病院でルイージとヨッシーを待っていたのは別人のようにくたびれ、無気力になっていたマリオだった。
ピーチ姫がさらわれたことを聞いてもまるで無関心。いつもならそれを聞いただけでボケてるのに!
25年間に渡るヒーローと芸人としての日々は確実にマリオを疲弊させていたのだ。
手はボロボロ。肩も腰もガタガタ。その治療のために病院にいたという。
しかし、本当に疲れていたのは体以上に心だった。
25年の連載の中で、笑っていられない状況はいくつもあったが、それでもボケ続けなければならなかった。
父親が大病で倒れた時も、その父親が亡くなった喪失感から体調を崩した時も……。
「そんな時くらい、シリアスにさせてくれよ。」と思い切り叫びたい気持ちをアホ面で隠して、マリオは時に点滴を打ってまでボケ続けた。
コロコロの看板として、いつも元気で明るい存在でいなくっちゃいけない……そんな思いがどんどんマリオを追い詰めていたのだ。
ルイージとヨッシーがどんなに励ましてもボケても「もうたくさんだ」「二度とボケたくないんだ」と落ち込む一方……。
そんな中、突如ドクターマリオが現れる。
マリオが二人いると驚くルイージたちをよそにドクターは人の頭ほどはあるカプセルを無理やりマリオに飲ませる。
「兄さん!! そんなので治るわけがないよ~!!」
しゃきーん
治った。
ホントかよ!?
マリオの25年間はつらいことばかりではなく、いいこともたくさんあったのだ。具体的に思い出せなかったけど。
実はドクターマリオは自分を助けるためにドラちゃん丸パクリのタイムマシンで25年後つまり連載50周年を迎えた未来から来たマリオ自身だった。
25年後は沢田先生87歳だけど大丈夫?
自分が元気になったことを見届け未来に帰っていくドクターマリオ。
そして今のマリオはピーチ姫がさらわれたことを露骨に嫌そうな顔で思い出したあと、
くっだんねえ(褒め言葉)大ボケをかまし、元に戻ったその姿にルイージとヨッシーは涙するのだった。
最後のボケは君自身の目で確かめよう!