開運!なんでも鑑定団

登録日:2012/01/25(水) 01:31:06
更新日:2025/04/10 Thu 12:43:30
所要時間:約 7 分で読めます






さあ参りましょう、オープンザプライス!



『開運!なんでも鑑定団』は、テレビ東京鑑定バラエティ番組である。
1994年4月から放送を開始し、テレビ東京のバラエティ番組では最長寿記録を誇る。


概要

古今東西あらゆる人物が持つ「お宝」をその道を極めたベテランが鑑定して値付けするのを基本コンセプトとし、特に知識がなくても老若男女問わず楽しめるのが大きな特徴。

元々は紳助が出演していた読売テレビの深夜番組「EXテレビ」で実施した週替わり企画「あなたの家宝 鑑定ショー」が原型*1
EXテレビの終了にあたり放送した企画を他番組や他局に売り出す事になり*2、テレビ東京がこれに目を付け開始したという経緯がある。

放送時間はテレビ東京系では火曜日の21時。
再放送は非系列局を含めて実施されており、ほとんどの地域で週二回見ることが可能。

その「お宝」は壺や絵画、古文書やのような骨董品から、石、懐かしのオモチャ、エラーコイン、パソコンの組み立てキット、なんかのミイラ、たま~に歴史をひっくり返すものも。
このお宝に付けられる鑑定額や依頼人が手に入れるまでのストーリー、お宝そのもの、鑑定士のウンチク、依頼人のキャラ、誰が来るか予想できないゲスト等々、見所は豊富で、芸術家や作品の紹介は芸術や歴史に関する教養ともなる。

番組構成は序盤がスタジオでの鑑定、中盤はロケ企画である地方への出張鑑定orテーマ別鑑定大会を挟み、終盤は再びスタジオに戻るパターンとなる。
最初の依頼人はゲストとして芸能人や著名人が登場する。ちなみに最多出演ゲストは大橋巨泉氏の32回で、帰国時に毎回といっていいほど出演していた。

ちなみに番組宣伝ゲストが来ることは殆どない*3
但し特番では番組対抗鑑定大会という企画をやったこともある。

スタジオには何故かその日の出番がない鑑定士がいる。何回かまとめて収録しているためだろうか?

因みに番組最高額は5億円の壺。安いほうでは番組初期に何度が出た0円、たまに100円や500円という結果が出ることもある(通称ワンコイン)。
そんなスタジオには鑑定額にびっくりして依頼人が倒れた時の為にAEDが配備され、出張鑑定も医療関係者が付き添う。

番組開始当初からオープニング曲はビートルズの『Help!』。平成生まれくらいの人だと、この番組か某スーパーでこの曲を知った人もいるかも。
また、CM入りにはウルトラマンパワードのメインテーマが使われている。


あのパネル

スタジオでの鑑定の際は招きネコをあしらったパネルに鑑定結果が「円」で表示される。単位は一から億まで表示可能な電光掲示板で、20年以上経った今も特に故障がない*4
発表時は一、十、百、千、万と桁を読み上げる効果音に合わせて数字が順番に表示される。実は戻る事も可能*5

因みに表示できる全単位を実際に表示済。十億以上は不可だが、それは遺跡とかの世界遺産クラスなので必要ない。
実は鑑定額は番組スタッフが設定しているのではなく、スタジオ内に設置されている小さなコンソールを石坂→福澤が先に渡された鑑定額を打ち込む事で表示している。

パネルデザインは、初期の頃は銀色のメカチックなものだったが、現在は白い可愛らしいものに変わっている。

主なコーナー

出張!なんでも鑑定団

全国各地に足を延ばし、とりあえず殆ど制覇してる。2周目の地域もあるんだとか。
ご当地の公民館やホールなどで収録を行う。鑑定金額が本人の予想を上回った場合は当地の名産品等が出場者にプレゼントされる。

依頼人はフリップで本人評価額を書き、鑑定後、司会者が「ジャガジャン!」という掛け声で鑑定額が書かれたフリップを依頼人が上に上げて見せる。(当然その鑑定額が書かれたフリップは依頼人にはわからない様に見せない様に渡す)
本人評価額と同じだった場合、「ピタリ!」あるいは「ズバリ!」と書かれる。
ちなみにそのフリップはその後持ち帰る事も可能である。

ここでのナレーションの銀河万丈氏の鑑定結果が出た後の台詞が印象的で、本物と評価されて本人評価額が上回ったりした場合、「これは凄い!」「大幅アップ!(少し上回ったものなら『ちょっぴりアップ!』)」「やったー!」、逆に大きく下回ったり、偽物と評価された際は「う〜ん、残念!」「あっちゃー!」、依頼品が有名な作家が作ったものと言うも、見た感じだとなんか本物っぽくない感じがある所もあって、鑑定したら案の定偽物だった場合は「やっぱりー!」、下回ったりしたがそれでも高額な部類だった場合「ダウンするも大健闘!」(あるいは『本物か!?』)」等、依頼人目線で評価に対する台詞を喋るのもこのコーナーの見所の1つでもある。

なお、持ち込まれた物に詳しい鑑定人が会場にいなかったり、より詳しい鑑定が必要だったりすると結果のボードに「スタジオへ」と書かれることがある。この場合は依頼人と品物がスタジオに登場して鑑定を行う。
番組初期はこのパターンが結構よくあったが次第に頻度が減っていき、2006年を最後にこの仕組みは無くなったと思われていた。…が、2023年に約17年ぶりのスタジオ行きが発生し、ちょっとした話題になった。

テーマ別鑑定大会

銀座のママさん、おもちゃ、強気のお宝、ご長寿さんなど特定のテーマに基づいた鑑定大会。こちらは進行役のほかにゲストコメンテーターとしてタレントが1名が登場する。
2020年代以降のロケ企画は時勢的にこちらのほうが主流。

幻の逸品買います

様々なコレクターが入手困難な品物を代金と引き換えで譲ってくれる人を募集する。

私のお宝売ります

こちらは様々な事情で手放すことになったお宝を鑑定後、その額で買い取ってくれる人を募集するもの。
この回でプラレールの買取を募集したところ、なんとメーカーであるタカラトミーからオファーが到着、そして見事タカラトミー本社に展示されることになった。


出演者

現在

☆今田耕司
2代目司会者。
紳助が不祥事で休演していたころから代役として登場機会があり、その実績からすんなり抜擢された。
骨董に関しては素人だが、持ち前の唇から出るトーク力の高さを生かし場を盛り上げる。

☆福澤朗
石坂卒業に伴い、2016年4月から加入した司会。
加入した初回にいきなり1000万超えの高額結果が出た為、金額の打ち込みが間に合わずオープンザプライスにまさかのちょっと待ったコール
今田から高額結果である事を察せられ、依頼人に高額である事を金額発表の前にバラされてしまう羽目になった事も。

☆菅井友香
4代目アシスタントの元櫻坂46で、2024年4月23日から登場。お披露目を兼ねて2024年4月2日の特番から登場し、前任である片渕とも共演を果たした。


過去

☆島田紳助
初代メイン司会者でそのトークは会場を湧かせたり、依頼人を立てたりと万能だった。
実は資産管理に詳しい。
石坂の抑えがあったおかげか、他の番組より比較的大人しく進行していた。
それについて本人は、番組の性質上高齢の視聴者も多いため、意識して喋るテンポ等をゆっくりにしていると語っていた。
紳助が芸能界引退前に最後に出演したのがこの番組で*6、引退後も過去の総集編では出演映像が使用されており、紳助の映像をテレビで視聴できる数少ない機会となっている。

☆石坂浩二
番組開始時からの古参メンバー。
俳優・翻訳・司会・芸術家・社長とすごい人で、第2回では依頼人としても登場*7
コレクターであり、自身も絵画を描いて入賞する程の腕前。さらにはプラモデル好きで同好会「ろうがんず」を主宰するほどのモデラー。
紳助曰く、石坂がいなかったら番組が成功しなかったとのこと。
2016年頃に数年前から番組内で出番の大半がなぜかカットされているという、プロデューサーとの不仲騒動が持ち上がり、2016年3月いっぱいで卒業。
本当にほぼカットされていたので無口になったのかと思った人もたくさん居たらしく、(真偽は各自で判断して欲しいが)実際はよく喋っていたので驚いたという出演者の声も聞かれた。

降板後はBSテレ東で放送が開始されたスピンオフ「極上!お宝サロン」のMCを担当していた。

☆吉田真由子
アシスタントだが空気。
実は2代目アシスタントであり、「日本のテレビ番組の女性アシスタント最長記録」保持者。
姉は女優兼料理研究家の吉田真希子であり、2008年には他局の昼ドラでW主演を果たしている。

☆片渕茜
3代目アシスタントで、歴代アシスタントでは唯一のテレビ東京アナウンサー。
陶芸の才覚があり、著名な美術家の作品と並べて今田にどちらが本物かを当てる企画が時おり放送され、毎回見事に今田を騙していた。
報道番組のキャスターへ就任が決まったため、2024年4月16日放送分で卒業。


ロケ担当

☆松尾伴内
☆住田隆
☆石田靖
☆柳家花緑
☆原口あきまさ
出張鑑定の司会者。
いずれもテンションが高く、顔が濃い。トーク力も各々高い。

☆青木直子
☆新妻さと子
☆永浜いりあ
☆橋本かれん
☆奈津子
出張鑑定のコンパニオン担当。アシスタントよりは存在感がある。

おもな鑑定士

開始当初は鑑定士紹介の映像も流れていた。

中島誠之助(なかじませいのすけ)
壺や皿等の陶磁器を担当する鑑定士でその道の第一人者。
最も出番がある鑑定士。
ベテランといえばこの人といえる程の風格を持ち、いい品であれ偽物であれその物品の良いところを見つけ出し、依頼人への細やかな気配りも上手いといった理想の人格像を持つ。
また番組終了で鑑定士達が退場する際、立ち上がるスピードが一人非常に速い。
陶磁器を扱う様になったのは養父である伯父が目利きの骨董屋として生業にしていた為で、骨董商になる前は獣医の勉強をしていたという変わった経歴を持ち主でもある。
かつては伯父の死後に独立して東京の南青山に店を構えた古伊万里染付の骨董専門店「からくさ」を営業していたが、2000年に閉店し、現在はお店は持っていない。
実の娘も陶磁研究家で、本編に鑑定士として出演することがある。
(搾り出すように)「いぃ~仕事してますねぇ~」

澤田平(さわだたいら)
古式銃を担当。兵士の装備をして火縄銃を撃つ等かなりのファンである。
本物が出る度「実はそれは、昔自分が目をつけたけど見逃した品だから自分の物だ」というムチャクチャな主張をするため、
「澤田が出る回は当たり回」としてネタ的な意味で非常に愛されている。
どこか怪しいオジサン。本業は整体師な点もそれを強めている。

北原照久(きたはらてるひさ)
オモチャ担当だが古い看板だったり時計だったり色々鑑定する。
ブリキのオモチャコレクターの第一人者であり、多分アニヲタ民が一番喜びそうな分野を分析してくれる人。
そのほか、物に関わるあらゆる文化・歴史に精通しており、オモチャ以外にも広い知識を持つ。
実は初回から出演し続けている鑑定士は中島と彼だけ(他は中途から登場したり、諸事情や当人の死亡などで降板している)。

安河内眞美(やすこうちまみ)
掛け軸・屏風を担当。
本物であれ偽物であれ、解説は結構淡々としている人で、さらりとスゴいこと言ったりする。やや毒舌の気がある。
因みに北九州市特命大使。

田中大(たなかだい)
担当は安河内さんとほぼ同じ。
解説ではやや噛みしめている感がある。また、鑑定時に口元をハンカチで押さえることから「京都のハンカチ王子」と呼ばれている。

渡邉包夫(わたなべかねお)
開始当初から出演していた日本画家で、横山大観最後の弟子でもある。
冒頭の「EXテレビ」にも出演していた。
「これはいけません」「技術的に説明しますと…」というセリフが彼の代名詞だった。
鑑定士軍団の最長老として知られ、逝去時には追悼企画も組まれている。

安岡路洋(やすおかみちひろ)
開始当初から出演していた鑑定士の1人で考古学や民芸品等を専門とし、「埼玉のインディ・ジョーンズ」と呼ばれていた。
2011年1月30日に死去。


鑑定ミスを巡る騒動

2016年12月20日放送で、鑑定士の中島が「2500万円の国宝級曜変天目茶碗」と大絶賛したところ、「偽物である」「国宝級ではない」と番組外から反対意見が相次いだ。
セットで鑑定した箱や巻物も怪しいことや、中国で作られた数千円~1400円程度のレプリカもあり、2018年1月17日の「ビビット」(TBSテレビ)において、「中国のおばちゃんが造ったものではないか?*8」という番組まで放送される始末。
直接手にしていない反対意見の説得力も疑わしいのだが、科学的な鑑定により、少なくとも中島の鑑定を誤りと断言できるものではないと判ったが、仮に本物だったら今度は「安すぎる*9)」という意見もある。

なお、番組の構成上その場で鑑定しているようにも見えるが、実際はスタジオに入る前に鑑定士当人に限らずリサーチをした上で鑑定結果を出していると言われている。それでも古美術の鑑定はどうしても最後は感覚が絡むもので、一流の鑑定士であってもミスが生じうる。
何よりもこの番組はあくまでバラエティ番組
(番組サイドの言い訳でもあるものの)鑑定額や説明などの諸々が絶対であることを保証するものではないことを踏まえて視聴しなくてはならない。

ついでに高額な物と思って高額で買ったものや倉庫から出てきたなどの経緯などでは基本問題無いと思われるが、
価値と経緯によっては贈与税で逆に痛手になりかねない。
そのため番組サイドのみならず視聴者や出演者にとってもバラエティであるという前提が超重要。
なお相続税の方にも気を付けなければいけないため、(元々ほとんどないと思われるが)億越えは余計に極力出さないようにしているものと思われる。


ありがちなこと・フラグ

(例外も時々あるので参考までに)

  • 「円山応挙の掛軸です!」と成金系親父が持ってくるどうみても落書きにしか見えない掛軸は違ってるフラグ
  • 一目惚れで買ったものはだいたい安い
  • 嫁や家族に黙って買ったものもだいたい安い
  • 借金のカタもだいたい安い(島田紳助談、そりゃあできるだけ借りた金より安いものを差し出せたら債務者は御の字だしね……)、借金に名品なし
  • 谷文晁は大体安い
  • 田能村竹田も大体安い、安河内曰く「十本あれば十一本が偽物」
  • 「博物館か美術書で見たのと同じ」と言うセリフは安物フラグ(そりゃあそこで見たものが大体本物だし、本物が2つ以上あるはずがない)
  • 拾ってきたゴミは割と高値がつく
  • 本人に価値が分からないものも割と高値がつく
  • 一般人から見てしょぼい壺→数千万でした
  • 大きい物は見た目に反してそれほど高くない
    (芸術論の考え方として、小さくてもシンプルにまとめたことに対して評価が向くことも多い)
  • ゲストから「自分でも描けそう」と言われた絵画は意外と高値がつく。


一番上あたりはナレーション自体が言い出すので、視聴者の認識というより公式ネタだったりする。
応挙や文晁、竹田以外でも「偽物が多いと言われる横山大観だが、果たして・・・?」とか、一部人気作家は解説でも頻繁に言われ、実際に贋作なども多いので残当な認識であるようだ。

ただし「違う」と言っても真作で数億クラスの品ではないだけで、コピーや落款パクっただけや下手くそな贋作の数千円級あたりとは比較にならない場合もある。
例えば習作、高名な弟子が描いた模写、同門や似た流派や近い時代の人気作家が描いた真作など、売り手や依頼人の勘違いもうなずける品で、数十万〜それ以上のれっきとした美術品と鑑定が出る事は稀にある。
また、あくまで「現在の市場価格」としての評価の為真作だし購入当初は妥当な金額で購入しているものの市場人気の低下により購入金額を元に予想を出した所今は人気が低下していて安くなっていると言う理由で予想金額より低い評価額になった
と言う事も非常に稀だがあったりする。



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最終更新:2025年04月10日 12:43

*1 さらにこのEXテレビ企画の元ネタと思われるのが、イギリス公営放送BBCで1979年から放送された「Antiques Roadshow」という番組。日本ではNHKが映像放映権を買い取り、吹替を付けて「西洋アンティーク鑑定会」として放送していた。

*2 元々の放送局である読売テレビでは、ダウンタウンDXがクイズ企画を採用して一時期トークではなくクイズ番組になったり、「芸能界の厳しさ教えますスペシャル!」と題して不定期特番として放送されたりしていた。

*3 非系列局の場合、同じテレ東制作番組でもネット局が異なる可能性もあるため。

*4 表示部は2度更新されている。初代は7セグ表示、2代目は3色LED、3代目はフルカラーLED

*5 漫才コンビの四千頭身がゲストとして出演した際、漫才のネタを再現する形で「一端300万円まで表示した後に3000円まで戻す」という演出が実際に行われた。

*6 本番組終了後の22時から引退会見を開始している。

*7 この時は紳助があのパネルに価格を打ち込み表示していた

*8 模様は元より裏の文字の部分があまりにも一致していたことから、素人目では与太話だと断ずることなど出来ない代物だった。なお、製作方法などが不明なので再現に非常に苦労しているという話であって、手段を問わなければ似たようなレプリカを造れるというのはおかしくない

*9 歴史的経緯もあって綺麗な状態で現存する他の三品は全て国宝で、資産家でもそうは手に入れられない代物である。ランクの落ちる油滴天目茶碗ですら1.5億や12億の値が付くことがあった。これらから言っても本物ならば2500万は破格だという意見が多い