魔従教団(スパロボ)

登録日:2019/04/12 Fri 20:25:00
更新日:2023/05/05 Fri 12:03:11
所要時間:約 10 分で読めます






我々は、エンデのドグマを以て、このアル・ワースに平穏をもたらす事を最大の喜びと考えています


魔従教団(まじゅうきょうだん)とは、『スーパーロボット大戦X』に登場するオリジナル勢力の名称である。



【概要】

3000年前のアル・ワース創世から設立された組織で、「智の神エンデ」とアル・ワースの大地を信奉する宗教団体。
「アル・ワースの大地との調和」を掲げて争いを好まないが、一方でアル・ワースを乱す存在への抑止力という観点から機動兵器を保有する。

アル・ワースの中央に存在する巨大な樹「真実の世界樹」を聖地とし、アル・ワース各地の地脈に建造された神殿を本拠地としている。
この世界における魔法の一種「ドグマ」の使い手が集っており、聖地にてその研究と研鑽の日々を送っている。
ドグマを修めた者はその証として「〇〇の術士」という二つ名を関するのが習わし。

教団員の最終目的は、組織のトップにしてエンデにもっとも近い存在である「教主」となることだが、設立以来この位階を得た者が一人もいないのが現実。


宗教団体であるが同時に「アル・ワースの法と秩序の番人」として各地の戦乱を鎮圧するなど軍事的な行動を取るのが特徴で、
アル・ワースの歴史で幾度となく重大な役割を果たしてきたことから、アル・ワースの住民にとって尊敬の対象となっており、同時に教団が信仰するエンデはアル・ワースで広く信仰の対象となっている。
つまりはスパロボの主人公部隊と同じような立ち位置と考えれば分かりやすい集団。
モデルはケルト社会において大きな影響力を持っていたドルイド達と思われる。争い事の調停あるいは裁決を行う点や、森や木々との関係の深さに共通する点がある。

当初は主人公もこの教団の一員であり、日々魔法の鍛錬に勤しんでいたが突如脱走。教団を抜けた主人公に追っ手を差し向けるようになる。
加えて物語が進むにつれて教団そのものが戦乱の裏で不審な行動を取っていたことが発覚。
主人公部隊エクスクロスからの不信感も日に日に増していき、物語も中盤となる26話にして対立が深まってゆく。










この先は『スーパーロボット大戦X』の重大なネタバレを含みます。ご注意ください。









【教団の真実】

その実態は、エンデを崇めると同時にエンデの意志の名の元にアル・ワースに戦乱を巻き起こしていた全ての元凶。
正式名称は魔獣教団(まじゅうきょうだん)
宗教団体なのは間違いないが、厳密に言えば魔獣エンデを崇拝する邪教団である。

アル・ワースの戦いを鎮め平和を齎してきたことは事実だが、教団の真の目的は魔獣エンデの好物である負の感情の収集。
アル・ワースに平和を齎してきたのは唯の結果論でしかなく、そもそも教団はエンデの望みに従って3000年間でアル・ワースの戦乱をコントロールしており、
平和を騙る裏でアル・ワースに不要な戦いを引き起こしたり、罪もない人々を容赦なく弾圧するなどの凶行を裏で働いていた。
つまりは彼らの行動すべてが壮大なマッチポンプ。
主人公達に追っ手を差し向けていたのも、教団の内部情報が少しでも漏れることを防ぐための口封じでしかない。


【構成員】

教主

ドグマを極めた者が就く事が出来ると言われている教団の最高指導者。
しかし、設立から3000年までの間、この座に就いた者は1人とて存在しない。

導師

教主に次ぐ教団のNo.2的存在であるが、教主は3000年の長い歴史の中で一人も出て来なかったため不在。
結果導師が実質上の教団のトップに君臨している。
しかし「導師」の役目は、「智の神エンデ」の正体である魔獣エンデの声を聞き、エンデの意思を代行するというエンデの操り人形でしかない。

  • キールディン・エンデ
互いに競い合いなさい、教主の候補達…。それこそが魔従教団の願いです…

教団の最高権力者を務める白髪白鬚の老人。
一見温和な雰囲気の好々爺にしか見えず教団員からも慕われる人格者であるが、裏では教団を使ってアル・ワースで起きる戦乱をコントロールしていた腹黒狸。
異界人の召喚についても教団が関与していることを臭わせており、教団の真実を知った者は教団員であろうと躊躇いなく斬り捨てる冷徹な人物。
彼もまた歴代導師同様エンデの傀儡であり、実際は大それた野望も我欲もなく、ただ強大なエンデの存在に只管怯えきっているある意味哀れな小物。
最終的にエンデに最も近い「教主」の座を欲するセルリックの手により、用済みとして殺害されてしまう。

法師

導師に次ぐ権力を持った魔法使い。
下位にいる術士と異なり仮面は身に着けず、教団における機動部隊の指揮官として術士を取り纏める立ち位置にいる。
法師の名声はアル・ワース全土に轟いており、法師と相対した際はあの剣部シバラクや幻龍斎憧れのヒーローと対面したかのような恭しい反応を見せた。

  • セルリック・オブシディアン
智の神エンデの名の下、君達の思い上がりを正すのみだ

CV:真殿光昭
「黒曜石の術士」の異名を持つ術士。作中では主人公のライバルポジションを担当。
ステッキを持ち、モノクルと黒いロングコートを身に着けて高貴な雰囲気を漂わせている青年。
デザインは八房龍之助が担当。

「教団始まって以来の才能」と言われる程のドグマの腕前を持ち、教団の悲願である教主の座に就くことを期待されている稀代の天才。
理知的で温和な紳士で非常に厳格ながらも落ち着いた性格からカリスマ性も高く、相手がノーマであろうとも差別することもなく本名で呼んで話す、器の広い完璧超人である。
高い実力と「自分こそが法と秩序の体現者である」と言わんばかりの立ち振る舞い故、術士達から「法師セルリック」と呼ばれ尊敬を集めている。

実は教団が裏で戦乱を発生させていたことに薄々感づくなど高い慧眼も併せ持っていたが、
マッチポンプではあるが結果的には教団がアル・ワースの平穏を維持していたことに加え、導師以外の教団員に例外なく施された精神操作の影響からその疑念を表に出してはいない。
だがにこやかな笑顔の仮面の下の本性は「教主の座に就くこと」への強い執着を隠し持つ野心家。
笑顔の下に歪んだ本性を隠し持つという点ではルルーシュに「シュナイゼルに似ている」と評された。

物語が進むにつれエンデの影響によりエゴと野心が肥大化。最初期の理知的な態度から一転荒々しい言動や表情を見せるようになる。
教主の座への執着も次第に膨れ上がり続け、最終的にはキールディンを誅殺することで無理矢理教団の指導者の座を簒奪。
ゼルガードの真実を知るとゼルガードを手に入れるべく、自身と並ぶ教主候補である主人公を本格的に付け狙い始める。

エゴも強烈な歪みを帯び、「法を決めるのは俺であり、秩序とは俺が治める世界にしか存在しない」と断言する冷酷な人物に成り果ててしまう。


術士

一般の構成員達。
無私の証として「エンデの面」と呼ばれる仮面を装着し顔を覆い隠すのが特徴。

本作の男主人公と女主人公。通称「菫青石の術士」と「藍柱石の術士」。
主人公に選ばれなかった者は教団の刺客として主人公を付け狙う。

  • 術士
一般兵担当。
その実態はイオリとアマリ同様、異界から召喚されたドグマを行使する素養のある者達であり、全員がエンデによる精神支配下に置かれている。
終盤ではセルリックが凶行に走ってもそれを全く問題にせず盲目的に崇拝するようになっている。
DLC「大地に生きる」と最終話付近では精神コマンドが魂→覚醒に化け、メッセージが完全に暴走。


【保有機動兵器】

今作は敵勢力としては非常に戦力が少ないのが特徴。
ただし機体性能は高く、ディーンベル系は雑魚であっても耐久力は高め。

ルーンゴーレム


全高:25.2m
重量:48.4t(通常)/57.3t(金)

魔従教団が使役する岩人形。
オドが宿った玄武岩にドグマを注入し、機械的な制御機構と魔力、および制御頭脳代わりの人工生命体「ウォルンタス」を組み込んで作られる。
術式があれば手軽に造れるため、早急に戦力を欲する場合にも用いられる。
ウォルンタスの自己判断により単独でもある程度は自律的な行動が可能だが、術士がいない場合武装の使用に必要な魔力の供給を受けられず内部蓄積された分だけで賄うことになるため、戦闘力は大幅に低下する。
金鉱石を素材にして作られたタイプも存在する。
魔力伝導効率の向上を目的に装甲表面を金でコーティングされ、武岩製の通常タイプよりも性能が高い。
稀に通常タイプが周囲の金鉱石を取り込んで金色に輝く場合もあり、倒されると豊富な資金をばら撒く。

性質も含めあまりに似過ぎているためか、マサキはヴォルクルス教団が用いるデモンゴーレムと勘違いしかけている。
このルーンゴーレムの場合はソラティス神殿に配備された機装兵もモチーフになってそうだが。

敵としては移動後攻撃がなく援護防御に定評があるため、きっちり踏み込んで反撃で対処したい相手。

■武装
  • 玄武のBASALT/黄金のAURUMS
腕部からガトリングのように連射される光弾。後者は黄金版が使用する。



ディーンベル


青い稲妻がお前を攻める!
裁きの雷よ、地を走れ!
エンデの怒りが稲妻となる!

全長:27.9m
重量:51.3t

「オート・ウォーロック」と呼ばれる魔従教団で運用されている人型起動兵器。
外見は機動兵器というよりギリシャ彫刻風のオブジェクトや、術士たちの仮面を連想させる神秘的なデザイン。

オート・ウォーロックの完成型と評されており、約30年にわたり制式採用機として第一線で使われている。
その高い性能は教団の力の象徴とされ、実際に目撃された例は少ないながらもアル・ワースの住民たちには畏敬の念を以て迎えられている。
使い易さを重視した設計ゆえに魔力増幅のリミッターが施されており、術士の実力に性能が左右されない反面パイロットの魔力が一定以上高い場合、それを活かしきれない可能性もある。
実戦においては複数のルーン・ゴーレムを制御・使役する小隊長的な役割を持つ。
デザインは八房龍之助が担当。

MAP兵器やシールド防御、ジャミング機能を搭載しているなど、普通の雑魚機体と思ってかかると意外と痛い目を見やすい。
劇中では敵対した主人公や一般術士が乗りこなす。

■武装
  • 奔流の壱拾参式:TORRENT
MAP兵器。前方に魔法陣を展開し無数の雷撃を放つ。

  • 雷撃の壱拾伍式:TONITARS(トニタルス)
三つの魔法陣を展開し、ビーム状の雷撃を放つ。
最大射程は6だが、終盤の強化機体は7に上がる。



ワース・ディーンベル


君は自分のしたことの罪深さを理解したまえ

智の神エンデが、お前に罰を与える!

全長:29.3m
重量:58.6t
BGM:飢える獣(覚醒時)
デザイン:八房龍之助

セルリック・オブシディアン専用の調整を施されたディーンベル。
「アル・ワース」の名を冠した魔従教団の象徴と言える機体。
外見は黒と金を基調とした豪奢な造形に改修され、より有機的かつオブジェらしさが増している。

通常のディーンベルの特徴であったリミッターが外されパイロットの魔力をダイレクトに増幅可能となったのが最大の特徴。
設計コンセプトはディーンベルの長所である「使いやすさ」にゼルガードの持つ「無限の可能性」を加えた形であり、その凄まじい戦闘力はセルリックの高い魔力も合わさって圧倒的な力を発揮し、教団の敵を葬ってきた教団の最強戦力。
また、異界の門を開くドグマ「FORUS」を単独で使用する事もできる。
こちらもデザインは八房龍之助が担当。

ディーンベルの完全上位互換らしく、HPEN回復、シールド防御、ジャミング機能、オールキャンセラー、指揮系統中枢を搭載したゲーム中屈指の強敵。
セルリックの非常に高いステータスと優れたスキル群、おまけに今作の敵の中でトップクラスの装甲値がその手強さに拍車を掛ける。
最終話ではエンデの力により大量生産されたがさすがに大幅に弱体化した。


■武装
  • 奔流の弐拾陸式/弐拾捌式/参拾式:TORRENT(トレント)
MAP兵器。
前方に巨大な魔法陣を3つ展開し、そこから高出力のレーザーを放つ。

  • 雷撃の弐拾陸式/参拾式/参拾弐式/参拾肆式:TONITARS(トニタルス)
通常のディーンベルと同じドグマだが、展開する魔法陣が7つに増えているのが特徴。
ワース・ディーンベルの前方に出現する7つの魔法陣から強大なビーム状の雷撃を連射する。

  • 消滅の弐式/参式/肆式/伍式:EXHALT(イクスハルト)
特別に秘術を見せてやる…!
消滅しろ、跡形もなく…!EXHALT!砕け散れ!

教主の力を今ここに!
消滅のEXHALT…!絶望と共に消えろ!

セルリックが「伝説のドグマ」と豪語する最大奥義。
掌から夥しい数の小さな魔法陣を放出し背後に展開してから敵目がけて射出。膨大な魔法陣で対象を球状に覆うと、ワース・ディーンベルの掌の中にある小さな球状魔法陣を押し潰すように圧縮。
それに連動して敵機を閉じ込めた魔法陣も収束させることで消滅させる。
SP低下のおまけつきなので当たると地味にキツイ。





追記・修正はエンデの名のもとによろしくお願いします。

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最終更新:2023年05月05日 12:03