メガヘクス

登録日:2019/02/14 Thu 18:35:24
更新日:2025/09/27 Sat 23:35:11
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何故単一の個体に執着する?

全ての個体は大いなるシステム・メガヘクスと融合するべきだ。
それこそが全生命にとって最も正しい進化である。



メガヘクスとは、映画『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』に登場する怪人である。

CV三木眞一郎
スーツアクター:岡田和也
クリーチャーデザイン:Niθ



【データ】

身長:231cm
体重:185kg
特色 / 力:機械化されたボディ / ボディの一部を組み替え武器化する


【概要】

人類やオーバーロードインベス(フェムシンム)達よりも昔にヘルヘイムの森の侵食を受けた種族のうちの一体。
これら2つの種族と異なり、黄金の果実に頼らずに惑星ごと全てを機械化する荒業によってその侵食を乗り越えた、いわゆる「機械生命体」と呼ばれる存在である。
銀色のボディとマントに胸部の円形のクリアブルーの球体が埋め込まれた外見は非常にヒロイックであり、 どことなく特撮ヒーロー然としたフォルムである。


【性格】


生命の一つ一つは、脆弱で無価値な存在に過ぎない。
故に、メガヘクスと融合し、偉大なるシステムの一部として存在価値を得るべきである。

……“融合”? まさか、この現象の事か!?

理解せよ。それこそが正しい進化の在り方である。
メガヘクスと共に歩もう、地球よ!


機械化による影響なのか、「全ての生き物は『個』という脆弱で無価値な存在であり、完全な大いなる思考の元に統一されるべき」「自分達メガヘクスこそが唯一完璧な存在である」という歪んだ思想を持ち、他のあらゆる惑星に降り立っては「調和」という名の侵略を繰り返してきた。
ヘルヘイムの脅威に抵抗する為に進化した存在が、結局ヘルヘイムと同質の厄災になり果てるとは何の因果か。

「~である」と語尾につける特徴的な喋り方をし、個々の感情に何の価値も見出さない、まさに機械然とした無機質かつ冷酷な性格をしている。
しかし機械化する前の時期の名残なのか、この手のタイプとしては珍しく感情を有しており、発言の中には感情むき出しで言い放ったものも多い。
そのせいか、機械生命体にありがちな感情そのものを全否定するような発言は見られない。


【能力】

戦闘時には両腕と背中のマントを一体化させ、それを大型のブレードやエネルギーガンとして使用する。
戦闘スタイルはこれらを使用した至極単純明快なものだが、真に恐るべき点は人類を遥かに超越した科学力。
劇中で確認できるだけでも
  • 言語の異なる種族の頭を掴み、脳内を分析する事でその言語を完璧に会得する
  • 腕からチューブ状の触手を伸ばして相手に絡ませ、対象の記憶を瞬時に読み取る
    • そうして読み取った記憶を元に、本物と全く同じ外見、知能、記憶、戦闘力を持った機械のコピーを瞬時に作り出す
  • 外部から手に入れたものは、データを一定上揃える事で自身の体内に取り込み、その能力を思うがままに引き出せるようになる
……といった絶大な科学力を発揮しており、これらを戦闘に転用してアーマードライダー達を苦しめた。
加えて、降り立った星の地表に水色の幾何学模様が描かれた光の床を出現させる事で、生命体を粒子に変えて取り込む事もでき、これが彼らにとっての「調和」に用いられる。
しかし、この最大の武器が逆に自分の首を絞める事になろうとは誰も予想できなかった。


【劇中での動向】

『仮面ライダー鎧武 進撃のラストステージ』

宇宙の神となった葛葉紘汰と高司舞が暮らす惑星に一輪の花を模した宇宙船型の巨大侵略兵器「トーチワーム」と共に飛来。惑星の環境を破壊すると同時に舞を捕らえる。
これに激怒した仮面ライダー鎧武 極アームズと交戦し、単純な近接戦闘のみで圧倒。
その戦闘の最中に紘汰の記憶を読み取って地球の存在を知り、次なる標的に定めた。

地球に来たところで、追ってきた鎧武と再度激突。ヘルヘイムの植物で足場を固められたところを火縄大橙DJ銃の連射と「無頼キック」の連続攻撃を受けてあっさり爆散した。
……はずだったが、その直後に極アームズの背後に現れて天高く吹き飛ばすと、何と鎧武を刺し貫いて殺害した上、極ロックシードを奪い取ってしまった。


君がメガヘクスを受け入れなかったのは残念だ……


直後にトーチワームを呼び出して先ほどまでの如く環境を破壊しつつ、極ロックシードのデータを集めるべく、騒ぎを聞きつけた呉島光実=仮面ライダー龍玄にメカ黒影2体とメカ戦極凌馬=仮面ライダーデューク ドラゴンエナジーアームズを作り出して差し向け、自身は一度撤退した。
だがこの時、倒されたメカ黒影の残骸の中に完全な状態の戦極ドライバーが残っており、撤退間際の仮面ライダー龍玄に回収された後、呉島貴虎の手に渡る事となる。

後日、舞を奪還しに現れた呉島兄弟に対し、再びメカ凌馬や初級インベスプレーンロイミュード(ロストナンバー)のコピーで対抗する。
しかし、これらを全て倒された上に舞も取り返された為、遂に自ら出撃。


君は無価値な感情に支配されている。『個』の存在は不要だ!

フルーツバスケット!

それは……!
戦極ドライバーから得たデータをもとに、メガヘクスのシステムを更新した。
今のメガヘクスは、この力を利用する事ができる。

やめろ!

黄金の果実の力により、メガヘクスは更なる進化を遂げた。

地球の融合は速やかに完了するだろう。
させるかァッ!

君は無力である…!

メガヘクスと融合せよ。それが正しい進化である……!


極ロックシードを取り込んでヘルヘイムの力をも操る強力な存在となり、斬月と龍玄のコンビを大いに苦しめるが、仮面ライダー斬月・真へと変身した貴虎の捨て身の策により、極ロックシードを奪い返されて弱体化。
激怒して胸から放つビームで呉島兄弟と舞を一掃しようとするが、極ロックシードの中にバックアップを残していた紘汰がここで復活。


何故メガヘクスとの調和を拒む!?

全ての生命は、大いなる思考の下に統一されるべきである!


攻撃をことごとく防がれてしまった上に、奮起した鎧武の「無頼キック」と龍玄の「龍玄脚」、斬月・真の「無刃キック」を食らい、今度こそ完全に破壊された。
と思われたが……


諸君の行為は無意味である。

バカな…!? 今度こそ完全に破壊したはずだ!

メガヘクスと融合せよ……

メガヘクスは個にして全。全にして個。
一つ一つはただの端末に過ぎない。
故にメガヘクスを破壊する事は不可能である。
諸君の行為は無意味である……

そうか、復活してたんじゃない。最初からたくさんいたのか!

メガヘクスは地球を融合する。


実は人型のボディは単なる端末であり、本体である「惑星メガヘクス」から無数に生産される量産機の一つに過ぎなかった。なお、この映画に虚淵玄は一切関わっておりません。イヤホントに
鎧武との戦いで破壊されたのに即座に復活したのは、再生したのではなく新しく端末が補充されただけだったのだ。
地球に大量のメガヘクスが転送され、彼らの侵略がいよいよ本格的に始まるのだった……


メガヘクスと共に歩もう、人類よ……


『仮面ライダードライブ ルパンからの挑戦状』


これが太陽系第3惑星の機械生命体・ロイミュードの強化体……
理想のサンプルである。

融合完了! 我、メガヘクスはこれで究極の能力を得た!

“メガヘクス”? 進ノ介、こいつは危険だ!
話はさっぱりだが、危ねえ奴だって事はよーくわかるぜ……!

全ての個体を吸収し、宇宙に一つの平穏をもたらす!


本編ラストにて端末の一体が泊進ノ介達の元に飛来。
仮面ライダールパンことゾルーク東条が放棄したサイバロイドボディZ Z Z(スリーゼット)を吸収し、Z Z Z(スリーゼット)メガヘクスへと進化すると、トーチワームのある沢芽市に戻っていった。


『MOVIE大戦フルスロットル』

飛んで行った端末を追いかけてきた仮面ライダードライブが鎧武達と合流。
メガヘクスを共通の敵と判断して共闘を結んだアーマードライダー達とドライブに対抗するべく、駆紋戒斗=仮面ライダーバロンを作り出す。
しかし……


何をする!?
一つになるだと? 下らん。そんな弱い考えを持つ者など、俺の手で倒す……!

この惑星の『個』は何故ここまで無軌道なのか……?
やはり『個』の存在など不要。メガヘクスこそが、唯一の完全なシステムである!

僕達は確かに無軌道だ。それぞれの思いでバラバラに動く…。だから失敗もする!

肯定する。『個』というエラーを修正せよ。

だが、『個』とはエラーではない。可能性だ。

みんなバラバラで違うからこそ、1人では気付かない新しい可能性が生まれるんだ!
“可能性”だと?
完全じゃなくていい! 俺は互いを認めて、手を取り合う未来を選ぶ!

いいね! お前ら、いいチームだ!


ここにきて自分達の科学力の高さが仇となった。生前の戒斗の弱さを嫌う性分をも寸分の狂いなく再現してしまったせいで、あっという間に敵に回してしまう。
この結果に激怒したZZZメガヘクスは大量の初級インベスとプレーンロイミュード(ロストナンバー)のコピーを大量に生成し、一気に勝負に出る*1
ZZZメガヘクスはドライブ&鎧武と激突。進化した事で手に入れた再生能力で2人を苦戦させるも、舞が生み出したシフトフルーツとドライブロックシードで進ノ介と紘汰もさらに変身。
ドライブ タイプフルーツと鎧武 ドライブアームズの猛攻に押されていき、2人の必殺技を同時に受けて「敗北の原因、不明……」と言い残して爆散し、肉体を喪失した。

だが、この時「ZZZ」のコアが惑星メガヘクスへ飛んでいく光景を見られた結果、ベルトさんに「コアを破壊されれば消滅するというロイミュードの弱点をも受け継いでしまった」事を見抜かれてしまう。
母星へ飛んだコアを破壊しようと、トライドロン タイプフルーツで飛来するドライブと鎧武に対し、母星の防御システムや大量の端末を融合合体させたZメガバットで迎撃する。
しかし機械は果汁に弱かった為、最期はZメガバットもろともコアにトライドロン タイプフルーツの特攻とドライブ・鎧武の「オレンジタイヤ・W果汁キック」を食らい、母星ごと爆発して果てたのだった。


理解不能、理解不能!

メガヘクスの敗北、全てが融合した世界の否定!

何もかもが理解不能!!


直後、地球ではメガヘクスの敗北に伴ってコピーのインベスとプレーンロイミュードの軍団は動きを止めた。
それは地上で戦っていた戒斗もまた例外ではなく……


Z Z Z(スリーゼット)メガヘクス】


我、メガヘクスはさらに進化した!

脆弱な『個』よ、メガヘクスに融合せよ。


データ

身長:231cm
体重:181kg
特色 / 力:特殊強化鋼のボディアーマー / 高速修復能力 / 複数のZZZメガヘクスとの融合合体
進化元:メガヘクス
融合合体後:ZZZメガヘクス


概要

メガヘクスの端末の1体が機能停止したサイバロイドボディZZZを吸収し、さらなる進化を果たした姿。
進化前の特徴だったメガヘクス特有の銀色のボディを残しながらも、胸部と肩部、顔つきは吸収したサイバロイドボディのそれらと似たような意匠となり、「ZZZ」と刻まれた胸部コアやマントの裏地も金色に変色している。


能力

進化前と同じく、両腕を大型ブレードやエネルギーガンに変形させての戦闘スタイルが持ち味だが、以前と違ってマントがそのまま残っている点で異なる。
また、サイバロイドボディZZZ由来の特殊強化鋼でできた身体と駆動機関の恩恵により、相手の攻撃で大ダメージを受けても肉体を瞬時に修復する能力を獲得した。
さらに情報を共有して同様に進化した別の端末と複数体で融合合体する事により、後述のZメガバットとなる事も可能。
だが、強化ロイミュードボディとして造られたサイバロイドボディZZZを取り込んだ結果、前述のように「コアを破壊されると消滅する」というロイミュードと同じ弱点も抱える形となり、これが自身の破滅につながる結果となってしまった*2
それ以外では、本物と全く同じ外見、知能、記憶、戦闘力を持った機械のコピーを瞬時に作り出す能力も健在であり、大量の初級インベスとプレーンロイミュード(ロストナンバー)、そして戒斗のコピーを生み出したが、上記の通り戒斗の性格も完全に再現した事が裏目に出る格好となってしまった。


Zメガバット


身長:20m
体重:47.4t
特色 / 力:大出力のエネルギー砲 / 超高速飛行

巨大ロイミュード(バット型ロイミュードの暴走体)のデータを反映する形で、複数体のZZZメガヘクスが融合合体した形態。
内部の大型駆動機関を高稼働させて放つ紫色のエネルギー砲や追尾ミサイル弾を乱射する他、エネルギー推進による宇宙空間での高速飛行を可能とする。
しかし機械である為に果汁に弱く、トライドロン タイプフルーツから繰り出されたオレンジの果汁(鎧武曰く「ジューシー攻撃」)を吹きかけられた際に「目が…! 目が! 目が!!」と悶絶する羽目になった。

やったな! 機械は果汁に弱いもんな!
ああ!
ホントかね……

さすがにそれだけでは完全に終わらず、すぐさま復帰したのだが、トライドロン タイプフルーツの特攻と鎧武・ドライブの「オレンジタイヤ・W果汁キック」を同時に食らい、惑星メガヘクスごと爆散した。
なお、鎧武とドライブは惑星メガヘクスの大爆発の中心から普通に出てきたトライドロンに直後乗って地球へ帰還している。


【余談】

  • デザインを手掛けたNiθ氏は、『鎧武』本編にて西洋系のインベスやデェムシュ、ロード・バロンなどを手掛けている。
    撮影用のスーツは後のVシネマ『ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター』に登場するエヴォリュードに改造された。

  • 上述の「駆紋戒斗を復活させる」という大ポカだが、それ以前に「メカ黒影やメカ戦極凌馬の変身ベルトを本物同様に再現する」という無駄なこだわり(?)も失策と言えよう。
    実際、破壊されたメカ黒影の戦極ドライバーやメカ凌馬のゲネシスドライバーを光実に回収された結果、仮面ライダー斬月、及び斬月・真が復活する切っ掛けを作ってしまっている。
    かつての戦いで失われたドライバーを勝手に次々復活させ、大敗の一因を自ら作り上げていたとも取れ、良くも悪くも「元の存在とそっくり同じもの」しか生み出せなかったのが、メガヘクスの敗因だったのかもしれない。
    • ただし、その最期もロイミュードをコピーしたがために、弱点まで一緒に再現してしまったという自滅に近いものであり、言い換えればもしロイミュードの活動が始まっていない/終わっていた時期であるならば、アーマードライダー達はジリ貧を強いられ、敗北していた可能性もある。
    • なお、後々展開される『鎧武』関連作品でも、貴虎は以降の戦いでも本作で手に入れたロックシードと戦極ドライバーをそのまま使っているようで、『舞台 仮面ライダー斬月 -鎧武外伝-』『鎧武外伝 仮面ライダーグリドン vs 仮面ライダーブラーボ』でも一貫して斬月の戦極ドライバーは帯がシルバーである。

  • 後に『小説 仮面ライダードライブ マッハサーガ』、及びVシネマ『ドライブサーガ 仮面ライダーハート / 仮面ライダーマッハ』にて、「ロイミュードのコアはたとえ爆散しても空間に個体波長を残し、そこから粒子(固有データ)を集める技術さえあればオリジナルのまま復元が可能」という恐ろしい事実が明らかになった。
    これに従うのならば、宇宙空間に散らばった個体波長をかき集める技術さえあればメガヘクスもまた復元が可能であると考えられる。
    そんな事を実行する存在が今後出ないといいのだが……



何故メガヘクスとの調和を拒む!?

全ての項目は、大いなる追記・修正の下に統一されるべきである!


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最終更新:2025年09月27日 23:35

*1 流石に本家ロイミュード陣営もこの事態はマズいと見たのか、コピーロイミュードを相手に戦っている。

*2 一応、ロイミュードのコアは本来ボディより頑強である為、弱点とも言えないのだが、メガヘクスの元の性質上、突破口として成立した。