジャグラーの変身するトライキングが乱入したことで乱戦状態になる。

そんな中でセブンガーを追いつめるが、最期はヨウコの挑発に乗ったベリアロクとユカがコアシップから操るレッグキャリア―に乗ったセブンガーの「波乗りスペシャルスラッシュ」で倒され、爆散した。




バロッサ星人(四代目)



バルッバロバロ、バルバロバロバロ(待てと言われて待つ奴があるか!)

CV:田口清隆(『Z』でメイン監督、『トリガー』で7話の監督を担当)

人物像(四代目)

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第7話「インター・ユニバース」に登場。今度の個体は地球語を喋ることができないが、ベビーザンドリアス ケダミャーを相棒として連れており、等身大での活動時にはケダミャーが通訳を行っている。
今回の個体は『Z』世界でキングジョー ストレイジカスタムを強奪し、ウルトラメダルもついでに奪った後『トリガー』世界に流れ着いたもの。
様々なお宝をコレクションしており、トレジャーハンターであるリシュリア星人のイグニスとお宝を自慢しあっていた。

相変わらず狡賢く、ビルを蹴倒して動きを止める、そこらへんにあった車を投げつけるなど三下のような戦術で相手を翻弄しているが、
自分で発生させた四次元空間に飲み込まれる、お宝自慢をしている隙にイグニスに奪ったメダルホルダーを盗られるなど抜けているところがある。

武器(四代目)

地上戦ではコダイゴンジアザーの鯛を相手に喰らいつくデコイとして扱い、自身はギルファスの剣を持って戦う。
宇宙空間では様々なものをどこからか取り出しては投げつけ、しまいには赤と青の石をあわせたブルトンまで投げつけた。
巨大化には二代目同様、ジュランの種を使用している。

活躍(四代目)

『Z』世界でキングジョーを奪い、宇宙セブンガーとウルトラマンゼットデルタライズクローの追撃を受けていた。
追撃を逃れるためにブルトンを投げつけ四次元空間を生み出したが、ゼットのみならず自分自身もキングジョーごと飲み込まれてしまい、『トリガー』世界のソラフネ競技場周辺に降り立った。

地球に降り立った際に人間サイズに戻っており、巨大化に必要なジュランの種をどこかに落としてしまったため、キングジョーを運べずに種を探し回っていた。
途中でイグニスと遭遇し、お宝自慢合戦になるが、その隙にウルトラメダルを奪われてしまう。
慌ててイグニスを追いかけていると、もみ合いになって倒れ込んだとき偶然にもジュランの種を発見。メダルを奪い返して逃げるため即座に巨大化を行う。

討伐に現れたガッツファルコンを撃墜し、ウルトラマントリガー マルチタイプにはコダイゴンジアザーの鯛を噛みつかせた上でギルファスの剣を奮って痛めつける。
ウルトラマンゼット オリジナルが遅れて救援に現れると、今度はビルを蹴倒しそのまま投げ飛ばし、車を投げつけては怯んだ隙を狙って剣で襲いかかり一時は優位に立っていた。
しかしベリアロクが現れ、トリガーもサークルアームズを召喚すると押されていき、不利だと思って空へと逃げ出した。
そしてそれを追うゼットとトリガーから、デスシウムクローとゼペリオンクローインパクトの連続攻撃を受けて倒された。

なお、通訳を行っていたケダミャーは巨大戦に参加しなかったため生き残り、「オヤビンの敵ー!」と言ってイグニスにフンをかけてどこかへ飛んでいった。
イグニスが奪ったメダルの方はちゃんとハルキに返却された。



余談

名前は16世紀に地中海を荒し回った史実の海賊「バルバロス兄弟」から取られたものと思われる。
なお、異名の語源はイタリア語のバルバロッサ(barba rossa)=赤ひげ。

久しぶりに登場した完全新規の宇宙人であり、終始人間態で活動し、着ぐるみなんて存在しなかった伏井出ケイ/ストルム星人を除き、映画を含めばガピヤ星人サデス以来、着ぐるみが存在せず、テレビ本編に限るならULTRASEVEN Xグラキエス以来13年ぶりである
デザインは初回のゲネガーグも担当した楠健吾氏。
「令和を代表する宇宙人に…」というハードルの高いリクエストがされていたらしく、決定稿に至るまで相当に苦心したらしい。
一方で、ボスキャラではない「普通の怪獣」「普通の宇宙人」のデザインができたのは嬉しかったとのこと。


初代の特徴的な鳴き声も「バンバやドルゲ*5みたいに自分の名前を連呼しながら現れる敵って最近見ないね」と脚本家とスタッフが話していた所、それを聞いていた監督がふざけて叫んだ事から誕生した。

スーツアクターは初代から全て石川真之介氏が担当。『R/B』や『タイガ』でウルトラマントレギアを担当しているお方。




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最終更新:2024年12月23日 17:18

*1 「言う通りにしなければ人質を殺す」と言われた際、「死にたくない」「私がどうなってもいいの?」とユカに命乞いをしていたが、キングジョー起動のアナウンスの際に笑みを浮かべていたり、正気に戻った後の負傷時には「私の事はいいから」と先程とは打って変わって自身より他人を心配する返事をしていた事から完全にバロッサ星人の一人芝居。

*2 武器を使いこなせていない描写と併せ、盗品ゆえに仕様を理解しきっていなかったバロッサ星人だからこそひっかかった作戦であり、自分達の技術に誇りを持ったペダン星人であればハッタリと気付かれていたに違いない。

*3 TVシリーズではなんとウルトラマン80バルタン星人六代目以来。

*4 兄に限らず、これまでこの技を回避もしくは防げたものはいなかった

*5イナズマン』(バンバ)『超人バロム1』(ドルゲ)に登場する悪の首領。ちなみに、バンバもドルゲも中の人が同じ。