エトボキャボット

登録日:2017/05/30 (火) 04:39:54
更新日:2024/03/31 Sun 12:49:57
所要時間:約 10 分で読めます





テレビアニメ『ヘボット!』に登場する機械生命体の一種。


概要

特殊なボキャボット達の総称。視聴者からは縮めて「エトボキャ」とも。


そもそもボキャボットとは、本作の舞台「ネジが島」に住むロボットのような生命体達のことを表す。
彼らの姿形のモチーフは頭に刺さるネジ(ボキャネジ)の性質によって様々だが、エトボキャボットはその名通り干支がモチーフになっている。
(中には3DSのゲーム『ヘボット!ヘボヘボ!ヘボットーナメント!』で先行登場した者もいる)
ネジも只のネジではなく、「エトネジ」と呼ばれる特別なネジを一人一人が所有する。


エトボキャの特別たる所以は、本作の主人公の一人であるボキャボット・ヘボットと合体が可能である点
その際には身体のパーツがバラバラに分離し、ヘボットの手足や頭部などに装着される。
幾つかのエトボキャは実際に玩具として販売されており、アニメでの実演通りヘボットと合体させて楽しむこともできる。
後に弟のペケットも同じ合体機構を有していることが判明した。エトボキャ達には予想外だったようだが。

一癖も二癖もある、かなり個性の濃い面子が占めているが、基本的には主人公のネジルとヘボットに協力的。
中には初対面にもかかわらず、最初から二人のことを知っているエトボキャもいるほど。
確かに片や(曲がりなりにも)王族なので有名だろうが。


本作のOPでは26話までの間、本編に登場している個体以外は干支を表すマーク以外はシルエットで黒くなっている。
27話以降からは該当シーンが少し変わり、12体全てがシルエットなしで登場する。



エトボキャボット一覧


  • DJサルッキー(CV:中務貴幸)
「てんでシロート?電池バージン?初めてかYO?フフフ…」

ターンテーブル型のボキャネジ「サルサルネジ」を持つ申のエトボキャボット。
DJらしく韻を踏んだ喋り方をしておりかなりノリが軽いが、
ネジルにヘボットの電池交換のアドバイスをしてくれたり、ネジタネの育て方の本をくれたり色々と世話を焼いてくれる。

ヘボットに分離・合体することで「DJヘボット」になれる。


  • カットビタイガー(CV:山口智広)
「お前の速さに俺が泣いタイ…お前!俺と一緒にレースに出るっタイ!」

ハンドル型のボキャネジ「トラトラネジ」を持つ寅のエトボキャボット。
F1がモチーフなだけあって非常にせっかちで気が短い。

ヘボットに変形・合体することで銀河旋風的なアニメーションとともに「カットビヘボット」になれる。


  • スカイラビット(CV:山岡ゆり)
「『友情がしまるぜ』かぴよ… やっぱり二人は最高にカッコイイぴよ!」

郵便ポスト型のボキャネジ「ウサウサネジ」を持つ卯のエトボキャボット。
ネジの月出身で青いウサギのような可愛らしい見た目をしているがネジルのことを「ヘボ王子」と呼んだり、
ネジルに貸したウサウサネジの延滞料を請求しようとしたり、
ネジの月に取り残されたネジルとヘボットに「二人をネジが島に届けてやってもいいぴよ。…1500ネジ円ぴよ」と発言するなどなかなかシビアな性格。
マンドライバーに憧れているようだが、ボキャリーマンズにこき使われている彼の姿を見たらどんな反応をすることやら…
一方のネジキール卿に対しては故郷を滅ぼした仇として認識しているみたいだが、やはりボキャリーマンズにこき使われている仇の姿を見たらどんな反応をすることやら…

ヘボットに分離・合体することで「スカイヘボット」になれるが、ウサギとしてのアイデンティティ(耳)は持って行かれてしまう。


  • ダディボア(CV:横島亘)
「俺ぁ曲がったモンがでぇきれぇだからよぉ。何でもかんでも真っ直ぐ、四角くしねえと気が済まねえイノ!」

工事道具型のボキャネジ「イノイノネジ」を持つ亥のエトボキャボット。
イノイチロー(CV:塙愛美)、イノジロー(CV:珠木のぞみ)、イノサブロー(CV:松本沙羅)、イノシロー(CV:本山かおり)という四匹の子供たち(体色はオレンジだが、イノシローのみ緑)を抱えた熱血親父で、破壊するのが大好き。
悪事に手を貸すことをよしとしない等曲がった事が嫌い(実際にネジルとヘボットのボキャネジ大量盗難に対しては非協力的だった)であり、鼻息で何でも角ばった形にしてしまう。それが原因で、イノシローに反乱を起こされたことがあった。

ヘボットに分離・合体することで「ダディヘボ」になれる。


  • トグロール(CV:内田岳志)
「良い質問だ!俺はこう見えてトイレの事ならお漏らし・マナー・流し方!なんでも躾けるトイレの神様ブリ!」

白いウ○コソフトクリーム型のボキャネジ「ヘビヘビネジ」を持つ巳のエトボキャボット。
消防隊員であり、火を消すのが主な仕事。ネットの炎上でも鎮火することが出来る。とぐろを巻いているが故にブリブリとよく間違えられ、その度にトイレに流されそうになる。

ヘボットに分離・合体することで「ヘボロール」になれる。


  • ハクセンチョウ(CV:青山穣)
「冒険が少年を大人にするでスワン…」

コンパス型のボキャネジ「トリトリネジ」を持つ酉のエトボキャボット。
渋い声でいい感じのことを言うが内容はだいたい適当だったりする

ヘボットに変形・合体することで「ヘボセンチョウ」になれる。おまるでは無い。トグロールを乗せてはいけない。

  • トリッキー(CV:手塚ヒロミチ)
「おいらは不良だけど約束は守るでワンス!」

トリトリネジの上に乗っているニワトリ。どちらかというと喋れるネジ?
コンパス型のネジだが本人がケッコーな不良(不良品)なためコンパスとしては使えない。


  • チャラブレット(CV:内田岳志)
「ウマ〜くいかねえ〜人生ぱねぇ〜!」

リーゼント型のボキャネジ「ウマウマネジ」を持つ午のエトボキャボット。
ちょっぴり強く熱いロケンローな奴だが、打たれ弱いつぶらな瞳や目が3の持ち主。

ヘボットに変形・合体することで「チャラヘボット」になれる。
今までの合体とは違いボキャボットの魂であるネジ魂部分に直接合体しているため、かなりチャラブレット寄りの性格になっている。
おもちゃの売れ行きが良くないので、これ以降のエトボキャボットはDX玩具の発売予定はなく、ネジのみがセットで発売予定


  • ゲキアツドラゴン(CV:黒田崇矢)
「料理人だからといって徒に手を加えるのがいい訳ではないドラ…」

炎型のボキャネジ「タツタツネジ」を持つ辰のエトボキャボット。自分の体を中華鍋がわりにして調理ができる。
父・ゲキジンドラゴンから跡を引き継いだゲキドラ飯店(バンダイが手掛けたゲキドライヴとは一切関係がない)の料理人だが、うじゃうじゃといる上の兄達と後継者争いをするはめになっているどっかの世紀末救世主伝説状態
料理人としての腕前は割とマトモで性格もかなりまじめ一徹。でも他人やナレーターに台詞を取られやすい上に親類縁者と揉め事を抱えている苦労人。
おまけにボキャリーマンズに無銭飲食をされたりと被害をこうむってもいる。
スケバンのコスプレをすることもある。

ヘボットに分離・合体することで「ゲキアツヘボット」になれる。


  • ポリドロケン(CV:青山穣)
「怪盗のプライドにかけて・・・警察の名にかけて!あの機械を渡す訳にはいかニャいワン!!」

ハット型のボキャネジ「イヌイヌネジ」を持つ戌のエトボキャボット。
普段はイヌのおまわりさんこと「警察ワン」として正義のために働いているが、
実は警官と怪盗の二重人格者で、夜な夜なヘボットの体を乗っ取り合体して怪盗「ポリドロヘボ」となり暗躍していた。
警官でありながら窃盗行為に手を染めるに飽き足らず、自国の王子であるネジルの顔面にとび蹴りを喰らわせると言う大逆行為をかましたり、投獄までしている。
ナグリ王妃帰還後、同型の仲間が量産されて警察機構の任についている。

合体前後でモチーフが180度変わるなかなか凝った合体だが、やはりDX玩具の発売予定は無い


  • 呉多島デンタウロス(CV:山口智広)
「歯が痛え子はどこだ~モ~」

入れ歯型のボキャネジ「ウシウシネジ」を持つ丑のエトボキャボット。
歯科医院「呉多島(くれたじま)デンタル牛ニック」の院長・・・と思いきや実は偽医者。
以前は売れっ子司会者だったのだが、地球侵略を企むという体で社員旅行に訪れたボキャメンテ地獄の鬼たちモゲドリル星人たちに操られ偽物の歯医者に転職してしまい、
ソフトクリームを大量に振舞った後にネジが島中の人たちを虫歯にして苦しめた。

助手のチビタウロス(CV:尾崎真美)と共にヘボット、もしくはペケットの両腕に合体することで、「ヘボタウロス」「ペケタウロス」になれる。
色違いの双子の弟にミソタウロスがいる。


  • ダガシープ(CV:関口英司)
「ボキャ美さん、見ていてくださいメエ!これがオイラのあなたへの愛メエ!」

綿飴型のボキャネジ「ヒツヒツネジ」を持つ未のエトボキャボット。
鉄板焼き屋台を運営しながら渡り歩く、惚れっぽい性格のフーテンな羊。
恋愛に関しては不器用でアガリ症な性分であり、美人に一目惚れから告白をしては玉砕しまくる。そして妹の名前を叫ぶ(実はどれも昭和のアイドルである)。
しかし、料理の腕前はゲキアツドラゴンが認めるレベルであり、しかも失恋するたびに料理の腕が上がると言う困った代物。
同業者から嫉妬を買ったりして営業妨害を受けたりしながらも己の腕前だけで客を取り戻して見せる実力と心意気の主。
そんな彼はあろうことか、ボキャ美に惚れてしまった………。

ヘボットに分離・合体することで「ヘボシープ」になれる。チャラヘボット、ポリドロヘボと同様、ネジ魂部分に直接合体している。


  • ハッカネズミ(CV:下山吉光)
「電脳世界から消えた者は、電脳世界で探すのがいちばんチュウ!」

マウス型のボキャネジ「ネズネズネジ」を持つ子のエトボキャボット。
ネジが島一のハッカーで、ポリドロヘボを影からサポートしていた。
32話ではチョイ役として出ていたが、37話でようやく正式に登場。
セキュリティ進入、データ復元、情報収集、追跡などネットワークに関することなら敵無しの電脳世界のエキスパート。

ヘボットに分離・合体することで「ハッカヘボット」になれる。
ちなみにボキャ美とはCV担当同士がリアル夫婦の関係。

  • ネジマウス(CV:新祐樹)
「黒歴史ウケるワラw」

ネズネズネジにくっついているネズミ。どちらかというと喋れるネジ?
人を小馬鹿にした態度が多い。


追記・修正お願いします。


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……さて。
ここまでなら、彼らはざっくばらんに「主人公のお助けキャラ」ポジションで説明が終わるだろう。



しかし、本題はここから。
このアニメを毎週視聴、及び本作の項目を既にご覧であればお分かりだと思うが、このアニメの実態はマジキチの皮を被ったドシリアスな難解SFストーリーである。
そんなアニメ『ヘボット!』が、ホビーアニメによくあるような程度のキャラクター付けで終わらせるわけがないのだ。



実態

エトボキャボット達がネジルの味方、というのは確かに間違っていない。
ただし、それはあくまでも決められたロール(役割)の中での話。
彼らのうちサルッキー、スカイラビットなど多くの者達は、本作の最重要人物・ヴィーテ姫から送り込まれた監視役という裏の顔を持っている。


先にぶっちゃけると、本作の世界は実のところループ物
彼女が謎の計画を進行する過程で、世界は幾度もリセットされ続けて本編の時間軸へと至ってきた。
無数のネジルを観測したり、ネ人造人間を裏で始末したりと行動理由にまだ謎は多いが、現行世界での目的はヘボット(とネジル)のレベルカンスト。
ヴィーテ姫が内に抑え込んでいる危険存在「フィーネ」の覚醒が近く、次のやり直しが望めないという切迫した事情もあり、迅速な達成のためなら手段を選ばないことも。

エトボキャボット達はそんな姫から秘密裏に送り込まれ、ヘボネジとさりげなく(というかご都合主義的に)出会う体を装ってはサポートや成長を促す役目を与えられている。
一方で全員が目的意識を共有しているかと言うとそうでもなく、何らかの理由で以前の周回の記憶を失った者もいる(後述)。

ヘボットとの合体能力を有しているのも、恐らく最初から計画のうちに組み込まれていた可能性はある。
だが、ペケットとも合体が可能であることは彼らにとって想定外の模様(そもそもヴィーテ姫まで存在を把握していなかったので)。



周回組

おもな該当者:DJサルッキー、カットビタイガー、スカイラビット、ダディボアなど

これまでの周回の記憶を引き継いだまま同じ役割に就き、ヴィーテ姫の意向に沿って動いているグループ。
周回組、という単語自体はダディボアの口から初めて飛び出した。

段取りに慣れているためか、やたらと都合のいいタイミングで現れたり、ヘボネジから見ると初対面にもかかわらず協力的だったりする。
どんな手を使ってでも二人の成長を早めたい姫の思惑もあり、時として二人が企てるボキャネジ絡みの反社会行為(これが前述のネジ大量盗難の件)に手を貸すことすらある。
ただ、彼らも一枚岩とは言い切れないようで、この一件だとダディボアは悪事に手を貸す性分でなかったためか
途中で呼び出されて利用されるまではサルッキー達から一切知らされていなかった。


何度も周回が重ねられた、ということはその分失敗も、途中まで同じ物語も延々繰り返されたということであり、
ヘボネジに対する心からの信頼や友情があるかと問われれば、現時点では非常に怪しいと言わざるを得ない
実際、23話で二人がヘソから電撃を発して苦しむアクシデントが起きた際には味方陣営と思えないドライな反応を示しており、ギャグとはいえ平然と燃えるゴミ・燃えないゴミ扱いするなど、不具合を理由に廃棄処分する気満々であった。
このように本心では、仲間としての感情は既に冷めきっている可能性がうかがえる(ただし、この時は姫からの指示ということで逆らえない事情があったことを付記しておく。実際に姫からの指示だと知る前のサルッキーはヘボネジを廃棄処分しようとしていたトキトキングPGに対して「やり過ぎだ」と抗議すらしている)。
後に別世界の未来ネジルと判明したネジキール卿が、サルッキーらを「裏切りボキャボット」呼ばわりして破壊(つまりは殺害)したのも意味深。決して無関係ではないだろう(彼が何人目のネジルかによって印象は異なるかもしれないが)。

親切心や協力的な態度もだいたいが計画のため、ヴィーテ姫の思い通りにネジルを導いているだけ、と考えると、可愛い見た目に反して腹の内が読めない不気味なキャラクター達である。
が、計画に執心する姫と幾度も繰り返される成長物語を見続け、成功が見えない中で演じ続け、本当は何を思っているのだろうか……


なお断言されていないが、ハッカネズミはリスポーン組なら知り得ないであろう「ボキャバトルの旧データ(ネジ王の中身が世代交代する前の頃)」の存在を認知しており、彼も限りなく周回組に近いと言える。

因みに、ヴィーテ姫が搭乗していた戦闘能力のある乗り物は、DJサルッキーのプロトタイプの一つであるVT(ヴィクトリニティー)サルッキー。
ヴィーテ姫の股肱の臣ともいえる存在だった。


リスポーン組

おもな該当者:チャラブレッド、ゲキアツドラゴン、ポリドロケン、デンタウロス、(ボキャ美)

前周回であった戦闘で破壊された為に、以前の周回の記憶が消された上で次の世界に復活(リスポーン)したグループ。
そのため、ヴィーテ姫や計画のことはおろか、周回という概念すら殆ど知らない(知らされていない)様子。
裏を返せば周回組と違って打算無くヘボネジと付き合っており、彼らよりは比較的健全な関係を保っている。

サートゥルヌス&オールディスら観測者組の監視対象でもある。
ボキャ美もサートゥルヌスがヘボット護衛に遣わしたアバターの上に、やはり前周回までの記憶が無いため彼らと同列に監視されている。

因みにリスポーン組は太陽系会議の一員・地球代表のウマ汁との戦いで破壊された為に前周回の記憶を失っている。
ボキャ美は前周回の戦いでネジキール卿及びソルジャーボッツとの戦いで破壊されたために記憶を失っている。
また、リスポーン組か不明だが、ダガシープは失恋の痛手から記憶を消している。


余談

本作はほぼ毎回、全方位に渡ってパロディーやギャグを自重しないハイテンションすぎる作風ゆえにか
メインである筈の玩具の売れ行きはあまり良いとは言えず、チャラブレッド以降からエトネジのみの販売となってしまった。

……しかし、このハブられた面子は殆どがリスポーン組。
分類がまだ曖昧なハッカネズミ、ダガシープ等も混ざってはいるが、これが意図的なのか偶然なのかはまったくもって不明である。




追記・修正は全エトネジをぐるぐる回しながらお願いします。
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最終更新:2024年03月31日 12:49