漫画の極意(ギャグマンガ日和)

登録日:2019/02/20 Wed 00:55:36
更新日:2025/03/27 Thu 18:09:43
所要時間:約 6 分で読めます




「漫画の極意」とは月刊チェジウで不定期に掲載されるルポ漫画である。本項目では富士36による夢野カケラとの対談について記述する。


【概要】

新人漫画家が月刊チェジウで活動するに当たり、
それに必要なスキルや制作の裏側を同誌で活躍中の漫画家とインタビュー形式で展開されるルポ漫画である。
その中で一番好評だったのは富士36と夢野カケラ先生との回である。

夢野カケラ先生は月刊チェヨンスで連載されていたソードマスターヤマトを始めとした数々の名作を生み出してきた中堅漫画家である。
しかし度重なる打ち切りと黒い噂が原因なのか、
インタビューでは終始体育座りで塞ぎ込んでおり彼の闇が赤裸々に語られ、読者を爆笑の渦に巻き込んだ。


【インタビュー内容】

※一部抜粋

富士36「今日は何とあの夢野カケラ先生に漫画の極意を訊きに来たぞ!」
担当の森「富士君緊張しすぎ」

富士「(ここが仕事場かぁ……数々の作品を世に送り出したプロの仕事場とはいかに)」
富士「おじゃましまーす」

ナレーション「扉を開くとそこには……何とあの夢野カケラ先生が!」

富士「は、はじめまして! 自分、新人の富士36っていいます!」
富士「今日は漫画の極意を訊きに来ました! ふつつか者ですがよろしくお願いします!」

次のコマで、無言でカメラ目線で冷たい眼差しを向けた。

登場早々に新人の挨拶に対して、何の挨拶もしないという失礼な態度をとった。


富士「それでは色々質問させて頂きます!」
夢野「僕なんか、もう……いいよ」

折角のルポ漫画なのに否定的になるというとんでもない対応をした。


富士「漫画を描く上で一番気をつけてることって何ですか?」
夢野「僕は……一人」

次のコマで、無言でカメラ目線で冷たい眼差しを向けた。

夢野自身には友達が居ない噂があったが、それどころかコミュニケーション能力自体崩壊していた事が露わになった。


富士「先生はどんな風に色々なキャラクターを生み出してるんですか?」
夢野「他の漫画のキャラ……そのまま使ったりとか」

夢野の漫画自体どこかで見たような内容のオンパレードであったが、案の定出てきたのはこの回答であった。
キャラではないが恋のトライアングルの時はタイトルが似てたせいで他の漫画の人気を横取りしてたので洒落にならない話である。


富士「最後に僕を含め新人に何かアドバイスを」
夢野「……漫画は描いてほしくないかな」

ただでさえ他の漫画家への敬意を払わないような人物であった為、こんな発言をした模様。
連載枠も人気も独り占めしたいから他の人に漫画を描いてほしくないと思ったのだろうか。


富士「先生、今日は色々聞かせて頂いてありがとうございました!」
夢野「汚い仕事場に……帰ってね」

支離滅裂なインタビューであったが、最後に失礼な発言で締めくくった。
今までの態度や直前の発言も合わせて考えれば、新人に対して相当悪意を持っている模様。




このように態度も発言も滅茶苦茶だった夢野だが、何故か富士36も担当の森もこれらに一切ツッコミを入れてない。
単に富士が実際のやり取りを漫画内で描かなかっただけなのか、夢野の態度に呆れてツッコミを入れる気にすらなれなかったのかは不明。


追記・修正お願いします。











夢野「何だよ このルポマンガ!担当に文句言わなきゃ」





前述の内容は「ギャグマンガ日和」のエピソードの「新人漫画家(ルーキー)があの先生に訊く!漫画の極意」に登場したルポ漫画。つまり作中作である。

ジャンプSQ.に不定期に掲載される同名のルポ漫画をパロディ化した話である。

【登場人物】

今回の主人公で中堅漫画家。
新人漫画家の富士36からルポ漫画制作のため取材を受けたものの、いざ掲載された漫画ではインタビュー内容を改変されまくっていたため憤慨する。
ルポ漫画内では外見はそのままであるが、常に三角座りで無表情のまま明後日の方向を向いているなどかなり暗く不気味な雰囲気で描かれている。

インタビュー中の物言いについて「僕すごい真剣にマンガについて語りました」と豪語していたが、それ故に担当の森から「得意になって語ってましたね」と言われてしまう。
今回も相変わらず実力不足な割に自意識過剰な点が目立つが、インタビューには快く応じているし富士への応対そのものにはさほど問題もなかったので「支離滅裂なことしか言わない根暗な異常者」のようにルポで描かれてしまったのは気の毒な話ではある。
ぞんざいな扱いをされるのには夢野の側にも問題があるとはいえ限度というものはあるし、今回は概ね被害者のポジションと言ってもいいだろう。
インタビュー内容を正確に載せられてもそれはそれで炎上しそうではあるが、だったらそもそも何故実力も実績も足りていない夢野をルポ対象にしたのかというところはある。


  • 富士36
新人漫画家であり、ルポ漫画を描くために夢野の自宅に訪問しインタビューをする。
ルポ漫画内での自画像は擬人化されベレー帽を被った犬か豚のような姿。
インタビューの現場ではまともに振る舞い質問も積極的にしていたのだが、記憶力が弱いにもかかわらずメモも録音もしていなかったため、
断片的に覚えていた言葉を繋げることで内容をでっち上げてルポ漫画を描いてしまった。
ちなみに夢野への印象は「度々目が合ってしまって嫌」だった模様。
漫画内ではやたら緊張してて汗だくだったが、実際は全然そんな事はない。

あくまでルポ漫画なのに最低限のインタビュー記録すら怠っていたり、
内容が薄っぺらかったり説得力がなかったりするのはともかくとして曲がりなりにも真面目に受け答えしていたはずの夢野が自分に無礼で冷たい応対をしたかのように描いたり、
挙句の果てには夢野をサラッと盗作犯扱いしていたりと、他人への態度という面では夢野以上に問題のある人物。
しかしルポ漫画の読者ウケはよかったのか、夢野に先んじて新連載を獲得してしまった。


月刊チェジウの編集者で夢野の担当。
今までは電話越しの登場であったが、(あくまで漫画の中だが)今作で初めて姿を見せた。
七三分けでメガネをかけたよく居るエリートサラリーマンのような風貌だが、ルポ漫画内ではほぼ空気である。
夢野との打ち合わせの時に目が合って不快な思いをしているとカミングアウトしており、今まで真面目に報連相をしなかった理由が明らかになった。
正直なところ職務放棄する理由になっていないが。


【インタビューについて】


以下は実際のインタビュー内容である。()内はルポ漫画に出てきた台詞。
無礼かつ爆弾発言まみれに改変されてしまったルポ漫画と違って挨拶や受け答えは普通にやっている…のだが、
特筆すべきでもない中身のないことを得意げに語っていたり、彼自身が実践できているとは到底言えないようなこともあったりと、これはこれで読者から顰蹙を買いそうな内容ではあったりする。

富士「それでは色々質問させて頂きます!」
夢野(僕なんか)がお役に立てるかわかんないけど、(もう)なんでも訊いて(いいよ)

富士「じゃあまず……漫画を描く上で一番気をつけてることって何ですか?」
夢野「そうだなぁ(僕は……) まず(一人)よがりにならないように、読者にわかりやすくすることかな」

夢野の漫画は(3ページという短い尺で纏める都合上仕方ないとは言え)基本的に不自然なほど説明台詞が多く、ラストファンタジーに至っては丸1ページかけて世界観の説明をしたりしている。
夢野なりに「読者にわかりやすく」することを心がけた結果なのかもしれないが、逆にくどすぎてわかりにくくなっていることの方が多い。
また月刊誌連載なのに意味もなく話を引き伸ばしたり、読者が不満に思っている要素をウザくないと反論したりなど、その点以外でも一人よがりになってしまっている部分は多数見受けられる。

富士36からは上記の内容をメモをとる程でもないと判断されて切り捨てられてしまった
態度としてそれはどうなのというツッコミはさておき、そう受け取ってしまうこと自体は仕方ないかもしれない。


富士「僕キャラクター作りでよく担当さんにダメ出しされるんです。先生はどんな風に色々なキャラクターを生み出してるんですか?」
夢野「キャラかあ……まず(他の漫画のキャラ)と被らないように気をつけて、あとはまあ周りの人をモデルにしたり? 面白い人がいたら(そのまま使ったりとか)しちゃいますね」

ソードマスターヤマトを始めとした夢野の漫画のキャラクターは(あからさまなパクリでこそないものの)どことなく没個性的で既視感のあるものばかりであり、他の漫画との差別化がちゃんとできているとは言い難い。
また、主人公とチームメイトの描き分けができていなかった決めろ!キラメキシュートのように自作品内でのキャラの個性付けもうまくいっていない節があるし、
キャラではないが他作品とタイトルが似ていたせいでトラブルを起こしてしまった前科もある*1

周りの人をキャラのモデルにすることについては、意図的にかどうかはともかくよく行われていることではある。
しかし知人をモデルにした登場人物の描写が問題となって裁判沙汰にまでなってしまった作品が実在したりもするため若干グレーな行為であることは否めない。
夢野のように公言してしまうのは不用意とも言える。

なお富士がメモを取らない上に記憶力が弱いせいでこんな改変をされてしまったため、「音声を録音すればいいでしょ!」と突っ込んでいる(追記修正文の元ネタはこのやり取り)。


富士「最後に僕を含め新人に何かアドバイスを」
夢野「とにかく描きたいものを描いてほしいですね。売れるのも大事だけどそればっかり気にした(漫画は描いてほしくないかな)

理想論としてはそこまで的外れなものでもないが、商業誌に載せる以上は売れる事をしっかり考慮しなくては長続きしない。
少なくとも夢野の場合はまず打ち切りを食らいまくっている現実を直視して売れるためにはどうするべきかを考えた方がいいだろう。
尚ルポ漫画の方の「漫画は描いてほしくないかな」という台詞に対し担当の森からは「まあ実際そういうとこありそうだし…」と言われ、「共に連載を目指す良きライバルですよ!」と反論した。

しかしその後富士の新連載が決まったことを告げられた際には電話機を投げつけて八つ当たりし、「二度とルポ漫画の取材は受けませんからね!」と叫んだ。
まぁ、ちゃんと取材に応じたのに自分に無礼を働いた問題人物に新連載の枠を持っていかれたら怒りたくもなるのは自然なことではあるが。


富士「先生、今日は色々聞かせて頂いてありがとうございました!」
夢野「こんな(汚い仕事場に)来てもらっちゃって、気をつけて(帰ってね)

最後の言葉であるが、今作ではこの実際の発言から話が始まりルポ漫画内の発言で締めくくられる。



……このようにツッコミどころだらけではあるのだが、発言内容自体は当たり障りのないもので他の作家をけなしたりする発言などはないし、富士に対してはそれなりに人当たりよく接している。
夢野が担当に文句を言うのももっともな話ではあるだろう。





【実際の漫画の極意】

ジャンプSQ.にて左藤真大が執筆した増田こうすけ先生とのルポ漫画が掲載された事がある。
1話目は武装化した左藤氏とフォーエバーハンターMASUDAによる茶番劇が繰り広げられる。
案の定、担当編集者の林士平に怒られて2話目からは普通の対談が描かれる。
web上でも公開されているので気になる人はチェックしてみよう。





Q「先生はどんなふうに項目を作っているのですか?」
A「他のWikiの文章……そのまま使ったりとか」

夢野「最低じゃないですか僕!」
森「基本文章チェックしない性分らしくて……」
夢野「じゃあ追記・修正したらいいでしょう」
森「おまけに非常に注意力が弱いらしくて」
夢野「だから追記・修正!」


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最終更新:2025年03月27日 18:09

*1 但し、こちらは作品同士のタイトルが似ないように徹底しなかった編集部が悪い