登録日:2015/09/19 (土) 00:39:50
更新日:2025/09/26 Fri 20:14:56
所要時間:約 6 分で読めます
『
ドラキュラ伝説』(
Castlevania:The Adventure)は1989年にKONAMIから発売された
ゲームボーイ用作品。
【概要】
既に名作ACTゲームとしての地位を築いていた『悪魔城ドラキュラ』シリーズ初の携帯機用ゲームとして注目を集め、GB初期のメジャータイトルの一つとしても数えられている。
同年に発売された『悪魔城伝説』と同じく、
初代『悪魔城ドラキュラ』の以前の物語として設定されている。
本家と違う『ドラキュラ伝説』独自の特徴としては、階段ではなくロープによるブロック間の移動と、多彩な針山のギミックが挙げられる。
また、サブウェポンシステムをばっさり廃しており、代わりに鞭のパワーアップで飛び道具が出るようになっている。
全4ステージと短くはあるが、一度でも被弾すると鞭がパワーダウンする仕様や、落下やトラップと常に即死と隣り合わせな状態が続く内容から、非常に歯応えがある。
- 液晶ブレによる残像を抑えるために極端に落とされたゲームスピード
- それに伴い主人公の操作性の悪化
- 主人公あるいは敵弾の判定が見た目より大きく、当たっていないはずの敵弾でダメージを受けることがある
- プログラムの組み方が円熟しておらず、ごく少数のオブジェクトが画面上にあるだけでも処理落ち(ボタンをきちんと押しているのに攻撃ができない、ジャンプができない等)
その高い難易度と癖の強さから、かなり人を選ぶ内容になってしまった。
ただし、ゲームその物のアイデア、空気感、グラフィック、サウンドは素晴らしい。
やり込んできっちり攻略パターンを構成して慣れれば20分程でクリアできるゲームであり、そこまでいけばかなりの中毒性を味わえる。
【ストーリー】
+
|
長いので折り畳み |
ヨーロッパにある小国トランシルバニアには、今も一つの魔人伝説がある。強力な魔力をもち、人々を恐怖させた魔王ドラキュラの伝説である。しかし、幾度となく復活をとげたドラキュラも、世界を暗黒に変えることなく、ことごとく滅び去っていった。
ベルモンド一族の血をひくシモンによって……。
たびかさなるシモンとドラキュラの対決。だが魔王ドラキュラはシモンとの初対決以前よりすでにトランシルバニアに存在していた。ただし魔王ドラキュラとしてではなく、邪悪な呪術者として……。
狂的な悪魔崇拝者だったドラキュラ伯爵は、トランシルバニアのはずれに暗黒の城を築き、毎夜悪魔の儀式を行なっていた。そして数々の魔物を異世界より呼び出し下僕とし、自らも永遠の命をもった魔王になろうとしていた。そして日に日に魔力を身につけ凶悪になってゆくドラキュラ伯爵に、街の人々はおびえ、恐怖した。
……が、その時一人の漢が立ち上がった。彼こそがあのベルモンド家の先祖であるクリストファーである。暗黒の城へと急ぐクリストファー。城には幾重もの魔物や罠がまちかまえている。はたして彼は魔王となったドラキュラ伯爵を倒すことができるのであろうか。
(『ドラキュラ伝説』取扱説明書より)
|
【登場人物】
●
クリストファー・ベルモンド
シモンの祖先。
『
悪魔城ドラキュラ』の取扱説明書にてドラキュラを倒した英雄として言及されている。
あまりの鈍足ぶりから「歴代最弱のベルモンド」とネタ扱いされているが、実際には生涯で二度もドラキュラを仕留めた歴代屈指の英雄である。
●ドラキュラ伯爵
本作では、当初は狂的な悪魔崇拝者かつ邪悪な呪術者だったとされている。
数多の魔物を下僕とし自らも魔王となったことで、人々から恐れられていた。
魔王とはいえ、まだ人々に直接害を及ぼしたわけでもないのに討伐されるのは少し可哀想な気がする。
【鞭の段階】
●皮の鞭(小ダメージ)
初期段階の鞭でリーチは短く威力も低い。
この状態の鞭では一撃で倒せる敵も少ないので厄介。
●鎖の鞭(大ダメージ)
一段階パワーupした状態。
リーチも長く高威力。
最低限、この状態を保ちたい。
●鎖鞭+火炎弾(大ダメージ+小ダメージ)
二段階パワーupした状態。
連射は出来ないものの先端から遠距離攻撃可能なファイヤーボールを出せる。((後に
ソニアや
ネイサン、
ジュスト、
シモンが類似したアクションを使用している。))
火炎弾の威力は皮の鞭と同じ。
上手く本体と共に連続ヒットさせると耐久力の高い敵も一撃で倒せたりする。
【アイテム】
●金貨
点数up。点数がある程度増えるごとに残機も増えるため、地道に集めていこう。
●水晶
鞭の強化。
固定された位置にしか出ない。
●ハート(小)
体力小回復。ハートは他の作品では「サブウェポンを使用するためのコスト」なのだが今回はないのでゲーム全般の例に(分かりやすい例だとゼルダだろうか)則って回復アイテムに。
●ハート(大)
体力大回復。
●十字架
一定時間無敵。
●1up
プレイヤーの残数が増える。
【敵キャラクター】
●マッドマン
泥男。
雫状態で降下し、着地すると人型になってゆっくりと歩く。
雫状態の時点で撃破可能。
●デスバード
画面を横切った後、反対方向から急襲して来る鳥。軌道は直線的なので落ち着いて迎撃しよう。
●ジ・ズィー
小柄ながら耐久力が高い怪物。
小ダメージでは仕留めきれず、大きく飛びかかって反撃して来る。
●ビッグアイ
ゴロゴロ転がる巨大目玉。
倒すと爆発し、吊り橋を壊してしまう。
●コウモリ
天井にぶら下がり、近づくと飛びかかってくる。
耐久力は低いが、動きが読みづらい上になかなかしつこい。
二面冒頭にわんさか出てくる箇所は正直運ゲー。
●ブナグチー
みんなのトラウマ最凶キノコ。
地面または天井から生えており、口から胞子を放つ。
これがまたゲームスピードの遅さを嘲笑うかのような速さであり、慣れるまでが大変。
●ナイトストーカー
両手に鎌を持つ怪物。
一定距離を保ち鎌を投げて来る。
立ったまま構えを取れば上段から下段へとUターンする鎌を飛ばす。しゃがんで構えを取ればその逆。ジャンプとしゃがみを上手く使って避けよう。
耐久力も高く厄介。
●ウォーム
固い巨大芋虫。
小ダメージでは仕留めきれず、回転して反撃来る。
●エビルアーマー
背景の鎧の群れから不意を突くように出現する。
槍のリーチと耐久力に注意。
【ステージ】
■ステージ1
●BOSS:ゼルド
BGM・Battle Of The Holy
最初のステージだけありさほど難しくはないものの、終盤には『非常に狭い足場』を『はみ出そうなくらいギリギリのところからジャンプ』しなければならない難所が存在し、そのシビアさに泣いたプレイヤーも少なくない。
クリストファーさんの鈍足にやきもきしてきたらBGMに耳を傾けて落ち着こう。ここの曲はとても良い。
■ステージ2
●BOSS:アンダーモール
BGM・Darkness
冒頭のコウモリ地帯がどうやってもテクでカバーできない。(それでもゲーム全般で本当に理不尽なのはここだけ)後述の周回による難度上昇は最終的にオワタ式になるがこの箇所が一番の難所になる。直後に水晶入りの燭台があるのが救い。
最凶キノコブナグチーの登場で難易度が加速度的に上昇。
後半部分は一本道ではなく、先へ進むには正しいルートを見つけ出す必要がある。
■ステージ3
●BOSS:ゴーバンス
BGM・Death Fair
トゲのついたトラップが点在しており、常に即死の恐怖から逃げ続けなければならない超難関ステージ。
特に、せり上がる針山に追われながら上へと登っていくエリアは数多のプレイヤーの心を折った。
道中のキツさに反してBGMがファンキー過ぎるのがちょっとしたシュール。
■ステージ4
BOSS:ドラキュラ伯爵
BGM・Revenge
様々なギミックや敵が混在する最終ステージであり、1面BOSSのゼルドがここでは通常の敵として複数出現する。
難所ではあるが、ここまで来れるほどのプレイヤーならクリアは不可能ではないはず。
BGMは、どこか過去作品を彷彿とさせるメロディが特徴的な名曲。
ラスボスのドラキュラ伯爵は2つの形態を持つ強敵…なのだが最大強化した鞭を維持できていればあっさり撃破できてしまったりする。
その後はダメージ量が増加した2周目がスタート。
以降、周回毎にダメージ量が増加。 5周目からは一発のダメージで即死する。
【その後の展開】
3DSにてバーチャルコンソールのソフトとしてリリースされた。
また、『コナミGBコレクション VOL.1』『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』にも収録作品の一つとして登場。後者では海外版もプレイできる。
Wiiでは本作のリメイク『ドラキュラ伝説 Rebirth』が登場しているが、別物と言っていいほどに大幅なアレンジが加えられているのが特徴。
新規ドット絵で滑らかに動くクリストファーさんは非常にカッコいい。
追記・修正はステージ1の連続足場渡りを一発で成功させた人にお願いします。
- II含めて二度ドラキュラ倒してるのはわかるけど、三度ってなんだろう ラルフ=クリストファー説のことかな -- 名無しさん (2015-09-20 00:27:04)
- ↑リバースの事じゃないかな? -- 名無しさん (2015-09-20 10:13:53)
- 「生涯で二度もドラキュラを仕留めた歴代屈指の英雄」 他はシモン、アルカード、ユリウスぐらいかな(同じ時系列のリメイクは除いて) -- 名無しさん (2025-09-26 06:23:20)
最終更新:2025年09月26日 20:14