登録日:2015/12/17 Thu 11:45:53
更新日:2020/07/22 Wed 22:12:04
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『悪魔城ドラキュラ(英:Castlevania)』は86年にKONAMIから発売されたFCディスクシステム用ACTゲーム。
現在まで続く『悪魔城ドラキュラ』シリーズの元祖である。
また、ディスクシステム用ゲームとしても初のタイトルになると云う記念碑的な作品となった。
ただし、元々はカートリッジでの発売を目的にしていたものをディスクシステム用に切り替えただけだったので、ディスクシステムの特徴であるPMW音源等の豊富なサウンドデータは利用されていない。
FC当時と云う注釈は入るものの、他のゲームに比べてリアルな等身のキャラクターデザインや、馴染み深いゴシックホラーの怪物が徘徊する世界観は驚きを持って受け入れられた。
また、特徴的でノリのいい矩形波サウンドは「ドラキュラサウンド(KONAMIサウンドの一つ)」として現在でも熱い支持を受けている。
【概要】
鞭を使う主人公がモンスターを薙ぎ倒していく高難度のACTゲーム。
全6ステージ。
全体的に当時のゲームの中でもアダルティな雰囲気に魅せられたプレイヤーは多く、現在まで続く『悪魔城ドラキュラ』シリーズの世界観の基本となっている。
シリーズの元祖と云う事もあってか、移植やリメイク、別タイトルであってもゲーム構成がオマージュされている場合も多い。
ゲーム自体の難易度は相当に高く、初代にして最高難易度の『ドラキュラ』の一つとしても挙げられている。
特にFC当時では本作に限った話では無かったものの、ダメージを受けた時に激しく後ろに吹っ飛ぶ仕様や、操作性の微妙な悪さ、位置によっては嫌らしいタイミングで延々と湧き出てくる敵キャラクターの存在が難易度に直結してしまっている。
特にステージ5のBOSSである死神の突破の困難さは有名で、この事が後々までの“
死神”のイメージを決定付けた事は間違いないだろう。
音楽は本作の人気と評価を高めている要素であり、山下絹代による名曲の数々と方向性はシリーズの指針として引き継がれていく事になった。
中でもステージ1「Vampire Killer」はSFC版以降に名付けられた“ドラキュラ三大名曲”の一つとして、現在でもタイトルを跨いで使用され続けている(アレンジ使用自体はAC版が先行)。
【登場人物】
●シモン・ベルモンド
本作の主人公。
魔と戦う一族ベルモンドの末裔である若者。
今日では家系図が着々と広がっているが、当時の解説書ではクリストファーの名前が登場するのみであった。
魔の復活を感じ、先祖伝来の
鞭を手に悪魔城に挑む。
後に「最も高名なベルモンド」「最も鞭の扱いに長けたベルモンド」などとも呼ばれる。
リメイクや同名異作の関係から、平行世界にも自分がいっぱい居る様である。
直系や従兄弟を含めて先祖や子孫の仕様は本作での彼が元になっている。
英表記から海外では「サイモン」と呼ばれている場合も。
【鞭の段階】
■皮の鞭
リーチが短く、威力が低い。
■鎖の鞭
リーチは短く、威力が高い。
■鎖の鞭(長)
リーチは長く、威力が高い。
【サブウェポン】
十字ボタンの上を押しながら攻撃ボタンで使用可能。使うとハートを消費する。
使いこなす事で戦闘が楽になる。
■
ナイフ
所謂投げナイフ。速度に優れるが威力は低い。
■
斧
ラブリュスの様なヘッドが二つ対称に着いた手斧を投げる。斧は鋭角な放物線を描いて飛ぶ。
威力が高く、上方の敵に有効。
■クロス
十字架型のブーメランの様な飛び道具。ゆっくりと回転しながら前方に飛んだ後に帰って来る。
多段ヒットする為に威力が高く、尚且つ判定が戻りでも消えない為に強力。
■聖水
聖水の詰まった小瓶を近くの地面に投げつける。射程は短いが放った所に聖なる炎があがり、こちらも多段ヒットし一定時間ヒットした相手の動きも止める。
本作でのリーサルウェポン、バランスブレイカーとして知られる。
■懐中時計
一定時間ステージ上の敵の動きを止める。
ハートの消費量が5と多い。
ステージ2までならBOSSの動きを止める事も可能である。
■連射アイテム
サブウェポンを連続で10回当てる事により出現(壁から出現する場合も)。
二連射と三連射が存在しており、懐中時計以外のサブウェポンを連射可能になる。
二連射を持っている時のみ三連射が出現する。
ただし、途中でサブウェポンを持ち替えた場合は効果も消えてしまう。
またサブウェポンが懐中時計に変更された際に出現した場合は連射にはならずハートの数が追加される効果になる。
【アイテム】
■ドル袋
■宝箱
■王冠
■モアイ像
点数up。
ドル袋は赤(100点)、青(400点)、白(700点)、光(1000点)の4種類があり、光は一定条件で出現する隠しアイテム。
他の3つは一定条件で出現する隠しアイテム。ただしモアイ像は2週目限定。得点はモアイ像が4000点、残る2つは2000点。
アプリ版等では金塊が出現する事も。
■鎖
鞭が強化される。
■ハート(小)
■ハート(大)
小は1、大は5、サブウェポンの使用回数が増える。
武器の使用回数としてハートが採用されてるのは本作シリーズ位で珍しいシステムである。
■ロザリオ
画面中の敵が消滅する。
■透明薬
一定時間無敵になる。
■肉
体力6点回復。
ステージの一部を壊すと出現する。
■1up
その名の通り。
一定条件で出現する隠しアイテム。
■魔力の玉
ボスを倒すと出現する。
これを取ればそのブロックをクリアできる。
【モンスター】
■コウモリ
フラフラと前方から飛んで来るコウモリⅠと、ステージ内に張り付いているコウモリⅡがいる。
■ゾンビ
両手を上げて突っ込んで来る。
■黒豹
腹這いの状態から突っ込んで来る。
逆方向に行ったと思っていても後ろから飛びかかって来る。
■半魚人
水中から飛び上がり弾を吐き出す。
挟み込む様に2体が出現したり、動く足場に乗っている場面で出現したりと配置がいやらしい。
■メデューサ(小)
後にはメデューサヘッドとも呼ばれているが、本作では本体も頭だけなので。
ゆっくりと放物線を描きつつステージを飛んで来る。
■骨柱
その場から動かず火炎弾を吐いて来る怪物の頭蓋骨が重なった敵。耐久力がかなり高い。
■ゴースト
小型の幽霊。突然現れて追いかけてくる。
■せむし男
素早い動きで細かく飛び回りつつ襲いかかって来る。
「せむし」とは異様なレベルで猫背になっている人間を指す
差別語で放送禁止用語であり、FCカセット版以降は規制で「のみ男」に名称変更されている。
■ホワイトスケルトン
細かく飛び回りつつ、一定距離を保って骨を放り投げて来る。
■レッドスケルトン
血の色をした骸骨。
倒しても一定時間で復活する。
■カラス
フラフラと左右に移動しつつ襲いかかって来る。
鞭での対処が難しい。
■オオワシ
せむし男を運んで来る。
■ホワイトドラゴン
骨の龍。ただし頭と蛇のような胴体しかない。耐久力が高く、ランダムで火炎弾を放って来る。
■アックスアーマー
一定距離を保ちつつ、ブーメランの様に
斧を投げて来る。
耐久力が高く、配置が厄介な事も多い難敵。
特にステージ5終盤の死神の間への廊下はメデュウサヘッドとの組み合わせにより地獄絵図に。
※これらのモンスターは後のシリーズでも代表的な敵キャラクターとして定着、定番化した。
【ステージ】
■ステージ1
●BOSS:吸血コウモリ
空を飛び攻撃する。まれに弾を吐く事も。
ステージ6でも雑魚として登場。
「大コウモリ」ではない。
基本ステージ。
ホラーな雰囲気が苦手でトラウマになるプレイヤーも。
後にステージ構成が幾度もオマージュされていく事になる。
■ステージ2
●BOSS:メデューサ
地を這いまわり、蛇を放って攻撃する。
頭部だけの姿をしており、石化能力は無く、登場時に石像から元に戻る。
動く足場と吊り天井が登場。
メデューサヘッドの出現するエリアにトラウマを抱えるプレイヤーも。
■ステージ3
●BOSS:ミイラ男2体
包帯を飛ばして攻撃する。
せむし男やカラスにトラウマを抱えるプレイヤーも。
足を止める場所が悪くて敵にフルボッコされてしまう事も。
■ステージ4
●BOSS:フランケンシュタイン&せむし男
フランケンは歩いているだけだが、せむし男は弾を吐いて攻撃する。
地下水道は気を抜くと即死必至のトラップが満載でトラウマになるプレイヤーも。
ステージBOSSのフランケンの連れているせむし男は不死身で、攻撃を当てても一時硬直するだけなので注意。
■ステージ5
●BOSS:死神
複数の鎌を操って攻撃する。
とにかく敵の配置が厳しい超難関ステージ。
配置が厳しいのに加え、後半からは被ダメージ量も増加している為に僅かなミスも許されない。
これらの要素が難易度に拍車を掛け、トラウマになるプレイヤーも。
ステージ構成も厳しいが、プレイヤーに更なる絶望を味合わせたのがステージBOSSの死神。
文字通り、一瞬で切り刻まれるプレイヤーが続出した。
■ステージ6
●BOSS:ドラキュラ
マントを捲って瞬間移動しながら火炎弾を発射する。
ステージ自体は短いので突破の手順さえ覚えられれば攻略は単純だが、覚えられないままにトラウマになるプレイヤーも。
寧ろキツいのがBOSSのドラキュラで、特に第二形態はかなりの難敵。
【移植・リメイク作品】
■オリジナル版
ディスクシステムでの発売以降、MSX2、GBA(ファミコンミニ)、等に移植された。
現在ではオリジナル版はヴァーチャルコンソールにて配信されている。
また、ディスクシステムのサービスが終了した93年にはeasyモードが追加されたFCカートリッジ版が発売されている。
■アプリ版
FC版のアレンジ。
グラフィックが美麗で細かくなり、アイテムの出現場所が変更される…等の仕様の変化がある。
easyモードも装備。
■アーケード版
88年に稼働を開始。
アーケードで人気だった作品がFCに劣化移植されるのが普通だった時代に、逆に家庭用の好評からアーケード版が開発された形となる。
ただし、ゲーム内容やストーリー(シモンが結婚式の最中にさらわれた花嫁を救出に向かう)についてはかなりのアレンジがされている為か、完全な別作品として扱われている事が多い。
最強武器が剣だったり、懐中時計がラスボスにも通用したりと、独自のネタも残る。
またこちらのBGMも評価が高く、BEMANIシリーズのKEYBOARDMANIAの『AKUMAJO DRACULA MEDLEY』の冒頭にてこの作品1面の「悲劇のWedding March~十字架を胸に」が使用されていたり、
ドラキュラ戦前に流れる「夜まで待てない」は「キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲」にてベルモンドの末裔であるユリウスのテーマとして使用されている。
■
スーパーファミコン版
91年に発売された正式な意味でのリメイク作品。
FC版三部作を経た集大成的な作品である(英:Super CastlevaniaIV)。
それに加えて、本作独自の多彩なアクションとSFC特有の拡大縮小や回転を利用した独創的なギミックが好評を博した。
SFC初期に誕生した神ゲーの一つ。
動きが自由になり過ぎた(というか鞭の性能が高過ぎてサブウェポンの立場が無くなりかけてる)事から難易度が下がったと言われつつも、理不尽さの解消されたバランスと程良い難易度から、このSFC版を「シリーズ最高傑作」に推すファンも少なくない。
■X68000版
ペケロッパカルトの名前の由来ともされる、当時の高性能PCにて発売された更なるリメイク版。
SFC版から最低限の自由度のみを残して、FC版の難易度を加えた様な作品。
元祖FC版や『悪魔城伝説』を抑えて最高難易度の『ドラキュラ』との呼び声も高い。
SFC版の後継作でハードの性能自体も圧倒的と云う事もあってか、演出面での強化が更に凄まじい事になっており、余りの作り込みから一部ではオーパーツ扱いされている程。
特にリメイクされたステージ5道中の背景はグロやスプラッタ描写が強化され本作シリーズが『ゴシックホラー』である事を再認識させてくれる。
X68000の設備環境により音源に併せた3パターンのサウンドが存在している事でも知られる。
後にPSにて『悪魔城年代記』のタイトルで移植されたが、この新モードを追加されたPS版ですら、オリジナルバージョンの完全移植までには至っていない。
追記修正は100年後にお願いします。
- 変態一族の元祖ではあるが意外にも変態要素は少なめである…ただ鞭の扱いに関しては歴代最高だけあってSFC版では“鞭でぶら下がった支点より上で静止することが出来る” -- 名無しさん (2015-12-17 15:23:07)
- 深夜の悪魔城に単独で真っ向から突入するというだけで狂気の沙汰だと思う。ゆえにベルモンドは夜を狩る超人の系譜なのだ。たぎるぜ~ -- 名無しさん (2015-12-17 19:09:14)
- ↑なおアーケードでは攻略に時間かけ過ぎて肝心のドラキュラ前で朝日が出る有様 「夜まで待てない」と張り切っていつもの崩落する橋を駆け抜けていくけど、それ人間側で言うと夜襲だよな? -- 名無しさん (2015-12-17 22:32:57)
- 初代は聖水がおかしいぐらいに強いんだよなあ ドラキュラ第二が一気にヌルゲーになる -- 名無しさん (2015-12-18 06:46:01)
- トラウマになるプレイヤーもしかねえけど、実際そうだから困る。特に二週目2面はクリアできたら以降詰まる場面がなくなるぐらいおかしい難易度だった。 -- 名無しさん (2015-12-18 10:55:03)
- SFC版で初めて3大曲が一堂に会したんだよな -- 名無しさん (2016-11-12 18:32:15)
- 隠しアイテム、モアイと1upの存在はごく最近まで知らなかった… -- 名無しさん (2016-11-12 19:53:00)
最終更新:2020年07月22日 22:12