さかなクン

登録日:2011/12/19 Mon 20:31:31
更新日:2025/03/16 Sun 21:23:20
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  ( ・ω・`) ギョギョ~ッ


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さかなクンとは、重度のさかなオタクが転じて、イラストレーターから人気タレント、果ては大学准教授にまで上り詰めた人物である。
何気にドランクドラゴンの鈴木拓とは中学校の同級生。
東京都出身で神奈川県綾瀬市育ち。


ネタバレ
本体は頭部のハコフグ。
真面目に言うと、ハコフグを被った姿で活動して有名になったため、
帽子までが「さかなクン」の一部であり、正装にあたるとのこと。つまりハコフグ本体説はネタである。
このため内閣総理大臣はおろか天皇陛下の前でも帽子は脱がない。国会では議員ですらNGの帽子を特例で認められる。
ちなみに葬式用の黒いハコフグもあるらしい。頭頂部が黒くなっている。
ただ、一部では「初期の驚き方が『ややーっ!?』だったのに今では『ギョギョーっ!?』になったので完全に下の人間がハコフグに乗っ取られた」とするネタもある。


TVチャンピオン5連覇
彼がその名を知られるようになったのは、今は懐かしいTVチャンピオン。
その「第3回全国魚通選手権」において、大学講師等も参戦しているなかで当時高校3年生で準優勝したのを皮切りになんと同番組を5連覇。

あまりに強すぎる為後半では勝負にならず、晴れて殿堂入りとなった。

これ以降さかなクンの名が知られるようになり、多数の番組で強烈なインパクトを残していった。
タレントとして有名になったが、元が学者レベルの人間なので、やがて魚方面に詳しい人の目にも留まり、だんだんと専門家っぽい仕事を増やすようになった。
さらに2006年にはなんと東京海洋大学客員准教授へと就任し、2015年には名誉博士号を与えられている。
また、2020年には魚類の専門家として国会で水産資源の管理・保護について参考人として答弁したことも。
国会内では事前に議長の許可を得ない限り帽子の着用は禁止なのだが、このケースではちゃんと許可を取っていた。
テレビでも披露されるその知識がいかに圧倒的なものかを示すひとつのステータスであるといえよう。

魚好きではあるが飼育するだけでなく食べるのも好きであり、全漁連のような食べるほうの組織団体とも繋がりがある。


クニマスの再発見
日本一深い湖である田沢湖に生息していた魚「クニマス」は、戦時中の開発で湖の水質が変わったことで既に絶滅したものと思われていた。
よその湖に同種が生息していないか、およそ70年にわたって関係者が探し回っていたが、発見はされておらずほとんど諦められていた。
近現代日本における魚類の絶滅としては最も有名であり、「釣りキチ三平」などでも取り上げられたことがある。

が、2010年にさかなクンらの海洋チームによって再発見された。
元々は京都大学の教授にクニマスの絵を頼まれた為、似た種のヒメマスを描く為に各地の漁師から漁獲個体をサンプルとして取り寄せたところ、クニマスそっくりの魚を発見。
京大教授に送って詳しく調べてもらったところ、本物のクニマスと判明したのである。
発見されたのは山梨県、富士五湖の西湖で、戦前に卵が西湖に送られていたのが子孫をつないでいたと考えられている。


翌日の天皇誕生日にて行われた記者会見にて「この度のクニマス発見に東京海洋大学客員准教授さかなクンを始め多くの人が関わり…」と、
当時の天皇陛下直々に言葉を頂いた程である*1


■さんをつけろよデコ助野郎ォ!
さて、この授賞式の前、天皇陛下が「さかなクン」と呼ぶのか「さかなクンさん」と改まるのか一時期ちょっとした話題になった。
おそらく陛下のお言葉を監修する人も相当苦心したことだろう。
また、NHKのツイッターアカウントがこの事例に際して「さかなクン」と呼び捨てで呼んだことに対し、ちょっとした「炎上」騒ぎになった。
曰く「さかなクンにはさんを付けるべきだ。失礼ではないか」という内容が大変多く寄せられ、ツイッターの担当は夜通し謝罪に追われたとのことである。

……お分かりだと思うが、AKIRAの名台詞「さんを付けろよデコ助野郎!」というネタレス*2であり、AKIRAを知らなかった担当がこれを炎上と勘違いして大変憔悴したそうである
ネタレスはほどほどにしましょう。*3AKIRAくらいなら通じてもいいと思うけどなぁ……。

これは笑い話で終わるのだが、実はさかなクンに限らず、日本語の深海……じゃなくて深淵であり、非常に難しい事例である。
同じような問題を抱えている芸人には「デーモン閣下」「なかやまきんに君」などがおり、敬称を間違えると炎上騒ぎになりかねないのだ。
デーモン閣下の場合、閣下がすでに敬称として使われるケースが少ないため「デーモン閣下さん」でもあまり違和感がないことや、「デーモンさん」「デーモン小暮さん(旧芸名)」と呼んでもあまり問題にはならないのだが、
なかやまきんに君の場合は「なかやまきんにさん」とは絶対に呼ばないわけで、「きんに君」なのか「きんに君さん」なのかというのは、本人が表明しない限り永遠の課題として残り続けるのである。

ちなみにさかなクンのケースでは、本人が言うには「さかなクン」までが芸名なのだが、敬称を付けず「さかなクン」と呼んでほしいとのこと。


■全盛期のさかなクン伝説

上述のようにさかなクンはただ魚に詳しいタレントなのではない。
以下はコピペとして広まったさかなクンの伝説の一端

  • 父親は囲碁棋士。さかなクンさん自身の棋力もプロ棋士レベル
  • 「左ヒラメに右カレイ」というヒラメとカレイの見分け方を発見したのはさかなクンさん(小4の夏休みの研究)
  • 中学時代は「水槽学部」と間違えて「吹奏楽部」に入部。しかしソロサックスで金賞を受賞した
  • 世界でも珍しいカブトガニの人工孵化を中学三年生の時に成功*4
  • 大学教授等も出場していたTVチャンピオンにて、圧倒的な差を付けて5連覇。ついには殿堂入り
  • さかな漢字258文字検定1級保持者(1級の合格者は2009年現在でさかなクンさん1人だけ)
  • 魚を食べる事に関しても大好きで、ひそかにギネスの「人類で最も多くの魚類を食べた」記録保持者(3228種)
  • 浜崎あゆみに対して「【鮎】という魚の偉大さとは不釣り合いだから改名しろ」と一刀両断
  • ディスカバリーチャンネル、「深海の謎を追え」ではイギリスのチームが何か見つけるがそれが何が分からない時のクルーの会話
    「今のはなんだ?」
    「分からないね」
    あれで分かるのは日本のサカナクンさんだけさ
  • その番組の紹介では、頭にユニークなハットを被ってる変わり者だが、魚のことなら世界で三本の指に入る知識を持ってると言われた
  • フグの毒、テトロドトキシンに対して抗体が出来ているただ1人の人間としてWHO(世界保健機関)に記録されている。「その毒の抗体なら既に持っている!」
  • さかなクンさんの初代本体(上の帽子)はサザビーズオークションに出品され、約340万円で落札された(因みに落札金は全額寄付した)
  • 松方弘樹が巨大クロマグロを釣り上げたのは有名だが、それを落札したのはさかなクンさん
  • 『釣りバカ日誌』には初代から特別監修としてさかなクンさんの名前(本名)が載っている
  • 実は現存の約1割の魚の発見者がさかなクンさん。まさに現代版トリコ

…が、2020年本人がYouTubeでこの伝説の殆どを否定。全盛期のイチローコピペみたいなもんである。
ただし、「吹奏楽と水槽学を間違えて入部した事自体は本当」「3000種も食べていないが550種ぐらいは食べている(因みに普通のスーパーに出回るのは30種類ぐらい)」と、一部噂の元ネタがあった事は認めた。
さらに本人はYoutubeでたまに国内初や世界初のこと(だいたい魚の繁殖)をやっていたり、Akinatorのように魚を当てる企画では生息地を見ただけで質問せずに回答して正解するなどなかなかの離れ業を披露している。
このコピペほどの華々しさはないが、しれっと偉業をこなしているあたりはさすがである。


■いじめられている君へ
そしてさかなクンは人格者でもあった。
以下は2006年の朝日新聞に掲載されたコラムであり、その内容はネットで広く読まれるようになっており、中学校の道徳の教科書に掲載されたことも。


いじめられている君へ
~広い海へ出てみよう~
東京海洋大客員助教授・さかなクン

中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。
突然のことで、わけはわかりませんでした。

でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。
せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。
けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。
助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。

広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。

中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。
でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。
話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。

ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。
大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。
外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。


ちなみに

さかなクンの家の水槽には色とりどりの魚が仲良く暮らしているが、実際には仲がいいのではなく単にお互いに無関心なのでうまくいっているのだそうである。
上の話も踏まえて、処世術を考える際の材料の一助としていただきたい。


本名は宮澤 正之


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最終更新:2025年03月16日 21:23

*1 ちなみに天皇陛下御自身も魚類学者である

*2 デコ助というのはでこっぱちの子分キャラの島鉄雄。当該シーンは「子分枠だった友人が調子づいているのをシメる前の啖呵」。知っていればド定番もいいところのネットネタなのだが、知らないと結構本気で怒っているように見える。

*3 20年ほど前に話題になった「ブロント語」も、最近はFFネタの場所でレスしているにもかかわらずものすごいレスバトル腰で返してスレを荒らしてくる若い世代が増えたせいですっかり死語と化してしまった。また、当wikiも項目にちなんだ攻撃的なネタを報告され、管理人が規制するという事例が何度も起きている。最近はネット文化もかなり細分化しているし、ネットミーム自体の寿命が極めて短くなっているのでこのようなネタレスがしづらい土壌が生まれている。

*4 「水槽小っちゃくてかわいそうだなあ」という理由で「決まった時間に外に出してあげた」のをカブトガニが「潮の満ち引き」と誤認したから