《1期》
5話におけるバーテックスとの戦闘で満開を起動した後に散華の影響で
味覚を失った。
それでもその事を気にしている様子を見せないように日常を過ごしていた。
そして8話。園子によって東郷とともに大橋跡に召喚され、「勇者システム」の真実が明かされたが、
「たとえ最初から事実を知っていても、自分は勇者になっていた」とその運命を受け入れた。
でも、もし後遺症のことを知らされてても、結局私たちは戦ってたはずです!
世界を守るためにはそれしかなかった!…だから、誰も悪くない! 選択肢なんて誰にもなかったんです!
9話において、暴走した勇者部部長・
風を止めるため自身の満開ゲージが貯まるのも厭わず攻撃を捌き続けた結果、満開ゲージが貯まり切ってしまう。
しかしそれでも「止められるなら」と気丈に振る舞い、「自分が勇者部さえ作らなければ」と後悔する風に樹と共に寄り添った。
11話で
東郷を止める過程で世界の真実を知ろうともブレなかったが、壁を壊して全てを終わらせようとする東郷の姿を見た事で動揺。
「心を分かってあげられず、親友の力になれなかった」と沈み込んでしまい。変身不能に陥る。
が、
夏凜の戦いを目の当たりにし、夏凛から「友奈なら東郷の心だって変えられる」と激励を受け奮起。迷いを振り切って東郷の元に向かった。
イヤだよ! 怖いよ! きっと友奈ちゃんも私のことを忘れてしまう!だからっ!
最終話でバーテックスを手引きした東郷を説得するために満開。妨害を受けながらも強化外骨格を囮に東郷に肉薄。
勇者パンチを歯を食いしばりながら東郷に打ち込み、倒れた東郷を優しく抱き留めた。
うん。私はずっと一緒に居る。そうすれば、忘れない。
東郷の心を開く事に成功するも、獅子座…レオ・バーテックスは神樹に迫りつつあった。
東郷と二人で獅子座を食い止めようとするが、消耗していた友奈は途中で力尽きて散華し、その影響で両脚の自由を失った。
それでも再び満開することで駆け付けた他の勇者部全員と共にレオ・バーテックスを撃破する事に成功した。
しかし、無理矢理満開した代償は大きく、決戦後は彼女だけ散華の影響で廃人状態になってしまう。
両脚の自由を取り戻した東郷と入れ替わる形で、東郷の看病を受けながら病院で車椅子生活を送った。
勇者は傷ついても傷ついても、決して諦めませんでした。
全ての人が諦めてしまったら、それこそ世界が闇に閉ざされてしまうからです。
勇者は自分がくじけないことが皆を励ますのだと信じていました。
そんな勇者をバカにする者も居ましたが、勇者は明るく笑っていました。意味がないことだと言う者もいました。
友奈の隣に腰掛け、うつろな瞳の友奈に読み聞かせるように劇の台本を朗読する東郷。
友奈の反応はない。散華の影響でもはや動かせる機能が残っていないからだ。台本を読む東郷の声に嗚咽が混ざりだす。
諦めない限りっ…希望が終わることはないからっ…です…。
それでも…私は一番っ、大切な友達を…失いたくないっ!
堪え切れなくなり、「ずっと私と一緒に居てくれるって言ったじゃない!」と遂に泣き崩れる東郷。
しかし、そのとき不思議な事が起こった。
果たしてそれは奇跡だったのか?
散華からの回復、友奈の帰還というハッピーエンドと大きな謎を残し、物語は勇者の章に続く。
《勇者の章》
身体機能も回復し平和な日々を過ごしていたが、1期12話での最後の満開で体中ほとんどを散華したことが判明した上、大赦から"御姿"と呼ばれていることが明らかになった。
更に東郷が天の神の怒りを鎮める儀式・奉火祭の生け贄に志願した事で、四国全土を巻き込んだ記憶改変により東郷の存在を忘れていた。
園子が大赦から持ち出した端末で再び勇者に変身。勇者部全員で壁の外に赴き、東郷を救出する事に成功するも、
本来東郷が請け負うはずの天の神の祟りを、ブラックホールに生贄として捕らわれていた東郷を救い出す際に肩代わりする形で受けてしまう。
しかもこの祟り、この事を話したり書いたりすると伝染してしまうという中学生女子にはあまりにもキツ過ぎる仕様。
これにより夏凜に祟りのことを話せなかったことで一時的に仲違いをしてしまう、相談しようとした風が交通事故に遭う…など心を折りに来るイベントが次々起こり、流石の友奈もこれに関してはガチ泣きした。
勇者部五箇条「悩んだら相談」を守れず、祟りによってただ独り苦しめられていく中、祟りの事を知った大赦により「勇者御記」の執筆を依頼されるも、その内容はあまりにも哀しいモノであり、まるで末期患者の闘病日誌の様であった…。
とても苦しい。体も痛い、心も痛い、ぐちゃぐちゃになりそう…。もうおかしい!
やがて、「神樹様の寿命が付きかけている」とやってきた大赦神官により、神樹の延命策としての方法「神婚」を勧められると、祟りの浸食により追い詰められていた友奈はぎりぎりの精神状態の中…
神婚して死ぬと、どうなるんだろう…祟りで死ぬより苦しくないのかな?
っ…! 自分のことばっかり考えてよくないな…。私は勇者なんだから、勇者らしいことをしなくちゃ…
そうだよ…迷ったり怖がってる場合じゃない。やらなきゃ!
祟りで消えてしまう命なら…この命を皆の為に使おう…!
自分に言い聞かせるように、神社の階段を登り切った先に見えた讃州市を見ながら、悲壮な決意を固めてしまう。
翌日、友奈は部室で神婚に志願する事を勇者部の仲間達に相談する。
「友奈が犠牲になる」事を聞いた風達勇者部は猛反対するも、余命幾ばくもない友奈は既に覚悟を決めてしまっていた。
勇者部は人の為になることを勇んで行う部活、でしたよね?
でも、これも勇者部だと思うんです。誰も悪くない。世界を守るために他に選択肢が無いなら…。それしかないなら、私は勇者だから…!
お互いがお互いを思うが故の悲壮な押し問答が続く中、東郷から「神婚するぐらいなら腹を切る」と、強く制止されてしまう。
大親友である東郷に、ここまではっきりと自分の意見を拒絶されたのは友奈にとって初めての事だった。
自分より遥かに頭の回転が速く、頑固で、いつも本気な東郷を前に、遂に友奈は手も足も出なくなってしまう。
追い詰められていたとはいえ、初めて親友を責めてしまった友奈。
それを皮切りに部室内の空気は一変、問答は熱を帯びていく。
その空気に耐えかねた樹が泣き出してしまい、さらに祟りが東郷達に伝染寸前の状況を見せられた友奈は「自分のせいで勇者部のみんなが傷ついていく」事に耐えられなくなってしまい、逃げるように部室から走り去ってしまった。
東郷と園子が後を追うが、結城家の自室に残されていたのは自身の端末と、勇者御記に書かれた「皆、色々ごめんなさい。私は行きます」の一文。
すでに友奈は、大赦に向かい神婚の儀の準備に入ってしまっていた…。
だが、神婚を「人間が神に近づこうとする愚かな行為」と捉えた天の神は激怒し、直接四国に進攻してきた。
そんな中勇者部一同は友奈を取り戻すために「最後の御役目」として天の神と神樹に対しての二面反抗作戦を決行。
天の神の足止めは夏凛達が引き受け、東郷と風が神樹へ向かう。
風達の尽力もあり、友奈の下にたどり着いた東郷は「一緒に帰ろう」と神婚の為囚われている友奈に手を伸ばすが、
友奈は「誰かがやらなければ世界が終わる」「自分が我慢すればそれでいい」と拒み続ける。
それでも東郷は「大切な人をこれ以上奪われたくない」「友達なら本当の事を言って」と思いのたけをぶつけた事で、遂に友奈は心の底に押し込めていた本音を吐露する。
でもそんなの…。死ぬのは嫌だよ…!みんなと別れるのは、嫌だよっ!
嫌だよ…ずっと、ずっと…みんなと一緒に居たいよっ!!
たとえ、強く決意しようとも。我慢しなければ世界が終わるとしても――
それは「勇者」としてではなく、紛れもなく「結城友奈」としての…「ひとりの人間」としての意思だった。
東郷は友奈を救おうと手を伸ばし、友奈もそれに応え手を伸ばすが、障壁によって阻まれてしまう。
もはやこれまでかと思われたが、東郷を始めとした勇者部の願い、そして英霊と化した勇者達の意思が具現化。神樹に働きかけ、それによって「人を信じる事」を決めた神樹が友奈を解放。
友奈は神樹の最後の力を牛鬼を介して受け取り、最強フォームに大満開。
神々しい姿へと、最後の変身を遂げた。
そのまま天の神の元へ飛翔。天の神の光を真っ向から押し返すべく、壮絶な力のぶつかり合いにもつれ込む。
勇者部の仲間達の想いを力に変え、不屈の闘志で立ち向かうも、天の神の圧倒的な火力の前に膝を折りかける。しかし…、
叫びと共に、友奈を後押ししていた仲間達の紋章に重なるように紅い巴の紋章が浮かび上がり、天の神の光を押し返していく。
その紋章はかつて東郷や園子と共に戦い、志半ばで命を落とした
三ノ輪銀の物だった。
人と神の世を再び分かつ一撃――全ての力を束ねた「全部乗せ勇者パンチ」が天の神に突き刺さった。
文字通り天を衝く一撃の下に天の神は撃退され、勇者たちは平和な日々と元の世界を取り戻した。
力を友奈に与えた神樹も、最後の力で炎の海と化した本土の理を書き換え、世界をあるべき姿に戻したのち、散華していった。
その後、「御役目としてバーテックスと戦うための勇者部」は「勇んで人の為になる事を進んでやる勇者部」に戻り、友奈も天の神の祟りが消え、日常に戻っていった。
風の卒業と勇者部の新部長に就任した樹。それを祝福する仲間達。
そうすると未来が素敵になって…振り返ってみても全部が素敵だったことになるんじゃないかな
勇者部六人の笑顔で、この物語は幕を閉じる。
『大満開の章』エピローグとなる「いつまでも続く喜び」では、半ば闘病日記になっていた二冊目の勇者御記を、後輩となる明日の勇者へ向けて書き続けることを決意。
何故ならば、結城友奈は勇者であるから。
そして、決戦から4年後の姿が描写。
髪は伸ばしてポニーテールにしており、髪を切り短くした東郷とは対照的に。
調査の為に本土へと赴いており、東郷とペアで行動。
二人がバイクで本土を往く姿で、物語は真に幕を閉じるのであった――――