ピッチ・コック(快盗戦隊VS警察戦隊)

登録日:2018/06/30 Fri 02:07:40
更新日:2024/03/06 Wed 22:48:16
所要時間:約 10 分で読めます






それでは、さよなら、さよなら、さよなら!



ピッチ・コックとは『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の#11(第11話)に登場したギャングラー怪人
シリアス回かつルパンレンジャーの宿敵との初対決だった#10の次がこれとは……。


CV:山崎たくみ/人間態:林和哉

身長:186cm(巨大金庫身長/46.5m)
体重:205kg(巨大金庫体重/512.5t)
金庫の識別番号:「108」
犯罪歴:無差別性別転換
犯罪技:アルナイン転換
所有ルパンコレクション:「ベートーベンをぶっとばせ~Fais rouler Beethoven~」

孔雀の尾羽を模した網目状のマントを羽織る細身の怪人。暗い灰色の地味な体色だが、鳥の爪そのものになった左腕が目を引く。
ギャングラー共通の骨の意匠はマントに隠れているため少し分かりづらいが、頭蓋骨が剥き出しになった顔と背中の頚椎。金庫の位置は左肩。
人間社会に潜伏している最中は、ひげを生やしたカメラマンの「化けの皮」を被る。
自分の能力で性別が変わり、混乱している被害者を見て面白がる愉快犯。
全体として思慮の浅い者が多いギャングラー怪人の中では比較的知的な言動だが、興奮すると早口かつ大声で捲くし立てる騒々しい性格。あと何処と無くオネエっぽい。

携行するサーベル「ピーコッ剣」の先端から、対象の性別を逆転させる光線を放つ「アルナイン転換」というあんまりなネーミングの犯罪技を持つ。
このアルナイン転換は人間のみならずVSビークルのような無機物にまで有効で、多大な精神的ダメージを与えてパニックに陥れることが出来る。
ただしあくまで肉体の性別が変わるだけで、人格や技術といった内面的な部分には何ら影響は無い模様。
この他に戦闘では、周囲の人間を強制的に転倒させるルパンコレクション「ベートーベンをぶっとばせ~Fais rouler Beethoven~」を補助に用いる。
「転ばせるだけ?」と思われるかも知れないが、地面に足さえ着いていれば何人居ようと無条件で動きを封じる(しかも派手に転倒しているため地味に痛そう)効果は戦闘中では間違いなく脅威であり、
もしピッチが邪魔者の排除を最優先する攻撃的な性格だったとしたら、両戦隊はもっと苦戦していただろう。


これまで「無差別性別転換」という到底組織の利益にはなりそうもない犯罪を犯してきたピッチだが、人間界ではそれとは打って変わってギャングラーの恐ろしさを知らしめるプロパガンダ映画の製作を企む。
内容は映画を通じてギャングラーのボスであるドグラニオ・ヤーブンを称える…という、
まあ要するにかつてのナメーロ・バッチョと同じ媚びである。例によってデストラ・マッジョからは不評。
もっとも当人は場を取り仕切る「監督」ではなく、場を盛り上げる「演出家」を自称しており、その辺りからするとボスの座ではなくデストラの地位、即ちドグラニオの側近の座を狙っていた可能性も。
その為に以前から東快映画撮影所にカメラマンとして潜伏していたが、そこに国際警察を一般にPRする映画の撮影のために圭一郎達パトレンジャーが訪れたことで、
警察と犯罪組織で考えることが大差ないその企画を乗っ取り、自分が思い描くプロパガンダ映画に作り変えることを思いつく。
そうと決まれば善(悪)は急げとばかりに、早速ギャングラーの根城である屋敷にドグラニオの横顔を印刷したチラシを送りつける。


ピッチ・コックも面白いことを考えるわね

下らん

良いじゃないか、完成が楽しみだよ


幹部陣がいつも通りと言えばいつも通りな反応を見せる一方、自身は撮影スタッフに紛れて暗躍を本格化。
オフィスシーンの撮影中、「色気が足りない」という理由でNGを食らっていた咲也に狙いをつけて犯罪技を使用し、彼の性別を転換させる。
結果、


ある……ない……

女の子になっちゃったー!?


※日曜朝9時30分です。
先輩二人とスタッフ達が唖然とする中、伸びた髪と膨らんだ胸の咲也は胸元と股間に手をやって絶叫。
明らかに異常な事態にギャングラーの存在を確信した圭一郎とつかさは撮影の中止を監督に訴えるも、刺激的な映像を求める監督は全く聞き入れようとしない。
おまけに何故か乗り気な女咲也までが「僕のことは気にしないで、く、だ、さ、い(はぁと)」と同調、結局撮影は続行されることに。


……本気か


しかしただでさえ大根演技だった圭一郎とつかさは女咲也に圧倒されてさらに酷い棒読みとなり、当の本人は妙に熱の篭った演技を展開する有様。
特に「私達はチームじゃないの!?」の台詞と共に繰り出される壁ドン&顎クイッは、これまで怖いもの知らずだった圭一郎が顔を引きつらせて悲鳴を上げるほど酷かった。
一方、コグレから情報提供を受けて撮影所に潜入してきたルパンレンジャー、恐らく居るであろうギャングラーを探してキャットウォークの上からスタジオを覗き込んだところ、
上記の散々な芝居を繰り広げるパトレンジャーを発見、魁利と初美花が堪え切れず爆笑してしまう「大きな声を出すな!」と二人を諌めた透真も顔が完全に笑っていた)。



ルパンレンジャー全員アウトー!

警察チェンジ


それによって警察官モードに切り替わったパトレンジャーに見つかり、互いに変身して銃撃戦に突入。


快盗が居るってことは!

やはりギャングラーも近くに居るってことか!

その通り! ウヒョヒョヒョ、このピッチ・コックがもっと楽しくしてあげます!


そして騒ぎを聞きつけたピッチが遂に自ら姿を現し、今度は1号と3号にも犯罪技をかけて二人を性転換させる。


……ある

……ない

ない!

ある!


※日曜朝9時30分です。
数分前の咲也と同じく、自分達の胸と股間に手をやって悲鳴を上げる二人。3号に至っては股間を掴んだ手を地面に擦り付ける始末。
元に戻せと突進しようとするパトレンジャーに対し、ピッチはコレクションの力を発動させて対抗。
ズコー!と派手にすっ転ぶ6人を「君達はカッコいい映画より、コメディのほうが向いてますからねえ」と嘲笑い、そのままスタジオの中へと姿を消す。
一足早く起き上がった2号が追いかけようとするも、既に化けの皮を被ってスタッフ達に紛れ込んだ後であった。

その後、性別が反転したパトレンジャー3人に合わせて台本が書き直された(圭一郎→圭子、咲也=咲美、つかさだけそのまま)上で撮影再開。
圭一郎とつかさは「幾ら映画好きでもこんな状況で撮影を続けるか?」と監督がピッチではないのかと怪しみつつ、尻尾を出すまで待つことに。
しかし実はギャングラー役のエキストラも、監督以外の撮影スタッフも全員ポーダマンが化けた姿であり、ピッチはここに来て本格的に「国際警察を打ちのめすギャングラー」の画を撮りに動いたのだ。
この期に及んでまだ撮影を続行しようとする監督への疑いはピークに達し、粗方ポーダマンを倒したパトレンジャーと、駆けつけて来たルパンレンジャーは監督にVSチェンジャーを突きつける。普通の人間が命を落とす危険があるにもかかわらず映画撮影を続けようとするのは怪しいと思ったからだ。
しかし2号だけは何食わぬ顔でカメラを回すカメラマンが怪しいと看破。
「女の勘」という何の根拠も無い理由ながら、ピッチは潔く自ら「化けの皮」を剥がして正体を現す(つまり監督は本当にただの常軌を逸した映画好きであり、危うく快盗と警察に誤射されるところであった)。


あらーバレちゃいました? そう、私こそがこの映画の陰の仕掛け人。ギャングラー1のヒットメーカー、ピッチ・コックです!


そんな口上の途中で全員に撃たれ、そのままコレクションを巡る三つ巴の戦いに突入。


ウヒョヒョヒョ! あー楽しい!

クソ、こいつとは相性が悪い……!

だったら、大人しく見てな


またもコレクションの力で全員を転ばせて戦いを優位に進めるピッチだったが、遂にルパンレンジャーに「空中に居る相手は転ばせることが出来ない」という弱点に気付かれる。
3人の何処まで伸びているのか分からないワイヤーによるワイヤーアクションと空中からの射撃に翻弄され、
怯んだところをブルーに抑え込まれた隙にレッドが肩の金庫を開錠、コレクションを奪取されてしまった。
破れかぶれとばかりにルパンレンジャーも性転換しようと犯罪技を発動するも回避され、さらにはその後ろに居たパトレンジャーに犯罪技が命中した結果、3人の性別が元に戻ってしまう。


ある

ある

ある

ない

ない

ない

戻ったー!!


※しつこいようですが、日曜朝9時30分です。
「あら、やっちゃいましたー!?」と自分の失敗を悔いるも時既に遅し、元の性別と共に調子も取り戻したパトレンジャー3人の半ば八つ当たり気味な猛攻撃にほとんど碌な抵抗が出来ない。
何とか反撃しようと試みるも、2号のパトメガボーから発せられた「カット!」の催眠音波で動きを止められ、さらに1号と3号から集中砲火。
最終的に1号が発動したバイカー撃退砲で爆発四散した。


ゴーシュ、映画の完成にもう一度チャンスを


一部始終を屋敷から見ていたドグラニオの命令により、ゴーシュ・ル・メドゥが現場に赴く。
なお、この時ドグラニオはピッチから送られてきた映画のチラシを名残惜しそうに眺めており、それを見たデストラは(本当に楽しみになさっていたのか……)と唖然としていた。
そんな風にギャングラーパートの癒し枠になりつつあるデストラはさて置き、ピッチはゴーシュの「大きくなれ~Gros calibre~」で復活・巨大化。


ウヒョヒョヒョのヒョー! これは面白い展開です!


これに対してルパンレンジャーはブラッと参上したグッドストライカーを捕まえ、心身ともに疲れきったパトレンジャーに代わりルパンカイザーナイトを完成させて挑む。


あれ、オイラの気分は無視?


「いよいよクライマックスですよ!」と意気込むピッチではあったが、同じ剣同士の勝負でもパワーで勝るルパンカイザーナイトに次第に押されていく。
そこでピッチは苦し紛れに、犯罪技をルパンカイザーナイトから射出されたブレードダイヤルファイターに向かって発動。
するとブレードダイヤルファイターはハンマーダイヤルファイターに変身。誰も予想すらしなかったであろう武器の性別転換である。
元に戻せとばかりにピッチにビームと体当たりの連射を浴びせるハンマーダイヤルファイターに、敵も味方も全員が困惑。


まさかの事態!? 衝撃のラスト3分!

……いや、3分も要らないな


無駄にテンションを上げるピッチに対してレッドは冷ややかに切り返し、新たに完成したルパンカイザーハンマーナイトでピーコッ剣を弾き飛ばし、叩きのめす。
もはや進退窮まったピッチは自棄を起こして「大どんでん返しを期待する!」と素手で立ち向かうが敵う筈も無く、
最期はグッドストライカー連打・グルグルぶっ飛べヒットベーでキュ荒ブリーよろしくに派手にかっ飛ばされ、


それでは次回にご期待下さい、さよなら、さよなら、さよならー!


と叫びながら上空で爆発四散。
ドグラニオが楽しみにしていたプロパガンダ映画も、これで永久にお蔵入りとなるのであった。

いかにも怪しかったが一般人であった監督は快盗と警察にギャングラー怪人と間違われた事を気にすることもなく撮影を続行(サブタイトル「撮影は続くよどこまでも」回収)、パトレンジャー側のPR映画は無事に完成したが、モニターから聞こえてくる音声からして結局3人の大根演技は最後まで直らなかった模様。ヒルトップとジム、つかさは苦笑いを浮かべていたが、圭一郎と咲也はまんざらでもなさそうであった。


◇余談

名前の由来はもはや明白だが、
  • サスペンス映画の巨匠として称えられるイギリスの映画監督「アルフレッド・ヒッチコック」
  • 孔雀を意味する英単語「ピーコック(Peacock)」
を掛けたもの。
鳥嫌い*1として知られるヒッチコック監督が鳥の怪人にされてしまい、雲の上で監督はどんな顔をしているだろう。
(生物パニック系映画「鳥」の監督っていうインパクトが強いからね。仕方ないね)

網目状のマントを羽織ったデザインは「籠の中の鳥」からの連想。

末期のセリフは、淀川長治さんが日曜洋画劇場で映画解説をする際の別れの言葉のパロディ。「映画」繋がりだろう。

コレクション名は、おそらく洋楽のタイトルから。監獄ロックなどの同類だろう。

またブレードダイヤルファイターがハンマーダイヤルファイターに変身するのを見てブルーが「武器にも性別があるのか……?」と呟いていたが、
フランス語で剣は「エペ(épée)」で女性名詞、槌は「マルトー(Marteau)」で男性名詞であるため、実はちゃんと性別転換になっている。
となるとブレードダイヤルファイターは♀……?



性別転換しても動じない、むしろ開き直れる方が追記・修正して下さいね。
さよなら、さよなら、さよなら!

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最終更新:2024年03月06日 22:48

*1 実家が鶏肉を扱っていたせいで色々トラウマになったらしく、鳥や卵が大嫌いだったそうな。ただし奥様曰く大好物は鶏肉。