カメさんチーム(ガールズ&パンツァー)

登録日:2017/02/07 (火) 20:59:34
更新日:2025/01/13 Mon 00:35:18
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「目指せ! 優勝!」



カメさんチームとはアニメ「ガールズ&パンツァー」に登場する大洗女子学園戦車道チームの1つ。
エンブレムは「二本脚で疾走する亀」で、使用戦車は38(t)戦車B/C型→38(t)改ヘッツァー仕様

概要


生徒会役員の3年生3人で構成されたチーム、今年から選択授業に加えた「戦車道」に当人である彼女達も加入した。
試合では最高学年という事もあってかフラッグ車を務める事が多く、軽戦車の機動力を生かした錯乱戦法も得意とする。
半面攻撃面はある事情から芳しくなかったもののこちらも徐々に克服していった。

生徒会というだけあり試合以外での事務処理等を担当することも多く、メンバーの負担を減らすべく尽力する等大黒柱的な存在である。
だが立場故に大事なことを隠していたり、時には強制的な行いをする等の印象が悪くなるような行動も多々ある。

あんこうチーム以外で唯一戦車のパワーアップイベントがあるのだが、その方法は「ヘッツァー改造キット」という公式魔改造セットを用いてのプラモデルめいた改造である。*1
柚子「結構無理やりよね…」



メンバー

メンバーの名前は地形+果物の名前からとられている。
また、キャラクター造形自体はタイムボカンシリーズの三悪がモデルとのこと。
それぞれを「戦闘時は基本何もしない上役」「頭脳労働担当のポンコツ」「体格(≒体つき)に秀でた雑用係」と捉えると納得できなくもない……かも。


  • 角谷杏
CV:福圓美里
担当:車長・通信手(名目上)

「とゆーわけでよろしく~」

大洗女子学園生徒会長にしてチームリーダー、というか学園艦は生徒主導で運営されているため、実質的には艦長であるといえる。
身長142cmとメンバー内では小柄だが、その手腕は本物であり、人を動かす力に優れている。
隊長である主人公、西住みほへの負担を減らすべく、他校やお偉いさんへの対話は主に彼女が行っている*2
とはいえ基本的には面倒臭がりなのか、試合中でも自分の担当の仕事はせず好物の干し芋を食べている。
しかし砲手としては結構優秀で、ここ一番という時にはその優れた技量で戦いに挑む熱い一面も見せる。

最初から多少なりと興味はあったのか戦車道復活にあたって勉強したのか、38(t)の履帯が外れやすい事を練習試合の頃から知っているなど、
みほ・優花里以外で最初から戦車についての知識をある程度持っていた。

特技は料理であり、口もよく回るため客商売もお手の物。


  • 河嶋桃
CV:植田佳奈
担当:砲手・装填手(一応)

「これはどういうつもりだ?」

「もう駄目だよ柚子ちゃ~ん!!」

副隊長、片眼鏡*3・常に会長に付き従う態度・冷静な振る舞いとナンバー2的な雰囲気を漂わせているが生徒会での役職は副会長ではなく広報である。
後に描かれた入学時の写真から、その当時は裸眼だった模様。
その見た目とは裏腹に実は沸点が非常に低く、ちょっとしたことでキレてたり取り乱したりするヒステリックにしてヘタレキャラである。
また知的そうに見えるだけで授業の成績は下から数えた方が早いレベルに悪い

戦車兵もとい戦車道選手としての能力もあまり優秀とは言い難い。
上記の沸点の低さは試合中にも表れており、すぐに慌てふためき諦めて泣き出したりなど、丸っきり一年生組と精神性が変わらない。
しかもウサギさんチームが試合中に取り乱したのは最初期だけだったが、桃は劇場版に至るまでほとんど精神的な成長が無かった。
特に砲手としての腕前は劇中最低クラスであり、至近距離でも外す始末
(その度に柚から「ここで外す……?」と苦言を呈され、しょっちゅう桃をネタにする学校新聞でも取り上げられた
「文字通り目の前に展開した複数の敵戦車に包囲される」という普通なら嫌でも当たる様な状況ですら、
敵戦車の合間を縫って正確に外すという却って神業めいた事態を起こしていた。
砲撃の瞬間を上から見たシーンがある劇場版に至っては明らかに砲身の向きとは違う角度に砲弾が飛んでいる始末
空間の歪みでも引き起こしてんのか
大洗チーム結成当初は隊長・指揮官を務めており、後述の通り定石にごく忠実な作戦を立てる*4などそれなりの戦術眼を持ってはいるが、
みほから「王道過ぎて作戦が読まれる可能性が高い」と指摘されるとヒステリーを起こして意見を封殺した挙句、
案の定作戦を全て見抜かれていた上に作戦失敗時の対応を全く考えていないなど、最大限好意的に表現しても「凡将」の域を出ない。

とはいえ杏がほぼ仕事をしない中で操縦手以外の全てのポジションを何とかこなしていることから(砲撃以外の)能力はそこそこあり、
プラウダ戦では高速で走り回るヘッツァーの車内で75mm砲弾を次々に装填するなど、装填手としては割かし優秀な方と考えられる。
当初こそ指揮官としても戦車クルーとしても優秀とは言い難かったが、会敵や砲撃に晒される度に錯乱していた初期に対し、
劇場版くらいまでなると落ち着いて敵戦車に対処したり引き際を弁えられる様になるなど少しずつ成長を見せている。
杏同様に戦車道再開に当たってそれなりに下調べはしているのか、訓練シーンでは教官代わりとして尤もなコーチングをする場面もある。

高圧的な態度も大洗のためを思ってのことであり、みほ達には内心とても感謝している模様。
事実として、みほのお陰で窮地からの逆転勝利を収めた際には彼女に頭を下げて礼をしている。
最初期の内に限って真顔でダジャレを言うキャラであり、事ある毎に杏にダジャレを披露していた。



  • 小山柚子
CV:高橋美佳子
担当:操縦手

「桃ちゃんここで外す……?」

生徒会副会長、桃ちゃんではなく彼女が副会長である(大事な事なので2回言いました)
性格はおっとりしており生徒会の良心かと思いきや、2人に同調しみほに脅迫めいた文言で戦車道を勧める一面も。
とはいえ陽気ながらも食えない性格の杏や高圧的にして情緒不安定気味な桃と比べると、やはり三役の中では最も常識人枠に近い。
本当に重要な場面以外では基本的に何もしない杏に半ば悲鳴に近い協力を求めたり(桃は大抵の場合杏に文句を言う事は無い)、
桃が何かやらかす度に冷静なツッコミを入れるのは基本的に彼女の役割である。
何より彼女の特徴は公式の巨乳の持ち主だという事であろう。「みんな(小説版では全校生徒)の憧れ」との事。
本編では戦車の清掃で唯一水着姿を披露していた。
高速で走行しつつ近距離からのT-34の砲撃を躱すなど、操縦の腕前は中々の物である。



本編での行動


今年から戦車道に力を入れるようにと文科省から通達があったらしく、選択授業に戦車道を追加する。
かなり大袈裟な紹介で参加者を募り、それに並行して校内唯一の経験者である転校生、西住みほを加入させるべく行動する。
だが彼女の転校目的が「戦車道のない学校だったから」であったため一度は断られる。
それでも強制的に彼女を呼び出し履修させようとするが、彼女と友達になった武部沙織、五十鈴華に抗議される。
杏はそんな2人の事も盾にしてみほに迫るも、2人が引くことはなかった。
そんな2人に心打たれたみほは戦車道を選択、結果的に生徒会の目論見通りとなった。

戦車発見後は自分達も戦車道に参戦、最初に行われた模擬戦では橋の上で立ち往生していたみほ達に迫るも、桃が盛大に外し返り討ちにあう。
その後聖グロリアーナ女学園との練習試合を取りつけ、38(t)を全身金色に塗装して試合に臨む。
この試合序盤では桃の提案した『囮が聖グロ戦車を崖下までおびき寄せ、他の戦車が待ち伏せ攻撃する』という作戦を実行、隊長は桃であった。
みほは「非常にオーソドックスな作戦である故に読まれやすく、裏をかかれるのでは」と反対していたのだが、
それを聞いた桃がヒステリーを起こして黙らせてしまっていた。

実際にIV号戦車が聖グロチームを引き連れて待ち伏せ地点に現れた際には桃は盛大に取り乱して勝手にIV号に砲撃し始めてしまった。
その後もひたすら撃ちまくれというだけの指示しか出さず各チーム共バラバラの砲撃をしていた事、
みほの懸念通り聖グロは作戦を読んでいた事等から作戦は崩壊、聖グロからの盛大な反撃を受ける事になり、38(t)も被弾の余波で履帯が外れて擱座する。
だがトドメは刺されなかったようで、その後履帯を直してから街中でピンチ陥ったIV号の許に駆け付けるも、
不意打ち&至近距離で放ったにも関わらず桃がまた外してしまい、聖グロ戦車4両の一斉砲撃を受けて撃破される。
結局試合には敗れてしまったが、罰ゲームのあんこう踊りを連帯責任として自分達も踊る等責任感の強さも見せた。
なお桃と柚子は自分達も踊る事になるとは露ほども思っていなかった様で、杏の提案に驚愕していたが、
結局は文句言わずに粛々とあんこう踊りを披露した。
この時、杏だけはあんこう踊りにノリノリだったため、最初から杏があんこう踊りをしたかっただけではないか?とする説もある。

その後全国大会に出場することを宣言し、絶対優勝すると意気込む。
トーナメント抽選の結果、いきなり優勝候補の強豪と当たってしまった事で、半ば勝てなくても止む無しと考えていたみほ・優花里に対し、
杏と桃は「どうしても優勝せねばならない」旨を語るが、その理由が明かされるのはもう少し先である。

1回戦サンダース大付属との試合ではフラッグ車を担当、大将として生き延びる為に逃げ回るだけの役目に終始していた。
後ろからサンダース戦力に迫られた際は桃が苦し紛れに砲撃を繰り出すが、やはり当たらず。
窮地に追い詰められた際には桃は泣きながら弱音を吐いて諦めかけるが、みほの激励によってなんとか戦意を取り戻し、遂に逃げ切る事に成功する。

2回戦アンツィオ高校との試合でもフラッグ車を務め、無事逃げ切り勝利する。
試合前のアンツィオ対策の練習では桃が八九式の挑発に見事にハマり、ウサギさんチームのM3の周囲をトムとジェリーの如くグルグル回っていた。
また後にルノーB1に乗る事になる風紀委員3人に有無言わさず協力を取り付る、ポルシェティーガーの引き揚げ作業を視察する様子も描かれた。

準決勝プラウダ戦の直前、各チームに「ズブの初心者集団が準決勝まで来れたなら上出来」「前年優勝校が相手なら胸を借りるつもりで戦う」、
といった空気感が漂う中、またしても桃が「何としても大会では絶対に優勝せねばならない」と語る。
当然ながらというべきか何故そこまで勝ちに固執するのかという反論もあったが、やはり詳細は語らなかった。

その後、杏がある秘密を打ち明けようとみほを生徒会室に誘い、杏特製のあんこう鍋を振る舞う。
この際、プラウダ戦に向けて学園艦は北に向かっていたため、防寒対策に杏は半纏、桃はフライトジャケットを着込んでいた。
みほにアルバムを見せ、彼女らの入学時やこれまでに開いたイベントの数々を振り返るが、結局本来の目的であった「秘密」の公開はできなかった。

プラウダ戦では、ここまで順調に勝ち進んで来た事により血気に逸る各チームに同調、
慎重を期した作戦を想定していたみほを抑えて一気に打って出る方針に賛成する*5

しかし各チームの慢心とプラウダの策に嵌った事から廃墟に追い詰められ、メンバー全員のカチューシャへの土下座と引き換えに降伏を迫られてしまう。
すっかり戦意喪失したメンバーは「初出場でここまで来れたなら十分」「また来年頑張れば良い」と諦めモードだったが、
それでも彼女達だけは勝ちに拘っていた。
それにはある理由が……。





■余談

放送当初、特に序盤は外国人からのウケが異様に悪く、特に杏は四六時中食べている干し芋を(外国人は干し芋を知らない為)指して「ずっとウ○コ喰ってるクソ女」扱いされる程。
また、同人誌でも暴虐無人なほぼメスガキな性格の杏をあんこうチームが懲らしめるという、今では考えられない内容の物が出ていた。
さすがに終盤で廃校の件が判明した後は評価は改善されている。






追記、修正は干し芋を食べながらお願いします。



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最終更新:2025年01月13日 00:35

*1 38tとヘッツァーの車台は同一の物を元にはしているが、ヘッツァー開発の際に設計からやり直しているために実際は完全な別物なので、史実ではありえない方法である。

*2 そのため、今作の黒幕といえる人物とみほが直接絡んだシーンは皆無である。

*3 いわゆるモノクルではなく、単に片側がないだけの眼鏡である。

*4 「高地を陣取る」「味方の伏兵が居る場所に敵を誘き寄せる」という作戦は、それ自体は間違っていないどころか常道であり、カチューシャを始め他校の隊長が同様の作戦を提案・実施したこともある。

*5 みほとしても「士気が最高潮に上がっている」、「降雪下にあって雪上戦に慣れたプラウダを相手に試合を長引かせるのは不利なのも確か」という判断から、半ば押し切られる様な形ではあったものの懸念を抱えつつも強く反対はしなかった。