柳生但馬守宗矩(Fate)

登録日:2017/10/23 Mon 09:04:30
更新日:2025/01/15 Wed 05:02:55
所要時間:約 14 分で読めます






セイバー、柳生(やぎゅう)但馬守(たじまのかみ)宗矩(むねのり)。これより後は、貴殿を主としてお仕え致す。如何なる命にも従う所存


Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント
クラスはセイバー。レア度は★4。

ILLUST:古海鐘一

CV:山路和弘(青年期:小林親弘)


身長:181cm
体重:71kg
出典:史実
地域:日本
属性:秩序・中庸
性別:男性

◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B D A++ E B B


【スキル】
〇クラス別スキル
対魔力:C
詠唱が二節以下の魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法のような大掛かりなものは防げない。

騎乗:B
大抵の乗り物を乗りこなすことが可能。幻想種については乗りこなすことが出来ない。


〇保有スキル
新陰流:A++
柳生新陰流の奥義を修めている。
幼少から二十四才までの年月、宗矩は父宗厳(石舟斎)から直接剣を学び、育った。
本スキルをAランク以上で有する宗矩は、剣のわざのみならず、精神攻撃への耐性をも有している。
参禅を必須とする新陰流の達人は、惑わず、迷わない。

水月:B
柳生新陰流に於ける極意の一つ。
立ち向かふ その目をすぐに 緩むまじ これぞまことの 水月の影。

無刀取り:A
剣聖・上泉信綱が考案し、柳生石舟斎が解明した奥義。
たとえ刀を持たずとも、新陰流の達人は武装した相手に勝つという。


宝具
剣術無双(けんじゅつむそう)剣禅一如(けんぜんいちにょ)
ランク:A 種別:対人奥義 レンジ:0~10 最大捕捉:1人


仰せのままに。

参る。我が心は不動。しかして自由にあらねばならぬ。即ち是、無念無想の境地なり。

いざ。剣は生死の狭間にて大活し、禅は静思黙考のうち大悟へ至る。我が剣にお前は何れを見るものか。

剣術無双(けんじゅつむそう)剣禅一如(けんぜんいちにょ)


けんじゅつむそう・けんぜんいちにょ。
不動の心を持ちながら、同時に、自由に在れ───
沢庵和尚がかつて語った剣の極意は、ついに、柳生宗矩の中で完成を迎えた。
剣は生死の狭間にて大活し、禅は静思黙考のうち大悟へ至る。
無念無想の域から放たれる剣禅一如の一刀は、ただ一撃にて、必殺を為す。


◆真名:柳生但馬守宗矩(やぎゅうたじまのかみむねのり)

柳生石舟斎の子にして柳生十兵衛の父として知られる、剣の天才。「古今無双の達人」とも謳われた江戸柳生最強の剣士の一人。
将軍家には家康から家光までの三代に仕えている。
大坂夏の陣(1615年)では将軍秀忠を守り、武者七名を瞬時に斬り捨てたという。
将軍家光時代には「知恵伊豆」とも呼ばれた切れ者の松平信綱、大奥創設者の春日局と共に「鼎の脚」と称される重鎮となっている。
FGOでも愛称の1つになっている「柳但(りゅうたん)」は将軍家光が名付けたもの。柳生と但馬から一文字ずつを取っての愛称である。
その武勇の高さから、死後「剣術無双」と讃えられた。


兵法家にして政治家。諸大名やその子弟に新陰流を指南し、自らの弟子を有力な大名の剣術師範として送り込むなどした。
時代小説や時代劇では稀代の陰謀家とされる。
江戸時代初期、柳生家の地位を一万二千五百石の大名にまで押し上げてみせたからには、清廉潔白なだけでは有り得ないと考えられたのだろう。


先読みに長け、島原の乱の拡大をいち早く見抜いていたとも語られる。
寛永十四年(1637年)、キリシタン宗徒による反乱の報せが届いてすぐの頃、宗矩は追討使の任を受けた板倉内膳正重昌を必死に引き留めようとした。
何故と問い掛けた将軍家光に、宗矩は「宗教徒のいくさはすべて大事」「重昌殿は討ち死にするでしょう」と答えたという。

事態は宗矩の読み通りに推移した。一万五千石の大名である重昌では、西国大名を率いるのに不足であり、結果として苦戦を強いられたのである。
状況を重く見た将軍家光は松平信綱を総大将として送り込んだが、重昌はそれを知って焦り、信綱が到着するよりも前にと敵陣へ突撃し、あえなく討ち死にを遂げたのだった。


武人としての実力もさることながら上記の通り政治家としての実力も非常に優れた人物。
江戸幕府では初代惣目付(後の「大目付」)に就任し、大和(現在の奈良県)柳生藩の藩主(大名)にまで出世した。
禅などの仏教思想にも深い造詣があり、剣術における「活人剣」「剣禅一如」といった概念を確立した兵法思想家としての面まで持ち、著書の『兵法家伝書』は『五輪書』と並ぶ名著である。
柳生宗矩の思想は技能技術である「武芸」「武術」を人としての在り方を高める「武道」に昇華させる初めになったと評価され、
現代においても全日本剣道連盟が設けた剣道殿堂においては二天一流・宮本武蔵と共に別格扱いで讃えられている。

正しく文武両道を文字通り体現した超人。


◆人物像

感情を交えず、氷の理性ですべてを見据える合理性の鬼。
術理とは合理であり、すなわち剣きわまれば、自ずと無駄なくすべてが叶う───

情熱を口にせず、逸(はや)らず、焦らない。
目的へ到達するための最善、最短の手段を至極冷静に突き詰める。味方となれば頼もしいが、敵となればあまりに恐ろしい、氷にして鋼鉄の男。
…と此処まで書くと融通のきかない堅物のようだが稀代の能楽・踊り好きという一面の持ち主。
記録では立ち眩みを起こすまで舞い続けたり、大名家に押しかけて舞を披露して友人の沢庵宗彭から苦言を呈されるなど色々はっちゃけた一面を持つ。

サーヴァントとして召喚されたことに対しては忌諱観は抱いていないタイプ。
武士らしく主人公には忠誠を誓っており、「御下命を。何をも斬って御覧に入れる」「私は貴殿に仕える身。それ以上でも以下でも無く」と命令遂行に対して意欲的な態度を見せる。
戦闘に関する思想は浪漫もへったくれもないリアリストそのものであり、「掛け声……? 人を斬るのに、取り立てて声を上げる必要は無い」とまで言い切る。
「人を解体する術に長けている」と評されており、本人もそれを認めているが剣術を愉しむと思ったことは一度もなく、合理主義故に剣は所詮殺人の道と思ってきた。

一方で戦闘外だと淡々としていながらも結構気さく。
「好きに呼ぶと良い。『柳生』でも、『但馬』でも、『宗矩』でも。新たな名を付けて頂いても、一向に構わん」と呼び方について意見するなど柔軟な対応力を見せる。
武術家系サーヴァントには珍しく主人公の訓練や育成に対しては、「剣の稽古? いや、止めておくが宜しかろう。私では加減が効かぬ」と非協力的。
というのもこれは自身の息子柳生十兵衛の片目を潰してしまったことに対するトラウマに近い失敗経験が大きい。
ただし真偽のほどははぐらかしており定かではない。
息子については「そう…あれは幼い頃より強かった。稽古をつけるのも一苦労であったよ」と苦笑するなど親子仲は険悪ではない模様。

それでも武人らしく「ふむ、中々使う者がいるようだ。是非手合わせ願いたいが、やはり、真剣勝負と言う訳にはいかぬかな」と語り、強い相手との戦いは乗り気。
なお人格面は良識的な範疇にあるため非人道的な所業を成したサーヴァントは「外道」呼ばわりして嫌悪を隠さない。

聖杯については「下らん。我が身には不要な物である」と一蹴し何の興味も示さない。

古い時代の日本鯖故か横文字に弱いらしくその手の言葉は基本的に文中ではひらがなになる。

能力的にはFateシリーズ初の敏捷A++持ち。EXを除けば今まで出てきたサーヴァントの中で最速の英霊である。
ただしこれは反応速度や斬撃を放つ速度がA++の域というだけで脚の速さはそこまでないという意見が多い。
それでもサーヴァント最速の速度で斬撃を放つ鋼メンタルの剣の達人と考えた場合、それだけで恐ろしいことに疑いようはない。


◆ストーリーでの活躍

初出演は「宮本武蔵体験クエスト」。この時は名前ははっきり明言されず、立ち絵だけであった。
冒頭にて彼女を襲撃したが、その際は武蔵に「弱い物いじめ」と言わしめるほどの剣士であり既に彼の腕前は剣神に達してるとも言われる。
その後武蔵が別世界に転移したことで勝負はお開きとなりそのままフェードアウトした。

そしてその後、1.5部『亜種平行世界 屍山血河舞台下総国』で再登場。
同シナリオではサーヴァントではなくその時代を生きた人間であり、体験クエストで武蔵と戦った男その人である。
特異点の年代と史実を照らし合わせると御年68歳である。高性能じいちゃん
幕府から怪異討伐の公儀を受け島原の乱を平定した五百余名の部下を引き連れ下総国に参上。
その剣気は凄まじく、生身の人間でありながら眼光のみで主人公の身動きを完全に封じる力量を備えており、
並の怪異であれば容易く対処できる剣技の持ち主であった。

劇中ではなし崩しに近いが武蔵の上司に相当する立場となり、武蔵とカルデアのマスターに下総国を始めとした各地で暴れる英霊剣豪達や魑魅魍魎の討伐を指示しつつ、
本人と部下達は下総国の国の姫を守るため城に常駐することになる。
なお城に敵が乗り込んでくれば即座に対処しようとするなど、ただの怠け者ではない。

しかし今作の黒幕妖術師により下総国の城が厭離穢土城に変貌した混乱により行方不明となってしまう。






※注意※



この先には『屍山血河舞台 下総国』の重大なネタバレが含まれています。








◆イベントでの活躍

大奥イベントでは本人が徳川家と深く関係することもあってかメイン格を張る。
序盤に「大奥」に取り込まれそうになる直前で救出されると、以後は女性サーヴァントばかりのパーティメンバーの中、唯一の男性メンバーとして奮闘。
最終決戦でもラスボスを追い詰める役割を果たした。

セイバーウォーズ2ではユニバース時空の彼が「暗黒武者MUNENORI」という名前で登場。スペース神陰流なる流派の副総統であり、アシュタレトの腹心として暗躍する。要はベイダー卿枠である

その他のイベントでは他のサーヴァントよろしくギャグ担当になるが、出演頻度はかなり高く、
『真顔で至極真面目に変な事をする(しかもいちいち真に迫っている)』という美味しいキャラを確立している(気がする)。
2018年夏イベにおいてはアーチャー・インフェルノら共に聞き慣れない「ろこもこ」なる単語の正体について(生き物じゃないかとか)大真面目に考察を巡らせ、更には探索の旅に出ていた他、
腕試しの相手を決める為にジャンケンをする時には突然番外戦術を始めてベオウルフに突っ込まれる。
閻魔亭では酔っぱらってカラオケを披露する荊軻の横で合いの手を叩きながらサブコーラスを披露し、2019夏イベにおいては通りがかりに「水着剣豪」の説明役をしたりしている。
そして主人公がラスベガスとあんまり関係ない話だと気づくのは後になってのことだった。
2020年夏イベでも本人は登場しないが、水着の巴御前にVR新陰流*2を伝授しており、回想シーンで何度か登場する。
ちなみにこの剣術、別にVRゲームに限らず現実世界でも使えるらしい。それってただの柳生新陰流では?とイベント本編中でも当人のマテリアルでも■■■が訝しんでいるが、実際の新陰流とはかなり異なるらしい。


◆ゲーム内での性能

亜種特異点Ⅲクリア後にストーリー召喚に追加される。
いわゆるスト限鯖なのでピックアップ外での召喚は至難の業。
カード構成はQAABBのセイバー型でArts宝具。
スキルの「新陰流」は自身のArtsへのスター集中&Arts性能アップ&弱体耐性アップ。
「水月」は自身への回避付与&攻撃バフ。強化クエストのクリアでクリティカル威力アップが追加、CTが-1される。
「無刀取り」は敵単体への攻撃力ダウン&自身のNP獲得量アップ。
いずれも強力な攻防一体の複合効果かつ、スキルの持続が1ターンしか無いのが特徴的。
宝具「剣術無双・剣禅一如」はArts単体攻撃&敵単体の攻撃力ダウン(3ターン&OCで威力上昇)。

★4ではランスロットに次ぐArts単体宝具のセイバー。
あちらは強烈に自己完結した分かりやすいアタッカーであるのに対し、こちらはテクニカルなアタッカー。
「新陰流」と「水月」の2種のバフを生かした宝具火力はなかなか高く、最大火力は何気に星4ではトップクラスになる。
またスキルレベルを上げた「無刀取り」と宝具を合わせれば相手の攻撃力を70%近くダウン可能。味方の防御バフと合わせれば攻撃の完全シャットアウトも見えてくる。
NP周りも良好であり、「新陰流」と「無刀取り」を合わせればArts1枚でNPを100近く回収することもできる。

…とできることだけ書くと強いが実際は先述の「複合スキルかつ1ターンのみの持続」故にスキルの使用タイミングの見極めが重要。
最終的には全スキルが最短CT5と少なく、伸びしろも大きいのでスキルレベルはしっかり上げておきたい所。
また、Artsパーティで運用するのが適しているが、Arts軸だと「新陰流」を生かす為のスターの用意に困りやすくなる点には注意が必要。
もう一つ痛いのが特技である筈のデバフ付与で、仮想敵となるランサー鯖に対魔力持ちが多い事から戦略が安定しないこと。
そもそもArts軸であればNPを高速回転させて対粛清防御や無敵を張り続けるのが難しくない昨今、柳生先生の持ち味を活かすには
槍か狂かつデバフ耐性を持たず、無敵貫通や強化解除を使って来る単体敵とクエストが非常に限定されてしまう。

総じて強みこそ複数あるが、その強みを活かすためにパーティー編成から考える必要がある上に活躍する状況も限定的と非常に玄人向けのサーヴァント。

雑にスキルを使うだけで強いランスロットとは対極の性能だといえるだろう。

ちなみに「源氏」特性を持つが、使えていた徳川家が源氏を称していたからだと思われる。


Fate/Samurai Remnant


身長:181cm
体重:68kg
出典:史実
地域:日本
属性:中立・中庸
CV:小林親弘

DLC第2弾『断章・柳生秘剣帖』に2騎目の逸れのセイバーとして登場。
ただし、姿は若き日の姿になっている。


いざ。追記は生死の狭間にて大活し、修正は静思黙考の内大悟へ至る。我が項目に、お前は何れを見るものか。



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最終更新:2025年01月15日 05:02

*1 英霊剣豪の宿業が「霊基」を書き換える事に特化した物であるため、生身を持った人間である宗矩であるからこそ、むしろ影響が比較的軽かったと言うのも理由の一つではある

*2 VRゲームを通した上での新陰流。何を言ってるか分からない?大丈夫、俺もだ。