ファミコンウォーズ(FC)

登録日:2016/11/01 (火) 14:45:00
更新日:2025/03/23 Sun 06:53:56
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ファミコンウォーズがでーるぞー!



ファミコンウォーズは1988年にファミコン用ソフトとして任天堂から発売されたウォーシミュレーションゲーム。

ちなみに開発はインテリジェントシステムズ。SLGとして見ると同社が手掛けるSRPGファイアーエムブレムシリーズの先祖ともいえる存在である。

既にパソコンなどでは1985年に大戦略などが出ていたが、そうしたゲームに比べてファミコンウォーズでは大胆に兵器カテゴリーをそれ単独でユニット*1とし、HEX(6角形のマス)ではなくスクウェア(4角形のマス)を使うことによって、デザインの簡略化を図ることにより、ファミコンのターゲット層であった若年層へのとっつきやすさを高めている。
……実はここで挙げたことは4か月ほど前にケムコから出た「戦車戦略 砂漠の狐」というゲームでもやっていたりする。タイトルの示す通りロンメルの北アフリカでの戦いを取り上げたもので、全体の雰囲気は大分異なるのだが。

今プレイするならファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineが手っ取り早いだろう。
3DSやWii Uのバーチャルコンソールとしても配信されている。

◆ゲーム説明◆

プレイヤーはレッドスター軍(元阪神のスピードスターも赤い彗星も関係ない)とブルームーン軍のいずれかを率いて全16面のマップを攻略していく。
基本的に各マップは殆ど対称となっているが、たまに著しい非対称であるマップもあり、その場合どちらの軍かで異なる戦略が求められる。
なお、両軍においてユニットに格差は存在しない。

基本的に首都、もしくは首都から2×2マスの範囲にある工場・都市(陸軍)、飛行場(空軍)、港(海軍)でユニットを生産できる。
生産したユニットで途中にある都市などを占領して自軍の収入を増やしながら進軍していき、
最終的に敵の首都を占領するか敵軍を全滅させれば勝ちとなる。
小さな戦場だと全滅を狙う方が速い。広大だったり収入が少ない面だと占領を狙った方が速い。

◆ユニット◆

個人ではなく部隊がユニット(単位)であり、最大10台(歩兵系なら10人)で1部隊となる。
この台数(人数)がそのままHPとなるだけでなく攻撃力にも影響する。HPが半分になれば攻撃力も半分になるといった具合。
消耗した同種のユニット同士が「合流」することもできるのが本作の特徴。
なお、同時に指揮できる部隊数は48が上限だが、本作では生産したユニットを任意で処分することはできない。
そのため、上限に達して以降に新しいユニットを生産するには不要なユニットをわざと全滅させるか「合流」を活用するかになる。
まともに戦うと長期戦になりがちな広いマップではユニットの作りすぎにも注意。

歩兵
最も安価にして最重要ユニット。
と言うのは、「占領」を行えるユニットは歩兵と戦闘工兵だけ(首都を占領できるのは歩兵だけ)だからである。
そして歩兵の方が戦闘工兵より安く移動力も高いため、序盤の陣取り合戦でより素早く前線に大量に展開しやすいのが強みである。
また、安価であるが故にほとんどのユニットと戦闘した場合「損害金額」で有利になり易いのも強みである。
(例:戦闘工兵と戦った場合、損失は歩兵が5、戦闘工兵が3となる。が、戦闘工兵は歩兵の2倍の値段であるため、金銭的な被害は戦闘工兵の方が大きくなる)
自走砲の攻撃に対しては意外と耐えるが、装甲輸送車からの攻撃に弱い。

戦闘工兵
歩兵の戦闘力を上げた代わりに移動力を落として値段を倍にしたユニット。
移動力1の差が結構大きく、展開速度が落ちるため基本的には歩兵の方が優先されがち。
とは言え、狭い場所の奪い合いや空輸などでしかたどり着けない島など、ユニット単位での戦闘力を重視される場面では歩兵より優先される。
ただ、弾数が戦闘工兵は3しかないため、弾切れも早い。この点は注意する必要がある。
また、歩兵の項にもある通り歩兵を相手するのはやや割に合わない。自都市に陣取りながら車両系の敵を迎撃するのが効果的。
余談だが、戦闘「工兵」と言いつつ、システムが簡単な関係上工兵らしいことは何もできない。後のバズーカ兵である。

戦車A
最強の陸戦ユニット。
場合によっては歩兵を1撃で全滅させることもあり得る攻撃力と防御力、そして移動力は圧巻。
ある程度前線が膠着しだしたら戦線を支え、押し上げるのはこいつの役目となる。
自走砲対策として効果的だが、自走砲に撃たれるのには弱い。

戦車B
安価な戦車。イメージとしては戦車駆逐車や装甲戦闘車だろうか? 
安い分ありとあらゆる面で戦車Aに見劣りする為、正直プレイヤーが造る意味はあまりない。
一応対装甲輸送車では戦車Aより攻撃力が高いが、だからなんだと言う話。短期決戦面でのみお世話になるだろう。

装甲輸送車
歩兵もしくは戦闘工兵1部隊を輸送できる。
ただ、乗り降りにかかる手間や輸送ヘリの存在を考えると、輸送ユニットとして活躍できる場面は限られがち。
むしろ慣れたプレイヤーにとっては歩兵系ユニットに対する強さと機動力の高さを買われて最前線に送られる。序盤の攻防戦の友。

自走砲A
数少ない間接攻撃ユニット。
移動後に攻撃することはできないが、反撃を受けることなく一方的に攻撃できるというのはそれだけで魅力である。
この自走砲Aは移動力こそ4とやや低めだが、3-5という長い射程によって戦線の後ろから支援できるのが強み。
ただ、歩兵系には思ったより有効なダメージは与えられない。基本的に高額な車両ユニットを狙わせよう。
また、装甲輸送車からも意外と削られてしまう。懐に入られないように脇はしっかり固めてあげよう。

自走砲B
安価な自走砲。
戦車A/Bとほぼ同様の関係が成り立ち、また射程が2-3と短いこともあって使いづらい。
火力と言う面では自走砲Aよりちょっと劣るぐらいなのだが。ただし戦車のそれとは違い移動力は1だけとはいえ優位。
比較的安いため序盤の前線に出す歩兵や装甲輸送車のお供につけやすく、それらの脅威たり得る戦車級に対しては意外と侮れない仕事をする。

対空ミサイル
対空用自走砲。射程は3-5で文句なし。
また、高価な航空ユニットを一方的に叩き落とせるのも魅力。戦闘機のみではエアカバーが心もとないマップでは強い味方となる。
対空ミサイルで弱らせ、トドメは戦闘機に任せるといった運用ができると戦闘機の消耗も抑えられてなおよい。
ただし弾が二発しかなく補給のサポートが必要なのと、うっかり空軍が使えないマップで生産するとお荷物と化す点に注意。

高射砲
対空用戦車。とは言え戦車ほど防御力はないので、爆撃機などが相手だとほぼ相打ちになってしまう。
(ただ費用対効果は高く、これが敵に回すと厄介な理由にもなる。)
対空ミサイルと違い、移動後に攻撃できるのが強み。地上戦では無力なので、適宜他のユニットと組み合わせて空戦を優位に進めていきたい。

補給車
戦闘力はないが、他の陸上ユニットに燃料と弾薬を補給できる。
都市に居続けるわけにもいかない、自走砲Aにくっつけて弾切れを気にせず撃ち続けられるようにするのが主な役割か。
他にも戦車Aに弾を補給したり、長期戦になるほど重要になってくる。
補給にはお金がかかるので資金繰りがシビアな時は気を付けよう。

戦闘機A
とにかく高い。しかし、移動力戦闘力共に圧倒的である。
空対空戦闘が本領なのだが、地上の相手でも歩兵系相手ならそこそこの攻撃力を発揮できる(コスパは悪いが)。燃料切れにはくれぐれも注意。

戦闘機B
安価な戦闘機。
ただ、移動力は戦闘機Aと同等なのでそんなに強力な対空攻撃力を持ったユニットが敵にいないなら、それなりの仕事はできる。
多分もうちょっと我慢して戦闘機Aを造った方がいいが。

爆撃機
対地戦闘の王者……と言いたいが、実のところ結構反撃でダメージを受けてしまうため、費用対効果を考えてしまうと少々首を捻る。
高い移動力と地形を無視できることを生かして、地上部隊では叩きにくい相手を狙いたい。一番の獲物は戦艦。

輸送ヘリ
空飛ぶ装甲輸送車。
「飛べる」という影響は思いのほか大きく、空軍が使えるマップにおける歩兵の迅速な展開には必須。
対歩兵系(+対輸送ヘリ)限定だが戦闘力もそれなりにあるため、戦線構築の役にも立つ。輸送後も囮役として活躍する場面は多い。
装甲輸送車や後述の揚陸艦も含めて言えることだが、輸送中にダメージを受けて数が減ると搭載中のユニットも巻き添えを食らってしまう点に注意すること。

戦艦
海上を動く自走砲。陸空海を問わず、射程3-5で一方的に大ダメージを与えることができる。
攻撃力も防御力も最高な立ち位置なので、敵に出てきたときは常にその動向に注意すべし。
弱点は海軍の宿命で移動範囲が限られることと、揚陸艦や爆撃機による直接攻撃。
前線の港に入れることが出来れば大いに活躍するため、港のあるステージでは最優先で作りたい。
一応地上ユニットでも迎撃することはできるが、万全の戦車Aや自走砲Aでも1隻~2隻減らすのがやっとなため単独戦闘はハッキリ言って無茶。
ただし互いの射程が一致する自走砲Aを都市などに構えて対抗するなら勝ち目はある。

揚陸艦
あらゆる陸上ユニットを2部隊まで輸送することができる。乗り降りの手間が結構かかるのが難点。
搭載/下船ができるのは浅瀬か港のみ。
歩兵系を搭載した装甲輸送車も搭載可能なので、それらを2部隊積めば実質4部隊輸送できたりする。
海で切られたマップ・ツキノワジマでは空軍が使えないため、この揚陸艦が占領狙いの時に要となる。
また、意外なことに航空・艦艇ユニットに対し結構なダメージを与えられる。輸送だけではなく、戦艦の迎撃や護衛用にもなる。

◆マップ紹介◆

ソラマメジマ
サイズ狭め、ほぼ左右対称、初期拠点多めという最初のマップ。
中央の中立都市群の奪い合いを制しながらここで感覚をつかんでみよう。

ドーナツジマ
名前通りドーナツの形をした、道路が通っている西部と森林が茂っている東部に分かれているマップ。
レッドスターは最初から収入が多く得られるので優位性があるが、ブルームーンは拠点付近に自軍都市がなく、収入面が悲惨なことになる。
無駄のない生産と占領行動、そして敵の進行を止めつつ反撃を狙うなどしないといけないため、難易度の高さを楽しめる。

オニギリジマ
二つのおにぎりが海を挟んで並んだような地形が特徴で、航空部隊以外では互いの陸地を行き来できないマップ。
コンセプト的に航空ユニットを用いなければ勝てない。
ヘリボーンや航空機の巧みな生産、そして高射砲対策や首都強襲からの占領などで、プレイヤーの腕が試される。

タマタマジマ
ボーナスで初期軍事費99999からスタートするのを背景に陸・空・海すべてのユニットを生産できるマップ。
地理的に陸上ユニットよりも、艦艇部隊や航空部隊の働きが大きなウェイトを占める。
レッドスター側にのみ中立の港が地続きのエリアにあるため占領しやすく、収入面でやや有利。

マガタマジマ
すべてのマップの中でも占領できる場所が少なく、収入が少なくなりがちなマップ。タマタマジマとは大違い。
そのうえ遠回りをしないといけないので、少ない収入の中でいかに効率的に生産をしていくかが試される。
有利なユニットを次々送り出して北側の攻防を制しよう。

ハゴロモジマ
三つの島からなる、面積の割に都市数が多いので収入が大きくなり、高額ユニットが投入されやすいマップ。
中央の島での地上戦は割と不毛だという見解も多い。
膠着状態にならないよう積極的に相手側に宣戦を伸ばそう。

キメンハントウ
すべての都市がブルームーン所属という思い切ったマップ。
レッドスター軍は序盤から中盤まで毎ターン歩兵を投入しながらの巻き返しを図る戦いを、ブルームーン軍はセンスを光らせた生産による速攻撃破プランの実行を楽しめる。

ペケジマ
ペケ(X)字の海によって大きく四つのエリアに分割されたマップ。
占領狙いか全滅狙いかによって各方面に派遣するユニット数を調整していく必要もあるだろう。

アララサンミャク
1マス幅の平地がそこそこに通っている一面山地だらけのマップ。
山地は航空ユニットにとって地上ユニットから狙われにくい安全地帯として機能する。
そこから敵の進路を妨害したりヘリボーンを敢行したりするのがこの面の醍醐味。

チリヂリガワ
川によっていくつかに区切られたマップで、空港が少ない。
川は歩兵だけでなく戦車Aや装甲輸送車も移動力をすべて使えば乗り入れられるので、これに注意したり、活用して対空ユニットを排除したりする戦いが展開される可能性がある。

ノアカザントウ
中央に密度のある山地がもうけられ、外周部は森が多くて攻めにくいマップ。
面積が少なく収入面も心細くなりがちだが、輸送ヘリを投入できるのがかなり大きい。
歩兵を少しずつ進ませて占領を狙うのがメジャーになるだろうか。

ツキノワジマ
二つの三日月状の島が対面しており、艦艇ユニットなしでは行き来できないという交通の便が不便なマップ。
戦艦の活躍が大きくなりがちなので、生半可な上陸戦は通用しない難関面。
相手側での戦線確保が難しく、航空ユニットが恋しくなること請け合い。

ハマキジマ
地味に山が天然の障壁として機能している、非常に横に長いマップ。
このために、生産しても前線にたどり着くのに時間がかかるのでやきもきさせられる。

サイコロジマ
四角い大地にたくさんの海地形からなる湖が点在するマップ。
田んぼのようにも見えるその地形は足止めが発生しやすく、アララサンミャク同様空軍の活躍が期待される。

フタゴジマ
川と橋でそこそこの面積の島同士が繋がっているマップ。
チリヂリガワ経験者ならわかるが、川は天然の防壁というには過信はできないだろう。
ハマキジマほど横に長くはないもののそちらと違い中立の飛行場がなく、
航空ユニットにとっては手軽な補給拠点が存在しないのも悩ましい。

デビラートウ
レッドスター軍が目指す最終攻略地点。
レッドスター側に極めて有利な地理条件なのだが、それを利用するには序盤を乗り切ることが必要。

ラストドリーム
ブルームーン軍が目指す最終攻略地点。
敵海軍が直接砲撃してくる中、自軍基地の防衛を経て、無事に互いを隔てる大海原へと進出できるだろうか?




CMの効果もあったのか結構な好評を博し、現在に至るまでシステムにさまざまな変更を加えながら続編が造られている。





追記、修正はキャンペーンマップを全てクリアしてからお願いします。

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最終更新:2025年03月23日 06:53

*1 例えば、チャレンジャーやM1A1、74式といった風に細かく分けるのではなく、全てひっくるめて「戦車」としてしまった。