《結城友奈は勇者である》
《結城友奈の章》
讃州中学2年生。
多才でITスキルにも詳しいため、勇者部ではホームページの編集などパソコン関係の仕事を受け持っている。好きな食べ物はうどん。
友奈の大親友であり理解者。友奈の自宅の隣に住んでいる。
本人の希望により姓の「東郷」で呼ばれており、友奈からは「東郷さん」、
犬吠埼樹からは「東郷先輩」と呼ばれる)。
彼女自身は他の勇者たちを「友奈ちゃん」などと名で呼んでいる。
黒い長髪を青地に2本の白い線が入ったリボンで纏め、前に垂らしている。
中学生にも関わらず肉感的な身体をしており、推定Gカップはあると思われる豊満なバストの持ち主。
勇者部メンバーと共に入浴した際、
犬吠埼風いわく「メガロポリスな感じ」と称された。
うぇっへへへ…普段何を食べてれば、そこまでメガロポリスな感じになるのか…チョットだけでもコツとか教えていただけるとぉ~
上品でおっとりしており、菓子づくりなどが上手。彼女が作るぼた餅は友奈を始めとした勇者部員達からも「美味しい」と評判。
「お国」の防衛関連に関しての知識は最早ヲタレベルであり、時折スイッチが入るとその手の話が止まらなくなる。
この際には大仰で堅苦しい物言いをするようになる。
散華の影響により両足の自由と記憶の一部を失っており、日常では友奈のサポートを受けながら車椅子で行動している。
当初は戦闘に恐怖を感じて変身できずにいたが、友奈の危機により勇気を振り絞って変身。
以後はバーテックス討伐において重要な戦力となる。
変身後も両脚は不随のままだが、勇者服の背面から伸びるリボンのような帯が触腕のように動作して自立を補助し、移動や跳躍も可能になる。
そのため1期では靴を履いておらず、裸足にトレンカを履いた様な足元だったが、歩けるようになるとリボンが消え、代りに青い靴が追加された。
この他に短銃、散弾銃が追加装備されている。また5話の戦闘の後、左耳の聴覚を失う代わりに遠隔誘導攻撃端末が追加された。
8話では、園子との出会いがキッカケで、勇者システムと満開に対する大赦の応対に疑義を抱くようになり、彼女なりの「実験」の末、勇者システムの真実に行きつく。
園子と再会を果たした際、彼女から「似合っている」とリボンについて言及されるが、須美としての記憶が失われている東郷は園子の涙を拭いながら「思い出せない」と零すのが精一杯だった…。
このリボンは…とても大事な物なの。それだけは覚えてる。
後に、自分の失われた過去と園子との関係を推測して再び園子と接触。
園子に促されて「世界の外」に赴き、バーテックスの正体と世界の真実を目の当たりにする事となる。
こいつらがまた次々と攻めてくるのを、私たちが迎え撃つの…?何回も身体の機能を失いながら…!
この苦しみを一つ一つまた味わう! それも皆が…!絶対、絶対ダメよ、そんなの! どうすればいいの!?
そこから「自分たちは救いのない生き地獄にいる」と絶望に憑りつかれる。
神樹を破壊し、世界もろとも生き地獄を終わらせるべく四国を囲む壁を一部破壊し、神樹に侵攻するバーテックスを手引きする暴走行為を働いた。
東郷さん。何も知らずに暮らしてる人たちも居るんだよ…!
一番大切な友達を守れないのだったら……勇者になんかなる意味がない!頑張れないよ…!
しかし友奈の愛の鉄鎚(勇者パンチ)と説得で我を取り戻し、勇者部の仲間と共にバーテックスを撃退。
決戦後、両脚の自由と左耳の聴覚を取り戻した。
エピローグでは、散華の影響で車椅子生活を送ることになった友奈を献身的に見舞っている。
《勇者の章》
供物を返された事で車椅子を必要としないぐらいに足が回復。さらに須美時代の記憶も取り戻しており、園子や銀のことも思い出している。
しかし、何故か勇者の章開始時点では東郷の存在そのものがなくなっていた。
友奈達の記憶、掲示物やHPに掲載されていた写真にも東郷の姿はなく、最初からこの世界に居なかった事にされていた。
暫くはいつも通り勇者部として活動していたものの、ふとした事が重なり、最終的に演劇の最中に気付いた友奈と慰霊施設を訪れた園子が存在を思い出している。
忘れられるわけがない。絶対、忘れたりなんかしちゃいけないのに…!私、どうして…!
東郷さん! …ここに、東郷美森って子がいたんだよ!!
友奈の言葉が引き金となり、勇者部の面々は東郷の存在を思い出した。
東郷の存在が抹消されていたのは、天の神の怒りを鎮める儀式「奉火祭」の生贄に志願した事が理由。
一期で東郷が壁を壊したことが天の神の怒りに触れており、壁の外の煉獄の温度を上昇させ、結界内を焼き尽くそうとしていたため、奉火際の話を持ってきた大赦へ「壁を破壊してしまった責任は自分にある」と
贖罪の為、行動に踏み切った。
本来ならば「巫女」と呼ばれる少女たちが生贄に選ばれるはずだったのだが、東郷は勇者である他にも巫女の素養を持っていたため、彼女一人で生贄を賄えたのである。
勇者部の面々だけでなく、大赦や他の人物、果ては写真や勇者部HPなどの情報からも東郷の記憶・痕跡が消えていたのは、「事情を知った友奈達なら絶対に阻止・救出に動く」と予測した東郷が先手を打ち、神樹に願い「最初から存在すらしなかった」ように世界を改変してもらったためである。
壁の外において発生したブラックホール内から通じる空間「高天原」にて、御霊が火炙りにされる形で囚われていた。
久しぶりに会ったらブラックホールになってた奴は初めてだわー…。
その後、事態を把握した勇者部と友奈に救出されるが、救出の過程で皮肉にも友奈に自身の天の神の祟りが移ってしまう。
友奈が祟りによって苦しめられている事を結城家に忍びこんだ際に見つけ出した「勇者御記」を通して把握するも、祟りの性質上、具体的な対策を見つけ出す事が出来なかった。
天の神の怒りは収まっていなかった!私が受けるべき祟りなのよ!
日記に書いてあったでしょ。わっしーに移っても本人は祟られたままなんだよ!
それでも諦めず、最後まで友奈を救う手段を模索するが、
そんな中、当の友奈が風達の反対を押し切ってまで神婚することを決意してしまう。
な、ななななな何を言ってるの、友奈ちゃん!? 中学生なのに! 大体、相手は!?
覚悟完了した友奈を止めるべく、勇者部全員で説得を試みる。
更に東郷は、「腹を切る」と半ば脅し同然な言動までして制止しようとするも、友奈を止めることはかなわなかった。
ダメよ!友奈ちゃんが死んだら、ここにいる皆がどれだけ傷ついて辛い思いをすると思っているの!?
私、想像してみたけど…後を追って腹を切っているかもしれない…!
で、でも!東郷さんだって、皆を守る為に火の海に行ったでしょ。
あれだって、自分一人で世界を救えるならって思ったからでしょ!?
そうよ! でも壁を壊した私の自業自得でもあるのよ!
友奈ちゃんは悪くないじゃない! 反対よ! 腹を切るわよ!
しかし、天の神の進攻が始まると大赦からのお役目を承諾しつつも「神婚なんかさせない」と宣言し、勇者部全員で友奈を救出すべく、天の神との決戦に臨む。
風達の尽力もあり、神樹に捕らえられている友奈と対面を果たすが、彼女の意志は固いまま。
東郷はかつての銀の悲劇を繰り返すまいと、必死に説得を試みる。
友奈ちゃんが…誰もやる必要なんかない!大切な人をもうこれ以上奪われたくないの!
本当のことを言ってよ…!怖いなら怖いって…、私には言ってよ!
その
愛の告白言葉で友奈の心を動かすことに成功するも障壁によって阻まれてしまう。
人を…友達を捨ててまで手に入れる世界なんて…そんな世界なんて、いらない…
絶望で心が挫けそうになったその時、東郷の傍に赤い光が舞い降りる。
右腕の無いその姿は、かつて掛けがえのない時間を共に過ごした銀の姿そのものだった。
それだけでなく、無数の光が勇者の形となり、次々と東郷の元へ集結していく。
勇者部の仲間達の祈りに反応して駆けつけた、志半ばで散って行った勇者や巫女達の意志が神樹に働きかけていたのだ。
全ての勇者たちの想い――それを繋げた東郷の意思により、障壁は解除された。
友奈は神樹から解放され、人身御供という名の生け贄は断ち切られたのだった。
私っ、私こそごめん…!皆に、東郷さんに酷い事を…っ!
どうしよう!?世界がっ、世界が終っちゃうよぉっ!!
これで世界が終わるなら、それは仕方のない事なのよ…。
神樹から解放された友奈と和解するも、天の神の圧倒的な力によって、既に樹海は炎の海に包まれていた。
涙する友奈を抱きとめ「友奈の責任じゃない」と諭す東郷。そんな二人のもとに牛鬼が現れ、友奈達を黄金の糸で包み込み、神樹の力を分け与えた。
神樹の力を受けた友奈は大満開を果たし、天の神の下へ飛翔。東郷達が見守る中、友奈の「全部のせ勇者パンチ」が天の神に突き刺さる。
友奈の一撃により天の神は撃退され、世界は本来の姿を取り戻した。
天の神の祟りから解放された友奈を見て園子と共に安堵する東郷や、温かく帰還を祝ってくれた風や樹。互いに和解を果たした夏凛。
勇者部は、勇者部に戻ったのだった。
すべてが終わった後、かつて小学生の頃のクラスメート達から託された応援メッセージが書かれた横断幕を携え、園子と共に銀の墓前に墓参りに訪れる。
そんな二人の陰には、そっと大赦神官の仮面を外す神官…かつての須美達の担任であった、安芸先生の姿があった。
『大満開の章』エピローグでは4年後の姿が描写。
髪を伸ばしてポニーテールにした友奈と違い、こちらは髪を切っており対照的。
調査のためバイクで廃墟となった本土を移動中で、友奈との絆はより一層深いものとなっている。
最後は、荒れ果てた本土をバイクで往く二人の姿で物語の幕が閉じられた。