登録日:2019/08/25 Sun 01:57:00
更新日:2025/04/06 Sun 00:55:05
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DON'T SET HIM OFF
見惚れるほどの、復讐。
概要
『ジョン・ウィック(原題:John Wick)』は2014年に公開されたアメリカのアクション映画。R15+指定。
監督は本作が初監督作となるチャド・スタエルスキー、ノンクレジットだが後に『
デッドプール2』も手掛けるデヴィッド・リーチも共同監督を務めている。
製作はサンダー・ロード・ピクチャーズ、配給はアメリカではライオンズゲート、日本ではポニーキャニオンが担当した。
生きる希望を失った伝説の殺し屋の壮絶な復讐劇を描く。
主演兼製作総指揮は『
マトリックス』シリーズのキアヌ・リーブス、製作スタッフやキャストにも『マトリックス』の関係者が多く名を連ねている。
監督のスタエルスキーも『マトリックス』でスタント・コーディネイターを務めていた。
現代のアメリカ・ニューヨークの裏社会を舞台とし、全体的に芝居がかった演出や台詞回しが特徴。
主人公はその過去から主要・モブ問わず登場人物の多くと最初から面識があり、顔馴染み故のやり取りも独特な印象を与える。
日本のアニメや殺陣、マカロニ・ウェスタン、マーシャル・アーツ、香港映画のガンフーなどが参考にされたアクションは非常に評価が高い。
また、ドラマシリーズに若き頃のウィンストン・スコットが登場する『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』がある。
あらすじ
一見冴えない男・ジョンは最愛の妻・ヘレンを病で喪い絶望していた。
そんなジョンの元にヘレンが生前に手配していた子犬・デイジーが届き、ジョンは人生に新たな希望を見出す。
しかしある日、愛車のフォード・マスタング・BOSS429を狙って強盗が侵入、ジョンは袋叩きにされた上に車を奪われ、デイジーも殺されてしまった。
ジョンは奪われた車の情報を得るべく馴染みのガレージに向かい、車を持ち込んだ人物の話を聞く。
強盗の正体は以前働いていた組織のボスの息子・ヨセフの一味だった。
一方その頃、ロシアン・マフィアのボス・ヴィゴはヨセフが何を仕出かしたのかを知る。
ヨセフが怒らせたのは、裏社会の人間ならば誰もが震え上がる"伝説の殺し屋"ジョン・ウィック。
ジョンに交渉を無視されたヴィゴは止む無く刺客を差し向ける。
ここに、伝説の殺し屋の凄惨な復讐の幕が上がる。
登場人物
主人公。
かつて「闇の男(殺し屋)を殺す闇の男」として「ババヤガ」の異名で呼ばれた伝説の殺し屋。
鉛筆一本で3人の男を殺した逸話など数々の伝説を持ち、裏社会のある者は親しみを込めて、またある者は畏怖の念を持ってその名を呼ぶ。
結婚を機に引退したものの僅か5年で妻を喪い、彼女から贈られた子犬・デイジーの世話と愛車を走らせることを手慰みに生活していた。
人生に希望を見出しつつあったが、ヨセフの襲撃で全てを失い、復讐のために裏社会に再び足を踏み入れる。
「腕が落ちたんだろう」と自嘲している通り、護衛の主任クラスにはサンドバッグ状態にされることもしばしば。
現役時代は傷を負うことすら珍しかったというウィンストンの評からすると、5年ものブランクによって相当に衰えた感は否めない。
だが、昔取った杵柄で、銃やナイフはおろか周囲のあらゆるものを武器として使いこなし、どれほど深手を負っても動くことを止めず、確実に敵を抹殺する。
主人公補正とは言うな。
何よりも恐ろしいのはその
強靭な意思であり、一度自分が定めた
「仕事」は何があろうとも文字通り
「絶対にやり遂げる」。総合的には作中最強であろう。
一方で、敵対行動を取ってさえいなければ積極的に殺そうとはせず、緊迫した状況でなければ見逃したり忠告をすることもある。
銃はドイツ製のものを好み、本作ではH&K P30Lとグロック26を使用。
「C.A.Rシステム」と呼ばれる、顔の正面で斜めに銃を構える姿が特徴的。
- ヴィゴ・タラソフ
(演:ミカエル・ニクヴィスト/吹き替え:堀内賢雄)
ロシアン・マフィアのボス。ジョンのかつての雇い主であり友人。
老獪で経験豊かなボスだが、一方で非常に頑固で、失態を犯した部下はヒステリックに殺害する。
引退を申し出たジョンに対して「実行不可能な仕事」を条件として提示し、ジョンがそれを成し遂げたことで組織を一大勢力として確立させた過去がある。
ジョンの恐ろしさを誰よりもよく理解しており、息子のヨセフがジョンの逆鱗に触れたことを知った際は言葉を失い、顔を青ざめていた。
それでも親として息子・ヨセフを守るためにジョンに指名手配を掛け、自分の組織の刺客とフリーランスの殺し屋達を差し向ける。
そしてヨセフが殺されると報復としてマーカスを殺害し、これまでのジョンへの因縁を清算するかのように容赦のない勝負を仕向ける。
最期はジョンとの死闘の果てに致命傷を負い、「また会おう」と告げてこと切れた。
演じたミカエル・ニクヴィストは2017年に肺ガンで亡くなった。
- ヨセフ・タラソフ
(演:アルフィー・アレン/吹き替え:金城大和)
ヴィゴの息子。本作ひいてはシリーズ全ての元凶。
次期ボスとしてヴィゴから教育を受けているが、その一環とはいえ趣味混じりの車泥棒を生業とする
チンピラ。
父親の歪な部分をそっくり受け継いでいる上、親の七光りを振りかざす一面まで持っている。
偶然見かけたジョンのフォード・マスタング・BOSS429を気に入り手に入れようと考え、ジョンが何者であるかを知らずに家を襲撃。
車を奪うだけでなく喚くデイジーの殺害を部下に指示したため、激怒したジョンに付け狙われることになる。
その後もヴィゴからジョンの恐ろしさを散々説かれたにもかかわらず、護衛に任せきりで全く危機意識を持っていなかった程に傲慢で救いようがない。
実際に襲われてようやく恐怖を抱くが時すでに遅し。最終的にはアジトで「あんな犬如きに」と言うことすら許されずジョンに撃たれた。
残念でもないし当然。
ファンからはシリーズが続くたびに戦犯扱いされる。
裏社会の登場人物の中でヨセフの一味のみがジョンと面識がない。
- ウィンストン
(演:イアン・マクシェーン/吹き替え:安原義人)
あらゆる殺し屋達が利用する「コンチネンタル・ホテル」のニューヨーク本部のオーナー兼支配人。
ジョンとは親しく、ファーストネームを略さず「ジョナサン」と呼ぶ。
「(裏社会に戻ったのではなく)立ち寄っただけ」と言うジョンに対し、「骨の髄までとことん考え抜いたか?」「一度抜けた君が小指の先でも関わろうとするならドン底に逆戻りするかもしれない」と忠告を行う。
事実、ジョンは裏社会の沼から逃れられず、再び引きずり込まれていくことになる。
コンチネンタルは世界中の殺し屋達のサポートを行う組織であり、裏社会の巨大犯罪組織と同格の地位を持つ。
サービスの利用には独自に流通させている金貨が用いられ、武器の調達、情報の収集、仕事中の宿の提供、医者の手配、死体の始末などを請け負う。
掟の遵守を絶対としており、中でも「ホテルの中での仕事」を厳しく禁じている。
これを破ったものは追放処分とされた上、コンチネンタルを利用する全ての殺し屋から粛清対象とされ遠くないうちに抹殺されることになる。
- シャロン
(演:ランス・レディック/吹き替え:堀内賢雄)
コンチネンタル・ホテルのコンシェルジュ。
ジョン個人に対し大きな敬意を払っている。
- マーカス
(演:ウィレム・デフォー/吹き替え:山路和弘)
ジョンの親友の殺し屋。ヴィゴとも古くからの仲間。
スナイパーライフルを得物とする凄腕の狙撃手。
ヘレンの葬式にも出席し、傷心のジョンを気遣うなど情に厚い性格。
ヴィゴからジョンの殺害を依頼されるが、承知すると見せかけて陰ながらジョンを手助けする。
そして、最後はヴィゴから凄惨な手打ちを受けることに……
- オーレリオ
(演:ジョン・レグイザモ/吹き替え:家中宏)
ジョンの友人で行きつけのガレージの主。ヴィゴの部下でもある。
ジョンのフォード・マスタングを持ち込んできたヨセフを殴り、ジョンの逆鱗に触れたことをヴィゴに伝えた。
- ミズ・パーキンズ
(演:エイドリアンヌ・パリッキ/吹き替え:東條加那子)
ジョンの知り合いの女性の殺し屋。
300万ドル以下の仕事はしない主義。
ヴィゴの依頼を受けてジョンを襲撃する。
コンチネンタルの厳粛な掟を軽視しており、ホテル内で仕事を行ったためその報いを受けることになる。
愛銃は
ワルサー P99。
- アヴィ
(演:ディーン・ウィンタース/吹き替え:根本泰彦)
ヴィゴの右腕の弁護士。
ロシア語はわからない。
掃除屋の老人。
ジョンの依頼で彼の自宅を襲撃したヴィゴの刺客達の死体を始末した。
余談だが中の人は、アニヲタ民にも馴染み深い映画
コマンドーで最終的に「あれは嘘だ」と崖から落とされたチャラ男サリーを演じていた人である。
- キリル
(演:ダニエル・バーンハード/吹き替え:家中宏)
ヴィゴの組織の警備主任。
ジョンとは知古の関係で、彼の恐ろしさも知っている。
- ジミー
(演:トーマス・サドスキー/吹き替え:北田理道)
ジョンと顔馴染みの警官。
現役時代のジョンを知っているため、周囲からの通報を受けて家を訪ねたものの状況を察して直ぐ立ち去った。
- ヘレン・ウィック
(演:ブリジット・モイナハン/吹き替え:竹内絢子)
ジョンの妻。
笑顔が美しい魅力的な女性だったが、病で他界した。
一人残されるジョンを案じて子犬のデイジーを手配していたが、その思いは踏みにじられることになってしまう。
追記・修正は動物病院の犬を連れ、夜の街に消えたらお願いします。
- 飼い主を殺された犬が復讐に燃えて口にくわえた拳銃でマフィアを次々と射殺するパロディ動画見てから本編に集中できなくなってしまった… -- 名無しさん (2019-08-25 08:40:24)
- ヴィゴもこんなおっかねぇのが同じ街にいて息子を同じ道に進ませるなら真っ先に叩き込んどけよ…とは思った -- 名無しさん (2019-08-25 08:58:07)
- 叩き込むどころかあの世界じゃスズメバチの巣に近づくなレベルの常識なので知らない方が悪い。みんな知ってて当たり前レベルなので -- 名無しさん (2019-08-25 09:52:19)
- あの放蕩息子の性格からすると教えたら藪蛇になりそう 「ジョンウィックって凄腕の殺し屋がいるらしいが今は引退しているそうだ 奴を叩きのめせば親父も俺のことを認めるだろ 」みたいな -- 名無しさん (2019-08-25 09:56:34)
- 家中宏のジョン・レグイザモと山路和弘のウィレム・デフォーが観れる俺得映画 -- 名無しさん (2019-08-25 14:05:57)
- ナイトプールのガチムチ男のシーンがすき。分かる人いる? -- 名無しさん (2019-08-25 14:46:32)
- Chaper2でホントに鉛筆で3人殺してて笑った -- 名無しさん (2019-08-26 11:45:51)
- 一応教えはしてたんだろう。多分 -- 名無しさん (2019-08-26 13:22:36)
- 続編で「一時間後追放」をオペレーターっぽいお姉さんがそのまま打ち込んでて笑った。一時間後の時刻打てよ -- 名無しさん (2019-08-27 20:24:55)
- 犬のパロディ見たけど凄いな。足を撃って体制崩すとことか -- 名無しさん (2019-08-31 18:26:26)
- 本来の仇のバカ息子を拷問とかするでなく価値のないゴミみたいに瞬殺するのがなんか好き -- 名無しさん (2019-09-07 15:38:48)
- ガス漏れか? -- 名無しさん (2019-10-02 15:30:38)
- パーキンスとヨセフの死に方があっさりしすぎてたな。個人的にはそこがいまいちだった。 -- 名無しさん (2020-10-24 17:00:18)
- 出番短いけど、馴染みの警官好き。友情とかで見逃したというよりかは若干緊張した感じがあるのも含めて好き。 -- 名無しさん (2020-10-28 10:14:56)
- これは恋人を失い、子犬を得た男のホームドラマ………などではない!!みたいな記事にしてや -- 名無しさん (2020-10-28 11:10:09)
- ヴィゴ「息子を殴ったそうだな?(マジおこ)」→ジミー「ジョン・ウィックの車を盗んだ上、犬を殺したからです(震え声)」→ヴィゴ「あぁ…(震え声)」 -- 名無しさん (2021-01-13 18:52:29)
- ガンアクションの主人公にしては被弾率がかなり高いけど、割とピンピンしてるから恐ろしい -- 名無しさん (2021-01-13 19:18:17)
- 足を洗ったとはいえ組織の発展に貢献した功労者を襲うって、ヨセフは裏社会のタブーを犯してるように思える。 -- 名無しさん (2021-01-17 19:37:09)
- 主人公の境遇や功績は知っているが、自分の息子に100%否があっても馬鹿息子を死なせたくなかったし、ジョンに「馬鹿でも息子だったんだ」的な台詞でジョンとラストバトルしているのがなんともいえなかった -- 名無しさん (2021-12-16 18:42:47)
- 傷を負うのも珍しかった現役時代はマトリックスのネオみたいな感じだったのかなぁ -- 名無しさん (2022-02-09 20:51:32)
- ↑リアルな世界でネオみたいな感じって、それって無敵では -- 名無しさん (2022-02-09 22:11:07)
- ↑引退してブランクがあったとはいえ、本編での暴れっぷりを見たら現役時代はそれこそネオみたいな一騎当千だったと思ってる -- 名無しさん (2022-02-09 23:10:27)
- ヴィゴは最後普通に殺されてないか?また会おうってのはジョークっていうと語弊があるけど、お別れの挨拶だと思ったけどな -- 名無しさん (2022-11-16 13:50:26)
- シャロンの中の人、亡くなったのか…「防弾を貫きます」のシーンがマジでかっこよかった… -- 名無しさん (2023-03-18 21:41:35)
- 犬の敵討ち、と聞いて知る人ぞ知る伝説の迷画『幻の湖』を思い出した私が通ります -- 名無しさん (2023-03-18 23:59:28)
- 息子が車を奪い犬を殺した相手がジョンだと知った瞬間のヴィゴの絶望した顔に笑ってしまう。アレ程分かりやすい詰みの状況は無いからなw -- 名無しさん (2023-09-08 22:52:40)
- ヴィゴは最後普通に死んでね?「また会おう」はお互い手負いの状態だったから「また(地獄で)会おう」って意味だと思うが -- 名無しさん (2023-09-08 23:49:15)
- 愛犬物語…間違ってはいない -- 名無しさん (2023-09-28 20:21:25)
- ヴィゴが生かされたなんて書いてあるけど間違いだぞ。肩じゃなくて頸動脈を刺されて死んでる。また会おうは、地獄で会おうって意味。ジョンも息子を殺されたことにだけは共感したんだろうね。 -- 名無しさん (2023-10-07 23:36:24)
- 今見直したけどヴィゴは実質ホテルでの殺しを命じてるから、あそこで死んでなくても詰んでる気がする -- 名無しさん (2024-05-08 15:32:37)
- ↑実際に手を下した奴だけが制裁対象なのでは? -- 名無しさん (2024-06-14 16:41:15)
- シリーズとして観てから観返すと↑2のヴィゴもミズ・パーキンズもだいぶ命知らずな事してて笑う。400万ドルで連合敵に回すの割に合わねー -- 名無しさん (2024-08-24 02:06:55)
- 「あなたの息子がジョン・ウィックの車を盗み・・・飼い犬を殺しました」 → / (゜Д゜;)) -- 名無しさん (2024-10-04 00:25:29)
- ↑4 後付けと言ってしまえばそれまでだけど、3での主席連合の裁定の様子を見るに、規則破りの教唆であっても処罰は下りそう -- 名無しさん (2024-10-04 00:27:11)
最終更新:2025年04月06日 00:55