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ファイアーエムブレムシリーズ

登録日:2012/06/21 Thu 21:46:16
更新日:2026/08/08 Sat 01:19:03
所要時間:約 12 分で読めます





♪ファイアーエムブレム

手ごわいシミュレーション♪


『ファイアーエムブレム』シリーズとは、インテリジェントシステムズが開発し、任天堂より発売されているロールプレイングシミュレーションゲーム(SRPG)のシリーズ。略称は「FE」。

+ 目次

【概要】

古今東西を問わずSRPGというジャンルを代表するゲーム、SRPGというジャンルの草分けとして扱われることが多い。
と言ってもFE以前にもSRPG的なゲームはいくつか存在しており、「元祖SRPG」というわけではない。
SRPGのビッグタイトルとしても他に『スパロボ』や『ディスガイア』などが存在するが、「ロボットアニメの夢の共演」「インフレを極めるやり込みバトル」といったコンセプトが先に立つこれらに比べ、とにかくFEは見た目もシステムもプレーンな王道SRPGの作風を今に至るまで保っており、「SRPGと言えばこういうゲーム」と言って語弊がない、という強みもあるのだろう。
実際、『シミュレーションRPGツクール95』やSRPGツクールが続編すら出されなかったのでインディーズ産から後継として名乗りを上げた『SRPG Studio』が露骨にFEを意識した内容だったり、そのせいもあってインディーズを中心に「FE風SRPG」が世には無数に存在している。

だがいかんせんSRPGというジャンル自体がニッチなものであるため、メジャータイトルとは言い難い立場。
任天堂の人気作品である『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』に本作のキャラクターが多数参戦しているので、キャラクターの知名度はそれなりに高いが、シリーズとしての知名度はいまいち。
SRPGでは屈指のビッグタイトルでも、「RPG」の代表であるDQやFFの足元にも及ばないのは言うまでもなく、数多の伝説級タイトルを擁したスマブラ参戦作品の中では流石に厳しい。

実際シリーズとしてはじわじわと先細り気味で、他のSRPG達と共に歴史の狭間に消える……はずだった時に繰り出された新作『覚醒』で大ヒットを飛ばし、10年以上経った今でもシリーズの存続に疑いを持たれないくらいの一発逆転に成功。
業界全体で海外市場を意識し始めた2010年代前半という時代、ちょうどその流れにハマったのも大きく、シリーズ中期から北米版は発売されていたのだが国際的なメジャータイトルとしてこれまでより一段上の地位を確立するに至っている。

タイトルが非常に間違われやすいことで有名。
ファイーエムブレムではない。ファイアーエブレムでもない。
SNS等でファイーエブレムなどと記載すれば、即座に『エムブレム警察』がやってくるので要注意。(←のように表記するとこっちになってしまう)
ただし、発音する場合は公式でも「ふぁいーえぶれむ」となるのが初期からの通例。逆にややこしいとも言う。

シリーズファンは主に「エムブレマー」と称される。
特に、高難易度や厳しい条件下での縛りプレイに挑むものは「Mブレマー」とも。

ちなみに項目冒頭のセリフは、CM化に際して『ファイアーエムブレムのテーマ』に付けられた歌詞の一部である。
ふざけていると思われがちだが、ゲームの内容にしっかりと即している。


【ストーリー・世界観】

作品によって差異があるが、西洋風ファンタジーの世界で巻き起こる戦乱に、一国の王子・公子である主人公とその仲間達が立ち向かっていくというものが基本。

シリーズ通して魔法の概念はあるが、魔法によって利便化された技術やSF的な要素や銃器といったハイテクはまず出てこない、比較的泥臭い大河ドラマの色が強いのも特徴。
エルフやドワーフのようなファンタジーお約束の亜人種も一貫して登場しないが、竜と人の姿を使い分ける種族マムクートがほとんどの作品に登場し、一部の作品では獣に変化する獣人種族も登場する。
人と人の戦争が主題なのもあってモンスター的なものもあまり出てこないが、最近の作品では雑魚敵のバリエーションをつけたい都合もあってか作品固有の異形敵が割と出てくるようになった。

物語は一つの大陸を舞台とすることが多く、複数の作品間で同じ大陸を舞台にしている場合もあるが、概ね1~2作品という短いスパンでそれらが一新され、また、大陸を越えた繋がりはほとんど描かれず、各々の大陸の中で世界が完結しているのが基本設計。
そのため、直接の続編になっている一部作品以外は、シリーズに全く馴染みがない状態で始めてもストーリーの理解に支障はない
複数作品で共通して登場する大陸は以下のとおり。

+ 複数作品に登場する大陸・地域
暗黒竜 紋章 アカネイア戦記 (外伝) 覚醒

  • ユグドラル大陸
聖戦 トラキア

  • エレブ大陸
封印 烈火

  • テリウス大陸
蒼炎 暁

アカネイアとユグドラルは同じ世界の別大陸だが、作品で描かれる時代は大きく隔たっており伝説上の出来事で僅かに繋がっているのみ。

『覚醒』はアカネイア大陸の遥か未来の出来事であり、『蒼炎の勇者の末裔』とされる人物が登場したり、ifの世界も『覚醒』から見てはるか神話の時代である事が匂わされている等、他作品との繋がりが示唆されている。


【シリーズ一覧】

ゲーム

タイトル 発売年 ハード 備考
ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣 1990年 FC
ファイアーエムブレム外伝 1992年 FC
ファイアーエムブレム 紋章の謎 1994年 SFC
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 1996年 SFC
BSファイアーエムブレム アカネイア戦記 1997年 SFC サテラビューで配信された短編
ファイアーエムブレム トラキア776 1999年 SFC
ファイアーエムブレム 封印の剣 2002年 GBA
ファイアーエムブレム 烈火の剣 2003年 GBA
ファイアーエムブレム 聖魔の光石 2004年 GBA
ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡 2005年 GC
ファイアーエムブレム 暁の女神 2007年 Wii
ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣 2008年 DS 『暗黒竜』のリメイク
ファイアーエムブレム 新・紋章の謎〜光と影の英雄 2010年 DS 『紋章』『アカネイア戦記』のリメイク
ファイアーエムブレム 覚醒 2012年 3DS
ファイアーエムブレムif 2015年 3DS
幻影異聞録♯FE 2015年 Wii U アトラス開発のコラボタイトル
ファイアーエムブレム無双 2017年 Switch コーエーテクモゲームス開発のコラボタイトル
ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王 2017年 3DS 『外伝』のリメイク
ファイアーエムブレム ヒーローズ 2017年 Android,iOS ソーシャルゲーム
ファイアーエムブレム 風花雪月 2019年 Switch コーエーテクモゲームスとの共同開発
ファイアーエムブレム無双 風花雪月 2022年 Switch 同上
ファイアーエムブレム エンゲージ 2023年 Switch
ファイアーエムブレム シャドウズ 2025年 Android,iOS 基本無料・非対称型対戦ゲーム
ファイアーエムブレム 万紫千紅 2026年予定 Switch2

ゲーム以外

タイトル 発売年 ジャンル
ファイアーエムブレム TCG 2001年 トレーディングカードゲーム
ファイアーエムブレム0 2015年 トレーディングカードゲーム
ファイアーエムブレム 維新大乱 2017年 エイプリルフール企画

+ 補足説明
  • 特殊な位置付けの作品
シリーズ作品の中で、『アカネイア戦記』はかなり特殊な位置付け。
かつて「サテラビュー」で放送(配信)されていた短編作品であり、一時は半ば歴史から抹消されていた作品なので、その存在を知らないエムブレマーも多い。
『新・紋章の謎』にリメイクされて収録されているので、現在ではお話に触れること自体は容易。

  • 独自性の強い作品
『外伝』と『聖戦の系譜』、『風花雪月』は「ファイアーエムブレムの皮を被った別のSRPG」とも言えるほど独自色が強く、クラスチェンジの仕方や武器関連の仕様、マップ構成や機能などが従来作と大幅に異なっている。
とはいえ、いずれもFEファンからはシリーズ作品のひとつとして受け入れられており、「独特の要素が面白くて良い」「独自の要素がゲームの魅力を引き立てている」とプレイヤーからも好意的に見られている。

  • 入手困難な作品
プレミア化しやすいシリーズでもあり、中古でもフルプライスがほとんど。定価の半額以下になる事はかなり少ない。
中でも特にGBA3作と『蒼炎』が高額で取引されている。

『聖魔』までの作品はバーチャルコンソールで全て配信されており、『聖魔』は3DSのアンバサ特典でも配信されていた。
2025年現在の代替となるNintendo Classicsはこの中で『外伝』『トラキア776』以外はプレイ可能。
しかし、GCで発売された『蒼炎』、Wiiの『暁』に関してはこういった単純移植は望み薄……かと思われたが、Switch2用のNintendo ClassicsでGCに対応すると共に『蒼炎』が配信を開始された。

  • 賛否の分かれる作品
長い歴史を持つシリーズの宿命故か、作品ごとに賛否が大きく分かれやすく、旧作派・新作派の対立は時代を問わず続いてきた
特に批判の槍玉に挙げられがちなのは以下の作品。

  • 『聖魔の光石』
    ややボリューム不足かつ経験者から「ヌルすぎる」と批判されるほど難易度が低め
  • 『暁の女神』
    終盤のゲームバランスとシナリオに難あり(平野耕太に批判されたことで悪い意味で有名になってしまった)
  • 『新・暗黒竜』
    新たに追加された生贄(事実上)仕様とキャラグラフィックが不評

『新・紋章』より導入されたカジュアルモード、プレイヤーの分身たる独自ユニットとして定番化しているマイユニットに関しても、主に古参ファンからの賛否が激しい。

また、『覚醒』以降*1は従来作品から大きく路線変更され*2、所謂「キャラ萌え」に比重を置いたライトなノリのキャラ・テキスト表現が目立つようになり、この点の批判は未だ多い。
キャラはともかくシナリオについては、「『覚醒』のシナリオは批判が多かった」「『if』製作にあたり、そうした意見を真摯に受け止めた」と公言して作られた『if』のシナリオが同等以上の批判を浴びた歴史的事実はある。
しかし、この路線変更を打ち出した『覚醒』によって新規ファン層の開拓、ひいてはシリーズの存続にも成功したのもまた事実である。
『覚醒』は売り上げの低迷からシリーズ打ち切りの最後通牒を突きつけられた状況の中でリリースされ、そして提示されたノルマの数倍という好セールスを記録し、FEというコンテンツそのものを救った立役者となったのである。
「古参」の言うことばかり聞いていてもコンテンツは活性化しない、というよく言われる論調がこれほど露骨に出た例もなかなか無い。

  • メディアミックス
原作の展開に則ったコミカライズ作品が複数存在する一方、オリジナル展開の多い個性的な漫画作品もある。
たとえば『封印の剣』の外伝作品にあたるファイアーエムブレム 覇者の剣がその一例。

これは2001~2005年まで月刊少年ジャンプに連載されていた漫画作品で、少年漫画らしい王道展開と連載中盤以降の美麗な作画が評価されている。
『封印の剣』には本作の主人公のアルとその仲間の使った武器が登場したり、イベントで本作の再現ステージが配信されたりと、ゲーム本編とのつながりも用意されている。
また、連載中に『烈火の剣』も発売されたため、そちらに登場した一部キャラや新規の設定が反映された箇所も。

しかし、意外にもこの『覇者の剣』を最後にコミカライズ、というかメディアミックスが長らく途絶えることとなる。コミックアンソロジーすら出ていない。
『封印』以降も新作がコンスタントに出続けていたにもかかわらずである。
また、映像化には恵まれず、遥か昔に『紋章』のOVAが出たことがあるだけ。
ドラマCDも同様に『暗黒竜』・『紋章』だけ(『if』以降に過去作のものも含めて出たりしている)、ついでに言うとキャラクターボイスの追加にも『覚醒』まで消極的だったため、ハード的にボイス収録が普通になった『蒼炎』以降も主要キャラがムービーで喋るかどうか程度で、昔のキャラのCVはほとんどソシャゲの『ヒーローズ』やクロスオーバー作品でついている。
『覚醒』から再びアンソロジーが出るようになった他、『if』では全2巻の短編だが別視点を描いたコミカライズが久しぶりに展開された。
そして『エンゲージ』では久しぶりに本編をなぞった正統派コミカライズが連載され、原作のストーリーをアレンジしつつ最後まで描いて完結。
原作準拠では初の円満完結コミカライズとなった。

世界観がハッキリしているせいなのか、長寿シリーズの肩書きからしたら回数は多いというほどではないが、
大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズはDXでの出演以降、新作キャラが参戦したりする常連メンバーとなり、バンナムの『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』にも複数のキャラクターが登場している。
また、『ドラガリアロスト』では2度コラボが行われており、第一弾ではマルス、フィヨルム、ヴェロニカ、アルフォンス、第二弾ではクロム、チキ、ピアニー、シャロンが登場していた。FEHコラボだったのでヒーローズのオリキャラが多め。

他、2015年に発売した自社作品の『Code Name: S.T.E.A.M.』にゲストキャラとして多数登場させたりもしている。アメコミ風というコンセプトの作品なので、しっかりそれに合わせて描かれた各キャラやBGMが用意されていた。


【シリーズの特徴】

個性付けされたキャラクター


     出
戦    会
い    い
  仲間

「仲間と一緒にどう戦うか」

FEシリーズの自軍ユニットは、それぞれ固有の名前やキャラ設定を持っている。
これは現代のシミュレーションゲームでは当たり前の要素なのだが、初代FEが登場した頃のシミュレーションゲームにおいて、
同じISが開発した『ファミコンウォーズ』のように、自軍ユニットは将棋やチェスの駒のような扱いであることも多かったため、その駒に“キャラクター性”を持たせた点で本シリーズは画期的だったといえる。

個性豊かな仲間と出会い、自分だけの部隊を作り上げていくのが本シリーズの醍醐味のひとつ。
自軍への協力を申し出て仲間に加わる者もいれば、敵でありながら何かしらの動機を経て味方に寝返る者もおり、本来味方になるつもりはなかったが、縁者や知古のある仲間の説得を受けて力を貸す人物もいたりする。
任天堂発売のゲームにしては珍しく、初期作品からイケメン・美女・ロリショタキャラが満載であり、「萌えゲー」的な側面を持つ。
もちろん、ナイスミドルなおじさんや渋い魅力を持つ宿将も盛りだくさん。
一つの戦闘マップでもその中には主軸の戦い意外にいくつもの小さな物語が展開されており、魅力的なキャラクターの多さから、その手の作品が好きなおにいさまおねえさまにはシリーズ初期から人気があった。

後発の作品では特定の組み合わせを戦場で活躍させると支援会話が発生し、キャラクター同士の会話を楽しめる他、支援効果の上昇などのメリットを得られる。
支援会話によるキャラの掘り下げによってプレイヤーは各ユニットの素顔を知ることができ、ドラマ性と愛着が増していく要因にもなっている。

また、一部の作品(聖戦・覚醒・if)ではキャラクター同士の結婚が可能で、両親の性能を一部引き継いだ子供が登場する。
『if』では制約つきではあるものの同性婚も可能となった。

キャラクターの育成・強化


成     
長     喜
      び
 強くなる

「みんなどんどん強くなる」

FEの醍醐味であり、SRPGというジャンルを戦術SLGと区別する最大のポイント。
戦いを経てキャラクターの能力は成長していくが、特に初期の作品では自由に遊べるフリーマップが存在せず、経験値や資金稼ぎを好きなだけ行えるようにはなっていない。
そのため、プレイヤーは限られた戦場と資源でどの仲間をどのように強くするか、悩みながら進んでいくこととなる。

キャラクターには武器を複数持たせられるが、「単純に強い武器をひとつ持っていればよい」というバランスにはなっていない。
本ゲームは武器ごとに相性関係がある(後述)ため強い武器を持っていても相性が悪ければダメージが与えられない。
また、それぞれの武器に耐久値が設定されており使い込むと壊れてしまうため、たとえば瀕死の敵にトドメをさすなら弱い武器に切り替えて、強い武器の耐久値を温存する必要も生じてくる。

+ 各能力値の説明
HP ユニットの生命力。この数値が0になるとユニットは戦闘不能となり、死亡、もしくは撤退してしまう。
物理的な攻撃力。剣や槍といった武器は武器そのものの威力に力の値が加算された合計値が基本攻撃力となる
魔力 魔法を扱う能力。魔法の武器や杖を使う場合はこちらの数値が武器の威力に加算される。
ユニットの技量。主に攻撃の命中率や必殺(クリティカル)率に関係する。一部の作品ではスキルの発動率にも影響する
速さ ユニットの素早さ。回避率に影響するだけでなく、この数値が相手より一定数高いと戦闘時に再攻撃ができる。ただし、この時計算される速さは武器の重さなどによって増減する。
幸運 ユニットの運の良さ。高いと敵の必殺率を下げることができ、回避率や自分の必殺に影響する場合もある。
守備 ユニットの守備力。物理攻撃を受けた場合にこの数値分ダメージを軽減できる。
魔防 魔法に対する抵抗力。魔法攻撃のダメージ軽減や状態変化の杖に対する回避率に影響する。
移動 ユニットの1ターンに移動できるマスの数。ユニットの兵種によって固定されており、基本的に成長しない。アイテムで一応増加させることが可能だが、機会は限られている。
武器レベル 武器を扱いに関する熟練度。武器に必要な武器レベルが設定されている作品ではこの値に応じた強さの武器しか使用できない。他の能力のように数値で設定されている場合と、能力値とは別枠のE~Aといったランクで設定されている場合があり、ランクの場合はユニットによって固定されているか、もしくは適用される武器で戦闘で使用することでランクが上がっていく。
体格 体の大きさ、もしくは筋肉量的な概念を示す数値。採用されている作品は一部。武器の重さを軽減でき、「速いが華奢な女性ユニットが重い武器を扱う」よりも「少し足は遅いが、体格の良い男性ユニットが自分に見合った重さの武器を扱う」方が再攻撃できるパターンがある。味方を抱えたりして動かすシステムでもこの大小が参照される。移動と同じく、増加させる機会は大抵の場合は限られている。

ステータスは最大2桁(HPは3桁も稀にある)が基本で、単純な計算式で戦闘結果が算出されるのも、FEの大きな特徴の一つ。
例えば、ゲーム上で表示されている自分の攻撃力-相手の守備力が10であったとすれば、原則として命中時には10のダメージが入る。
攻撃を仕掛ける時にはゲーム上のUIでお互いの数値や予測結果を表示してくれるようになっているが、FEではこれに頼ることができない相手ターンの行動であっても、頑張れば結果を手計算のみで割り出せるのである。
「ここでターンを終えたら3体に攻撃されて、運良く回避できない限りは耐えられない。だから1マスずらして攻撃される回数を減らそう」みたいな判断は、大きな数字や複雑な計算式を用いた多くのゲームでは雰囲気で対応するしかないが、FEでは計算をサボらなければ確信を持って対応でき、これもまた醍醐味である。
スキルシステムが採用されている作品では計算が大変になってくるが、それでも計算の難度は多くのゲームより遥かに低い。インフレでスキルがどんどん複雑怪奇になってるヒーローズは無理だけど……

ユニットの生存を優先する作品であるため、プレイヤーからは攻撃力=敵の殲滅力に関わる「」や「速さ」、生存・耐久力に直結する「HP」や「守備」の成長が歓迎されやすい傾向にあり、武器や相性によって変動しやすい命中関係の「」や運要素の強い「幸運」、それだけではどうしようもない「武器レベル」はあまり上がっても嬉しくないステータスとされていた。
しばしば「技、幸運、武器レベル*3」はあまり強くないユニットを指す言葉として使われている。
かといって力や速さの伸びが良くても耐久面が全く成長せず、攻撃後の配置に不安を残すユニットも難しい運用が求められるので、主力として使っていくにはある程度の総合力が必要なことが多い。

テーマ曲の歌詞でも歌われる「てごわいシミュレーション」の名の通り、一般的なSRPGと比べてもシビアな所がいくつか見え隠れしている。

キャラクターの死亡・消失


「あっ」
     別
会    離

な 「失った仲間とはもう会えない」

「さよなら」

FEシリーズ最大の特徴は、「一度やられたキャラは二度と蘇らない」という点。HPが0になると猶予もなく死んでしまう。
これもまた「てごわいシミュレーション」たらしめている要素の一つであり、当時の子供達に否が応でも「命の重さ」とやらを痛感させた。
『新・紋章』発売当時のCMでは、古参ファンである麒麟の川島明に「一度死んだ仲間が生き返らないのが醍醐味」という趣旨の発言をさせている。
これがドラマ性やゲーム性に大きく貢献しており、全員を生存させたままパーフェクトクリアを目指す王道のノーデス縛りや、仲間が死んでもそのままプレイを続行するノーリセット縛りプレイなど、様々なプレイスタイルを生み出している。

その代償として、多数の仲間キャラクターが登場しながらも、ストーリーは主人公と軍師役などの非戦闘キャラクターの会話のみで進行し、
「仲間キャラクターは死亡する可能性がある都合上、加入した後は専用のイベントで喋る程度で、ストーリーには関わらない」といういるだけ参戦ことになりがち。
この点は『烈火の剣』あたりから、主要キャラを「やられた場合は負傷者扱いとなり、以降の出撃はできなくなるものの、会話には参加する」という扱いにすることで違和感を軽減しているが、いずれにしても大多数は脇に置かれてしまう。
『風花雪月』はストーリー部分でも削っても違和感ないような会話差分を用意する力技で解決しているが、これは現状では例外的。

現代のFEシリーズは「てごわいシミュレーション」から「アニメファンやライト層にも親しみやすいSRPG」への路線変更が明言された関係で最もテコ入れされているのがこの要素でもある。
具体的には、自軍ユニットがやられてしまっても死亡せず次のマップで復活する「カジュアルモード*4」が選択肢として標準搭載されている他、いつでも自由に遊べる「遭遇戦」でユニットを好きなだけ鍛えることができるなど、攻略の難易度を下げ間口を広くする試みがなされている。

このあたりの匙加減は作品によって様々で、試行錯誤ぶりがうかがえる。下記も参照。

キャラクターの死は味方のみならず、時には敵の死にも強い印象を与えるものが多いのも特徴である。
始めは強者の威を借りながら非道を尽くして自軍を歯牙にもかけていなかった憎い敵将が強くなっていく自軍に敗戦を繰り返し、遂には追い込まれて醜い末路を迎える事もあれば、良識的で自軍の事も理解してくれていた稀代の名将がたとえ不本意であっても自国のために最後まで忠義を尽くして果ててしまう事もある。
敵国の王や皇帝も単なる倒すべき敵ではなく、独自の正義や志の高い野望、時には人格すら変貌させてしまった程の葛藤を秘めていることが明かされる等、敵にもしっかりしたストーリーが作られており、勧善懲悪とは言えない戦争が毎回描かれ、世界観により重みをもたせている。

武器の相性

に強く、に強く、に強い…というじゃんけんのような三すくみの武器相性は『聖戦の系譜』以降のシリーズ恒例。

これにより、育っていない自軍ユニットでも相性的に得意な敵ユニットを相手取ることで、こちらの被ダメージを押さえつつ敵を撃破することができる。

また、飛行している敵には弓などの飛び道具が特効であったり、重厚な鎧に対しては武器より魔法の方が通りが良いなどの例もある。
ひとつのユニットだけ育てていても相性不利な相手に苦戦してしまうので、さまざまなユニットを満遍なく育てていく必要があるだろう。

なお、作品によっては武器相性が存在しない場合もある。

クラス(兵種)

戦闘に参加するユニットには『剣士』『盗賊』『アーマーナイト』『ペガサスナイト』などの様々な「クラス」が設定されており、そのユニットの特徴を決定する。
「兵種」と表記される場合もあり、表記は現在に至るまでずっと混在している。そういうものだと思っていただきたい。

クラスによって使える武器が決定付けられ、耐久力の高いもの、素早さが高く連続攻撃に長けるもの、といったユニットの傾向と大まかに結びついており、
そしてクラスの中には馬に乗っているものや、ペガサスやドラゴンなどに乗って空を飛ぶものも存在する。
騎馬クラスは移動力が高いが、森などの悪路では歩行クラスより移動しづらい。屋内では馬に乗れないケースも。
飛行クラスは地形の影響や障害物を一切無視して自由に移動できる代わりに、「森にいると回避力が上がる」などのフィールド固有の有利効果が受けられない上、弓によって大ダメージを受けてしまう。
他に、盗賊は鍵のかかった扉や宝箱を無条件で開錠可能である(普通はアイテムの鍵を消費して開錠する必要がある)など、固有の能力を持っているクラスも存在する。

作品によって仕様は色々異なるが、レベルを上げていくとユニットはより強力な兵種に「クラスチェンジ」することができる。
最初からある兵種が「下級職」、クラスチェンジ先が「上級職」、そこから場合によって「最上級職」といったものが登場する形態がスタンダード。兵種なのかクラスなのか職なのかハッキリしろ
ポケモンで言う進化のような扱いに近い。
多くの場合、各種ステータスが上昇し、使える武器が増えるなど、クラスチェンジ前と比べて劇的に戦力を強化できる。
一方で重装化して重騎士になったり、馬に乗ることで騎兵扱いになり、弱点が増えてしまうパターンもあるため注意が必要。

主なクラス等の一覧


シリーズの「お約束」的要素

+ ジェイガン枠
ゲーム開始序盤からメンバーにいる「最初から馬に乗った上級職キャラ」。
名前の由来は一作目でそのポジションであった老兵ジェイガンその人から。

初期ステータスが周囲の味方より高めな上、「ぎんのやり」など強力な武器を携えているケースも多く、その場合最序盤の敵なら一発で確実に仕留められるほどの圧倒的な攻撃力を持つ。
いわゆるお助けキャラであり、「あの敵をどうしても確実に倒さないといけない」「あの敵からの攻撃を確実に受けてもらわないといけない」という状況下で頼りになる。

一方、最初から上級職なので雑魚を倒しても経験値の入りが悪く、さらに多くの作品上では本人の成長力も劣悪でレベルを上げてもまるで成長しないなんてこともよくある...のだが、攻略情報を知らずにプレイするとまず実際に体感するまで分からない。
ジェイガン枠のキャラに頼りすぎると他のキャラの成長がおろそかになるので、経験値をなるべく他キャラに回せるように(ジェイガンにとどめを刺させないなど)活用するのがエムブレマーの嗜みである。

+ 赤と緑の騎士
同じクラス、かつイメージカラーが「」という二人組のキャラがしばしば登場する。

ソシアルナイト系の騎士だったり、同じ主君に仕えるライバル関係である場合が多く、二人とも成長率などが優秀で叩き上げユニットとして強く育つケースが多い。
赤がパワー型、緑が命中/回避型に成長しやすいのも大半の作品の共通点。

+ キルソードを持った剣士
FEには「必殺が非常に出やすい」効果を持つキルソードという剣が登場するが、初期状態でキルソードを持って現れる剣士キャラもシリーズのお約束となっている。

キルソードの高い必殺率と、本人の優れたステータス(特に技・速さ)によって基本的に非常に強力なユニットであり、FEの花形。
この手のキャラは主に説得によって味方側に引き入れることになるのも共通している。

+ 最序盤のボス=斧を持った賊
初代からの伝統。
HPと攻撃力だけ高く技・速さ・守備は控えめなことが多い彼らは、このシリーズにおける戦闘のセオリーを学ばせる序盤の相手にうってつけなのだ。
特に三すくみ導入以降は主人公側のメイン武器=剣であり、斧を持った敵に対しては相性関係で主人公側が有利であるため、武器相性のチュートリアルも兼ねて定着したものと思われる。

大体、序盤で国や町を襲っている悪党で、その場に居合わせた主人公たちに容赦なく倒される。
プレイヤーが斧や斧キャラ=弱いという認識をしやすくなってしまう原因でもある。

+ アンナさん
基本的に作品が違えば登場人物も世界観も違うというのがFEシリーズであるが、ほぼ全ての作品に共通して登場するのが『アンナ』という女性キャラクター。

とはいえ、全てアンナさんは同一人物というわけではないようで、作品ごとに見た目や設定を変えて、様々なアンナさんが登場する。
ショップを開いていたりと主人公側のサポート役であることが多いが、作品によっては仲間ユニットとして加入する場合もある。アンナさんと結婚できる作品も存在する。

てごわいシミュレーション

項目冒頭にある通り、なぜ『ファイアーエムブレム』が「てごわいシミュレーション」だったのか、その特徴を記載する。
ただし、記事内に再三書かれているように、FEシリーズはDS/3DS作品以降からライト層向けにゲームバランスが調整されているため、本内容が近年の作品に必ずしも当てはまるわけではない点に留意いただきたい。

+ ロスト関連
前述の通り、戦場で倒されたキャラクターは死亡、再起不能となり、以後使用不可能になる。
これは単純にそのキャラクターが使えなくなるだけではなく、
  • 持っていた装備品も一緒に消える場合がある。
  • そのキャラクターにしかできない作戦行動が全て不可能となる。
    • そのキャラクターだけが入手できるアイテムが全て入手できなくなる。
    • そのキャラクターで説得しなければ仲間にならないキャラが全て自軍に加入しなくなる。
…と言ったゲーム進行に著しく支障が生じる仕組みになっている。

一応、作品によっては蘇生手段もあるが、ものすごい大金または一点物のアイテムが必要だったり、蘇生できるのは終盤だけだったりと、頻繁に利用できるものではない(特に後者になると利用価値もあまり無い)。
更に、作品によっては持っていたアイテムは復活しないので蘇生させたがただの人間になってしまったなんて事も起こりうる。
(物をよく落とすおじいさんや最強幼女とか)

ビギナーに対する敷居を考慮すれば、ロストが発生しないカジュアルモードの導入も決して否定されるものではない。
それに加え、カジュアルモード導入前後の『新・暗黒竜』『新・紋章』に導入された補充兵、『覚醒』以降で実装された追加ユニット(「魔符」など)といった救済措置もあり、開発としても「キャラロストというシリーズの伝統」と「ライト層でも遊びやすいゲームバランス」との板挟みの中で試行錯誤した様子がうかがえる。

+ 仲間の加入
「でも『FE』って仲間キャラいっぱい居るじゃん。
一人や二人死んだくらい、どうってことないんじゃないの??」
と思う未プレイヤーも居るかもしれないが、この考えは甘いと言わざるを得ない。
特に初期の作品では、その“いっぱい居る仲間キャラ”が全員無条件で、かつ自動的に自軍に加わってくれる事は基本的にかなり少なかったのである。

『FE』の基本的な仲間の加入方法は、
  • 初期メンバー、シナリオ進行による強制加入
  • 村の訪問
  • 特定キャラによる説得
…のいずれか。作品にもよるが、「てごわい」とされている所以は、多くの作品で後者2点が大半を占めているため。


特に『説得(「話す」コマンド)』はかなり骨が折れる作業となる。
説得は、敵または第三勢力として登場したユニットに対し、特定のユニットで近づくと行うことができるのだが、
  1. そもそも、対象のキャラクターを説得できる仲間を出撃させなければ、説得そのものが行えない。
  2. そして、説得するキャラと説得されるキャラの両方が倒されないようにステージを攻略しなければならない。''
という2点が難易度を上げている。

一見簡単そうだが、説得できるキャラを知っていてかつ出撃させなければそもそも説得できないし、説得要員が育っていない場合、雑魚の攻撃であっさり死ぬので説得が困難な場合もある。
基本的に説得要員はノーヒントだが、作品によっては説得キャラが誰かを示唆する台詞や会話が追加されていたり、出撃画面で確認できるようになっていたりする。

また、説得対象は説得するまでは敵であることが多い*5ので、「説得しようと近付いたキャラを攻撃し倒してしまう」とか「他のキャラに戦いを挑んで返り討ち」等という悲喜劇が頻発する。このバカ兄貴め。
「知り合いのユニットには攻撃してこない」なんて設定がされてる事は非常に稀*6
ようやく説得し、仲間に加入したとしても、今度は周囲の敵ユニットから袋叩きにあって死亡…なんて事も起こりうる。

なお、これらはカジュアルモードでも避けられない問題である。
カジュアルモードでは味方ユニットが倒されても死亡扱いにはならないが、そのマップから撤退はしてしまうので、説得要員が倒された場合、説得を諦めるかリセットするしかなくなる。
また「倒されても死亡扱いにならない」というカジュアルモードの仕様が適用されるのは自軍ユニットに限られるため、説得対象の敵キャラが倒されるとやはり死亡してしまい仲間にできなくなる。

さらに、説得で仲間になるキャラでなければ説得できないキャラが居たり、特定のキャラでなければ入手できないアイテムや進出できないステージがあったりetc…

…と、1人の死がその後に続く有力なユニット達やアイテムとの多くの繋がりも同時に断ち切ってしまう危険性に事欠かず、結果として自軍にとって大きな戦力減に繋がってしまうのである。
敵の戦力に追いつくだけの育成すらも無駄になるのが、特に途中参戦の仲間が心細くなる高難易度ほど致命的になる。

村の訪問に関しても、一見簡単そうだが大抵のマップでは村を破壊する盗賊なども出現するので、進軍を急がないと加入チャンスを逃すことになってしまう。

前述のとおりロストしやすいゲーム性で仲間の加入も困難……と、本シリーズの特徴を顧みれば、没個性やアイデンティティの崩壊と呼ばれる補充兵の存在もやむなしとも……。

+ キャラのランダム成長
各キャラクターに、力や素早さなどステータスの成長率というものが設定されている。
これによって同じクラスのキャラでも成長していくとパラメーターに個性が生まれてくるのだが、ゲーム内において成長率を確認する手段は無いので、育てるキャラを間違えると悲惨な結果に終わってしまう。攻略情報が手に入りづらかった初期作品当時のお約束。

分かりやすい例では、いわゆるジェイガン枠と呼ばれる「最初期から加入し、しかも上級クラスに着いている老兵」が挙げられる。
彼らは初期ステータスが高いかわりに成長率が低いことが多く、育ててもあまり意味がないため、適度に他のユニットも活躍させる必要があるということがゲーム内でもそれとなく示唆される。

後年の作品では成長率の露骨な格差は廃されていたり、クラスチェンジを利用すれば成長率を調整できることがあるので、そこまでの惨事にはなりにくい。ジェイガン枠についてもいないこともない。

しかし、原則としてレベルがあがったときのパラメータの成長は成長率に応じてランダムに行われるため、絶対的な成長率の持ち主でない限り、たとえ成長率が高いと言われるキャラであろうと、プレイヤーの運がよほど悪いとレベルを上げても全く能力が上がらず悲惨なステータスになってしまう。

この鉄則に対する例外は非常に少なく、今日に至っても固定成長モードについては、色々と特別な『無双』と『ヒーローズ』の基本仕様以外では『蒼炎の軌跡』、『エンゲージ』の隠しモードとしてしか実装されていない。
ガチャゲーである『ヒーローズ』も個体ごとにどのパラメータが得意・不得意であるかを仕込むという形でこれを再現している他、『無双 風花雪月』ですら、兵種変更の成長率変化が再現されたためランダム成長に戻っているとかなりの徹底ぶりである。

余談だがファンの間で、上がったレベルに対しユニットのステータスが想定・期待値より著しく低くなると「ヘタれる」と表現される。
また、レベルアップ時のステータス上昇の“ピン!”という効果音にちなんで、ステータスが2つ上がれば「2ピン」、3つも上がれば「3ピン」などと言われる。

+ 限りあるアイテムと軍資金
大半の作品では武器に耐久値が設定されており、使い続ければ壊れて消滅してしまう
どんなに強いキャラでも武器がなければ戦えないし、回復などのサポートもできなくなってしまう*7
当然、一品ものの強力な武器は気軽に使えないし、弱い武器で倒せる相手に強い武器を用いるのも無駄に耐久値を消耗するだけで非効率になるので、よく考えて武器を持たせる必要がある。
耐久値が存在せず無限に使える武器もごくごく一部あるが、主人公の専用装備であるとか、使えるとしても終盤以降のごく僅かな間のみという制約が付いて回る。
それでいて敵側は耐久値を気にする必要がないので、強力な武器も中盤あたりから遠慮なく使ってくる。

そして、これらの物資を購入するのに必要な資金もまた基本的に有限
入手手段も、村を訪問して何らかの行動を起こしたお礼として貰ったり、宝箱から入手したりなど、プレイヤーが能動的に介入しなければ取得できないものが殆どである。
一応、作品によっては闘技場で稼いだり敵に援軍を呼ばせてゴールドを略奪したりするという手段が取れる場合もある。
が、そういった作品にしても常に金策が行えるようにはなっていないことが多く、金策ができたとしても仲間の死などのリスクがつきまとう。

また、原則として多くの作品では後戻りのできない各マップの一部にショップがあり、そのラインナップにバラつきがあるという初見に優しくない仕様となっている。
「欲しい武器があるが、お金がないから今は我慢」→「次のお店が遥か遠く」なんて事が頻発する。
また、適当に武器を購入した結果「使えるキャラがいないのに買ってしまった」、「結局使わない武器だらけで輸送隊がパンクした」なんてことも起こりうる。
そのために先を見越した物資確保や資金運用が求められる。

さらに、各キャラが持てるアイテムの上限数も決まっているので「誰に、何を」持たせるのかも考える必要がある。

なおこれらの特徴は初期作品が顕著で、後発の作品(の通常難易度)では緩和されていることも多い。
代表的な救済措置は、大抵の場面で自由に遊べるフリーマップ(遭遇戦)の実装。好きなときに何度でも挑んでレベル上げ金策を行うことができる。難易度ルナティックだと露骨なまでに潰されてるが
フリーマップがある場合、たいていは過去に通ったマップのショップも訪れ直せるようになっているなどで販売品も進捗に応じて充実していく。

+ マップギミック
マップギミックも凝っており、これも難易度を上げる要因となっている。

  • 《敵の増援》
敵の増援は基本的に事前情報無しである。
あったとしてもそれを示唆する会話がちらほらあるくらい。
そのため、「あらかた倒し終わったと判断して進軍した結果、嫌な位置から出てきた増援に殺られた」というケースも多々ある。

一応、増援が出現する場所は「城の入口」とか「階段や砦」等といった増援が出現しても不自然ではない所が多いが、中には「マップの端から湧いて出てくる」「特定の場所にワープしてくる」事もある。
こちらのスタート地点付近に現れる事もあり、弱いユニットを放置していると地獄を見る。
挙句 ごく普通の民家からラスボスに匹敵する強さの敵が出現し襲いかかってくる という恐るべき初見殺しは伝説として語り草となっている。

後年(DS以降)の作品では、そんな初見殺しの源である「増援が出現したターンに即行動する」という仕様が難易度ノーマルに限り撤廃されていることが多い。

  • 《索敵マップ》
シリーズ作品には、夜間の戦闘であったり、マップ全体に霧が発生しているなど見通しが悪い状況で戦うこともある。
その場合、自軍ユニットの周囲数マスにいる敵ユニットの情報しか把握できない『索敵マップ』がしばしば登場する。
初登場の『トラキア776』では地形すら把握できない深夜仕様で、初見プレイには視界を広げるアイテムがほぼ必須になる。

前述の通り、キャラロスト/死の恐怖が付き纏うこの作品において、どこから敵が来るかわからないという状況は恐怖そのものである。
オマケにこういう状況でも宝を狙ったり村を襲ったりする盗賊はセットで出現するので「待ち」の戦法が許されず、進軍を強要されがちになる。
かと言って迂闊にキャラを進めると、視認範囲外の敵とぶつかって「!」の表示と共に強制的に待機状態にされて取り返しのつかないことになる。

一方、敵はこちらを通常通り把握しており、霧や闇夜の中から的確にこちらを攻撃し、挙句遠距離魔法や状態異常の杖なんかをガンガン使ってくるチート仕様。ずるい。作品によっては闇の力を与えられていたり、自分たちのテリトリーである為という理由付けがされている。
こちらも「たいまつ」「トーチ」や盗賊で視界を広げる事ができるので、これらを駆使して少しでも攻略の手助けにしよう。

城内や遺跡のようなダンジョンなど、屋内の戦闘では単純に進軍するだけではなく、閉まっている扉を開けたり宝を回収したりするのも重要になる。
これは敵側も行ってくるので、宝を狙う敵の盗賊を倒しながら迅速にアイテムを回収したり扉の開錠をする必要がある。

扉の開錠などは基本的に盗賊クラスに就いている仲間ユニットの出番であり、盗賊の護衛も重要なポイントである。
しかし盗賊だけでは攻略が厳しいステージもあり、事前に鍵を購入して他のユニットが開錠を頑張らなければならない事も。
場合によっては敵の盗賊にある程度鍵を開けさせて宝を盗ませ、逃げていくところを襲いかかり力づくで奪い取るなどの作戦も考えられる。

また、一部の過去作品では屋内での戦闘において騎馬ユニットは下馬して戦う必要があり大きく弱体化するので、盗賊のこともあいまって屋内戦用のメンバーで挑む必要がある。

さらに、ダンジョンや遺跡では罠が設置されていることもあり、迂闊に進軍するとダメージを受けたり罠にハマった挙句、敵に袋叩きに遭うこともあるため、より慎重な進軍が必要になる。
仕掛けの大体は盗賊で解除できる。実用性はともかくとして。

上記のような要素自体は他のSLGにも見られるので、『FE』だけの特徴ではない。
ただし、それらが折り重なることでFEシリーズは絶妙な難易度・ゲームバランスへと昇華されており、プレイヤーの心理に巧みに働きかけてくる。

後発の作品では、様々な救済システムやテコ入れによって初心者へのハードルも下がりつつあり、コアな層からは「最近のFEはヌルくなった」、「近年のFEは軟弱だ」という意見も見られる。
とはいえ、様々なキャラが織り成す燃える(萌える)展開、そしてプレイヤー自身の考える理想的なプレイを追求したくなるゲーム性は、『FE』古来からの特徴で、現在でもしっかりと受け継がれている。

ちなみに、より高難度を求めるコアゲーマー向けに、『封印の剣』からは高難易度モーが用意されている。
2周目以降の隠しモードであることが多いので、歯ごたえを求める人は頑張ってみよう。
「手ごわいシミュレーション」の異名は伊達ではないのだ。


【余談】

初代PSで『ティアリングサーガ』という『FE』によく似たゲームが発売されたが、これはFEの産みの親である加賀昭三氏がISを辞めた後、制作したもの。
当初は『エムブレムサーガ』というタイトルを名乗り、FEと関連性を持たせる予定だったが、そのせいで任天堂から著作権侵害で訴えられる事態に。
裁判結果は大雑把に言えば「作者が同じなら似たゲームになるのは当たり前」「けど勝手にシリーズ作品を名乗るのはダメ」という感じ。
そんなわけで既存のFEシリーズ作品との関連性を匂わせる要素は撤廃されつつも、ゲーム性やストーリーの雰囲気などはFEに限りなく近い作品として世に出ることとなった。
この件はゲーム界全体でも珍しい裁判事例となり、法曹界でもわりと有名らしい。
ゲームそのものはPSのSRPGとしては屈指の良作でありファンも多いため、開発や容量の関係で削られた要素を加えた完全版を待つ意見は数多い。

2015年末に発売された開発秘話本『メイキング オブ ファイアーエムブレム』でも、加賀氏に関しては話題に登場しても名前は一切出されないなど、未だに一種のタブーになっている。
そんなこんなで『if』までは初期から加賀氏と共同制作を行っていた成広通氏が制作を主導しており、一時期は『FE』の産みの親として扱われていた。

が、加賀氏との制作方針や作風の違いによってファンとの解釈違いが起きており、反感を覚える古参ファンもいた。

具体的には、加賀氏はFEをキャラ・ストーリー・シミュレーションなど様々な要素を重視していたのに対して、成広氏はキャラ・シミュレーションの2つの要素を重視しており、あまりストーリーには重きを置いていないという作風の違いがあったようである。

また、成広氏の携わったFEは氏の意向によるものか、少女漫画的な要素や恋愛要素が若干それまでのFEに比べると少なくなっていた。

上記のように初期から加賀氏と共に開発に参加しているので産みの親の1人であり、全く無関係な方ではないのだが(※外伝には関わっていない)、本人もこれはどうかと思ったらしく後に訂正発言をしている。

一方、加賀氏のほうは『TS』発売後の2005年、PS2で『ベルウィックサーガ』という新作SRPGを開発・発売したが、こちらは(システム面のオリジナリティが増した結果やマスクデータの多さから)『アンサガ』・『ドラクォ』と並ぶPS2の奇作RPG(SRPG)で、『FE』『TS』以上に人を選ぶゲームとなった。
これを最後に氏は商業作品からは完全に身を退き、個人ブログで時折TSやBSの没設定などを綴った記事を時折書く以外、表立った活動は全く見られなくなる。

が、そんな日々の中で燻っていたクリエイターとしての血が疼いたのか、2015年頃から旧知のスタッフ・有志のボランティア等を募り、『ヴェスタリアサーガ』と題した新シリーズの製作に着手。
こちらはFEのシステムを模倣したゲーム開発ツールである同人ソフト「SRPG Studio」を使っているということもあり、デザイン的に『FE』および『TS』に近い作品である。
第一部は2016年に完成、以降も外伝および続編の製作・配布が続けられている。
なおTSでの裁判沙汰が余程トラウマになっているのか、あくまで非商業同人のフリーゲームであり募金等を含めた金銭のやり取りは一切行わない旨、また他作品と関連付けて話題に出すことを厳しく禁じる旨を再三に渡って表明している。





追記修正はファイアーエムブレムを授与されたロードの方にお願いします。

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最終更新:2026年08月08日 01:19

*1 正確に言うと『if』→『エンゲージ』の流れで、『風花雪月』は共同開発なせいもあってかこの流れからはズレている。

*2 もっとも、旧作も記号的なキャラ付けやキャラ萌えを意識したやりとりや展開が無いわけでもない。比較的新しい作品では見られるし、初期作もコミカル描写は結構多く、「FEは最初からライト向け」といった反論もある。

*3 『紋章の謎』では乱数がかなり偏っており、どんなキャラでもこのパターンが出てきやすいことに由来する。

*4 ただし、あくまで「死亡しない」だけで、クリア後の最終評価が存在する作品では敗北回数でしっかり減点される。また、作品の中にはコマンド実行時に結果が記録されるために、戦闘結果を見てからリセットしても記録に残ってしまう物もある。

*5 近年では中立のキャラ、すなわち「プレイヤーは操作できないが、友軍扱いあるいは主人公・敵勢力のどちらにも属さない第三勢力のキャラ」も存在する。

*6 『封印の剣』でクラリーネに手出ししないルトガーたちぐらい。

*7 例外として『外伝』、『if』、『エンゲージ』は武器・魔法の回数制限が撤廃されている。 また『紋章の謎』、『聖戦の系譜』、『トラキア776』、『風花雪月』のように耐久分を使い切ると「壊れた〇〇」になり性能が著しく下がるが使用を続けられる作品もあるし、『風花雪月』では「素手」のスキルを習得すれば武器を使わずに攻撃することも可能。