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松本零士

登録日:2017/07/30 Sun 17:08:15
更新日:2026/04/08 Wed 09:48:55
所要時間:約 4 分で読めます




片道でいいから俺を宇宙に行かせてくれ!

松本(まつもと)零士(れいじ)は、日本の漫画家。
弟は工学者の松本將で、妻は同じく漫画家の牧美也子。
娘は零時社の代表取締役の松本摩紀子。


プロフィール

本名:松本(あきら)
生年月日:1938年1月25日
没年月日:2023年2月13日
出身地:福岡県久留米市

略歴

父親は下士官から叩き上げで将校である陸軍少佐にまで上った帝国陸軍の軍人で、陸軍航空部隊の古参パイロットだった。戦後は自衛隊への誘いを断り、炭焼きや野菜の行商などをしていた。
このため貧乏な子供時代ではあったが、零士は「俺の父親は最高だ、父親と一緒にいられれば俺は満足。」と進んで父親の手伝いをしていた。因みに、この父親は後に沖田十三やハーロックのイメージモデルとなった。
この他、進駐軍の配るキャンディーを食べたいと思いながらも食べず、虫に刺されても「見てろ、たんぱく質を取り戻してやる。」と息巻いてハチノコなどを食べて飢えをしのぎ、調子に乗ってスズメバチに脳天を刺されて(!)「もう死む~。」と喚くなどハチャメチャな幼少期を過ごしていたようである。

高校1年生の時には既に雑誌に漫画の連載を持つなど東京でも名の知れた同人漫画家となり、卒業後には都内の出版社から『早く東京へ出て連載を持て(意訳)』と催促され上京。
上京するために乗った夜行列車に持ち込んだのは漫画道具一式と現金700円のみ。汽車賃とその他現金を捻出するために、買い集めたレコードと書籍を全部売り払い、『成功するまで二度と帰らんぞ。』と決意しての旅路であった。この時の汽車の旅が後に『銀河鉄道999』へ影響している。

上京後は文京区にあった山越館へ下宿し、少女漫画雑誌でデビュー。1960年前後から少年誌、青年誌にも進出し、『男おいどん』で人気を開花させた。
ちなみに零士が上京して間もない1956年のこと。後に漫画の神様と呼ばれる手塚治虫は零士へチョコレート入りうどんを出した。当時貧乏だった零士は美味しいと食べていたが、治虫本人は悪戯のつもりだったらしい。

アニメ『宇宙戦艦ヤマト』では企画途中から参加。
当初はメカニックデザイナーとして招聘されたが、全面的に携わった。本放送時は低視聴率だった同作だが、再放送で人気を博し劇場版公開時には一大ムーブメントを巻き起こした。
しかし、本シリーズでは後年プロデューサーの西崎義展相手に著作権の裁判を起こし、最終的には松本側が敗訴する苦い事態となってしまった。
『ヤマト』以降は東映アニメーションにイメージクリエイターとして起用され、『惑星ロボ ダンガードA』、『SF西遊記スタージンガー』にデザインを提供。
また、自らも企画として温めていた『銀河鉄道999』・『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』がアニメ化され、特に前者は零士の代表作にまで育った。

ちなみに家で虎縞の猫「ミーくん」を飼っており*1、初代ミーくんの生涯等猫と人に纏わる物悲しさ漂う短編を纏めた単行本『トラジマのミーめ』を出していた。

2003年には画業50周年を記念し、『銀河鉄道999』と世界観を共有する『銀河鉄道物語』が発表された。

2023年2月13日、急性心不全のため死去。85歳没。

特徴

手塚治虫と並び、スターシステムを構築していた漫画家の1人。

自身の著作物の使用許諾をなかなか出さないという印象を持たれがちだが、実際はあっさり許諾してくれる事も多い。ただし礼を尽くして松本零士主観の「男とは何ぞや」論を拝聴し、機嫌が良くなったらという条件があるらしい。
逆に礼を失した場合は後からでも凄く怒る。ただし槇原敬之に対しては完全な誤解&言いがかり。具体的には『カメレオン』の第322話「YAZAWA・友情物語」が封印作品になるくらいには。
まぁあの漫画は版権元に怒られても仕方ないネタも多いので、当然の結果ともいえるのだが。

作風

男のロマンとポエム。この一言に尽きる。
但し、SF・メカ系作品が売れる前はむしろ『男おいどん』に代表される駄目人間のモラトリアムを描く「四畳半もの」が主流であった。
ほとんどの主人公がかわいい彼女持ちなので浪漫と言えば浪漫ではあるが。
『宇宙戦艦ヤマト』以降はやはり浪漫あふれるメカSFものが多い。
矢張りメカ描写には定評があるが、何に使うのかよく分からないメーターが内部構造にいつも設置されている気がするのは秘密だ。

主人公像はチビの不細工か、男らしいイケメンか大体何方かを取ることが多い。
どっちにせよ性格は(シリアス系では)男の中の男である。

ヒロインはスラリとしたスタイルにロングヘアーの超然とした性格の女性が多い。源流は『セクサロイド』か『ミステリー・イブ』あたりであろうか。

風呂敷を広げるのは上手いが、畳むのが下手で長編は尻窄みになりがち。銀河鉄道999に関しては一度綺麗に完結したものの、よせばいいのに続編を発表。こちらは度々連載中断となっている。

発言集

  • 「最近の仕事は楽ですねぇ。小さな原稿を描けば、拡大コピーして電車に貼ってくれますからねえ(西武鉄道3000系に銀河鉄道999のラッピングを手がけた時の発言)。」
  • 「そうそう小倉の北九州モノレール。以前は小倉駅の手前が終点になってたんだけど、同級生に北九州の建設局のやつがいたんで、「なんであんなとこで止めるんだ。なんで駅ビルに突っ込ませない」と言ってやったんです。そしたら突っ込むようになった(笑*2)。」
  • 「上京時は24時間の旅だったんですが、あの時の思い出が銀河鉄道999のモチーフになっています。自分が体験したことはリアリティをもって描けるんですよ。」

主な作品





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最終更新:2026年04月08日 09:48

*1 雌だった初代ミーくんの死後も、性別や品種は違えど代々虎縞の猫を飼い「ミーくん」と命名していた。

*2 本当の理由は駅前商店街が駅ビルへモノレールを直結させるのに反対したため。

*3 東芝のマスコットキャラクターを題材にしたSF物。集英社の『少年ブック』『少年ジャンプ』で連載された。

*4 松本零士信者であるダフト・パンクとコラボしたMV集である。